チック・コリア

2005年6月 5日 (日)

<ジャズ回想 第1回>1972年のネムジャズイン~チックコリア

<1972年・夏>
その頃、毎年夏になると、三重県で、「ネム・ジャズ・イン」というジャズコンサートが開かれていた。高1だった僕は、「ライト・ミュージック」というギター雑誌を買っていて、それに付いていた応募ハガキで「ネムジャズイン」のチケット懸賞に応募しておいたのだが、夏のある日、小さな封筒が届いた。早速、開けてみると「ネムジャズイン招待券」!ジャズにはまり始めていた僕は、もう行くしかない!と、そんな訳で、僕は兄貴と二人で、1972年7月のネムジャズインに行くことになったのだ。その年の目玉は・・・チックコリア。1年ほど前に出ていた「ソロピアノ集」のチックコリアが来る!という印象が強かった。いや、ソロピアノのコリア、というより「サークル」の過激なコリア、というイメージもかなり残っていたようにも思う。その証拠に、ポスターやチケットに載っていたコリアの写真が、「丸メガネにヒゲ+バンダナ」のヒッピー風だった。どうも記憶があいまいだが・・・とにかく、あの「カモメ」は、まだ日本発売されてなかったように思う。Photo_2

その年のネムは・・・台風だった。夕方からもう風が強くて、夜になりとうとう雨も断続的に降り出してきて、それはもう・・・すさまじい雨だった。ネムはとにかく出演者が多い。早めの順で山下洋輔が出てピアノが痛んだ(らしい)。その後の出番のはずの菊池雅章がなかなか出てこない。どうやら出演をゴネテいるらしく・・・司会の油井正一が、「菊池くんの音楽はご存知のように大変に繊細なものだ。この台風と調律狂ったピアノでは僕の音楽は演奏できない、と彼は言っております。それも無理はないことだ。皆さん、なにとぞご理解ください」とかなんとか苦しい弁明をしたのだった。続けて「チックコリア氏のために用意したピアノ(ビニールカバーがきっちりかけられたいた)を使わせてもらえるよう、ただ今交渉しているので、しばらくお待ち下さい」
~てなわけで・・・多分、30分ほど僕ら聴衆は、大雨の中、待ってたのですが、だんだん一部の聴衆が騒ぎ出しました。そうこうしているうちに・・・油井正一がまた出てきて・・・「チックコリアが先に演奏してくれるそうです」 

DSCN0697「わお~!」 「Mr.チック・コーリア!」 「わお~」てな感じで、大雨の中、いきなり、コリアのソロピアノが始まったのです。その瞬間・・・・とにかくコリアの「みずみずしい音」が、野外の会場全体に「さあ~」と拡がっていった。 雨はちょっと弱まったり、いきなりざあ~っと強くなったりだったが、そんなことには関係なく・・・チック・コリアのピアノミュージックは・・・会場全体を包み、聴衆を魅了したのだった。   《このコリアの写真は、当時の音楽雑誌からの切り抜き》

モンクやマイルスを聴き始めてまだ間もない15才の僕も、もちろん、チックコリアの美しいピ アノに素直に感動したように思います。
(その後、徐々にハードバップジャズに入れ込み、ジャレットやコリアは、どちらかというと好みではない、ということがハッキリしてきたのですが(笑)) 

~この1972年7月のチック・コリアのソロ演奏は、僕の知る限りでは、未レコード化のはずだ。一ヶ月くらい後に、FM放送で何曲か流したのが唯一の(非公式)音源だと思う。そのFM番組は「長崎堂ハニーカステラ~ジャズなんとか」なる番組で、DJがなぜだか大平透というバリトンボイスの人。ソロ3~4曲は流したはずだ。・・・コリア自身が<フロッグ>と名づけた曲は・・・
大雨模様ということで、野外ステージのすぐ裏の方から「カエルの鳴き声」が聞こえていたので、そのカエルの声を聴きながら、ピアノの音の間に生かすようにして演奏したのだ、とかのコメントもおもしろかった。コリアのソロも素晴らしかったが、その後の「渡辺貞夫+チック・コリア」もとてもよかった。  <500マイルズハイ>も放送され、全部、エアチェックはした。 あれは・・・何度も聴いたカセットテープだが、今、すぐには見つからないので、確認もできないのだが・・・あのカセットテープ、まだ聴けるかなあ~

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