ヘンリー・マンシーニ

2006年10月28日 (土)

<ジャズ回想 第8回>ニーノニーノさんのオフ会 大阪・神戸秋の陣。

10月7日、西から東から14人が藤井寺Yoさん宅に集まった。

<当日かけたレコードのジャケット写真を、Yoさんが送ってくれましたので、BOSEさん提供分も含めて、いくつか追加しました。ジャケットのみの写真がYoさん提供分です。マクレエのこと、少し追加しました。10/31>

福岡のオリジナル盤通販専門店ニーノニーノの新納さん主催の「杜の会」~会とは言っても特に主義主張があるわけでもなく、もちろん何かの誓約書を書かされるわけでもない(笑) ただ単に「音楽を好きな人間が集まっていい音楽をいい音で聴こうではないか」という集いなのだが~2006年の信州:白馬で、新納さんがこう言った。「次は・・・ぜひ九州と本州の方が一緒に集まりたい。そうとなれば・・・集結の地は大阪しかない。Yoさん、ぜひお願いします!」・・・一同、どよめく「おおっ・・・」
春から夏へ・・・その間、大阪(藤井寺)の会場となるYoさんがいろいろと考えを巡らせ、初日にYoさん宅、翌日はメリケンさん宅、その後、神戸のジャズ喫茶Just In Timeさん~という段取りである。お盆の頃には、日程が10月7日(土)・8日(日)と決まった。その頃の「杜」の書き込みから、この「杜の会」が自然と「大阪・神戸:秋の陣」と呼ばれるようになっていった。秋の陣~西から東から大阪に集結する落ち武者たち・・・いや、諸国の武将たち、といった趣ではないか(笑)

そうして先日、ついに「杜の会」が催された。九州からは、DUKEさん(新納さん)、音の匠さん、CROWさんご夫妻、BOSEさん、PSYさん、M54さんと7人。(PSYさんとM54さんは、7日の夜(宴会)からの根性の参加!)
本州からは、群馬のRoxanさん、静岡のパラゴンさん、マントケヌーマーさんと彼女。愛知からのD35さん、konkenさん、それにbassclefの計7人。
皆さん、それぞれに苦心惨憺のスケジュール調整をされての決死的参加なのである(笑)

愛知組の3人は、私:bassclefが朝6時に豊橋を出発。岡崎(konkenさん)~東海市(D35さん)と合流。よしっ、3人で一路、藤井寺へ!と
気合こめて出発。運転はkonkenさん。亀山辺りまで少し混んだが、その後は快調。走るクルマなので飛ばす、飛ばす。10:30頃にYoさん宅に到着した。
笑顔で迎えてくれた奥様に「また来てしまいましたあ(笑)」などと訳の判らん挨拶しながら、2Fへ上がっていくと・・・なにやら聴いたことのある歌声が・・・おっ、これは? 部屋に入ると、Yoさんとパラゴンさんが嬉しそうな笑顔で迎えてくれる。
「やあやあ」・・・と6月以来の再会だ。パラゴンさんは、根性の夜行バスで早朝の大阪入り。8時前には着いていたそうで、もうすっかりこの部屋に馴染んでいる(笑)
パラゴンさんといえば・・・ヴォーカルだ。テーブルの上にはヴォーカル盤ばかり並んでおり、すでにいろいろと聴いてきたようだ。Out_of_the_blue
そうして一番上にあったのが、キャロル・スローンのOut Of The Blue(columbia:ステレオ盤。これはYoさんの手持ち盤) だ。 そうかっ!このレコードだったのか、と嬉しくなる。このレコード、僕の手持ちはモノラル盤(カナダ盤)だったので、ステレオ盤を一度、聴いてみたかったのだ。カナダ盤でもけっこういい音だと思っていたが・・・やっぱりこのレコードは録音も相当にいいようで、ステレオ盤もふくゆかないい音で鳴っていた。どうにもステレオ盤も欲しくなってしまうなあ(笑)
<右上の写真が、Yoさん提供のステレオ盤。下の写真は、僕のカナダ盤。maroon/siliverラベルの「6つ目」も悪くない:笑>_006_2

Spring Is Here(ロブスター) they can't take that love away from me
偶然にもキャロル・スローンの現代盤~78年録音のspring is here(ロブスター)を持ってきていたので、1曲(they can't take that away from me)かけてもらう。
ムラーツのベースが絶妙な巧さを見せる1曲だ。録音はやはりいい。しかし・・・ヴォーカルにはうるさい御仁が揃っている。「やっぱりスローンも年をとってるねえ」とkonkenさん。皆、うんうんと同意。唄はもちろん抜群に巧いのだが先ほどの1961年ころのスローンには、なんとも言いがたい「可愛い色気」があった。あの魅力には抗しがたい(笑)

パラゴンさんが「ペギー・リーはブラック・コーヒーだけじゃないよ~」と言いつつ取り出した10インチ盤。
Peggy Lee/Songs from Walt Disney's Lady and the Tramp(decca)から la la ru 
~ペギーリーがかわいらしい感じで唄っている。パラゴンさん、「こういうペギー・リーもいいんだよな~」と目を細める(笑)

After_glow_2  さて、何曲か聴きながらテーブルの上のお宝盤を見ると・・・エラのmellow mood(decca)の2種~[黒ラベル]と[文字が金色の黒ラベル]~の横に気になる盤が・・・。マクレエのafter glow(decca)だ。<写真:Yoさん提供>   ピアノのレイ・ブライアントが入っているので有名だ。オリジナルは、ジャケットがエンボス(ザラザラになっているやつ)だったとは知らなかった。エンボスだとテカテカしなくて、なぜか品良く感じる(笑)僕はマクレエはそれほど愛聴しているわけではないが、このレコードにはちょっと思い出があり、内容も好きなのだ。all my lifeを リクエストして聴かせてもらう。乾いたマクレエの声が気持ちいい。ブライアントのピアノも輝くようなタッチだ。こりゃあ録音も相当にいいぞ・・・。

ここらで男性ヴォーカルも、ということで・・・僕はメル・トーメを1枚持ってきたので、it's a blue world(bethlehem)から isn't it romantic?を。
ストリングス入りがややコーニーではあるが、やはりトーメは巧い。ベツレヘムの沈んだような音も、実にいい感じでしっとりと鳴る。
このごろ僕は、こういう沈み込んだような音も好きになってきたようだ。

次に、D35さんがヘンリー・マンシーニのpink panther(RCA Victor:dynagroove)を取り出した。
すると隣に座っているkonkenさんも自分のバッグから「同じレコード」を見せてニンマリ(笑)7_001_2   
D35さんは、いつもこのレコードを音を聴く時の軸にしているようだ。
それにしても、このdynagroove盤・・・いい録音なのは判っているつもりだったが・・・出だしから本当に凄い音だ!
冒頭、左の方からピアノのかなり高い方の音「コーン」という乾いた音に続いて、あの「泥棒が抜き足、差し足」みたいなチャーミングなテーマが始まる。
徐々にブラス群が押し出してくる~マンシーニの工夫を凝らしたサウンド群~それら全てが左右にいい具合に拡がった音場に満ちている。
フォルテの場面では、実に気持ちのいい音圧感が味わえる。7_002
それから、もちろんテナーのプラスジョンソン。間に入るこのテナーソロが抜群にいいのだ。あのユーモラスなテーマを充分に生かした、いやらしいような表現力!(笑) だけど実にコクのある色気のある味わい深いソロ・・・だということがよく判る、いや判ってしまう・・・そういう深みのあるテナーの音だった。こりゃあテナー好きの人にはたまらんだろうなあ。(そりゃ、オレか:笑) だから・・・実はこのピンク・パンサー、僕も持っているのです(笑)
<写真~Victor盤は、やはりステレオ盤が素晴らしい。だから、LPM~ではなく、LSP~が欲しい>

お昼の後に、いよいよ秋の杜:本編が始まった。
まず、Dukeさんの「レーベル別でのVan Gelder録音もの」から。
ヴァンゲルダーの録音というと、まずbluenote、prestigeをイメージしてしまうのだが、savoy、verveにもたくさんあるし、ちょっと意外だったのは、riversideやatlanticでの仕事もあったことだ。
各レーベルからいろいろな盤がかかったが、その違いっぷりには、実に興味深いものがあった。
ここでは・・・録音うんぬんというより、そのジャズの中身に参ってしまったTony Willimas/Spring のことを少し。
~トニーのブラシが凄い!とてつもなく速いテンポをブラシで紡ぎだしている。その快速ビートにピーコックが鋭いピチカットで絡んでくる。
この2人だけでも充分にスリリングなジャズになっているのだが、そこへ第1のテナーが右チャンネルから現れるフレーズを細かく刻み、それを少しづつ変化させていく。素晴らしく切味鋭いテナーのソロだ。ショーターのようでもあり・・・いや、ショーターにしてはトーンのエッジが鋭すぎる・・・こちらがサム・リヴァースか?とも思う。ベースソロの後、左寄りから第2のテナーが現れる。今度は、先ほどと対象的に「ロングトーン」を多用して、その音色を変化させつつ、徐々に徐々にフリーキーな音色で鋭いソロになっていく。この第2のテナー奏者~出だしのロングトーンで、「あ・・・やっぱりこっちがショーターか?」とも思うのだが・・・僕が思っているショーターの音色よりも、もうちょっと荒々しくて堅い音色のように聞こえる。そんな具合に、このレコードの2人のテナーには、どちらがどちらか?と迷うことしきりなのだが・・・音色自体の「端正さ」(リヴァースの方が、堅くて荒いトーン」という認識をしているので)と、それから、フレーズの展開の仕方、そのアイディアのおもしろさ・・・そんなことから「いつになく本気を出して鋭いプレイをしたショーター」のように思えくるのだが・・・サム・リヴァースという人自体をほとんど聴いていないこともあり・・・あまり自信がない(笑) 
いずれにしても・・・このextras の演奏の凝縮度は怖ろしく高い。トニーのブラシだけ聴いてみてもいい。ピーコックの切味鋭い高速4ビートだけ聴いてみても凄い。しかしその2人に絡むテナー奏者のソロとそのテナーに触発されて変化していくリズム隊2人の応用力というか、その変幻自在な流れに「素晴らしい音楽の一瞬」みたいなものを感じた。エンディングもしゃれている。最後、独りになったトニーがブラシとハイハットだけでしばしの間、リズムを刻む・・・そしてその急速テンポを半分に減速するような素振りを見せつつ・・・いきなり「ッポン!」というショットで終わるのだ。ブラシに始まりブラシに終わる・・・実に潔い(笑)これまでちゃんと聴いたことのないレコードだったが、この1曲は凄い!とようやく判ったようである。
_005_9  <写真の盤は、manhattan capitol ~通称DMM bluenoteだ。ちょっと哀しい(笑)>

この後は、皆さんの持ち寄り盤から1曲づつアトランダムにいこう、ということになった。
それぞれの方のかけたレコードの紹介と、その時の印象を思いつくままにに書こうと思う。

Yoさん~(以下、コーンからホウズまでの5点の写真はYoさん提供)

Cohn_on_the_saxophoneAl Cohn/渦巻きのコーン・・・Cohn On The Saxphone(dawn)~地味だけど実にいいレコードだ。いつもは柔らかい音色のアル・コーンだが、アドリブの中で、高音の方にいくと、時に鋭い音を発する。その時の音のかすれ方が・・・ちょっとレスターヤングに似ているのかもしれない。最後にかかったレスターを聴いた時、そんなことを感じた。

Birth_of_a_band_2Quincy Jones/A Birth Of thd Band(mercury) gypsy~このレコードは、Yoさんの愛聴盤である。

Al & Zoot/You an' Me (mercury)  you 'n me
~このレコード、録音はたしかに素晴らしい。ベースの音も輪郭鮮やかで音像も太い。Youn_meドラムのシンバルなど、最近の高品質録音のような雰囲気だ。隣にいたBOSEさんとそんな感想を言い合う。僕は、しかし・・・このズートやコーンが気持ちよくスイングする60年ころのジャズの「感じ」に、この「近代録音」の音質は、イマイチそぐわない・・・そんな印象を受ける。ドラムやベースがあまりに軽くスムースに流れるようなところもあって、ちょっとレコード全体に「渋み」が欠けているような感じがするのだ。だから、音のよさが却ってこのジャズを「軽く」している・・・そんなようなあまり根拠のないことを思ってしまう僕であった。

Jazz_sahib_1Sahib Shihab/Jazz Sahib(savoy) blu-a-round(写真:左)
~このレコードもそういえばヴァン・ゲルダー録音であった。僕はこのレコードは・・・ピアノがビル・エヴァンス(B面のみ)ということもあり
CBSソニー盤を入手してよく聴いたものだ。久しぶりに聴く初期エヴァンスのピアノは実にクールな装いで、やはりいいのである。
フィル・ウッズはこの盤でも大活躍だ。先ほどのクインシー・ジョーンズでのgypsyもそうだったが、ウッズという人は、与えられたスポットでいつも覇気のあるソロを取り、きちんとまとめてくる。本当に巧いアルトである。いい音で聴くいいアルトは快感でもある。それにしても後でよく考えてみると、宴会の後のアフターアワーズでもかかったWarm Woodsも含めて・・・この日は「フィル・ウッズ特集」でもあったようだ(笑)For_real

Hampton Hawes/For Real(contemporary) hip ~このコンテンポラリー盤は、何度聴いても本当に最高だ。ラファロのぐッと引き締まったベースが右チャンネルから「ビートの権化」となって押し寄せてくる。バトラーのドラムの乾いたスネア音やらホウズのピアノの、あの全く粘らない跳ねるように小気味のいい独特なタッチ。それからもちろんハロルド・ランドのテナー。この人のテナー・・・テーマの合わせとかが抜群に巧いので、その演奏自体もソフトだと思われているかもしれないが・・・意外に硬質な鋭い音色である。そんな具合に、全ての楽器の音が~ミュージシャンが気迫を持って発したであろう楽器の音が~等身大の実在感を持って押し出してくる。そんな感じだ。もちろんYoさん自身が意識的に調整してきたのであろうが・・・「コンテンポラリー」というレーベルについては、全く見事に(いい・悪い/好き・嫌いのレベルではなく)「あるべき音・出してほしい音~そういうバランス」で、鳴らしきっているのだ。そう思えてくる。素晴らしい!

Sonny Rollins/Sound of Sonny(riverside)     ~the last time I saw Paris もかかったな。これはピアノがソニー・クラークだ。

Zoot Sims/Tonit's Music Today(storyville)   ~I hear a rhapsody Tonite_music_today_1

この1曲だけは、シムズのワンホーンだ。バラードをじっくりと吹き進むシムズの唄心には参ってしまう。I hear a rhapsody・・・好きな曲だ。BOSEさんご自身も「よくできたCDだと思っていた」という徳間CDとの聴き比べでは・・・CDでは全体的にドラムスやベースが強調されていたような感じを受けた。そして、オリジナル盤で聴いたシムズのテナーは、やはり・・・響きが自然で、より陰影に富んでいたように思う。                    <上の写真:tonite's~はYoさんの手持ち盤。BOSEさん宅でこのレコードを聴いて気に入ったYoさんが、その後に入手されたとのこと>      

BOSEさん~
Go_manSonny Criss/Go Man!(imperial)blue prerlude ~ジャケットを見て「おおっ」と軽いどよめき。ソニー・クリスもいいのだが、このレコード、ピアノがソニー・クラークなのだ。このジャケットを見て、僕は、スクーターのスタンドが立っている絵とスタンドがない絵と2種類のジャケットが存在する、という何かで知った情報を話した。この盤は「スタンド付き」だ。レコードをかけ終えると、BOSEさんが一言。「このレコードのタイトルが、なぜ「ゴーマン」かというと・・・ジャケットを見れば判ります。スクーターの後ろに乗った女が「ほら、次はあっち」と指示を出しているので、男が嫌そうな顔をしてるでしょう」と真顔で言うのだった(笑) <Go Manの写真は、BOSEさん提供です。やっぱりスタンドが立ってる>

Good_gravyTeddy Edwards/Good Gravy(contemporary) から1曲。このレコード・・・contemporaryの中では案外に見かけない盤で、BOSEさんによれば「多分・・・OJCでもWAVEでも出てない」とのこと。Yoさんはこのエドワーズ、すぐに気に入ってしまったようで「これ、欲しい・・・」と一言。

<左の写真は、この会の後、Yoさんが速攻で入手した盤だ。やることが速い(笑)>

そして・・・Serge Charoff/Blue Serge(capitol) Blue_serge  

ジャケットの「サージ服」の青色が品のあるいい色合いだ。センターラベルは、capitolを象徴するあのターコイズ。この盤はベースのルロイ・ヴィネガーのはずむような音が大きく入っている。そしてピアノは・・・こちらもソニー・クラークだ。

<写真:Blue Sergeは、BOSEさん提供。こうして見ると実にいいジャケットですね>

それにしても、BOSEさんの持ち込んだ盤は、どれもこれも・・・(笑) ジャズの本当に渋くていいところの盤ばかりじゃないか・・・参りました(笑)  

パラゴンさん~
Sylvia Syms/Songs By Sylvia Syms から imagination(atlantic)
~ジャケットのイラスト~笑っているようなシムズのイラスト~がいいなあ・・・と思っていたら、すかさず、BOSEさんが「これはバート・ゴールドブラットだ」
すぐジャケットのイラストをよく見ると、やはりBurt Goldblatt とクレジットされていた。BOSEさん、よく知ってるなあ・・・(笑)

D35さん~
金子由香里(ビクター盤) 1970年代の日本盤だが、録音はキレイだった。
シャンソンは・・・わからない(笑) 曲は「詩人の魂」だったか。
エミルー・      Angel Band~カントリーっぽいノリの歌い手だ。
Ann Richards/Many Moods of Ann Richards ?

Roxanさん~
Pink Floyd(英EMI) の初期盤から1曲。
Mary Hopkin/water,paper and clay (EP盤)
~はじめは静かに始まるホプキンスの唄だったが、途中から壮大なオーケストレーションが現れ・・・
とにかくいろんな楽器群が次々に、充分な音圧を持って飛び出てくる・・・そういうダイナミック・レンジが驚異のUK・EP盤だった。

konkenさん~
Chicago(CBSソニー) introduction ~Yoさんのシステムはどのジャンルもいい具合に鳴る。ロックのレコード特有の「厚めの低音(エレクトリックベース)と
巨大音像のバスドラ」しかしこれらが、大きくても柔らかめな肌触りのいい音なのだ。ロックならこれくらい音圧が出た方が気持ちいい~という感じで鳴っていた。
konkenさんは「シカゴが、あのソニー盤であれだけ鳴るとは・・・」と帰りのクルマで何度も繰り返すのでした(笑)

マントさん~
ギターとパーカッションによる現代曲(ジーグフリード・フィンクと読めたかな(by CROWさん)
バリトン歌手によるフォーレの歌曲~この男性歌手・・・このレコードの録音当時、結婚したばかりということで、マントさんいわく・・・「唄に喜びが溢れ出ている」

bassclef~
Swingin' Like Sixty(world pacific)からJohnny Mandel(pacific) georgia on my mind_001_9
~このレコードは、world pacificのオムニバス盤で、A面1曲目に、アート・ペッパー入りの「ジョージア~」が入っているのだ。
ホーギー・カーマイケルのhoagy sings carmichael(pacific) のリハーサルテイクのようだ。おそらく曲の進行を確認するためのバンドだけのリハーサルだから唄はなし。イントロ~間奏~エンディングだけの短いテイクなのだが、この「ステレオ録音」が、なかなかに素晴らしいのだ。
録音直前の様子~「hi,everybody!」「take~!」「OK!」とかの、やりとりからして生々しい。左の方では、ペッパーが軽くアルトを鳴らしたりしている。中編成の管楽器がジョージアのイントロを始めると・・・そこに「すうっ」とペッパーが入り込んでくる。管楽器群がテーマを流しているバックで、オブリガート風にソロを入れているのだ。そのままバックなしの短いアルトソロになり、サビからいきなり倍テンだ。トランペットがソロを吹くのだが、マイクがかなりオフ気味だが、どうやらハリー・エディソンのようだ。
そしてサビ後の部分をエンディングテーマとし、あっさりとこの演奏は終わってしまう。ちなみにこのリハーサルテイクの本番~つまりホーギー・カーマイケルが唄う~レコード、僕の手持ちは、1982年頃の米Pausaの再発でモノラルなのだが、裏解説によると、[this is a Monaural Recording recording] とあり[engineering:Richard Bock and Philip Turetsky] と明記してある。だからhoagy sings carmichael(pacific) のオリジナル発売時は、
モノラル盤だったのかもしれない。カーマイケルの脱力した唄い方も悪くない(笑) そんな唄の合間合間ににチラと入るペッパーがまた味わい深い。

Soul Trane(prestige) NJ bergenfield ラベル~このソウル・トレーンあたりの番号からNJラベルらしい。だから(たぶん)オリジナルなのでちょっとうれしい。このNJラベルも、少し前にrecooyajiさん宅(地元:豊橋のジャズ好きのお仲間)で、ビクター盤と聴き比べたが、やはり、ドラムの鮮度・キレ、ベースの鮮明さ、などに明らかな違いがあった。プレスティッジというレーベルは、おそらくマスターテープの管理があまりよくなかったのだろう。だから・・・67~68年以降くらいからの、fantasyの再発盤(黄緑ラベル)から、極端に音質が落ちているようだ。そうして、その頃のマスターを使った日本盤の音質も・・・良くなるはずもない、ということかもしれない。(私見では、「紺」「黒」のイカリ・ラベルのRVGまでは、かなりいいように思う)

Stan Getz/4曲入りのEP盤(clef)から time on my handsDscn0720_1

この1952年のゲッツが、すごく好きなのだ。45回転で聴くゲッツのテナーは・・・どうにも素晴らしい。「ふわ~あっ」と漂うような軽み」が快感である。このEP-155は、ゲッツの他のEP盤に比べても、音がいいようである。

                                                                                          

Norman Grantz #4(clef) EP3枚組_002_5

このEP盤と、Yoさん手持ちの12インチClef(水色ラベル)の聴き比べをしてみた。EP盤の音は総じてカッティングレベルが低い。低いのだが・・・テナーの音色が、「すうっ」と浮き出てくるようなニュアンスがある。そういうある種の「軽み」に・・・却って、ゲッツの良さを感じる。
続けてかけたclef 12インチは、カッティングレベルも高くて、ピアノ、ドラムも骨太なClefサウンドで、やはり魅力のある音だ。僕はClefの音なら、どれもこれも嫌いではないようだ(笑)_003_8

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宴会の後・・・まだYoさん宅の音を聴いていないM54さんとPSYさんは、とにもかくにもYoさんの音を聴かねば!という決意がみなぎる。そうして、その流れに便乗する者が続出。まっさきに便乗したのは・・・このbassclefだったが(笑)
そんなわけでまたまた全員で、再度Yoさん宅へ。

アフターアワーズとして・・・pm8:45~pm10:15
PSYさん~
Bill Evans/Exprolationsから israel~このレコード・・・ラファロのベース音が他のリヴァーサイド盤とちょっと違う感じの音で、グウ~ッと沈み込んだ低いべース音なので、僕の機械ではなかなかその沈んだ低音がうまく抜けない。PSYさんも同じようなことを言っておられた。そしてその「沈み込むベース音」が、このYoさんのウーレイでは余裕で鳴っているではないか!

M54さん~
Grant Green /Idle Moments(bluenote) これはちょっと歌謡曲っぽい曲調のあれだ(笑) それを熟知しているPSYさんが演歌曲の紹介MCみたいなセリフを軽くはさむので、皆さん少し笑う。後半に出てくるジョー・ヘンダーソンのテナーがやはりいい。ジョーへンにしては、やけにサブ・トーンを多用して、ちょっとベン・ウエブスター風なものを意識したのかもしれない。

Yoさん~Phil Woods/Warm Woods(epic) からeasy living

ここでYoさんが、「ああっ、そうだ・・・「あれ」をみなさんにお聴かせしないと!」と言いつつ、Lou Donaldson/Blues Walk(bluenote;lexington) Blues_walk 《訂正》~このドナルドソン:1593番にLexingtonはあり得ない、とのコメントをrecooyajiさんより頂きました。さっそく、Yoさんに確認していただいたところ・・・この1593番は<47West 63rd NYCで、溝あり、Rマークなし>とのことでした。貴重なブルーノート盤というイメージでLexingtonと思い込んでしまいました。実は・・・僕は、オリジナル盤のラベル変遷にはあまり詳しくないのです(笑)
を取り出す。みなさんから軽いどよめき・・・(笑) これは、メリケンさんからのYoさんへのプレゼント盤だ。ちょっと前に「杜」にメリケンさんが「ジャズレコード下取り価格ピッタリ賞」のプレゼント盤として提供したのだが、これはYoさんが見事な読みで勝ち取ったのだった。盤質も演奏も素晴らしい。甘くて太いドナルドソンのアルトが鳴れば・・・「チャカポコ」のコンガも思いのほか気にならない(笑)

Yoさん・・・ではもう1曲あのマーキュリー盤からということで、
Al & Zoot/You an' Me (mercury)  you'd be so nice to come home to

パラゴンさんから渋いヴォーカル盤が、またひとつ。
ミリー・ヴァーノン/Introducing Milli Vernon (storyville) ジャケットの1箇所だけ色が付いている。とてもしゃれたジャケットである。

もうあまり時間がない。午後に聴いたハロルド・ランドの話しが出たので・・・僕はcontemporary盤から1曲、Yoさんにリクエストをした。Curtis_vol1_mono_1
Curtis Counce/Land Slide(contemporay) time after time ランドのバラードは実にいい。Curtis_vol1_stereo_1

                                                            

<あれれ?見慣れたはずのこの盤・・・何か変だぞ?右側のモノラル盤は左右が逆になっているのだ。2点ともYoさん手持ち盤>

コンテンポラリー盤がしなやかに鳴る。この場で鳴るこのレコードは幸せであろう(笑) そしてそのサウンドを聴く僕らも、また幸せなのだ

もう夜も遅い。まだ明日の神戸があるのだ。そこで、前夜に大阪入りしていたRoxanさんが、この日、仕入れてきたというレスターヤングを聴かせてもらうことにな った。Verve-Clefシリーズ(黒トランペット)の Lester Young/Lester Swings Again(verve) だ。曲は・・・stardust。
これが実によかった・・・。レスターとしては晩年の、何かこう全てを悟ったような・・・というかガツガツしない諦観の漂う、気品のあるスターダストであった。この盤を見て、Yoさんが取り出してきたのは、同じレスターのNorgran盤。ジャケットは違うが・・・曲名を見ると同じ内容の盤である。
こちらもかけてみる。レスターのサックスを少し聴くやいなや「う~ん」・・・と唸るRoxanさん。「黒トランペット」は、盤質も良く充分に生き生きとしたいいテナーの音だった。一方、Norgran盤は、ややカッティングレベルが低く、盤質も「黒トランペット」に比べれば良くはない。
しかしながら・・・このNorgran盤では・・・レスターテナーの音によりいっそうの生々しさ、レスターの気配がより濃厚に漂っているように聞こえた。
いずれにしても・・・本当にいい「スター・ダスト」でした。
僕は、この1952年のレスターヤングを全くの初めて耳にしたのだが、レスターヤングの淡々としながらも、時に「はっ!」とするような鋭いトーンに、
新鮮な驚きを覚えた。レスター・ヤングも、これから聴きたいテナーだな・・・と思うのであった。The_president_1

この「しみじみ盤」を聴いて・・・いよいよこの会を終わろう、そんな雰囲気が漂い・・・午前中から始まったYoさん宅での「ジャズ聴き会」は、こうして、ついに終わったのだった。
それにしても・・・ジャズは厭きない。

<左:レスターの垂涎的norgran盤。う~ん・・(笑)>

special thanks to Yoさん&BOSEさん!

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2006年6月15日 (木)

<ジャズ回想 第5回> オフ会はいつも雨降り。

「ミニ杜の会 in 浜松&豊橋」持ち寄りレコード備忘録~

朝から雨降りの日曜日(6月11日)・・・ニーノニーノさんの「こだわりの杜」(BBS)でのお仲間である、マントさん宅と拙宅での「ミニ杜の会 in 浜松・豊橋」を敢行した。
そういえば・・・D35さん宅「ミニ杜」の時も、一日中、すごい大雨だったな。(5月7日/D35さん・リキさん・マントさん・bassclef の計4名。この時の様子はミニレポートとして「こだわりの杜」に書き込みをしたので、その一部をこの記事の最後に転載しておきます)

さて今回は、パラゴンさん・Yoさん・D35さん・それに私bassclef が、午前中からマントさん宅に集結した。三島方面から駆けつけたパラゴンさんは、気合も充分で、すでに9時半ころには着いていたそうだ。
全5名が揃い、やあやあとか言いながら・・・11:00頃にスタートした。みんなの持ち寄り盤から、1~2曲づつかけていこう、といういつもの作戦だ。以下、みなさんのセレクトを覚えている限り、まとめて紹介しようと思う。
僕の興味電波は、常にオーディオよりもレコードの方に向いているので、いつものごとく、どなたがどんな盤からどの曲を選んだのか・・・というレコード備忘録的な内容になってます。白馬の時もそうだったが・・・とにかく、凄い盤が続々と出てくるので、どの盤を見ても「欲しい・・・」という煩悩ばかりが渦巻いてしまって(笑)・・・とても精神の平静を保っていられなかったようです。そんな訳で、かけた曲目とその順番もはっきりとは覚えてません。曲目など訂正・補足などあれば、コメントなどでお知らせ下さい。なおデジカメも持っていかなかったので、皆さんの貴重盤は写真は撮れませんでした。この記事の写真は、bassclefの手持ち盤のみです。

まずは・・・<マントさん>のセレクトから~
*以下の「シェリーマンの一撃」の記事~その後、refugeeさんからのコメント欄にもあるように、MP3音源2種を入念にチェックしました。自分のレコード2種も先入観を捨てて再聴したところ・・・「歪み」という表現に自信がなくなりました(笑)要は「歪み」と「自分にとってのやかましさ」を混同していたのかもしれない・・・それなのに「断定的表現」は良くないなあ・・・と反省いたしましたので、一部を訂正・補筆します。<   >内が補筆分です。なお原文も見えるように訂正しておきます。

Andre Previn から始めることになった。
My Fair Lady(contemporary:モノラル黄色ラベル:大きい文字のジャケ)から get  me to the church on time~
そういえば、このA面1曲目の冒頭すぐの辺りで、いつも気にかかることがあった。プレヴィンのピアノが短くメロディを弾いた後、ドラムのシェリーマンがロールの後、「ガギ~ン!」とシンバルを叩くのだが・・・あの最初の強打音のシンバル音だけが「かなり歪んでいる」のだ。 <が、僕にはかなり「やかましく」聞こえるのだ。歪んる?の一歩手前くらいのうるさいシンバル音に聞こえてしまうのだ。>

<その感じは>これまで聴いた以下のどの盤でも~

King_my_fair_1 国内盤キング(ステレオ2種:薄ペラジャケのキング日本盤/キング1500円盤)。
米オリジナル・モノラル(My Fair Ladyの大きい文字なし)。
米オリジナル・モノラル(大きい文字でMy Fair Lady:今回の盤)。
~同じ箇所で同じように歪んで聞こえた。<僕には「やかましく」聞こえた。>(残念ながら「ステレオ・レーベル」は未聴)

《写真の上:「My Fair Ladyの大きい文字なし盤」。下:「薄ペラジャケのキング日本盤・1969年》

オーディオではなく、録音段階の問題だとは思うけど・・・と、その「歪み」<録音レベル過剰>のことを話すと・・・マントさんもやっぱり「やっぱり歪んでる?」と反応してきた。いずれにしても、このシンバル音を聞いて「あれ?」という感じを持っていた方は、案外いらっしゃるのではないだろうか。
まさかシェリーマンが叩いたシンバル自体が、あんな風に歪んでしまう<やかましい>ことはないだろう。あとの方ではそんな場面もなかったし、その歪みも<やかましさ>は、やはり録音時に入力オーバーした<のレベルが高すぎた>ような感じに聞こえる。プレヴィンがルヴァート気味に静かに弾くピアノの後・・・突如現れるあの1打目のシンバル強打・・・その入力過多に録音機械が耐えられなかったのかもしれない。<音楽の「静」から「動」へという場面にしても、あのシンバル音は、やや大きすぎるように聞こえてならない。>
パラゴンさんは「そういうことって、けっこうあるよ」~だからそう気にしないよ~という余裕の反応だったのだが、僕などまだまだ未熟者なので・・・あの名手シェリー・マンがそんなに「強く叩きすぎるはずはない」との思いもあり、その「録音レベル設定の失敗」を50年も経ってしまった今、「名手、ロイ・デュナンともあろう人が・・・」と、悔やんだりしているのだ(笑) 

GiGi から aunt alicia's march (だったかな?)のステレオレーベル盤(黒ラベル) 僕の持ってるGigiは普通の米contemporary盤(OJCより前に出てたやつ)なのだが、マントさん所有のこの盤には、「STEREO白抜き楕円」が誇らしげに輝いている。う~ん・・・ちょっとうらやましい。
こちらの盤は、録音が本当に素晴らしい。プレヴィンのピアノが左側、レッド・ミッチェルのベースの大きな鳴りが、中央やや右側の少し後ろの方から聞こえてくる。それからドラムの気配が生々しい。スネアを「コン!」と打ったような音などの響きの余韻がキレイに中空に残るような感じの音だ。
それから・・・2枚の 垂涎的10インチ盤。
Lester Young と Johnny Hodges の Collates(mercury) だ。この2枚は、以前(5月7日)にD35さん宅での「ミニ杜」の時に、見せていただいた。ジャケットはもちろんストーン・マーチンで、10インチの白地に「薄めの青っぽい色」を効かせた見事な出来映えのイラストだ。
まずは、レスターヤングから(Tenderly だったか?)
これはベースもサックスもしっかりと大きく聞こえる。10インチの盤というと、時代そのものが古くて「遠いような録音」という場合が多いが、このmercury 盤は、だいぶ録音がよさそうだ。特にテナーの音はよく響くしっかりとした音で入っているようだ。
ホッジスの10インチからはTenderly・・・これも何度聴いてもやはり・・・素晴らしい。ジャケットの「ウサギ」も本当にチャーミングなのだ。

<パラゴンさん>
Pat Moran/~Trio(audio fedility)から Making Whoopee
美人の女性が~いやあ・・・脚しか写ってないのだが(笑)~赤いヒールをピアノの鍵盤に乗っけているあのジャケット・・・これが見事なコーティング仕様で、しかもgatefoldジャケなのだ! センターラベルは銀色だった。AF(Audio Fedility)は、音がいいことを売りものにしていたレーベルなので、見開きジャケの内側には、何やらレコード溝やら周波数特性のような図が満Mant_2載されていた。こんなメカ的な図説よりも、ラファロの写真でも載せてくれよ!と言いたくなる(笑)
スコット・ラファロのベースはいつ何を聴いても・・・やはり凄い。ラファロの鋭いタッチ~弦に指を引っかけてから、その弦を引っ張る時のスピードの速さ~みたいなものが、充分に感じとれる音だった。それにしても・・・いいジャケットだ(笑)
《写真は、bassclef手持ちのCDです。プラスティック・ケースが哀しい》

Rita Rice のJazz Pictures(オランダ・フィリップス盤)から cherokee~
何、かけよう?パラゴンさんが「チェロキーを」。・・・するとすかさず「チェロキー?唄うの?」と、Yoさんが尋ねる。僕は一瞬、何のことやらわからず。チェロキーはチェロキーである・・・と思ったのだが、そういえば、ヴォーカルヴァージョンでの「チェロキー」は聴いた記憶があまりない・・・いやほとんどないぞ、そういえば。だから・・・ヴォーカルものもたくさん聴いているYoさんにしてみれば、あの曲に歌詞なんてあったのか? という疑問をすかさず持ったわけだ。どんな歌詞だろうね?と皆で言ってる内に・・・一箇所だけだが「チェロ~キ~!」という場面があった(笑)

<D35さん>
Ann Richards/Many Moods of Ann Richards(capitol)から by myself
このCapitolのステレオ盤(虹ラベル)は、キラキラするようなステレオ録音だ。D35さんの「ゴージャスという感じの音だね」という
表現に激しく同意した。ゴージャスといっても、派手でドンシャリするような録音じゃあない。各ブラスや管の楽器がよく分離して
端正にきれいに鳴ってくる、そうしてアン・リチャーズの、正統的な唄いっぷりにピタリと合う・・・そんな感じのいい録音なのだ。
僕はcapitolの音が嫌いじゃないなあ・・・といつもそう思う。なんというか音に「余裕がある」のだ。3000ccのクルマですかね。

Henry Mancini/Pink Panther(RCA Victor)~このVictorのDynagroove盤は、本当にいい音だ。
60年代中期の「アメリカ的代ステレオ録音の見本」という感じかもしれない。ビッグバンドがきれいに左右に広がる。
そして・・・あの「テナー」があの「テーマ」を吹く。このテナー奏者は・・・プラス・ジョンソンである。
あのちょっと「笑いを抑えたような風情」は、プラス・ジョンソンにしか出せない。以前、何かのコメントでも書いたが、
<もし、このピンクパンサーのテーマがコルトレーンだったら>どうです?あの生真面目なトーンでこのユーモラスなテーマを吹かれたら・・・
すごい違和感があるでしょう(笑) でも・・・そんなサウンドもちょっと聴いてみたい(笑) 
僕はマンシーニが大好きなので、RCA Victor盤はけっこう持っているのだが・・・このPink Panther はまだ未入手の垂涎盤だ。ジャケットの豹のイラストもとてもかわいい。

<Yoさん>
Nogranの The TENOR(オムニバス)から
Ben Webster のTenderly
Flip Phillipsの I didn't know what  time it was
このNorgran盤は、テナー奏者の音源を集めたオムニバスのはず・・・しかし、やけに音がいい。テナーだけでなく他の楽器も全てクリアで粒立ちのいい音色なのだ。その辺はマニアの方はよくご存知のようで、普通は比較的割安なオムニバスものだが、この「TENOR」は、音も価格も別格だそうである。ジャケットは、もちろんストーン・マーチンである。素晴らしい!
それから・・・出ました!Benny Green の bluenote 1599。
あの青い笑顔のSoul Stirin'だ。これは僕も大好きな盤なのだ。
テナーにジーン・アモンズも参加、ピアノのソニークラークも端正なタッチを聞かせてくれる誠にソウルフルな傑作である。
かけた曲は・・・That's All ~思い切ったスロウテンポのバラードだ。

<bassclef>~EP盤(clef)から2曲ほどかけてもらった。Dscn1336
Flip Phillips  but beatiful ~このところ、この人のテナーにまいっている。レスターヤングよりもう少し新らしめの感覚のフレーズで、特にバラードをゆったりと吹き進めるフィリプスには独自の美学を感じてしまう。ゆったりとそよ風にたなびくかのような優しい音色・・・。好きなテナーだ。
EP盤からもう1曲は~Stan Getz   time on my hands~真の名演である。
あと1枚は、ホッジスの10インチ盤に続けてかけてもらったのだが、
Johnny Hodges/plays the prettiest Gershwin(verve:stereophonicラベル) から someone to watch over me~たぶんmercuryの録音からは10年ほど後の録音のはず。ホッジスもだいぶアッサリ加減になっているようで、ストリングスをバックに軽く吹いているようで、これはこれで聴きやすい。

ここでちょっとこんなのを・・・ということで、パラゴンさんの手持ちから~弘田三枝子の 78cm45回転のオーディオマニア向け盤、タイトル失念(笑)オビには「マニアを追い越せ・・・78/45の音!」とかなんとかのコピー。演奏曲目は、ポピュラーチューンとジャズっぽい曲ばかりで、ちゃんとしたジャズオーケストラのちゃんとしたアレンジだ。一流スタジオミュージシャンがきっちりと決められた音」を弾いたような演奏にのって、しかし弘田三枝子も職人的巧さで唄っていた。かけた曲は・・・失念(笑)何か有名なポピュラー曲だったような・・・。「You're the sunshine of my life」だったかな?

マントさん:「お昼の前に、これじゃあ・・・(笑)」(弘田三枝子の唄はさすがに巧かったのですが、あまりに「狙った」内容の盤だったので)ということで
「重いジャズ」をいきましょう・・・と、私:bassclef 手持ちのCD(残念!)からFreddie Redd の Shades of Redd(bluenote)~米キャピトルが出したbluenote connoisseur sereisというボーナストラックが付いていたシリーズ)
この盤・・・少し前に refugeeさんのブログで、フレディ・レッド(p)の記事が出て(jazzカテゴリーの5月16日付)そのコメントでのshaolinさんのお勧め曲がこの1曲目~Thespian だったのだ。僕は、Time to Smile (the connectionのB面1曲目)という曲を挙げたのだが、このShades of ~もCDで持ってはいた。Dscn1338
そして、この曲:Thespianを何度か聴いてみて・・・改めてこの曲の魅力にはまってしまったのだ。
スロウなテンポでバラード風のテーマなのだが、ちょっと変わった曲なのだ。とにかく・・・8分音符が何小節も連続して続く。しかもその8分音符一個一個をたっぷりとテヌートを効かせて吹いているので・・・なかなか「途切れる」箇所がないのだ。・・・つまり息をするところがない(笑)
だから4小節ほど吹いたところで、2人の管奏者~マクリーンとティナ・ブルックス~が、ここぞ、とばかりに「っすはあ~っ!」という息継ぎをするのだ。
まるで水泳選手が水から浮き上がって慌てて息を吸うような感じで・・・。その「っすはあ~っ!」という音が、微笑ましくもあり気高くもある(笑) 
そんな思索的・哲学的・宗教的ですらあるこのバラードは、その恐怖的8分音符連続テーマが終わると、同じテーマのまま倍の速いテンポ~
いわゆるハードバップっぽいノリになる~そうして、今度はマクリーンも。ようやく何かから開放されたかのようにのびのびと、うれしそうにアルトを吹き始めるのだ。それにしても、こんな凄い曲~管奏者にとってはまさしく死に物狂いにさせられる曲だろう~を思いつくフレディ・レッドという人とは・・・。
ところでこのThespianという曲~テナーとアルトで奏でる重くて陰鬱な空気、それから途中で倍テンになったりする~そんな構成自体や全体に流れる雰囲気が、モンクの「ブリリアント・コーナーズ」にちょっと似ているようにも思う。ひょっとしたら・・・レッドはモンクのあの曲から、ヒントを得たのかもしれない。Shades of Redd・・・ぜひ聴いてみてほしいアルバムではある。

お昼の後は、クラシック本線のマントさんのリクエストもあり、まずクラシックから。

<Yoさん>
ジャクリーヌ・デュ・プリ(アルバム名失念)(EMI赤ラベル)Elgarの曲~
これは・・・鮮烈なチェロ!鮮烈な音楽!という感じだ。鋭い感性の人間の途方もなく一途な感じが・・・音の合間に漂う。後半の方で、デュプリが倍テン(いや、ジャズじゃないぞ:笑~3連だか16分音符の連続)で弾くような場面あたりから、音楽は異常に盛り上がってくる・・・。
グレン・グールド(columbia:マスター・ワークス)~録音はいい。digitally recordedと書いてあったので、比較的新しい録音だろう。クラシックはほとんど聴いてないのだが、この曲(曲名失念)でのルバート的な長い導入部を聴いていて・・・この人の何かこう・・・自分の内部に入っていくような思いつめたような感じのピアノには・・・「孤独」みたいなものを感じた。そしてそういう内省的なピアノには、すごく惹かれるものがあった。ちなみにグールドもよく唸るそうだ。モンク、パウエル・・・自己い内向していくピアノ弾きは・・・どうしても唸ってしまうのだろうか。そういえばビル・エヴァンスのレコードでも
よく聞くと・・・曲にあわせて「ム~・ウ~」と小さくハミングしてるような声が聞こえる演奏がいくつかあったように思う。(consecrationsで顕著)

<パラゴンさん>
Abbey Lincoln/That's Him (riverside ステレオ黒ラベル)からstrong man~
イントロからロリンズの個性的なトーンが・・・。ロリンズ好きな僕などは、あのロリンズの音色とフレーズ~唄伴であってもほとんど関係なくロリンズ節なのである~が出てきただけで、もうすぐに嬉しくなってしまう。
Peggy Lee/black coffee (10インチ盤:英Brunswick)
これがまた異様に生々しいペギーリーの声。やけにマイクに近く唄ったのか、まったく
すぐそこで唄っているような感じなのだ。これは凄い。ペギーリーを特に好んではいないが・・・
ペギー信者がこの「声」を聴いたら・・・この英10インチ盤を強奪したくなるかもしれない(笑)
このあまりに有名なBlack Coffee・・・ハズカシナガラ、僕は持っていないのでちゃんと聴いたことがなかった。
ピアノがJimmy Rowlesだと、本日初めて知った次第です(笑) 

Dscn1334そうしてそのJimmy Rowles・・・たまたま、彼のリーダーアルバムを持ってきていたのだ。bassclef手持ちから~
Jimmy Rowles/Weather In A Jazz Vane(andex/VSOP復刻)から some other time

andexのオリジナル盤など持っているはずもなく(笑) これはvsop復刻盤なのだが、けっこう音がいいのだ。ビル・ホルマンや、ハーブ・ゲラーらがリラックスした雰囲気のロウルズ色を演出している。地味だがとてもいい内容の盤だと思う。復刻盤でこれくらいなら、いい盤質のオリジナルで聴いたら音の方もさぞや・・・と思える1枚である。Burtoncoming

Gary Burton /something coming (RCA) からon green dolphin street
これはVictorのきれいなステレオ録音で、チャック・イスラエルのベースが鮮烈に入っている。ちょっとおとなしめのベーシストのはずだが、
かなり強めの音に聞こえて迫力があるのだ。ギターのジム・ホールも「柔らくも芯のある」あの独特なトーンで迫ってくる。このVictor盤の音質は・・・マントさんのシステムの、どちらかといえば細身で硬質な音に、とても合って いたように思う。

第1部(マントさん宅)では、14:45をタイムリミットと決めていた。もうそろそろ時間切れである。ここでパラゴンさんは、また一人、三島方面へ帰っていく・・・。お疲れさまでした。Yoさん・D35さん、bassclefの3人は、豊橋の拙宅まで向かう。


第2部(bassclef宅)~pm4~pm5:30
ここではだいたい以下のような曲をかけた。

<Yoさん>
ernie henry/presenting(riverside)  から  gone with the wind
sonny rollins/way out west”in STEREO" から  solitude
Johnny griffin/way out(riverside)  から cherokee
bill evans/I will say goodbye(warner) から the peacocks
(続けてbassclef手持ちのCDから)
Jimmy Rowles/the peacocks(columbia)  から the peacocks~これはスタン・ゲッツとのデュオ演奏だ。心に染み入ってくる素晴らしい演奏だ。

<D35さん>同じ曲で比べてみたい、とのことで~
henry mancini  pink panther 
Ann Richards  by myself

<bassclef>
Henry Mancini/Hatari! (RCA Victor) から the sounds of Hatari ~
打楽器とブラスの織りなすサウンド・スペクタクルだあ!(月並みな表現で
すが:笑) 僕の機械では、この録音に入っている「本当のダイナミズム」みたいなものは、おそらく出てないだろうなあ・・・と思わせられる凄い録音(だと思う) 
Mancini '67 からsatin doll
~エンディング部分で、明らかにレイ・ブラウンだ!と判るフレーズが飛び出てくる。というのは・・・以前、<夢レコ>に載せたビクター国内盤には、ミュージシャンのクレジットがなかったのだ。だから、聴くたびに、これはレイ・ブラウンだろうなあ・・・と思っていたのだ。ちょうど遊びにきていたkonkenさんも「ああ・・・レイ・ブラウンだねえ」とニンマリ。
Bill Perkins/Quietly There (abc Riverside)から Quitetly There ~3月の<夢レコ>にて紹介した盤です。

Anita O'day  Don’t Be That Way ~あまりヴォーカルを聴かない・・・はずだった僕もこの頃はなぜかヴォーカルも聴くようになった。なかでもアニタ・オディのこの盤はけっこう気に入っており、聴く度にアニタの鮮やかな唄い口にノックアウトされてしまうのだ(笑) センターラベルは、T字のVERVE INC.でモノラルのしっとりと分厚い音が悪くない。 自分の予感としては・・・この先、徐々に、徐々に、ヴォーカルの方へも踏み込んでいきそうではある。Dscn1339_1 いやあ・・・困ったものだなあ・・・(笑)

《5月7日のD35さん宅でのミニ杜の様子:bassclefのコメントから》

みなさんのかけた盤・・・D35さんの分が、さきほどのレポートでは断片的になってましたので、まとめて紹介しますね。

エラ/like someone in love(verve) ~エラのバラード集とも言える。よくやるスキャットなど全くなく、しっとりとしたいい曲ばかりのレコードだ。
途中、いいサックスだなああ・・・と思うと、スタン・ゲッツかあ!という仕掛けなのです(笑)
裏ジャケットをよく見たら、テナー(のソロ)はゲッツ、アルトのソロはテッド・ナッシュということを新発見した。

アン・リチャーズ/the many moods of Ann Richards(capitol) 1960
~ステレオ/モノラル盤から by myself~キャピトルの場合・・・僕は、ステレオ盤の方が好みだった。キャピトルの録音は、落ち着いて地力のある録音という感じがする。それでいて、細かい打楽器系やトライアングルみたいなかわいい音もキレイに聞こえるような気がする。

ポリー・バーゲン(columbia)~columbiaのキレイなステレオ録音をバックにポリーの外見に似合わない意外にも太い声(というか濃い響き)が、豊かに鳴ってました。
D35さん・・・ドラマティクに唄うポリーバーゲンを本当に好きなんですね。

リー・ワイリー/west of the moon (RCA Victor) 1956 から east of the sun(だったかなあ?
D35さん、違ってたらすみませんです:笑)
~その前にかけた10インチ night in Manhattan(1951)でのワイリーの歌声に比べると・・・やはり声が「年食ったなあ・・・」とリキさん。リー・ワイリーは、バーバラ・リーにも似ているねえ、という
話しも出たりした。ほとんど声を張り上げない、古きよき時代のノスタルジックな唄い方なのかもしれない。

ジェイムス・テイラー/mad slide slim(warner) ~テイラーの声だけでなく、アコースティックギターの優しい響きもよかったです・・・。

ヘンリー・マンシーニ/ピンクパンサー(RCA Victor)dynagroove
~これ、いい音でしたね。どの楽器もクリアに軽快に聞こえてくる、思わず楽しくなってしまう・・・ステレオ的ミュージックというか・・・そんな感じだった。マンシーニ、やっぱりいいですね(笑)みなさんの持ち寄り盤だけ少々・・・。
リキさん~エラのcrap hands:3種<Verve Stereophonicラベルの2種(ラベルの違いはちょっと説明しづらいです:笑)とクラシック復刻盤。音の傾向は、3種で見事に違いましたね。2番目にかけたstereophonicラベル盤が、1番目より、もうちょっとベースやドラムが前に出てきて、好みではありました。
>リキさん、2番目は、どちらのsterephonicでしたかね?(笑)
ジュリーロンドンのliberty盤:12インチ(ターコイズラベルの1st)と同じジャケの7インチ
クリス・コナーの12インチと7インチ。
同じジャケットが大・小で並ぶと・・・チャーミングなものですね(笑)揃えたくなる気持ちは充分に判ります(笑)
リー・ワイリーの10インチ盤(columbia)これに
有名なnight in Manhattanが入ってました。
クラシックの方でGAMBAという人の指揮/ロンドンsymphony?の英デッカ盤。この盤・・・もうやたらとダイナミックレンジが凄い録音で、フォルティシモでオーケストラが鳴る場面では~日曜日の昼間でも心配するくらいの~それは凄いヴォリュームが出ました。あの小~大の音量差というのは、なかなかジャズにはないかもしれない。

マントさん~見せていただきましたっ!10インチ盤2枚・・・あれはもう・・・正しく芸術品ですね。
デヴィッド・ストーン・マーチンのジャケット見てるだけで・・・幸せでした(笑)
ジョニーホッジスの collates#2 と
レスターヤングの collates#2
共にmercuryの10インチ~しかもジャケットもいわゆるミント(と呼べるだろう)ジャケットのイラストの青い色が・・・ちょっと淡い色調で、品があってキレイでした・・・(ため息)
クラシックでは、白馬で登場の「すごい録音盤」のカラス。エラートの仏10インチ盤~フォーレの曲:ピアノと男性バリトン? これも録音がナチュラルできれい。もう1枚のクラシックは・・・独グラモフォンの・・・?(>マントさん、すみません・・・つづりとか出てきません(笑)よろしくどうぞ)

bassclef~D35さんのヴォーカル、トラッドフォーク路線の好みから、合いそうかなあ・・・と思って持っていったのは・・・
バカラック(A&M)のmake it easy...とreaching out。RCA Victor盤のデスモンド/マリガン。
アニタオディのAnita(Verve)、あとジャケットがキレイなFunny Face(Verve:青ラベル)~ジャケットがオードリーの目・鼻・口だけのアップのやつ。唄は・・・かわいく唄ってました。リキさんは・・・オードリーも案外嫌いじゃないみたいでした(笑)
ペッパーは、僕が個人的にもリキさんに聴いてほしかった・・・最晩年のgoing home(galaxy)~ピアノのジョージ・ケイブルスとのデュオでペッパーがクラリネットを、独特の押さえたような音圧で吹く~ごく個人的にはこの曲(82年録音)でのピアノの音は・・・
凄く良かった!録音の新らしめのものが装置にあったのか・・・この直前に前述のクラシック大音量が鳴った後で、スピーカーがこなれてきた?ためなのか、とにかく、このケイブルスのピアノ、ペッパーのクラリネットの、淡々とした中にも温かさが感じられるいい音でした(盤は普通の国内盤だったのですが)
1957年ペッパーの「モダン・アート」(東芝盤LNJ)からbewitchedも聴いてもらいました。

装置のことは~38cmの同軸(アルティック)と300Bの真空管2本、マッキンのプリとのこと(すみません。マランツの#7復刻でした)~置いといても、D35さんが、日頃からとにかく「ヴォーカル」を気持ちのいいナチュラルな音で聴きたい、と言われているその通りに、ヴォーカルは・・・エラ、リー・ワイリー、アニタ・オディ、アン・リチャーズ、それからリンダ・ロンシュタットまで、どれも気持ちよく自然な肌合いの「声」で聴けました。もちろんアリアのカラスや男性バリトン(テノール?)もムリのない余裕のきれいな唄で、クラシック苦手な僕にも、抵抗なく聞こえてきました。
やはり、その人の装置のキャラクターというものは、「その人に合う」ようになっていくものなんでしょうね。前半でかけた、あれ、あの盤・・・。
ジェイムス・テイラーのMad Slide SlimからのYou've Got A Friend...あのテイラーの、頼りなげなような、でもしっかりと温かい唄の声・・・よかったですね。控えめに叩くパーカッションもきれいに鳴ってました。あのテイラーの「優しい雰囲気」は最高に出てましたね!

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2005年10月30日 (日)

<発掘レコ 第3回> ヘンリー・マンシーニ/マンシーニ ’67(日本ビクター)SHP-5594

ジャズのマインドで練り上げられた役どころに、しかるべき役者を配する。マンシーニは、見事な演出家なのだ。
   
マンシーニが好きだ。マンシーニがよく使うあのコーラスが「ほわわ~ん」と流れてくると・・・僕は、そこはとなくシアワセな気分になる。そうして、そのいい気分がしばらく心に残る。映画音楽としてマンシーニが作った曲は、どれもシンプルで覚えやすいメロディを持ち、知らぬ間にハミングしてしまいそうな、素敵な曲ばかりだ。本当にいい曲が多い。

しみじみとした情緒のあるタイプの曲・・・例えば<ムーン・リヴァー>~この曲はオードリー・ヘップバーンでも唄えるように、狭い音域の中で作ったメロディだそうだ~あんな風に・・・本当にシンプルで、唄いやすくて、しかも、しみじみとした情緒がある・・・こんなにいいメロディってめったにない。<ムーン・リヴァー>というと・・・1970年頃だったかに、NHKで放送していた「アンディ・ウイリアムス・ショウ」を想いだしてしまう。あの番組のテーマで、いつもこの曲が流れていたのだ。日曜日だったかなあ・・・毎週、この番組を楽しみにしていた。僕の家のTVはまだ白黒だったが、音楽好きの友人が「アンディウイリアムスの目は青いんだぞ!」とうれしそうに教えてくれたりした。

マンシーニのもうひとつの面、キャッチーなメロディを持つユーモラスなタイプな曲・・・例えば<ピンク・パンサー>~これは、あの「泥棒が抜き足差し足・・・」という感じのメロディが、すぐ印象に残ってしまう曲だ。ちなみにあの中のテナーサックスのソロは・・・プラス・ジョンソンという人だ。マンシーニという人は、「曲の演出」がとても巧い人だと思う。それぞれの曲に合ったアレンジ~どんな風にスポットを当てるか?どの場面でどんな楽器を使おうか?~そんなことを巧みに考えているのだと思う。<ピンクパンサー>のテナーは、やはり・・・あのプラス・ジョンソンの、ちょっとアクの強いちょっとお下品なな感じ(笑)の音色で吹かれるべき曲だったのだ。ピタッとはまった演出、という感じがする。仮に・・・この<ピンク・パンサー>のテナーがコルトレーンだったとしたら・・・ほらっ、どうにも違和感があるでしょう(笑)

僕は長い間、こんな風に映画音楽の作曲家としてのマンシーニしか知らなかった。映画音楽だけでも、もう充分に素晴らしいマンシーニなのだが、実は、彼には深いジャズ・マインドがあるようで、「ジャズのテイストあふれる」レコードをたくさん創っているのだ。有名なところでは、アート・ペッパーも参加している「Combo!」というのもあるが、今回は~もう少しポピュラー風だが「ジャズ」を感じさせる~そんな盤を何枚かを紹介したい。mancini_2cut_001

マンシーニ’67(日本ビクター) この盤は、95年3月、普通の中古盤屋さんで入手しているので、特に「発掘レコ」とも言えないのだが、価格が1100円という微妙な?値付けだったので、いわゆる「ラウンジ系のレア盤」みたいな扱いではなかったはずだ。ペラペラのジャケットと細身のオビに惹かれるものがあったし、「サテン・ドール」「いそしぎ」「ラウンド・ミッドナイト」などジャズの曲も多めに入っているので、ちょっと迷ったが入手したのだ。裏解説には・・・「ジェリー・マリガンを思わせるバリトンサックス」とか「有名なスタジミュージシャンが起用されている」とか書いてあるが、はっきりとしたミュージシャンのクレジットは一切なかった。さて、聴いてみると・・・どうにもジャズっぽい。「サテン・ドール」のエンディングの部分では、どう聴いても・・・レイ・ブラウンじゃあないか!というウッドベースも飛び出てくる。それから「いそしぎ」でテーマを吹くトロンボーンはディック・ナッシュだろう。後に、マンシーニのRCA盤がまとめて復刻された際、この「マンシーニ’67」も出たはずだが、その詳しいクレジットによると・・・ベースはやはりレイ・ブラウン。「ジェリー・マリガンを思わせるバリトンサックス」の正体は・・・バド・シャンクであったように記憶している。

もちろん、他にもいい盤がある。
Uniquely Mancini(RCA Victor:LSP-2692)1963年。この盤は、地元「ラビットフットレコード」のラウンジ系コーナーで入手した。Victor犬ラベルのステレオ盤で、キッチリしてとてもいい音質だ。サブタイトルが、The Big Band Sound of Henry Manciniとなっており、<Lullaby of  Birdland><C jam blues><Stairway to The Stars>などジャズっぽい曲も多い。ソロイストには、プラス・ジョンソン(ts)、テッド・ナッシュ(as)、ロニー・ラング(fl)、コンテ・カンドリ(tp)、ディック・ナッシュ(tb)、ヴィンセント・デ・ローズ(french horn)などが、うまいこと配置されている。 好きな1枚だ。mancini_2cut_002

The Mancini Touch(RCA Victor:LSP-2101)1959年録音。   この盤もなぜか地元の「こんぱく堂」で入手。こんな地味なオリジナル盤が、どうして地元トヨハシにあったのだろうか? 余談だが、あるレコードがたどる軌跡というものには・・・ほんとに興味深いものがある。

この盤は、ストリングス入りではあるが、ナッシュ兄弟、ロニー・ラング、ヴィクター・フェルドマン(vib)、ジョニー・ウイリアムス(p)、それからシェリーマンなどがクレジットされている。おもしろいのは、そのクレジットが「ソロイスト」ではなく、「Featured Performers」とされていることだ。純粋なジャズではありませんよ、という意味合いだろうか。まあ、呼び名はなんであっても、少しでも「その人」の演奏が聴ければいいのだ。バラードで演奏される<my one&only love>がいい。イントロや間奏にボブ・ベインのギターが少し入るが、主メロディは・・・これまたディック・ナッシュではないか(笑) 
思うに・・・マンシーニは、トロンボーンという楽器を、すごく好きなんだろう。スロウなしみじみ曲では、たいてい、トロンボーンがメロディを吹く。

Our Man In HollyWood(RCA Victor:LSP-2604)にも、いい曲が入っている。<two little time>だ。センチメンタルな感じに溢れたメロディを吹くのは、やはり・・・ディック・ナッシュ。とろけるようなボントロの音色が素晴らしい。しみじみとしたこの曲の味わいが、この音色でより一層、映えるようだ。

きりきりとしたジャズではないが、しゃれた演出(アレンジ)で、腕利きのジャズメンが気の効いた短いソロをとる~こんなゆったりとした味わいのヘンリー・マンシーニの音楽を、僕は大好きだ。 
それにしても・・・世の中には「いい音楽」がいっぱいだ。これだから、レコードは止められん。

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