<発掘レコ>

2005年10月30日 (日)

<発掘レコ 第3回> ヘンリー・マンシーニ/マンシーニ ’67(日本ビクター)SHP-5594

ジャズのマインドで練り上げられた役どころに、しかるべき役者を配する。マンシーニは、見事な演出家なのだ。
   
マンシーニが好きだ。マンシーニがよく使うあのコーラスが「ほわわ~ん」と流れてくると・・・僕は、そこはとなくシアワセな気分になる。そうして、そのいい気分がしばらく心に残る。映画音楽としてマンシーニが作った曲は、どれもシンプルで覚えやすいメロディを持ち、知らぬ間にハミングしてしまいそうな、素敵な曲ばかりだ。本当にいい曲が多い。

しみじみとした情緒のあるタイプの曲・・・例えば<ムーン・リヴァー>~この曲はオードリー・ヘップバーンでも唄えるように、狭い音域の中で作ったメロディだそうだ~あんな風に・・・本当にシンプルで、唄いやすくて、しかも、しみじみとした情緒がある・・・こんなにいいメロディってめったにない。<ムーン・リヴァー>というと・・・1970年頃だったかに、NHKで放送していた「アンディ・ウイリアムス・ショウ」を想いだしてしまう。あの番組のテーマで、いつもこの曲が流れていたのだ。日曜日だったかなあ・・・毎週、この番組を楽しみにしていた。僕の家のTVはまだ白黒だったが、音楽好きの友人が「アンディウイリアムスの目は青いんだぞ!」とうれしそうに教えてくれたりした。

マンシーニのもうひとつの面、キャッチーなメロディを持つユーモラスなタイプな曲・・・例えば<ピンク・パンサー>~これは、あの「泥棒が抜き足差し足・・・」という感じのメロディが、すぐ印象に残ってしまう曲だ。ちなみにあの中のテナーサックスのソロは・・・プラス・ジョンソンという人だ。マンシーニという人は、「曲の演出」がとても巧い人だと思う。それぞれの曲に合ったアレンジ~どんな風にスポットを当てるか?どの場面でどんな楽器を使おうか?~そんなことを巧みに考えているのだと思う。<ピンクパンサー>のテナーは、やはり・・・あのプラス・ジョンソンの、ちょっとアクの強いちょっとお下品なな感じ(笑)の音色で吹かれるべき曲だったのだ。ピタッとはまった演出、という感じがする。仮に・・・この<ピンク・パンサー>のテナーがコルトレーンだったとしたら・・・ほらっ、どうにも違和感があるでしょう(笑)

僕は長い間、こんな風に映画音楽の作曲家としてのマンシーニしか知らなかった。映画音楽だけでも、もう充分に素晴らしいマンシーニなのだが、実は、彼には深いジャズ・マインドがあるようで、「ジャズのテイストあふれる」レコードをたくさん創っているのだ。有名なところでは、アート・ペッパーも参加している「Combo!」というのもあるが、今回は~もう少しポピュラー風だが「ジャズ」を感じさせる~そんな盤を何枚かを紹介したい。mancini_2cut_001

マンシーニ’67(日本ビクター) この盤は、95年3月、普通の中古盤屋さんで入手しているので、特に「発掘レコ」とも言えないのだが、価格が1100円という微妙な?値付けだったので、いわゆる「ラウンジ系のレア盤」みたいな扱いではなかったはずだ。ペラペラのジャケットと細身のオビに惹かれるものがあったし、「サテン・ドール」「いそしぎ」「ラウンド・ミッドナイト」などジャズの曲も多めに入っているので、ちょっと迷ったが入手したのだ。裏解説には・・・「ジェリー・マリガンを思わせるバリトンサックス」とか「有名なスタジミュージシャンが起用されている」とか書いてあるが、はっきりとしたミュージシャンのクレジットは一切なかった。さて、聴いてみると・・・どうにもジャズっぽい。「サテン・ドール」のエンディングの部分では、どう聴いても・・・レイ・ブラウンじゃあないか!というウッドベースも飛び出てくる。それから「いそしぎ」でテーマを吹くトロンボーンはディック・ナッシュだろう。後に、マンシーニのRCA盤がまとめて復刻された際、この「マンシーニ’67」も出たはずだが、その詳しいクレジットによると・・・ベースはやはりレイ・ブラウン。「ジェリー・マリガンを思わせるバリトンサックス」の正体は・・・バド・シャンクであったように記憶している。

もちろん、他にもいい盤がある。
Uniquely Mancini(RCA Victor:LSP-2692)1963年。この盤は、地元「ラビットフットレコード」のラウンジ系コーナーで入手した。Victor犬ラベルのステレオ盤で、キッチリしてとてもいい音質だ。サブタイトルが、The Big Band Sound of Henry Manciniとなっており、<Lullaby of  Birdland><C jam blues><Stairway to The Stars>などジャズっぽい曲も多い。ソロイストには、プラス・ジョンソン(ts)、テッド・ナッシュ(as)、ロニー・ラング(fl)、コンテ・カンドリ(tp)、ディック・ナッシュ(tb)、ヴィンセント・デ・ローズ(french horn)などが、うまいこと配置されている。 好きな1枚だ。mancini_2cut_002

The Mancini Touch(RCA Victor:LSP-2101)1959年録音。   この盤もなぜか地元の「こんぱく堂」で入手。こんな地味なオリジナル盤が、どうして地元トヨハシにあったのだろうか? 余談だが、あるレコードがたどる軌跡というものには・・・ほんとに興味深いものがある。

この盤は、ストリングス入りではあるが、ナッシュ兄弟、ロニー・ラング、ヴィクター・フェルドマン(vib)、ジョニー・ウイリアムス(p)、それからシェリーマンなどがクレジットされている。おもしろいのは、そのクレジットが「ソロイスト」ではなく、「Featured Performers」とされていることだ。純粋なジャズではありませんよ、という意味合いだろうか。まあ、呼び名はなんであっても、少しでも「その人」の演奏が聴ければいいのだ。バラードで演奏される<my one&only love>がいい。イントロや間奏にボブ・ベインのギターが少し入るが、主メロディは・・・これまたディック・ナッシュではないか(笑) 
思うに・・・マンシーニは、トロンボーンという楽器を、すごく好きなんだろう。スロウなしみじみ曲では、たいてい、トロンボーンがメロディを吹く。

Our Man In HollyWood(RCA Victor:LSP-2604)にも、いい曲が入っている。<two little time>だ。センチメンタルな感じに溢れたメロディを吹くのは、やはり・・・ディック・ナッシュ。とろけるようなボントロの音色が素晴らしい。しみじみとしたこの曲の味わいが、この音色でより一層、映えるようだ。

きりきりとしたジャズではないが、しゃれた演出(アレンジ)で、腕利きのジャズメンが気の効いた短いソロをとる~こんなゆったりとした味わいのヘンリー・マンシーニの音楽を、僕は大好きだ。 
それにしても・・・世の中には「いい音楽」がいっぱいだ。これだから、レコードは止められん。

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2005年8月 5日 (金)

<発掘レコ 第2回> 「ペレス・プラード/白熱のペレス・プラード・ショウ」(ユニオン/テイチク)

<ぅううう~ホッ!に笑う子供たち~ペレス・プラードの快感>

DSCN0808音盤コレクター系の方のブログで、「リサイクルショップでのちょっといい格安盤入手記」みたいなのを見かける。これを「猟盤」と表現していることが多い。猟盤~感じ 出てますね(笑) あまたの真性ジャンクものの中から、「ぴくっ」とくるものだけを拾い上げる。狙った獲物は逃がさない~まさに猟盤である。ただ正確には・・・「狙った」のではなく、いろいろある中からいいものを選び取る「消極的セレクト」とも言えるわけで、だからこそ・・・自分のフィルターの調整目盛りをしっかり設定しておかないと、「相対性価値観マヒ症候群」により、ついつい余分なものまで拾ってしまうことになる。これは僕自身の要注意ポイントでもある。(*拙ブログ 7月11日分<発掘レコ第1回 小林旭/大いに唄う~相対性レコード>参照)
余談だが・・・拙ブログ<夢レコ>のリサイクル探索の話しの中で、この「猟盤」という表現を使おうとしていたのだが、「猟」という字にリアリティがありすぎたので(なにかハイエナが辺りを嗅ぎまわっているような・・・それに、まさに自分もそうなんだ・・・という自覚も:笑) 「発掘レコ」という、考古学的フレイバーを感じさせる表現にしたわけです。まあでも、気分は、まさしく「猟盤」である。

オーディオや楽器のリサイクルショップ、HOはチェーンなので、僕の街に1店、すぐの隣街に1店、ちょっと離れた街までいけば、周りに5~6店はあることになる。BOの方が店数は多いのだが、BOは、基本的に本とCDのみで、LP盤は置かないようだ。HOには、仕事帰りに寄ることが多い。500円~2000円の値付け品のLP盤が主力なのだが、たいてい、どの店にも、
50円~200円くらいのLP盤やシングル盤が、「ジャンク品」として置いてある。ジャンクものは返品・交換不可!としてある。まあ元々、タダ(でなくても10枚で100円とか)で仕入れてきたものを、少しでも現金化しよう、ということなんだろう。HOでは、ほとんどジャンクものしか買わない。このジャンクの新入荷ものが狙い目なのだ。ただし・・・いつ入荷するか判らない。
HOは、オーディオ機器や楽器が主力なので、多分・・・「古いコンポ」を売り払うついでに、30枚くらいあるLP盤も、売ってしまう、というパターンだろう。時々、カウンターでLPレコードを拡げてる場面を見かける。入荷してきたレコードに値付けしている場面であろう。どういう具合に値付けが決定されるのだろうか? 僕は、レジそばの楽器やらアンプを見るフリをしながら、しばらく様子をうかがったりするが・・・黙々と作業をしているので、よく判らない。本当は、一部始終を見守りたいくらいのところだが、そうもいかない(笑) 推測だが、おそらくは・・・外見が汚くて古い(外袋のビニールが、白く濁ってるくらいの古いやつ)と~100円、ちょっとキレイなものだと300円とか、これは洋楽だってんで、500円とかの「大体の決め」があって、あとはもう、その値付けする時の個人の判断なんだろう。というのは、同じHOでも個店によって、安め・高めとかなりの差があるようなので。いずれにしても・・・究極の visual grading「見た目評価」 のはずだ(笑) 一般に、洋楽系の「キレイな盤」が、やけに高い。ところが、最近は、70年台の洋楽ロック系に2000円以上も付いており、ヘタしたらまともな中古レコード屋さんより高い、なんてこともありそうだ。さて・・・運がいいと、たまに興味をひくレコードが入ったりしている。僕の場合は、ポピュラー系のボーカルもの、映画サントラ、クラシック。それから、古い「ムード・ミュージック」や「ラテン」ものなどに、食指が動く。ロックやブルース系のベストものなんかがあれば、うれしい。もちろんジャズがあれば、もっとうれしい。

60年代の日本盤には、「外国のミュージシャンが来日した際の日本公演の実況録音」というものが、けっこうあるようだ。ジャズもそうだが、この時代は、外国からのミュージシャン来日、それ自体が、ものすごいイヴェントだったようで、大物タレントになると、日本中を縦断しながら、数多くの街で公演したようだ。「ライブ・イン・ジャパン」に、少しでも付加価値があるとしたら、レトロなものが好きな人間にとっては・・・音源の希少性だけでなく、ジャケも含めて、ちょっとおもしろい「珍盤」のように映るからだ、と思う。ヴェンチャーズの、赤い番傘をさしているジャケの「ライブ・イン・ジャパン」も、なんかいい味わいですよね。(持ってないけども)

ある時、そのHOで「ペレス・プラード/白熱のペレス・プラード・ショウ」(ユニオン/テイチク)という盤を入手した。「ペらジャケ」風造りなのにゲイト・フォールドになってるのも悪くない。オビもやけにレトロな味わいだ(笑) そのオビには・・・「マンボの王様 初の完全ステレオ実況盤堂々登場」などと謳われている。それにしても、モノクロ写真とカラーロゴのジャケ~プラードの、目がすわってしまったような顔つきも、ちょっと怖い(笑)・・・多分、音楽に入り込んでいる状態のショットなのだろう。 でもこのジャケ、なかなかいいじゃないか。クレジットによると、<昭和40年7月29日:大阪 サンケイ・ホール録音>(レコーディング:吉田悦造)となっている。 DSCN0809
見開きの内側には、全メンバーの楽器演奏中の写真、この実況録音の良さをほめる小川正雄の解説もあり、全体に丁寧な造りを感じる。
さあ、聴いてみた・・・これが実に「いい録音」なのだ! こう・・・なんというか・・・いかにも目の前にホールが広がっているような感じ~この時代のステレオ録音が目指したであろう「臨場感のステレオ録音」なのだ。
嫌いじゃない音だ。子供の頃、よくラジオから流れていた、あの「変な曲」~マンボNo.5~あれももちろん演ってる。あの曲が聞こえると、いつも笑えてきたような記憶がある。「う~~~ほっ!」とかの掛け声が、笑いを誘ったのだ。昭和の時代には・・・あの「ほっ!」のたびに、日本中いたるところで、小学生が笑っていたに違いない(笑)

このライブでは、2曲ほど演奏した後、プラードは、片言の日本語で(いかにもローマ字を読んでます・・・うまく読めませんが・・・こんなでいいでしょうかね?という雰囲気を漂わせながら) 「おおきに」などと言ってる。この日本語挨拶に、聴衆はお約束の大喜び。 そうして・・・場の雰囲気が一気に和んでいく。その様子がよく判る。連続で日本に来ていただろうが、それにしても、ショウマンシップの塊りのような人だ。プラード楽団自体が楽しそうに「ノッている」様子だ。楽団の演奏もさすが巧いし、こなれている。こういうライブ盤て・・・悪くないぞ。。録音が聴きやすいいい音質なのでA面を通して聴いてしまった。この僕が「マンボ」をちゃんと聴けるなんて・・・。たまにFMで、マンボやルンバ、タンゴを聴くが、正直に言うと・・・ラテン音楽の持つあまりの濃厚さに、ちょっとついていけない感じがある。1965年で、このノリだったら、やはり黄金時代でのプラード~元祖のマンボNo5の頃の音楽は・・・さぞかし、
すごい「密度」だったんだろうなあ、と慄(おのの)いてしまう。 僕もいつか、こっち方面の音楽にもハマッていくのだろうか(笑) 
ああ・・・音楽ってほんとに底なしだあ・・・。

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2005年7月11日 (月)

<発掘レコ 第1回> 小林旭/大いに歌う(コロムビア)25センチ盤

リサイクルショップの楽しみ~恐怖の相対性レコード。ごく稀に「発掘」。

DSCN0796 リサイクルショップには、時々寄るようにしている。ジャズの在庫は、ほとんど期待できないが、ジャンク品のLPやシングル盤の中に、けっこう捨てがたいものがあったりするのだ。価格は、40円とか50円から、せいぜい200円くらいまでが一般的だ。
(ところが最近は、ちょっと古い70年台のロックLPなんかに、やけに強気の値付けをしてくる。ビートルズなら、もう何でも3000円とか。変な知恵がついてきたようだ(笑)) 
そんなリサイクルショップでは・・・しばしば、「魔の相対性理論」を身を持って味わうことになる。

僕の経験では、リサイクルショップのLP盤在庫で、最も多くみかけるのは、ニューミュージック系(アルフィー、オメガトライブ、甲斐バンドなど)とアイドル系(松田聖子、西条秀樹、シブガキ隊、近藤真彦など)です。
この辺りになると、50円でも誰も買いません。何が「カイ」バンドでしょうか(笑) さて、こんなレコード達の群れを一枚一枚チェックしていくと・・・そうですね。およそ10分ほどで、脳髄が「真性ジャンクLPウイルス」に侵されてきます。このウイルスは強力です。よほどの強い意志力がないと・・・やられます(笑) まず、オメガの群れの間にチラッと見えるエポや竹内まりやが気になりだします。エポ、けっこういいし、まりやも悪くないよな・・・100円なら買っとこうかな?てな具合に。それから、僕のような人間には、とにかく「古い」ものが、新しいものより良く見えるんです。近藤真彦や西条秀樹なんかの間に「フォーリーブス」や「にしきのあきら」を発見すると、ちょっと手が止まりかけたりします(笑)
こんな具合だから、「森山良子」「やまがたすみこ」「尾崎紀世彦」などが出てくると、かなりの「価値」を感じ、一度は手が止まります(笑) 本来、自分が全然好みでないタイプでも、100円なら持っててもいいかなあ・・・という感じになるのです。あまりにたくさんの<マイナス100>を見続けると、<マイナス30>でも「いいもの」に感じたりするようです。
実に怖ろしい、相対的「錯覚」です(笑)。

「洋楽」においてはさらに顕著です。一般に・・・リサイクルショップの値付けにおける価値観は、明らかに、洋楽>邦楽です(笑) 
その証拠に、中古LP~邦楽100円、洋楽300円などと値付けに差をつけているショップも多いのです。正直に告白すると、僕は、この値付けに必ずしも反対ではない。50円と300円でもいいかもしれない。(もちろん全てに、ということではないです) 世代的にも、洋楽から音楽にはまってきたので、単純に「かっこいい」という先入観はぬぐえないものがあるのかもしれない。    

洋楽の在庫で多いのは・・・これはもうノーランズでしょう(笑) ABBAも多い。ビリージョエルもあなどれない(笑)  でも・・・オメガ攻めにあった後に見るABBAなんかは、ポップでいいメロディで悪くないじゃん、くらいに思う。ビリージョエルのなんと本格音楽志向の格調の高いことよ!(ビッグヒットを連発させたので、リサイクルショップでは在庫過多だが、ジョエルにはいい曲が多い。”Just The Way You Are”なんて最高!(あのかっこいいサックスのソロは誰なんでしょう?) 
さらに・・・ちょっと古いインストもの(というより軽音楽)が出てくると、さらにココロ惹かれる。ポールモーリアやレーモンルフェーブルまでは、「まあ、やめとこう」とがまんできるのだが、「サム・テイラー」や「シル・オースチン」を
発見すると・・・かなり、危ない(笑) ジャズ好きもある程度までくると、僕はギター好き、オレはアルトだな、と各々の好みが、特定な楽器に分かれてくる。僕の好み~これはもう・・・テナーだ。テナーの音自体が嫌いじゃないので、ジャズメンが演奏する<テナーによるムード歌謡もの>みたいなのも、一応押さえておきたくなる。(笑) さすがに全曲が演歌、というのはちょっと厳しいのだが、この手のLPって、たいてい半分くらいはスタンダード曲が入っているので、好きな曲が何曲か入っていて、ミュージシャンが、松本英彦、宮沢昭なら、うれしく抜き取ることになる。
DSCN0788  右のレコードは、「エース7」というグループ名義による「夜のヒットスタジオ」(RCA)というイージーなタイトルのムード歌謡盤だが、松本英彦や、鈴木勲が入っている。その右側にチラっと見えるジャケは東芝の歌謡ムード盤だが、テナーは宮沢昭だ。

こんな風にして、リサイクルショップで「相対価値盤」を、いろいろ集めてきたが・・・そんな中、真に<発掘レコ>と呼べるのは、これしかないだろう。

DSCN0797≪小林旭/  大いに唄う ≫   (コロムビア AL-182) 
25センチ盤だ。(この場合、10インチと呼ぶのは似合わない:笑)      3~4年前には、コロムビア時代~クラウン時代の全音源が、CD化されたようだ。この時代の25センチ盤には、ジャズとはまた別の「オーラ」を感じる。ちょっと、歪んだオーラではある。(笑) この盤は、残念ながら、退色が進みつつある。僕の「購入リスト」によると・・・95年の9月24日(日)に入手している。

大量のクズ盤の中から、この25センチ盤がチラッと見えた時、もうダレきっていた僕の脳髄のどこかに、「ぱっ」と閃光がきらめいた! これはもう・・・「超」相対性だ(笑)  ただの25センチじゃあないぞ。あの小林旭だ。まだ、小林旭が本格的に再評価される前だったが、何枚かのシングル盤を聴いていたので、「全てを突き抜けたような何か」を感じさせる、どうも気になる存在だった。この盤で、ほとんどの曲を初めて聴いたのだが、中でも<オレに逆らうな>には、本当に驚いた。「~どいつもこいつも・・・オレに逆らう奴は・・・(とタメておいて)ぶっとばすっ!」てな歌詞の唄が、信じがたいほど、堂々と唄われるのだ(笑) オソロシイ歌手である。小林旭は・・・。今でも、時々聴くのだが、そのたびに・・・理屈ぬきに・・・笑い出してしまう。素晴らしい!

一番上の写真は、与田輝雄とシックスレモンズ(コロムビアAL-215)と松本英彦のポリドール盤だ。この頃のデザイン、嫌いじゃあないのです。

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