ショーティー・ロジャーズ

2005年6月19日 (日)

<旅レコ 第6回>ショーティー・ロジャーズ/ショート・ストップス(RCA)香港でレコードを探す(D面)

<1992年7月> 香港3日目~トンロンワンからジョルダンへ~

「京都capitol」では、ペイチの他に、ゲッツとベイカーを買う。もう12時近い。もう一度、「united records」を見てこよう。もう開いているかもしれない・・・期待を込めて緩い坂道を上り、上の横道へ・・・「おお!オープンしてる!」 建物外の階段を上る時のうれしさよ。年配のオバちゃんが、威張った感じでレジに座っていた。どうやらここが本店らしい。さて、品揃えは・・・残念ながら、ランドマーク店と同じく、CDがほとんどのようだ。LP盤コーナーは、通路中央のレジまん前に、LPのエサ箱が少しある。ジャズは、あまりない。残念である・・・考えてみれば、本店といっても、ランドマーク店と仕入れが同じなら、在庫傾向も同じに決まってる。香港では、イギリス~フランスあたりからのインポートものが多いようで、総じて、アメリカ盤が少ないようだ。
EMI系~capitol~bluenoteのCDは、けっこう見かけたが、fantasy系は、OJCでさえ、LP/CD共に全く見かけなかった。多分、香港全体の輸入の流れみたいなものが関係しているのだろう。(*あくまでも1992年の話しです。現在のジャズCD/中古LPなどの市場はどんな感じなんでしょうか? ご存知の方、ぜひ教えてください~)

~そんな具合だったが、せっかくここまで来たのだし、やっぱりLP盤が欲しいよなあ・・・ということで、なんとかひとつを選び出した。
CIMG0002

≪Shorty Rogers/Short Stops with his orchestra and the giants(RCA bluebird:5917)2LP≫
裏に reissued by Ed Michel とクレジットされている。 1987年の再発らしい。音は、やけにスッキリしたきれいな感じだ。digitally remastered というのは、よくも悪くも「スッキリ」しすぎるようだ。この頃、米RCAが bluebird digitally remastered シリーズとして、未発表テイクなんかも入れて再発していたのだろう。同じ bluebirdシリーズで、ドラムのジョー・モレロ/It’s About The Time も持っている。この2LPを選んだのは、もちろんロジャーズではなく、ペッパーが目当てだった。ペッパー入りのRCA録音は、ちょっと判りにくい。もともとの10インチ盤が12インチ化される時に、いくつかのセッションが何枚かに分けられたようだ。一部しか聴いたことがなかったので、この2LPには、1953~1954年のペッパーやズート入りのセッションが、未発表(シングル発売のみ)なども交えて、32曲も収録されていた。2in1CDもそうですが、2x10インチ盤 in1LPというのも、なんか、お得な感じがしますね(笑)

1953年の8曲、これは10インチ盤が素のはずだ。演奏は・・・・これはもう素晴らしい。1曲が2~3分と短いが、時々出てくるペッパーのソロの見事なこと!この頃のペッパーは、鋭くも仄かに暖かみのあるサウンドと迷わないフレーズで、本当に切れ味の鋭いソロをとる。スパッと切れる日本刀のようだ。これで切られると・・・気持ちがいい(笑) ・・・ペッパーが好きだ。DSCN0703

≪Shorty Rogers & his Ginats≫(RCA Victor LP-3137)  

最近、ついに、この10インチ盤を手にいれた。RCA Victor にしては、センターラベルが「カラーの犬マーク」じゃなくて黒いラベルだし、盤そのものも薄くて軽い。1953年のオリジナル10インチかどうかは判らない。その後に、10インチ盤仕様で再発でもしたのだろうか?
それでも、この10インチ盤の音は・・・さすがによかった!<オリジナル盤は音がいい>と言ったって、どこがどういいの?と問われれば、僕などは、答えに窮する。ただ、オリジナル盤というのは多少、サーファスノイズ(プチ・パチ音など)があっても、とにかく・・・楽器の音色が生き生きしている! 肌合いが生々しいのだ。ちょっとの差じゃないか、と言われればそうかもしれないが、ジャズをある程度、聴き込んでから発見する、この「差」は・・・大きい。そうして・・・ずるずると・・・オリジナル盤の世界にはまっていくのだ(笑) 
とは言いつつも・・・オリジナルでも再発でも、結局はもともとの録音の良し悪しが一番大事だし、実際、「いい音」のオリジナル盤ばかりじゃあないからなあ・・・いや、それでもオリジナル盤というのは「音」だけじゃないんだ。ジャケット、紙の質感、古い匂いなど、それら全てから繰り出される、「どうにも魅力あるプロダクツ」だからなあ・・・やっぱりやめられんよなあ・・・などと、ぼやきが止まらない僕です。(笑)

CD、再発日本盤、再発外盤、オリジナル盤~同じ音源での音質や音色の違いを、表現するのはとても難しい。でも「映像」に例えると、違いの「雰囲気」」は、わかってもらえるような気がする。誰もが、知っている(気づいている)映像での違い~videoの映像が、全体にキレイにはっきり写っているのに対し、filmの映像は、いわゆる解像力では、劣っているのかもしれないが、「質感」が明らかに違う。しっとりと生々しく陰影などに味わいがある。「どちらが現実に近いか?」ということとは、また別の話しだと思う。
「音」に対する好みも、多分・・・この<映像における、video(デジタル感)と film(アナログ感)の違い>に、そのまま置き換えることができるような気がする。アナログが絶対に好き!というのは「質感」「肌合い」「味わい感」みたいな部分で、これはもう生理的なものだと思う。そうして「肌合い」「味わい」というものは、数値では測れない何かであろう。僕はそう信じたい。
それを、「時代遅れ」「偏屈」「意固地」と呼んでもらっても、一向に構わない。(笑)

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