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2025年12月31日 (水)

〈第121回〉 ソニー クラーク と バディ デフランコ のレコード  ~NORGRAN と VERVE の初回盤を探る。

2025年も終わろうとしている。この何年か、暮れになると何かしら懐古的な気分に深く陥ってしまう。出かける気力も無く、ただ寝転がってレコードやCDを聴いていたい…そんな横着者になるわけである。そんな中ではあるが、やはり〈夢見るレコード〉だけは続けなくては!と思い立ち、何かを書くべく、参考に〈夢レコ〉の過去記事を見たりするのだが、過去分とダブらないもので気の効いたテーマもなかなか思い付かないので、じわじわと追い込まれてくる横着者(笑)   それで、ここはもうシンプルに素直な気分で、自分が好きな(好きだとはっきり自覚している)ミュージシャンのことで話しを進めればいいじゃないか…と開き直る自分である。

うん…ここはソニー クラークだな!  もう長いこと、本当に好きなピアノ弾きなのだ。ソニークラークについては、かなり以前の2005年9月に「夢見るレコード」で fantasyレーベルの Cal Tjader カル チェイダー / Plays Jazz(1955年録音)というタイトルの記事をアップしている。その折には、ソニー クラークのピアノ弾きの魅力をあれこれ説明しているが、今一つ、うまく表現できていない。今でもうまく言えないが、何とか説明してみると…

【8分音符でフレーズを続ける際に、テヌート(1音1音をできるだけ長く伸ばしながら次の音に繋げる)を効かせて、つまり8分音符が粘る感じと、さらにその時に連続する1音1音に強弱のアクセントを付けた(付けようとする)デコボコするようなタッチ感】       …とでも言おうか…そうしてそれらから生まれる「サウンド~音」そのものが、僕にはとても気持ちいいのである。もっとも今回、取り上げた最初期のクラークは…実はそれほど~後期のブルーノート作品で顕著なほどには~「粘ってない」場合もある。その代わりに、弾むような清冽なタッチでアイデアのあるフレーズを聴かせてくれるのだ。       さて…その記事では幾つかの作品を紹介したのだが、その折には最初期のバディデフランコ絡みの作品にはほとんど触れていない。ここで「最初期」というのは、ソニークラークがクラリネットのバディ デフランコのバンドで正式デビューした1953年~1954年頃のことになるが、この時期のデフランコの作品群が Nogranと Verve レーベルの10インチ盤、12インチ盤(1st, 2ndのジャケット違い含めて) 複雑に交錯しながら存在していて、なかなか判りにくい。ミュージシャンごとのディスコグラフィーである JAZZ HEROS DATA BANK のソニー クラークの項にもNORGRAN盤は掲載されていないので、今回はこの辺りのレコードを自分自身のためにも整理してみたいのである。オリジナル盤の発売順から見ると、やはり Norgran の10インチ盤→Norgran 12インチ盤→Verve12インチ盤(トランペッターラベル)という流れになるかと思う。どれも手持ちの盤からの紹介になりますが、初回発売である Norgran の10インチ盤、12インチ盤の収録曲目なども列記して~後に発売されたであろう Verve の新録音盤、別ジャケット同内容盤との収録曲目の合致・不一致などを確認していきたい。       

20251231_100549_20251231175201BROADWAY SHOWCASE(VERVE MGV-2033)   *NORGRANでは発売されなかったらしい。この盤はT字ラベルだが、たぶん黒トランペッターラベルが 1st かと思う。*2000番台のポピュラーシリーズ。ラッセルガルシア編曲のビッグバンド。ソニークラークのソロ場面は無いが、合間にチラっと入れるオブリガードが聴かれる。そうした僅かな隙間にススッと差し入れるアイデア溢れるフレーズを耳にすると…そこにソニークラークの独自のセンスを感じて…やっぱり僕はソニークラークというピアノ弾きを心底、好きなんだな…と改めて思うわけである。                      

20251231_100236_20251231174801COOKING THE BLUES(VERVE MGV-8221)1955年8月録音。この盤が初出自と思われる。+タル ファーロウのクインテット。珍しくもソニー クラークのオルガンが聴かれる。

20251231_094431_20251231174901AUTUMN LEAVES(VERVE MGV-8183) 1954年8月録音 *下記~ARTISTRY(NORGRAN 1012)の再発・同内容

20251231_095502_20251231174901ODALISQUE(NORGRAN MGM-1094) 1953年,1954年録音。*下記 NORGRAN 1006(PROGRESSIVE)の再発同内容。

20251231_100840_20251231174901  この2点はポリドール国内盤。VERVEトランペッターラベルが案外見つからない…適価では(笑)            左~Sweet and Lovely *1955年録音 +タルファーロウのクインテット。*VERVE黒トランペッターラベルが初出自と思われる。

右~Jazz Tones  *1954年録音      *下記~10インチ盤 NORGRAN MGN-16 の収録5曲に3曲追加された12インチ盤がNORGRAN MGV-1068、VERVE MGV-8158として発売されたようだ。

      

20251231_101125_20251231175001PRETTY MOODS(NORGRAN MGN-16) 10インチ盤  収録5曲~Tenderly,  Lover Man,  Deep Purple.  Yesterdays,  If I Should Lose You   *同一セッションと思われる Jack The Field Stalker はVERVE盤JAZZ TONESに収録されている。

20251231_095113_20251231175101 THE PROGRESSIVE MR.DEFRANCO(NORGRAN MGN-1006) ⇒⇒⇒ NORGRAN MGN-1094 ODALISQUEとして同内容で再発。   収録10曲~            Blues In The Closet,   Monogram,   Cable Car.  I Wish I knew. (以上4曲はクラーク入りカルテットの1954年音)             Gold Nugget Sam,   Love Is For The Very Young,     From Here To Eternity,   Pyramid.   Cornball,   Punkin(以上6曲はビッグバンド伴奏、1953年録音

20251231_093941_20251231175101 THE ARTISTRY OF BUDDY DEFRANCO(NORGRAN MGN-1012) ⇒⇒⇒ VERVE MGV-8183 Autumn Leaves として同内容で再発。     収録6曲~Titro,  You Go To My Head,  Gerry's Tune,  Autumn Leaves,  Now's The Time

20251231_095922_20251231175201

IN A MELLOW MOOD(NORGRAN MGN-1079) *1954年9月録音    *この12インチ盤が初出自と思われる。VERVEトランペッターラベルでの再発はされてないと思われる。起用されて間もないソニークラークがどの曲でも張り切った、ピチピチと跳び跳ねるような躍動感溢れるソロを聴かせてくれる。そしてスローテンポの Willow Weep For Me では、後年の「タメた乗り」を感じさせる見事にブルージーなソロを弾いている。

20251231_094732_20251231175301 〈アフターアワーズ〉                   上記の「プログレッシブ」NORGRAN盤の手持ちがたまたま2枚在って、それが上記の「黄色ラベル盤」とここに掲げた「黒ラベル盤」…NORGRANというと、一般的には「黄色ラベル」のイメージが強いが、たしかゲッツにも黒ラベルは在ったし…この辺り…なかなか興味深い状態かと思う。興味、情報のある方…よろしければ、首を突っ込んで下さい(笑)

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コメント

ちょっとテスト~コメントの機能

投稿: bassclef | 2026年2月 5日 (木) 08:15

alfa-60さん、こちらこそご無沙汰しております。こんな地味内容の記事にコメント頂けて…実に嬉しいです。いつぞやは、recooyajiさん宅でSavoy盤話題で大いに盛り上がりましたね(笑) alfaさんも相当にソニークラーク好きてすね…ロソリーノの「プレイトロンボーン」やジェリー ドジオンのFantasy盤Modern Music にまでチェック入ってるのを読めばすぐに判りますよ。こちらもニンマリです(笑) バディ デフランコ(があまり人気が無いこと)については…ごく一般的に見て、クラリネットという楽器自体、楽器の音色自体がそれほど好まれない傾向が強いから、従って、聴いてる方が比較的少ない…ということだろう、とシンプルに考えてます。僕自身も、ベニーグッドマンに代表される「ピ~ヒャララ~」という軽妙な(いや、軽い)、わりと高音域多めの音色は好みません。が…デフランコは違うんです(もちろん…私見(笑) 音色が中音域中心で、落ち着いていて、重い、深い…そしてフレーズが新しい(バップの感じ) そんな風に聴いてます。
またデフランコはバンドリーダーとしても、ケニードリューやソニークラークをいち早く起用している点に新しいセンスを感じます。
alfaさん、まだまだジャズ話し、在りますよね(笑) どの過去記事にもいつでもコメント、どうぞ。

投稿: bassclef | 2026年1月12日 (月) 12:10

bassclefさん、ずいぶんご無沙汰しております。

ソニークラークのデフランコ参加盤について、画像入りで紹介してあり、大変参考になりました。私自身もやはりソニークラークは大好きなピアニストなので、時折聞いております。とはいえ、デフランコがらみのレコードは、Autumn Leaves(VERVE MGV-8183)のみ所有で、デフランコのサイドでのクラークはしっかりと聞いていないところです。

西海岸でのソニークラークの録音というと、どうしても「Tenorman」「Blue Serge」「I Play Trombone/Frank Rosolino」あたりがイメージとして上がりますが、私はFantasyでの参加盤を聞くことが多いです。
・Tjader plays Tjazz(3-211)
・Modern Music from San Francisco(3-213)
Modern Music~はオムニバスですが、Jerry Dodgion(as)のカルテット2曲でソニークラークがバッキングしていて、憂いをあまり感じさせないけれど、力強いピアノが聞けますね。Fantasy ってあまり人気が無いのか、レコードコレクターとしての情報が少ないので、そんなマイナーなところの情報が得られるところが、「夢レコ」の良いところでしょうか。

またふらっと寄りますね。


投稿: alfa-60 | 2026年1月11日 (日) 17:25

kanzさん。「夢レコ」にコメントいただきありがとうございます。また、「Savoy盤」の検索から拙ブログに流れたこと…Savoy オリジナル盤のセンターラベル仕様に興味・関心を持つ方が居ること…なにやら嬉しいですよ。
kanz さん、「夢レコ」の過去記事、わりとたくさん有りますので、またじっくりお楽しみ下さい。また、どの過去記事に対しても感想・疑問・質問などのコメント頂ければ(通知が入りますので) 僕の方からもレスポンスできます。よろしくどうそ。

投稿: bassclef | 2026年1月 7日 (水) 10:38

bassclefさん、初めまして。
Savoyで気になることがあり、ググってこのブログを発見しました。ご存じだとは思いますが、DUのWANTLISTはSavoy特集で
Red,Maroonなと詳細が載ってました。

ここはなかなか興味深い記事がありますのでしばらく楽しませていただきます。
1/7


投稿: kanz | 2026年1月 7日 (水) 02:06

sigeさん、明けましておめでとうございます。早速のコメント、ありがとう。君がバディデフランコとソニークラークの共演音源を聴いていた…とは少々、驚きましたよ。また君がジャズ聴きにおいて、以前に比べて、ピアノジャズにも相当な興味を持ってきていることも、このコメントから判ります。〈駅のホームで聴く〉…うん、なるほど…ふと興味を持った音源をスマホとイヤホンでどこでも聴ける~これは素晴らしいことですよ。どんな音源であれ、興味が湧いたら、まず「その音楽を聴いてみる」ことが、その「音楽の経験」になるわけですから。そんなわけで…sigeさん、まだまだジャズは面白い…あれこれ「音楽の経験」を続けていこうではありませんか!

投稿: bassclef | 2026年1月 3日 (土) 10:57

bassclefさん、明けましておめでとうございます。昨年は、電車待ちのホームにてケイタイyotubeでデフランコとのソニークラークいっぱい聞きました。ここではbassclefさんが言われるように「粘っていない」ソニークラークが聞けるのですが、高速調でアドリブしても一音一音のはっきりした張りと瑞々しさが次々と続き、才を振りまいているようでした。「IN A MELLOW MOOD」は何回も聞きましたがミスタークラリネットと呼ばれたデフランコの割を食ってくるごとき光っているビアノでしたね。60年代に入るとこの輝きがちょっと翳ってくるようでした。素晴らしいピアニストだと思います。

投稿: sige | 2026年1月 2日 (金) 18:55

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