my fevorite things

2009年10月27日 (火)

<ジャズ回想 第20回>サウンド・オブ・ミュージック

ジャズという音楽を本当に好きだが、映画も嫌いではない。映画もジャズと同様にちょっと昔のものが好みなのだが、ひとつ・・・僕にとって特別なやつがある。ちょっと大げさに言えば、恩義を感じているくらいなのだ。それというのも、僕が音楽というもの自体に惹かれるようになったのは・・・間違いなくその映画「サウンド・オブ・ミュージック」を見たからなのだ。002_2
あれは僕が小学4年の時~1967年2月だった。あの時代、地方都市の小学4年生がそんなにしょっちゅう映画館で洋画を見るはずもなく、映画と言えば、たまに「ガメラ」や「大魔神」を見るくらいだった。だからあの映画(洋画)鑑賞は、けっこう特別なことだったのだ。たぶん、母親が子供の情操教育に良いと考えたのだろう・・・中1の兄と小4の僕を街の映画館まで連れてきてくれたのだ。

そして・・・母親の思惑通りに、僕はその映画にすっかり感動した(笑) ストーリーの筋書きについては所々で母親に尋ねたりしながら、それでもあんなに長時間の映画でもまったく飽きなかっのは・・・それはやっぱり「歌」の力だったはずだ。マリアが子供たちと山へピクニックに出かけて行って、きれいな緑色の丘でみんなで歌う場面には、それはもうワクワクして本当に楽しい気分になってしまうのだった。

そんな「楽しい感じ」が、たぶん小4の僕の体のどこかに沁み込んでいたのだろう・・・というのも、それからしばらく経ったある日、家にあったポータブルプレーヤーから、なにやら楽しげな唄が聞こえてくる・・・うう、あれは?そうだ!あの時の「音楽」だ! アッという間にあの時の楽しい気分が甦ってきたのだ。005
それは・・・兄貴が友達から借りてきたレコード~「サウンド・オブ・ミュージック」のサントラLP盤だったのだ。兄貴はレコードを聴きながら、熱心にそのジャケットを見ている。あの頃のLP盤というのは、本当に豪華で、見開きページには映画の中の写真も一杯載っていて、それはもう見てるだけでもうれしくなってしまう・・・そういうものだった。003
そのサントラ盤を2~3週間は借りていただろうか・・・その間、兄貴と僕は本当に聴きまくった(笑) ポータブルプレーヤーのターンテーブルは小さくて、だから30cmLP盤は、丸い台からはみ出してしまうのだが・・・それでもちゃんと音はなっていた(笑)そこから「音楽」を聴いていたのだ、ちゃんと。

考えてみたら・・・レコードから「音楽」を聴く~という体験(その音楽を聴くのが楽しいということを意識した上での)を、僕は映画のサントラ盤から始めたことになる。思うに、あの頃には相当に貴重に思えたレコードを、それもLP盤をよく貸してくれたものだ。さすがにそろそろ・・・ということで、そのLP盤は、もちろん兄貴の友達に返したわけだが、その時、もうその音楽が聴けなくなってしまう・・・そんな寂しい気持ちになったのを覚えている。006

それから2~3年後、我が家にステレオセットが来てすぐの頃~当時の子供にとっては、カラーテレビやステレオは・・・「家にやって来る」ものだったのだ(笑)~兄貴が1枚のコンパクト盤を買ってきた。
それは17cmサイズだが33回転のもので、「サウンド・オブ・ミュージック 第2集」というものだった。第2集なので、誰もが知っている「ドレミの歌」とかは入ってなくて、ちょっと地味めな5曲が入っていた。その中の1曲に僕は痺れた。その唄~「わたしのお気に入り」(my fevorite things) が流れてきた時・・・僕は、なにか懐かしい何かに再会したような、温かい何かに触れたような・・・そんな感触を味わったのだ。映画の中で見て聴いた「音」と、借りたLPで聴いていた「音」が体のどこかに残っていたのだろう。「ああ・・・これ、この音、このメロディ・・・聴いたことあるぞ・・・」てな感じで、なによりもその音を再び聴けることで、とてもうれしい気持ちになれたのだ!001

そうして、そのまた 1年くらい後だったか、僕自身が自分の小遣いで買った初めてのLP盤が、もちろん「サウンド・オブ・ミュージック」サントラ盤ということになる(笑)

その頃、僕は中学1年で、ジョン・コルトレーンという名前など、もちろん知るはずもなかった(笑)

| | | コメント (26)

その他のカテゴリー

A&M ABC paramount Alex de Paola Argo Bel Canto Bethlehem Brew Moore Candid Chuck Wayne Clef Columbia Concert Jazz Band Contemporary Coral Decca Dee Gee Discovery division of Liberty Dootone Dragon Emarcy Epic ESP Fantasy Hal Valentine Hi-Fi I'll never be the same Impulse Intro Jack Higgins JAZZ HERO'S DATE BANK Joday Keytone Liberty bluenote Mode my fevorite things Nocturne Norgran Pacific Prestige Ray Fowler RCA victor Riverside Roost Roulette Rumsey Lewis Savoy Specialty Tampa United Artists UK columbia Verve アイリーン・クラール アル・コーン アン・バートン アート・ファーマー アート・ブレイキー アート・ペッパー アーニー・ヘンリー アービー・グリーン アーマド・ジャマル ウイルバー・ウエア ウイントン・ケリー ウエス・モンゴメリー エセル・エニス エディ・コスタ エリオット・ローレンス エリック・ドルフィー エルヴィン・ジョーンズ オスカー・ピータースン オスカー・ムーア オムニバス オリジナル盤 オーネット・コールマン カーティス・カウンス カーティス・フラー キャノンボール・アダレイ キース・ジャレット ギル・エヴァンス クインシー・ジョーンズ クリス・コナー クリフォード・ブラウン ケニー・クラーク コルトレーン コートにすみれを サウンド・オブ・ミュージック サックス吹きラベル サム・ジョーンズ サラ・ヴォーン シェナンドー シェリー・マン シナトラ ショーティー・ロジャーズ シリアルナンバー ジェリー・マリガン ジミーロウルズ ジミー・ウッズ ジミー・ギャリソン ジミー・クリーヴランド ジミー・ロウルズ ジャズ ジュリー・アンドリュース ジョアン・ジルベルト ジョニー・ホッジス ジョン・ベンソン・ブルックス ジョージ・オールド ジョージ・バロウ ジョージ・ラッセル ジョー・ゴードン ジョー・バートン ジョー・プーマ スコット・ラファロ スタン・ケントン スタン・ゲッツ ステレオ1100番シリーズ セルジオ・メンデス セロニアス・モンク セント・ジェームズ病院 ソウル ソニーボーイ ソニー・クラーク ソニー・ロリンズ タッド・ダメロン チェット・ベイカー チック・コリア チャック・ウエイン チャーリー・パーカー チャーリー・マリアーノ チャーリー・ミンガス チャーリー・ラウズ テッド・ナッシュ テンダリー ディスク36 ディック・ツアージック ディック・ナッシュ デクスター・ゴードン トケビ市場 トニー・スコット トニー・ベネット トミー・フラナガン トロンボーン ドン・エリオット ナベサダ ネムジャズイン ハル・マクージック ハロルド・ランド ハワード・マギー ハンプトン・ホウズ バスクラリネット バディ・コレット バド・シャンク バラード バリー・ガルブレイス バート・ゴールドブラット バート・バカラック ビル・エヴァンス ビル・パーキンス ピチカット フィル・ウッズ フランク・ロソリーノ フリップ・フィリップス ブッカー・アーヴィン ブッカー・リトル ブリュー・ムーア ヘンリー・グライムス ヘンリー・マンシーニ ベン・ウエブスター ペッパー ペッパー・アダムス ペテュラ・クラーク ペデルセン ペレス・プラード ボサノヴァ ボビー・スコット ポール・ウインター マイルス・デイヴィス マッコイ・タイナー マット・デニス マトリクス マリアン・マクパートランド マーク・マーフィー ミシェル・ルグラン ミュージカル映画 ミルト・ジャクソン ミルト・ヒントン メイナード・ファーガスン モンクス・ミュージック ライオネル・ハンプトン ラビット・フット・レコード ラムゼイ・ルイス ランディ・ウエストン リッチー・カミューカ リーフラベル リー・コニッツ レイ・ブラウン レコードリスト レコード収納 レス・スパン レッド・ガーランド レッド・ミッチェル ロイ・へインズ ロリンズ ローリンド・アルメイダ ワリー・ハイダー録音Wally Heider ヴァージル・ゴンザルヴェス ヴィクター・フェルドマン ヴィニー・バーク ヴィブラフォン ヴィブラート 秋吉敏子 立花実 艶ありラベル 艶なしラベル 赤ラベル 長方形ロゴ 限定盤 音符ラベル 10インチ盤 25センチ盤 7インチ <やったあレコ> <ジャズ回想> <ジャズ雑感> <思いレコ> <旅レコ> <発掘レコ> EP盤