<旅レコ>

2006年1月 1日 (日)

<旅レコ 第11回>ロス(郊外)&ホノルル編 

やったあ!アラモアナの裏通りにて中古盤店を発見!ついにLP盤を・・・。

99年6月、「アメリカ」に初めて行った。ロス&ハワイでの流通業の研修だ。ロスについてから、すぐにバスであちこちの巨大ショッピングセンターを次々に回っていった。僕は、ロス=ハリウッドと思い込んでいたので・・・遠くに小高い山々も見えたりすると、あの景色が~山に彫られた人物像たち~今にも現れるのではないか、とバスの中できょろきょろしていた。ところがロスと言ってもやけに広いのだ。観光とは無縁の研修の一行は、うんと南の郊外の辺りをグルグル回っていたようだ。宿泊もコスタメサという街で・・・あとでよく地図を見たら・・・結局、ハリウッド周辺には近づいてもいなかったのだ(笑)

オレンジ郡のショッピングセンターで昼食をとった後、記念すべきアメリカ初の個人的買い物をした。Bordersという書店の中のCDコーナーでCDを1枚だけ買ったのだ。こんな郊外の巨大ショッピングセンターには、LPなんかとてもありそうにない。ここはCDで我慢だ(笑)選んだのは・・・スタン・ゲッツ「Plays Burt Bacharach」$12.99~ちなみにアメリカの値付けというのは[$~.99]というのが多いようだ。別に$0.01だけ安くしても同じなのに・・・(笑) パっと見た目の気分で衝動を誘発しようというセコイ値付けではある(笑)
このゲッツのアルバムは持ってなかったし、CDでも紙ジャケのゲイト・フォールドなのが、ちょっとうれしい。次に寄った巨大モールでは、また大きな書店でシナトラのCDを2枚入手。これは、バーゲンのワゴンに混ざっていたので、各$6.99と格安であった。

しかし・・・やはりCDでは、おもしろくもなんともない。研修とはいえ、ここはアメリカである。あわよくば・・・レコード盤を扱う中古盤店が見つかるかも・・・などと夢想していたのだが、最新型の巨大モール内に、渋い廃盤店などあるはずもない(笑) 月・火・水と「ロス郊外」にいたのだが、やはり研修なので、昼間も夜も一人で出歩く時間もなかった。ロスでは「レコード」はあきらめるしかない。ロス3泊目の夕食は、ニューポートビーチ(ジャズの映画で有名なニューポートは、東海岸だったはず)という港の街だった。この街は、ヨットハーバーがいっぱいあり、近くの通りもオシャレな街並みだった。ここなら、探せば中古盤店もありそうな雰囲気があった。(最近、米オークションにてコンタクトしたある業者の住所が、このニューポートビーチだった。やはり・・・あの街には中古盤店があったのだ・・・) 食事は、ヨットハーバーに面した店の外のテーブル席だった。寒くもな暑くもなく、潮風が心地よくて「初夏の西海岸」という、おだやかないい雰囲気を味うことができた。

ロスからハワイへ移動。このホノルルには木・金・土だ。また空港からすぐに郊外のショッピングセンターをいくつか回った。合間に、いくつかの店で、シナトラ、チェットベイカーなどのCDを何枚か買った。この時点では、もう LP盤入手をあきらめていたのだ。中古レコード屋さんはどこかにあっても見つける時間も行く時間もない、と思っていた。研修第2ラウンドのハワイでは、24hオープンの食品スーパーの夜間営業の実態調査などもあり、寝不足に苦しんだが、金曜日の夜までに研修の発表など、やっつけるべきことをなんとか終えた。その金曜の夜遅くに、研修の仲間達とホテル近くのタワーレコードまで出かけた。アラモアナショッピングセンターのすぐ北側の通りに「タワーレコード」があることは、地図で調べておいたのだ。宿泊したホテルが、このアラモアナ地区だったので、歩いても5分くらいのところだった。そして実は・・・前日の昼間、バスで移動中に、この「タワーレコード」のちょっと裏通り辺りに「中古盤店」らしき店を見つけていたのだ。ちらっと通っただけなので確かではなかったが、あれは確かに「レコード屋さん」だった。
タワーでは、これまたバーゲンのワゴンからブルーベックやらシナトラなどを選んだが、僕はすぐにそこをを抜け出て、辺りを探りに行った。そして・・・あの店は・・・ちょっと裏の通りのほぼ予想していた位置に、すぐ見つかった。ちょっとパンクっぽいような派手なイラストがペンキで塗りたくられたような店で、「Hungry Ear」という名前だった。やったあ!ついに見つけたぞ!レコード屋を。こうなりゃあ・・・もうCDじゃあ我慢ならん!さあっいくぞ!しかし・・・店の前がなんだか暗い。ドアの看板を見ると・・・21時だか22時ですでに閉店している。そういえば、もうとっくに夜の10時過ぎだったのだ・・・。
だが・・・いいのだ。僕は余裕だった。幸運にも、次の土曜日の午後が「完全自由時間」となったのだ。待望の自由時間だ。明日の午後、もう1回、ここにくればいいのだ!どんなレコードがあるか・・・楽しみだ。

土曜日の午前中、ホノルル東部郊外のショッピングセンターの視察が終わったので、仲間と別れて一人でバスに乗り、市街地まで戻った。さあ、今からは自由時間だぞ! アラモアナショッピングセンターを通り抜け、タワーレコードには見向きもせず通り過ぎ、昨夜の裏通りに向かう。「Hungry Ear」に到着だ。「飢えた耳」とは、またしゃれた名前じゃないか。よしっ、今日は開いている。ワクワクしてくる気分を抑えつつ店に入る。入ると左にカウンター。右側にエサ箱がコの字の壁面と中シマに2列だったか。それほど広い店じゃあない。さあ・・・少しでもジャズがあるのか? ジャズのコーナーはすぐ見つかった。エサ箱で7~8列はあった。中古盤店なので、問題は、価格だ。どんな値付けなんだろう? ジャズを見るその前にチェックしたプレスリーとかは、やはり$40~50$以上はしていたが、ジャズの方は・・・あるある・・・ そうして、たいていのものが$10~$15ほどだ。$7~$8のものもけっこうあるようだ。お店の主力がロック系らしくジャズは・・・かなり安めのようだ。こんな具合だと、あれもこれも欲しくなる(笑) わくわくしながら、とりあえず「これは!」という盤を抜いていく。盤質はあとでチェックすればいいだろう。
この店でちょっとおもしろいのは、ジャケットを包むビニール袋が、透明ではなくやや白みがかったものを使っていることだ。最初は、この「白い濁り」のせいで、レコード全体がなんだかほこりっぽいものに感じたのだが、それは錯覚だった。ビニールから出したジャケットを見てみると、案外どれもコンディションがいいのである。だから・・・この「白濁りビニール」には、たぶんジャケの色落ちを防ぐような効果もあるのだろう。

1時間ほどチェックしただろうか。ざあっと抜いた盤が、軽く30枚くらいになっている。$10平均としても$300ほどだ。VG+くらいの盤質とジャケのコンディションであれば、価格的にはもちろん充分に安いのだから・・・まとめて全部!でもいいのだが・・・それよりトランクにどれだけ入るかが問題だ。持ってきたのは小さめのトランクだったし、6泊分の着替えやらで出発時からからそれほど余裕がない状態になっている。座席に持ち込める手荷物もショルダーバッグと紙袋くらいなので、そちらにLP盤をつめこむ余裕はとてもない。トランクは成田から自宅まで宅急便で送ればいいが、手荷物は自分で持ち運ばなくてならないのだ。レコード盤で重くなった手提げ袋を持って帰る、というのは、いくらレコード好きの僕でも耐えられそうにない。してみると・・・とにかく「LP盤はトランク」だ。それを優先にして、どうしてもはみ出るCDやらおみやげなど軽めのものを、大きめの手提げ袋で手荷物にすればいいだろう。ただ、トランクに非常にうまく詰めたとしても、10枚くらいが限界だろうな・・・。そんな段取りを考え、目標を10枚に設定した。ここから・・・いよいよ盤質をチェックした上での絞込みが始まるのだ。

中身の検盤をする際・・・無断じゃまずいかな、と思い、カウンターの若い男に I want to check the surface.OK? と聞いたら、No Problem! とすぐにOKしてくれたので、僕は一枚一枚の盤質チェックを始めた。さて、ここからがなかなか大変なのだ。何かとセコイ僕は・・・あれこれと悩むのだ(笑)振り落とす優先順位は・・・まず、「盤質がイマイチ」なもの。それに「日本盤を持ってる」「案外よく見かける」「OJCでも出てるはず」「買っても聴きそうにない」・・・いろいろな屁理屈をつけて、絞っていくのだ。まあ・・・この絞込みが苦しくも楽しかったりする(笑)

そんな風で、また30分くらいはかかったかもしれない。最終的には・・・やはりまず「持ってないので聴きたい盤」と「今後も含めてその盤の手に入りにくさ」(ほとんど思い込みだが)をポイントにして絞り込んだ。
当時、集めだしていたCadet盤のラムゼイ・ルイスを以下の4枚。herb_ellis__rumsey_lewis4_007

Wade In The Water
Never On Sunday
Hang On Rumsey
The Piano Player

「Hang On Rumsey」~これはライブ盤で、ビートルズのA Hard Days Night や And I Love her を演ったりしているのだが、
これが案外、悪くない。ラムゼイルイスという人は・・・もう体質として8ビートフィーリングが自然に湧き出てくるタイプのようで、しかし・・・とにかく聴き手を楽しませてくれるピアニストだ。だから、このライブ盤では、聴衆がもうノリノリになっていく様子がよく判る。特に売ろうとしてビートルズの曲を取り上げたのではなく、単にこの場の聴衆を喜ばせよう、という芸人の精神の塊りのような人なのだと思う。ジャズロック風の曲の合間に混ぜるバラードも、ソウル節・泣き節がいっぱいのちょっと「クサイ」バラードではあるが(笑)・・それも僕は嫌いではないのだ。

<やったあ度>が高いのは・・・これだ。
Herb Ellis/Three Guitars in Bossa Nova(epic) 
herb_ellis__rumsey_lewis4_006

3ギターというタイトルにあるとおり、ハーブ・エリスとローリンド・アルメイダ、もう一人、ジョニー・レイというギター奏者。
これに、管が1本だけ~ボブ・エネヴォルセンがテナーのみ(この人、普通はどちらかというとヴァルブ・トロンボーン奏者として知られているように思う)で参加しており、このテナーが・・・これが実にいい味わいなのである。ギターやドラム以外の打楽器も加わり、ボサノヴァ好きの僕としては、これはもう予想外に素晴らしくリラックスしたいい演奏の盤である。この盤は、存在さえ知らなかったので、とてもうれいし1枚となった。エピックというレーベルは、案外、復刻がなされてないので、まだまだ未知の盤があまたありそうである。ちなみに写真の下の方に見える「黄色い内袋」は、エピックのオリジナルなのだろうか?広告・活字が一切ないので、全く別のものかもしれないが・・・見た目や紙質に「古み」があるし、センターラベルの色と合わせたオリジナルのinner sleeve のような気もする。(どなたかご存知の方・・・ぜひ、お教え下さい)

Gerry Mulligan/Concert Jazz Band on Tour(verve)T字/銀・黒~残念ながらMGM-Verveです~mulligan_on_tour

マリガンの「コンサートジャズバンドもの」は、いろいろなタイトルがある。At The Village Vanguard(こげ茶色のジャケのやつ)も悪くないが、僕はズート・シムスが好きなので、シムスが加わっている「白のマリガン」~[Concert Jazz Band](<夢レコ> 9月27日の記事「ジャズ10時間聴きまくり」で紹介しております)や、この[Concert Jazz Band on Tour] の方が、より気に入っている。そして、この「~on Tour」は、ゲストソロイストとしてズート・シムスの名をジャケットにわざわざ載せているだけあって、シムスの出番は、この盤が一番多い。シムスのソロも、全体の内容もすごくいいのに・・・なぜだか、この「~on Tour」は、意外と見かけないように思う。

他には・・・エロール・ガーナー(columbia)、ジャキー・パリス(wing)、ジョニー・ホリデイ(kapp)など13枚に落ち着いた。
この時、候補に残していたはずのブルーベックのcolumbia盤2枚は・・・なぜか忘れてしまったのだ。デスモンドも好きなので、最終選考にも残してもよかったのだが・・・はっきりした記憶がないのだが、盤質が悪かったのかもしれない。

アメリカ(ロス&ハワイ)での入手盤は・・・僕の手書きリスト(6月13日の記事<ジャズ雑感 第1回>レコード買いの記録~究極の時系列・・・いや、単に横着な僕のレコードリスト)の欄外に、こう書いてある。
CD  17枚($211)
LP  13枚($126)
今、この数字だけ見れば・・・LPを13枚しか、と思うのである。CDなどには目もくれずにおけば、その「厚み」のスペースであと10枚くらいはLPがトランクに収納できたかもしれないと(笑) もっとも・・・中古レコード盤を入手できたのは、帰る前日の午後である。それも予定にない半日の自由時間ができたことで可能になったことだった。アメリカについてからの月~金までは、「LPは無理かあ・・・じゃあせめてCDでも・・・」という止むに止まれぬ心情だったのだ。やれる範囲でやったのだ(笑) いずれにしても・・・僕はこの8日間を・・・研修よりもレコードゲット作戦に心を砕いていたようだ(笑)

ちなみに、トランクへの「詰め込み作戦」は、本当にピッタリ!13枚のLPを中心に考え、そこから全てを始め、タオル・シャツ・トレーナーなどをうまくパッキングに使い、ギュウギュウに押し込み、なんとかトランクのフタが閉めた、という状態であった。当然、もの凄い重さになった。空港では、仲間に「ちょっと提げてみて」とやり、みんながびっくりするのを楽しんだりした。傑作なのは・・・成田からの宅急便の扱いの時、「あまりにも重いので規定外です。破損があっても保証できませんがよろしいですか?」と書類にサインさせられたことだ。それくらい重かった(笑) 
そうして、成田でもトランクは開けなかった。冗談ではなく、一度フタを開けたら、もう締まらなくなるだろう・・・と思ったのだ。だから中身のチェックもしないまま、宅急便に預けてしまったのだ。
そうして月曜日の夜、自宅に帰り着いたが、「トランク」は翌日、自宅に戻ってきた。外見は大丈夫だ。さあ・・・果たして中身は無事なのか?
~飛行機の荷物室と空港での乱暴(であろう)取り扱い。それから成田からの長距離トラック~これらの難関をうまく乗り越えられたのか? 僕は・・・緊張してトランクの鍵を開け、フタを開けた。グルグルに囲ってあるタオルや衣類の詰まった袋などをとりのぞき・・・いよいよ、レコード13枚の袋を開けてみる・・・・・おおっ!大丈夫だ! どのレコード盤も無事だ。ジャケットのカドも全く曲がってない。盤も大丈夫だ。全て問題なしだあ~!

この時は、本当にうれしかったし・・・何よりほっとした。無理して詰めた「レコード達」に何かがあったら・・・重い荷物を嫌がったこのオレが・・・ちょっと横着をしたために、レコードが痛んだことになってしまう。たぶん、そんな気分もあったのだろう。そういえば、ひとつだけ軽い被害があった。1枚だけ、CDのプラケースがひび割れていた。トランク内で寄りかかった重量に押しつぶされたようだ。やっぱり「プラスティック」はだめだな。「紙」ならどんなに押されても、割れたりしないぞ(笑)  かなりの屁理屈ではあるが・・・やはり・・・アナログは素晴らしい!

それにしても・・・この出不精な僕が、またいつかホノルルに行くことなどあるのだろうか? 飛行機の10時間さえなければ・・・すぐにでも行きたい(笑)

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2005年6月16日 (木)

<旅レコ 第5回> マーティー・ペイチ/モーニン(discovery) 香港でレコードを探す(C面)

<1992年7月>トンロンワンにて、レコード店探索開始!

さて・・・トンロンワンにあるはずの「レコード店/united records」を目指ししばらく Lee Garden辺りを歩いたのだが、どうにも見つからない。南側に向って緩やかな上りになっている。すぐ先に「Garden Hotel」が見える。あれ? こんな遠くじゃないぞ・・・。地図によれば、レコード店は、そのホテルよりかなり下の方だ。ホテルのある小高い丘をとりまくように、ゆるく弧を描いたような横道がいっぱいある。だからシンプルすぎる地図に示されたレコード店が、どの路地なのか判りにくいのだ。しかたないので、上側の横道からジグザグに3つ4つ、順番にチェックすることにした。2つめだかの横道の中ほどで・・・・・ようやく「united records」を発見!小さい建物の2Fだ。回りは普通の住宅も多く、店の看板も小さい。こりゃあ判りにくい。 もう11時過ぎだ。昼までにじっくりチェックだ!と思った瞬間・・・・・ガックリだ。店がまだオープンしてないのだ! う~ん・・・小さい看板には、確かに open am11:00~と書いてあるのに。ちょっとだけその場で待ってはみたが、開きそうな様子がない。  しかたない・・・メイン通りまで戻って「そごう」とかで、時間つぶそうかなあ・・・と思いつつも、続く横道をジグザグと降りることにした。そうしたら偶然にも、2つばかり下の横道で、CDショップを発見したのだ! 店の名が怪しい・・・「京都CAPITOL」というのだ。「京都」の部分が、ちゃんと「漢字」で書いてある(笑) CDは本命じゃあないが、仕方ない。ここで時間つぶしだ。ここも開店直後の雰囲気で、お客は誰もいない。ほとんど期待せずにチェックを開始する。香港でのCDの相場は、昨日の「唱片」(レコード店)巡りで、判っている。新譜CDが100香港ドルくらい、バーゲン価格なら50~70香港ドルてな感じだ。よしっ。さあ、かかってこい!
この店、小さいが、ジャズの在庫は、昨晩の「精美唱片」より充実している。トンロンワンの街全体が、かなりの都会だしオシャレな店も多い。ジャズ音楽への需要もそれなりにある、ということだろう。この店の在庫も、capitol系のCDが多いようだ。バーゲン価格のものは少ない。ほとんど見たことあるようなタイトルばかりだったが・・・ひとつ、「あれっ」というのを発見した。それが、これだ。

Marty Paich/Mornin’ (Discovery DSCD-962) warner音源の「踊り子」と「シャワー」の2in1です。(すみません、CDなんです)

DSCN0698 このCD、今では、特に珍しくもないのだが、1992年当時は、まだ「国内盤CD」が出てなかった。 warner音源のジャズは、なぜか国内盤の発売タイトルが少ないようで、僕は「踊り子」にも「シャワー」にも、国内盤LPに出会ったことがなかった。フレッシュサウンドからは、ジャケ復刻したLPが出てたようだが、これも地方都市の中古店には、なかなか出回らない。そんなわけで、この2枚は、何年も前から、「ぜひ聴いてみたいレコード」だったのだ。
ペッパー絡みでも、またベースのスコット・ラファロ絡みでも、とにかく「聴きたかった」のだ。こんなCDがdiscoveryから出ていることも全然、知らなかったので、この突然の発見は、すごくうれしかった。~うん、これこそ真の Discovery だ!(笑) 欲しかったレコードが2枚分、同時にゲットできるのだ。価格は、110香港ドル~2in1で1650円なら悪くない。DSCN0699こうなりゃCDでもいいじゃないか。2~3年後には、Discoveryと契約したどっかのレコード会社から発売された。その国内盤が発売される頃、ジャズ雑誌に発売広告が載った。「踊り子」の広告写真はジャスト、CDサイズだ・・・ようし・・・。
この右の写真~「踊り子」と「シャワー」のCDサイズ写真は、その広告ページから切り抜いたもの。元のジャケ写真の替わりにケースにはめこんだりしてます(笑) 気分は、国内盤オリジナルCDだ!  とっても意地らしくもあり、せこいのですが・・・おそらく、日本で20人くらいは、同じことをやってる、と僕は確信しております(笑)  ~たまたまこのブログ、見てましたら、ぜひ「僕も、わたしも」の声をお挙げください(笑)~

演奏は・・・「踊り子」、さすがの内容です。59年録音ですが、クレジットによると12人編成の小ビッグバンドの拡がり具合が「すっきりしたステレオ録音」で入ってるように思います。ちょっとだけ、全体にエコーがかかりすぎているようにも感じる。もう少しエコーが少なければなあ・・・と個人的には思う。

~この盤については、最近、オリジナル盤を聴く機会があった。端正な音質はさすがで、A面1曲目~It's All Right With Me が「プア~」と聴こえてきた瞬間、心地いいステレオ録音の拡がりとラファロの「鳴り」が、僕をシアワセな気分にさせてくれた~

ラファロのベースは、中央、やや左辺りから「ブンブン」うなり、「グォングォン」と鳴る。とにかくラファロのビート感(演奏がグイグイと彼のビートに引っ張られていくのだ!) は、どうしようもないくらいに、すごい!
2曲目の<I’ve grown accustomed to her face>このバラードがいい。ラファロよりもう少し左側から、ペッパーが~あのペッパーにしか唄えない節回しとサウンドで~ラファロに絡んでくるあたりが最高。DSCN0700素晴らしい!このCDは・・・CDではあるけれど・・・92年購入時からずーっと僕の愛聴盤だ。いつか、オリジナル盤がほしい。でも・・・高いよ、あれは(笑)

さて、そろそろ「united records」も開く頃じゃあ? 話しはまだ続く・・・。

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<旅レコ 第4回> 香港でレコードを探す(B面) 

トラム(2階立て路面電車)に乗って、銅羅湾/トンロンワンへ向う~

香港3日目。さあ、今日はたっぷり時間があるぞ~! 僕ひとりで丸一日、自由行動だ。同僚たちは、もうマカオに出かけてしまった。
さっそく、スターフェリーでセントラルへ渡る。朝の10時前だったが、やけに人が多い。そういえば、九龍側と違って、セントラル地区は、高いビルやら銀行がいっぱいあるビジネスの街だったのだ。ここから東へ2~3キロはありそうな隣の街へ向うのだ。前の日にアン・バートンを買ったレコード店/united recordsでくれた名刺によると、支店(いや、本店か?)が、隣の街、トンロンワンにあるというのだ。「銅羅湾」と書く。いや、本当は「羅」の字には「糸遍」がつくのだ。英語名だと、コーズウエイベイとか呼ばれているようだ。地下鉄か路面電車で行ける。
香港に来て、スターフェリー、地下鉄と体験したので、今度はあの2階建ての赤い電車~トラムというやつに乗ってみたかった。ビジネス街なので、けっこうクルマがビュンビュン通るが、その道の真ん中に何人かが立って電車を待つ「停留所」がある。こんな風な「路面電車」には慣れている。市電の街~豊橋で生まれ育ったこのオレをなめるなよ(笑)
てなもんで道路を横切って停留所へ・・・もう何人か待っている。まもなく次の電車が来るのだろう。 
<ガオォォォーッ、ゴオォォォーッ>てなサウンドを響かせて、あの「赤い電車~トラム」がやって来た。車幅は案外に狭い。それで2階立てなんで、見た目に安定感がない。そのトラムは混みこみだった。10人くらいが乗り込みたいのだが、なかなか入っていけない。なんとか車内に乗り込むが、1Fフロアにはとても立っていられないので、小さい階段で2Fフロアに上がっていく。
2Fフロアもいっぱいだ。その時、隣の男性~スーツをピシッと着たインテリそうな黒人のビジネスマン風~と目が合った。すかさず、彼が笑顔を見せてくれたので、「も~朝から大変」という気分を共有したように感じた僕は・・・思わず「everyday,so crowded?」(毎日、こんなに混むのか~?と言ったつもり・・・)と訊いたら「yes・・・time(以下不明です:笑)」と答えてくれた。
まあ多分・・・「うん・・・午前中の特にこの時間帯は混むんだよ」とか言ったんだろう(笑) まあ、とにかくあの「トラム」に乗れたわけだ。
各駅(道の真ん中でどこが駅だか判らない)で、少しづつ乗り込む人がいて、徐々にだが、前の方に押しやられていく。しかし、まだまだ混みこみだ。何人かの降りる人を見ていると・・・どうやら降りるときは、前かららしい。 そういえば乗るときは、後ろからだった。
ワンチャイというところを過ぎて、観光案内の小さな地図を見ると・・・もうそろそろ「トンロンワン」のはずだ。そろそろだが・・・とにかく「停留所」に看板がない。アナウンスもない(ように記憶している) 考えてみれば地元の人たちは「歩くより少しは速い」から乗ってるだけで、「通りの風景」を見れば、どこら辺かもすぐ判るわけだし・・・要は、電車が止まったところが「停留所」なんだろう。そうこうしてる内に、大きな繁華街風の街に入ってきた。通りの右側には、いろんな店がいっぱいで、やけに活気がある。ここが「トンロンワン」に違いない。おっ、いよいよ電車も止まりそうだ・・・。外を指差して「トンロンワン? トンロンワン?」と前に座ってるオジサンに訊くと、「うんうん」とうなずいている。あっ!そうだ。前へいかなきゃ! 降りなきゃならぬ、このオレは! でも人がいっぱいだ。前へ前へ! さっきの黒人ビジネスマンも「front,front」とか言ってるぞ。 もう sorry,sorry の連発で、人の群れを押し分け掻き分け、なんとかフロントの降り口までたどり着いた。代金は降りる時、払うのだが、ちょっきりの小銭を用意しておいたので、素早く降りられた。(僕の記録メモを見たら・・・トラム~1.0香港ドルだった。ちなみに、スターフェリーは、1.2香港ドル。)
こんなわけで、この2階建て電車~トラムでの15分は・・・環境的には快適とは言えなかったが、降りたあとに「これも旅の楽しさだなあ」と思わず微笑んでしまうくらい、印象に残る場面になったようだ。トラムは楽しい!

降りてすぐ・・・目の前に「八百屋さん」があったな(笑) トラムの走っているメイン道路はわりと広いが、路地に入ると、もうごちゃごちゃだ。
とにかく、果物やら野菜やら魚やら、食品のお店がいっぱいだ。
さあ、ここが、トンロンワン/コーズウエイベイだ。 カードにある地図を見て「ユナイティッド・レコード店」を探すのだ!この辺りは、メイン道路の右手~緩やかに上っていくような Lee Garden地区だな。地図によると・・・Lee Garden Hotelというホテルの、やや下の方の通りらしい。さあ、全く知らない路地に踏み込んでいくのだ。僕は一人に慣れている・・・Let’s Go!
この時の時刻~推定 am10:30頃。 
~まだまだ元気な僕でした(笑)
(すみません・・・レコード紹介は次回、香港編(C面)に持ち越しです(笑)) 

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2005年6月12日 (日)

<旅レコ 第3回>アン・バートン/アムアイブルー  香港でレコードを探す(A面)

<1992年7月> 初めての海外旅行が、香港だった。<旅レコ第1回>の神戸と同様に、これも社員旅行だ。根が出不精なので、仕事がらみでもないと、旅行にもなかなか行けない。そうして、どうせ行かせていただくのなら・・・空いた時間をうまく使って、レコード漁りです(笑)
香港の旅行ガイド本はいっぱい出ていたので、香港島、九龍にあるレコードショップの大体の場所をいくつか調べておいた。
普通のガイド本には、中古盤屋さんなんか載ってないので、残念ながら新譜ショップのようだ。

3泊4日の2日目、仲間とスターフェリーという船で香港島側に渡る。
最初にセントラル地区の大きなショッピングセンター「ランドマーク」に行く。化粧品やらブランド服のショップが多いが、このビルにレコード店があるはずなのだ。調べておいた 「united records」は、地下フロアの隅にあった。小さな店でCDが中心だったが、奥の方に少しだけLPのエサ箱もあった。さっそくチェック開始・・・。
香港のジャズレコード事情はよく判らないが、どうやらイギリスの影響が強いのか、サッチモやエリントン、ビリーホリデイなどが目立ち、在庫もヨーロッパのレーベルのものが多い。残念ながら、僕の好みのハードバップ系は、ほとんど見当たらない。価格は・・・ほとんどが100香港ドル以上だが、バーゲン品なら60香港ドル(当時、1香港ドル=15円ほど)あたりのものもある。20分ばかりチェック・・・ようやく、ちょっといいな、というものを見つけた。
 
jacketAnn Burton / Am I Blue (keytone) オランダ盤らしい・・・録音も新しめで、ジャケもイマイチだった。この時は、keytoneなんてレーベルも知らなくて、「なんだ・・・オランダ盤か」てな感じだった。だけど、55香港ドルだったし、アン・バートンは嫌いじゃないので、買うことにしたのだ。その後、何年かしてアン・バートンのこのオランダ盤は、日本で、けっこう人気があることが判った。多分・・・国内盤が出てない、というのが人気高の理由なんだろう。

inner_jacket 内容は、悪くない。選曲がやや地味だが、アン・バートンは、いつものようにシットリと唄っている。録音も優秀で、特にベースの音は量感もあり、自然な音質だと思う。
ただ、この盤は・・・残念ながら、今は僕の手元にない。
95年くらいに、ボーカル好きの友人~konken氏の手持ち盤とトレードしてしまったのだ。konken氏に聴かせたところ、とても気に入ってくれたし、僕の方は、やはりインスト盤が本線だったし、大体において、新しい録音(1968年以降くらいかな)の盤に、あまり愛着が湧かない性質(タチ)なので、トレードが成立したのだ。
その時のトレード盤は・・・ゲッツの「ザ・サウンド」(日本コロムビア)だ。その頃は、ベンクト・ハルベルグ(p)入りのストックホルム録音の6曲は、この盤でしか聴けなかったのだ。
・・・そんな訳なので、このアン・バートンのジャケ写真は、最近、konken氏から送ってもらったのです(笑) 
正直に言うと、ちょっと惜しいような気もしているが・・・いいんです!(笑)どのみち、僕は、新しい録音ものはあんまり聴かないんだから・・・などと自分に言いきかせて(笑) 今、久しぶりに聴いています。(konken氏がCD-Rにしてくれたので)・・・やっぱり、いいですね(笑)

さて・・・ランドマークを出て、今度は地下鉄に乗り、九龍側の油麻地(ヤウマアテイ)まで戻る。あたりを仲間と散策し「桃季園」という食堂で昼飯を済ませた後、「それじゃあ僕はちょっと・・・」と仲間とは別れ、一人でレコードショップ探索を開始した。この辺りのどこかで、毎夜、屋台が出てにぎわうとのことだったが、まだ昼間なので、どの店も閉まっているし、屋台は見当たらない。たまに見かける屋台には、幌がしっかりかぶせられており、通り全体に人影が少ない。仕方がないので、やけに広い九龍公園を縦断しながら、尖沙咀(チムシャチョイ)のホテルへ戻る。冷房は効きすぎだったが、夕方までゆっくり休息した。

夜になったので、ネイザンロードを、尖沙咀(チムシャチョイ)から左敦(ジョルダン)方面に歩き始めた。通りの左手にはイスラム風の寺院が見える。このネイザンロードは、大通りで、オシャレそうなファッションやら、バッグ、時計などのブランドショップが、多い。アイスクリームのジェラートなんかもある。5分ほど歩くと、よく香港の写真で見る「国家裕華」という、でっかいネオンが見えてくる。そのデパートの大きな交差点を左に曲がって、すぐの小さい通りを右に曲がると・・・そこからが夜店(多分、ここが男人街だ)の始まりだった。昼間はガランとしていた通りは・・・もうすごい人だかりだ。「ああ・・・これがホンコンの夜店か・・・」 

その通りは、もちろん歩行者オンリーになっており、道路の中央にはぎっしりと屋台が並んでいる。通りの両側のお店からも照明があふれ出し、どの店もなんというか・・・「扉」を開け放っており、道路の屋台と両脇のお店がつながっているようにも見えてしまう。ここでは、「路上」もお店なのだ!その間の空間をたくさんの人々が押し合いへし合い、歩いている、という感じなのだ。とにかく、すごい熱気だ。(この時は、まだ沢木耕太郎の「深夜特急」は読んでなかった。何年か後に文庫化されてから読んだのだが、ホンコンのネイサン通りを、熱に浮かされたように歩き回る様子や、夜店のにぎやかな様子などが、リアルな臨場感をもって想像することができた。素晴らしい本だ。)

「さあ、レコードだ!」てなもんで、その通りを進んでいくと、通りの右側にCDショップを発見!「精美唱片」という名前で、けっこう大きめの店だ。その「精美唱片」でも、やはり100~120香港ドルあたりが標準価格らしく、そう安いとは思えなかった。ただ、人気の落ちタイトルは、どんどん値を下げる売り方らしく、バーゲン品みたいな感じで50~60香港ドル前後のタイトルもチラホラ見つかる。当時、ジャズのCD新譜は2000円~2300円くらい、中古CDなら1400円前後だったので、安い外盤CDが見つかれば、買ってもいいかな・・・というくらいの気持ちで探してみた。
コルトレーン/Like Sonny(roulette/capitol EMI)、ベイシー&ベネット(roulette/capitol EMI)などを選んだ。2枚で110香港ドル。
もう1枚、ディーン・マーティンのクリスマスCDは、アウトシーズンものなんで、なんと30香港ドル(450円)だ。
次に、通りの左側斜め向かいに「時代唱片」を発見。どこもかしこも「唱片」だ。どうやら「唱片」はレコード、という意味らしい。
ここでは、1枚だけ。 Donald Byrd/Free Form(bluenote/capitol EMI) 68香港ドル。安くなってるのは、たいていEMI系だ。

こんな風にして、香港レコード探索初日は終了した。ちなみに、このあたりの「唱片」屋さんには、LPは皆無だった。
午前中に行ったランドマークの 「united records」 のLP盤、在庫状況からみても、どうやらホンコンには、いわゆる
「中古盤屋さん」みたいなのは少ないのだろうな・・・と推測するのだった。
それにしても・・・やっぱりビニールジャンキーとしては、CDよりLP盤が欲しい! 当然ですね!(笑) 明日は、会社の仲間は、ほとんどが「マカオ1日ツアー」に出かける。僕は申し込んでない。1日、完全にフリーなのだ。
よしっ! もう一度、香港島側を探索だ・・・1日あれば、どこにでも行けるぞ!アン・バートンを買った「united records」で「トンロンワン支店」というのがある、との情報を得ている。簡単な地図がついているカードももらってきた。その「トンロンワン」に行ってみようじゃないか! 

~まだまだ元気のある僕でした。(香港編B面に続く:近日中予定)

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2005年6月 8日 (水)

<旅レコ 第2回> セロニアス・モンク/モンクス・ミュージック

~前回の続き・・・ネムジャズインは、毎年土曜日の夜、徹夜で敢行されていた。明け方近く、ラストのセットは「ナベサダのリハーサルバンド」ラストナンバーは・・・<トリステーザ/悲しみ>という曲だ。

CIMG0001

《タクト/日本コロムビアのEP盤4曲入り。後に地元の古本屋~ミヤザワ書店だったかな~で購入。そしたら狙い通り、「あの曲が入っていた!それで、あのサンバ曲が<悲しみ>トリステーザと知ったのだ。ひょっとしたら、<トリステ>と呼ばれているかもしれない。》
・・・このトリステーザが、サンバのリズムで実にゴキゲンな演奏だったのだ。ナベサダやら峰厚介らのソロの後、エンディングはテーマの終わりでブレイク!しばし沈黙・・・バンドも聴衆もああ終わったのか・・・と思ったその瞬間、ナベサダがホイッスルを吹く!そしてそのホイッスルでカウントをとると、再びサンバのリズムが始まる・・・。楽しかったジャズの一夜が、まもなく終わる・・・終わってしまう。いや、まだ終わりたくないんだ! そんな気持ちがナベサダにもバンドにも聴衆にも満ち満ちており、~ブレイク~ホイッスル~カウント~サンバ。これを何度も何度も繰り返す。あの「悲しみ」の印象的なテーマ~楽しくて、明るくて、踊りだしたくなるような、それでいて、ちょっと哀しいようにも感じる、あの素晴らしいメロディが、すっかり、体中に沁みこんで しDSCN0696まったようだ。
そうして、ステージ左後方の空がすっかり白く明るくなった頃、ようやく最後のブレイク・・・ホイッスルは鳴らなかった・・・終わった。台風の風雨と、それを跳ね返すほどの美しい音楽の一夜が、とうとう終わってしまったのだ。《右の写真は雑誌からの切り抜き》

そのまま帰路。ネムの里から「鵜方」という駅までのバスが大混雑だったので、兄貴と僕は、「歩いていこう!」 そのまま徒歩で駅まで向ったのだ。海辺の丘からの長い坂道を下り、入り江沿いの道をトボトボと。1時間半は歩いたなあ・・・。鵜方から近鉄特急で名古屋まで戻るが、なぜかそのまま豊橋には帰らない(笑)それからちょっと、栄方面に寄ったのだ。徹夜の割りには、やけに元気だ。どうやら、ジャズの余韻が残っていて、やたらとハイになっていた高校生だったようです。(笑)

栄から納屋橋方面に5分ほど歩いたあたりに、朝日神社という小さい神社があり、そこを過ぎたあたりに「名曲堂」というレコード屋を見つけた。雑居ビルの1Fにある10坪ほどの小さな店だった。国内盤を置いてある店舗との仕切りガラスの外側~つまり他フロアに行くための通路のガラス寄り~なんと、そんな埃っぽい場所に、ジャズの輸入盤コーナーがあったのだ。
「秋吉敏子」の回に書いたように、当時は新品レコードが2000円~2200円くらいだったので、1500円前後で手に入るジャズの輸入盤には、かなりの魅力があったのだ。今思えば、その頃、手に入れた輸入盤は、60年台後半にアメリカで再発されたニセステ「モノ音源を擬似ステレオ化した盤」が多かったのだ。・・・でも当時(1972年)はそんなことは判らない。「安い」から外盤を買っていたのです(笑)
この名曲堂で、時間をかけて1枚だけ選んだのが~

Thelonious Monk/Monk’s Music(Riverside:RS-3004)CIMG0005

もちろんリバーサイドのオリジナル1stではなく、67~68年頃の米再発盤らしい。こげ茶の環っかラベルの 「abc Riverside」と呼ばれる盤だ。この盤も”electronically rechanneled for stereo” と表示されていた。擬似ステ盤の場合、「ステレオ」モードで聴くと、たいていは・・・
<低音と高音を強引に左右に振り分けてエコーをガンガンにかけたような>不自然な音質と音場感にになってしまう。そんな擬似ステ盤を聴くときには、しかたないので僕の場合は、「モノ」にして聴くことが多いのだ。
ところが不思議なことに、このabc Riverside盤からは、そういった不自然さを感じない。アンプのモードを「モノ」から「ステレオ」に変えても、ほとんど音質/音場感が変わらないのだ。僕の耳にはどう聴いても「モノラル盤」の音なのだ。
コルトレーンやホウキンスのテナーも生々しい。ウイルバー・ウエアのやけに重くて、バカでかいベース音。ブレイキーの少々やかましい(笑)しかしパワフルなハイハットもギシギシと鳴る。モンクのピアノも、強いタッチの力感が充分に感じられる。これらの楽器の音が、中央付近にギュッと詰まった
「大迫力のモノラル盤」の音と思う。特に<well,you needn’t>でのコルトレーンのもがくようなソロ、ウエアの超個性的なリズミックなソロ。もう最高!ジャズの醍醐味ここにあり!(*同一盤をお持ちの方、その音質など、ぜひコメント欄にて、お知らせください)

この「モンクス・ミュージック」は、すぐに僕の大愛聴盤になった。と言っても、まだジャズLPを5~6枚しか持ってない頃のことだけど(笑)
ネムジャズインの興奮の余韻の残る中、初めて寄った名古屋のレコード店で、こんなにもいい盤(僕にとって)を見つけてしまった! なんだろう、この引き合う力は?ひょっとしたら、僕がっともっとジャズの世界に踏み込んでしまうようにジャズの神様が、仕組んだ「罠」だったのかもしれない。うん、それも、素敵な tender trap だったのだ。

・・・あれから33年も経った。今でもジャズという音楽を好きでいられることに感謝したい。(誰にともなく・・・)

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2005年5月29日 (日)

<旅レコ 第1回> ロリンズ/ニュークス・タイム

どうにもジャズが好きだ。この30年ほど、いろんな場所でいろんなレコードを買ってきた。そりゃあ好きな盤はいっぱいあるが、旅先で手に入れたレコードには特別な印象が残っているようだ。そんな盤を<旅レコ>と名付け、少しづづ紹介していきたい。

Sonny Rollins/Newk’s Time(bluenote:liberty UA音符ラベル)

DSCN0770 1980年秋に社員旅行で神戸に行った。宴会の後、うまく抜け出して三宮の雑居ビル2Fにあった「星電社」(タワーレコードという名前になっていたように記憶している)で購入。1800円ほどだったか。ラベルは、オール青の音符マークなので、それほど価値のある盤ではない。ジャケット左上にstereo表示があり、electronically rechanneled for stereo などの表記もないので擬似ステレオじゃあないようだ。聴いた感じは・・・左チャンネルにドラム・ピアノ・テナーが片寄ってベースだけが右チャンネル、というちょっと偏ったバランスだが、全体の音質はわりと自然な感じだ。フィリージョーのパキパキと鳴るドラムやダグ・ワトキンスのぶっといベース、それからもちろんロリンズの大きく膨らんだテナーなど、それぞれの楽器の音もそれほど悪くない。リバティ時代にオリジナルステレオ音源で再発されたものは、ソニークラークのクールストラッティンなど他にもけっこうあるようだ。 リバティのオール青ラベルは、UA(united artists)の文字もあり、多分、ブルーノート外盤では一番安いシリーズだろう。内袋の音符マークも、なぜか軽々しい感じがして哀しい(笑) でも、とても好きな盤だ。

このレコードを買った後、すぐ近くのジャズ喫茶(木馬という名前だったかな)に寄った。旅先の夜、一人で聴くジャズ・・・リクエストしたマイルスのミュートの音色(ネイロ)が妙に心に沁みてきた。 

ああ、これだから、ジャズは止められない。

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