ジャズ雑感 第43回 なぜか不思議に懐かしい曲・・・シェナンドー
また年の瀬になっている。2022年もほぼ終わりなんだが、今年はまったくその実感に乏しい。こんな風に毎年、同じようなことを言いながらも、この<夢見るレコード>という我がブログへのそれなりの愛着もあり・・・年に1回というギリギリの一定ペースで続けてきた。そんなわけで、今年もあれこれと僕のジャズ話しにお付き合いください。
レコード聴きについては・・・ジャズ、クラシックの古い作品ばかりではあるが、毎日しっかり聴いている。また、65歳になって勤めを辞めたこともあって時間も充分あるはずなのに、今回は、これだ!というテーマ、いや単なる思い付きさえも浮かんでこないので、この2~3日、いやあ、どうしたものか・・・と唸っていた(笑) 唸りながらも考えてみると、このところの自分の音楽聴きの流れとして、聴く音楽、聴くミュージシャンの幅が拡がってきているぞ~そんな自覚があることを思い出した。以前なら「嫌い」のひと言で、ほとんど聴かなかった、いや、聴けなかったミュージシャンの音、音楽でもけっこう聴けるようになってきた・・・そんなケースがわりと増えてきたのだ。まあ、幅が拡がる・・・ということは、何かに強く拘り、深く追求していく~そういうマインドの推進力が弱っているということかもしれないけど。
また、本を読みながら聴くことも多く、だから、聴くことへの集中力みたいなものは、明らかに緩(ゆる)くなっている自覚もある(笑)
そういう「緩い感じ」は、クラシックを聴くようになってからの傾向だと自覚しているのだが、最近は、なんというか・・・流れる時間を許容する感覚が「長く」なってきた感じがある。気持ちが急(せ)かない、というか、どんなレコードでも、とりあえず片面20分は聴き通せるようになった。悪く言えば「ガマンが効く」感覚(笑)それは・・・どんなレコードでも、自分が選んだのだから、まずはちゃんと聴こうよ、という気分でもある。そうして、いろんなレコードを聴くわけだが、A面が終わるとB面、B面から掛ければA面も聴く・・・という風に1枚のLPの両面を聴くこともわりと多い。以前は、片面だけ聴いたら、たいてい、別の作品を聴くことが普通だった。まあ自分が飽きっぽいということもあるが、そのためだけでなく、少しでも多くの作品を聴きたい~そういう何かしらせっかちな気持ちもあったのだと思う。それに比べれば、今の僕はなんと気の長くなったことよ(笑)
The Melody At Night With You(ECM)1999年
さて、そこで・・・キース・ジャレットである。いや、「シェナンドー」という曲である。
キース・ジャレットについては、僕はそれはもう長い間、ほぼ無視してきた。彼の人気が出始めた1972年くらいから、つい4~5年前まで、軽く40年以上、ずうっと。その間、彼のレコードをまったく買わなかった。だからほとんど彼の音楽を聴いてこなかったのだ。当時は、今みたいに気軽に無料音源を聴けない時代だったので、レコードやCDを入手しなければ、それはつまり「聴かない」ことを意味した。もちろんたまには、ジャズ喫茶やFM放送などで、ソロピアノ諸作(ECM)やアメリカンカルッテットの諸作(impulse)を耳にすることもあっただろうが、延々と続く8ビート風なソロピアノや、サックスが入ってもジャズを感じさせない曲調・・・どれを聴いてもダメだった。もちろん、あの「唸り声」も嫌だったが、それだけじゃない・・・キースのクネクネしたようなリズムに乗ってない(ように感じる)怪しげなフレーズ~もちろん彼は敢えて、いわゆる「ジャズの4ビートの乗り」に逆らうようなイントネイションで、ありきたりではないフレーズを弾いているのだが~それら全てが、ハードバップ、スタンダード好きの僕には、どうにも受け入れ難いものに感じられたのだ。
だいぶ後のピアノトリオ「スタンダーズ」の時代になって、ようやく「あれ、ちょっといいかな?」と迷うにようになって(笑)しかしその迷いも、それはひとえにベースのゲイリー・ピーコックが素晴らしいからだぞ!という理由にしていて(笑)まだまだ気分的には「キース苦手」だった。今、思えば、要は・・・キースの、あの何か牧歌的であったり、単純素朴な8ビート風だったりする、彼のオリジナル曲~その曲調や雰囲気が僕の好みではなかった~というだけのことかもしれない。だから、ピアノトリオというフォーマットで、ジャズの魅力的なスタンダード曲を演奏する、その楽曲に工夫を凝らした解釈を付け加える~そういうコンセプトを理解・納得すれば、もう少し早くから、キース・ジャレットという人をもっと素直に楽しめたのかもしれない・・・という気持でもある。だが当時の僕には、まだそこまでの許容力は無かったので、スタンダーズ・トリオのレコードは、1枚だけ「スタンダーズ・ライヴ」を入手したが、それもようやく21世紀になってからのことである。
まあ、僕はそんな感じの「キース・ジャレット非愛好主義同盟」(わりと多いかと思う)の一人だったわけだが、ある時(これは4~5年前、つまり僕の音楽聴きが「緩く」なってきた頃)キースのソロピアノ作品~The Melody At Night with You(ECM)のCDを入手した。
申し訳ないくらいに格安だったし(それゆえ買ったのだが)自分としては特に期待も無く、それこそ読書のBGMとして、しばらくは毎晩、本を読む時にこのCDを掛けていたわけである。キースのゆったりした間合いのソロピアノが、なかなかいい感じの録音の音で、そう、5~6回は僕の耳に聞こえていたわけだが・・・そうこうしてる内に、あれ?なんかこれ、心地よいぞ・・・(笑)読書のBGMのはずだったのに、本も横にどけて聴いてたりする。なんか判らんが・・・なんかいい!(笑) あれほど避けていたキースジャレットのソロピアノが、するするっと僕の心に沁み込んできたのだ。
セレクトされている曲が実にいい。全11曲の曲名を挙げておこう。
(*blame it~ と meditation は続けて演奏されているので、クレジット上は全10曲とされているようだ)
I love you Porgy
I got it bad and that ain't good
don't ever leave me
someone to watch over me
my wild Irish rose
blame it on my youth
meditation
something to remember you by
be my love
shenandoah
I'm through with love
どの曲もスローなテンポで、しっとりと味わい深いバラードになっている。それから、どの曲もテーマのメロディを丁寧にゆったり間合いで素直に弾いていて、あまり捻(ひね)ったことをやってない・・・その曲が持つ風合い(それはキースがその曲に感じているフィーリングでもあるわけだが)と素敵なメロディーを大事にするぞ~という気配を感じる。これこそリスペクトというものだろう。
I love you Porgy, blame it on my youth、be my love など元々、僕の大好きなスタンダード曲が、ホントにしみじみと情感の込められた音で、まさにジワジワと迫ってくるのだ。そして1曲が長くなりすぎない。もうちょっと聴いていたい・・・みたいな余韻を残して終わる・・・そこがいい。ちなみに、この作品では、キースは・・・唸ってない(笑)だから、美しく濡れたようなピアノの響きの余韻を存分に味わうことができる。キース・ジャレットという人は、心の底からスタンダード曲というものをリスペクトし、深い愛情を持って接しているのだな・・・そんな風に感じずにはいられない。
そうして「シェナンドー」である。ここで僕はこの曲に「出会った」のだ! この「シェナンドー」・・・一般的には、American folk traditional として理解されている楽曲で、アメリカのトラッド・フォークを聴く方には、フォー・ブラザーズやピート・シガー、ハリー・ベラフォンテ らの歌で、先刻ご承知の佳曲だと思うが、僕はそういう「歌」では知らなかった。いや、実は・・・いろんなジャズ作品で何度か耳にしていたのだが(後述)この曲「シェナンドー」の持つ、なんというか・・・スピリチュアルな美しさには気づいていなかったのだ。
キース・ジャレットのこのソロピアノ演奏が、この曲の持つ「深い味わい」に気づかせてくれたのだ!
なんとなく、フォスターの雰囲気を感じさせる、素朴的なメロディとシンプルだが、力強いハーモニー・・・それらが相俟ったサウンドから溢れ出てくる哀愁ある情緒感・・・みたいな気分。曲の後半で繰り返されるメロディ・・・キースがググッと音圧を上げてくると・・・なにやら目頭が熱くなってくるような感じ・・・これはなんだろう? いや・・・理屈など無くてもいい。とにもかくにも、その音が、その演奏が素晴らしいのだから!
さて・・・この「シェナンドー発見」には、さして面白くもない後日談があって(笑)キース・ジャレットの「The Melody At Night With You 」が僕のCD愛聴盤になって(珍しくもCDで笑)だいぶ経ったある日、いつものごとく「今日は何から聴こうかなあ・・・」と、普段あまり手を伸ばさないコーナーの一角に僕は手を伸ばした。そこは・・・アービー・グリーン、ドン・エリオット、ハービー・ハーパーなどの地味な管楽器白人ミュージシャンを並べてあるコーナーなのだが、その日は何を想ったか、そうだ、ポール・ウインターでも聴こう!となった。当時のポール・ウインターは(よくポール・ホーンと混同してしまうのだが笑)ボサノヴァを巧く消化した品のいい音楽を演っていて、けっこう好きなので、CBSレーベルの何枚かを聴いている。この日、取り出したのはこれ。
Paul Winter Sextet/Jazz Premiere:Washington(Cloumbia) B面3曲目1963年
このレコードを掛けていたら・・・あれ?この曲・・・このメロディー?と本を読むアタマが止まった(笑)うわ~何だったかな?このメロディー・・・いいよなあ・・・という感覚。すぐには思い出せない・・・確かに知っているはずの曲・・・知っているはずの暖かい何か。だけどタイトルが思い出せない・・・このもどかしさよ(笑) 掛けていたのはB面、すかざずジャケットを手に取り、クレジットを見ると・・・あっ「シェナンドー」そうだ!あの曲だったのか! キース・ジャレットを聴いた時点では、この曲のタイトルや由来を認識していなかったので、自分が持っていて何回かは聴いたはずのレコードの中の曲でも、こんな具合に「新発見」になったわけである。
「ああ・・・こんな古いレコードに入っていたのだなあ」というある種の感慨もあったが、このポール・ウインターの「シェナンドー」、実際、とてもいい演奏なのである。ピアノ(Warren Bernhardt)がゆったりしたスローなテンポでルバート風にイントロで入り、そこにトランペット(Dick Whitsell)が柔らかい音色で、あのしみじみとメロディーを奏でる。次にスローなままのインテンポになり、2回目メロディーに入ると、そこにサックス(Paul Winter)が加わってくる。ピアノ、トランペット、アルトサックス、バリトンサックス(Les Rout)、ベース(Richard Evans)は弓弾き、ドラムス(Harold Jones)はごく控えめにシンバルをググゥ~ンと鳴らし、スピリチュアルな気分を漂わせながら音楽は進む。そして再びピアノがルバート風に戻り・・・静かに終わる。とてもいいじゃないか。
もうひとつ、わりと最近「発見した」シェナンドーがある。それは John Benson Brooks/Folk Jazz U.S.A.(Vik) 1956年というLPである。
B面1曲目が「シェナンドー」
こちらも前回のポール・ウインターと同じように、ある時、何気に取り出して聴いてみたら(もちろん、このLPの中に「シェナンドー」が入っているとは知らないままで)また嬉しい「あれ?」となったのである(笑)このLPは国内盤で、ズート・シムズやアル・コーン目当てで入手していたものだ。タイトルが Folk Jazz となっているので、その種の曲を集めたのだろう。
こちらの演奏も素晴らしいものだった。「シェナンドー」という曲は、やはり、しみじみ情感を表わす、表したい曲なんだろう。
やはりスローなテンポ・ルバートでギター(バリー・ガルブレイス)がイントロ入り、スロー・インテンポでニック・トラヴィスのトランペットが丁寧にテーマ・メロディを鳴らす。次にズート・シムズがアルトサックスで軽くフェイク吹き・・・ズートはアルトでもいい音色だなあ・・・そして次にアル・コーンなんだが、なんとバリトンサックス!落ち着いた丁寧な吹き方で品よくまとめる。さすがアル・コーンである。
さて、僕の手持ちの中ではもう1枚、「シェナンドー」入りのジャズ作品があった。Deccaレーベルのわりと知られている Jazz Studio シリーズの最後作品 No.6 にあたる The Amram-Barrow Quartet /The Eastern Scene (Decca)(1957年)のB面2曲目に収録されている。
こちらも悪くないが、David Amram(ホルン、ピアノ、アレンジ)が「シェナンドー」の素朴だが美しいメロディを尊重せずに、すぐに変奏させるようなアレンジを施しており、それが僕の好みには合わなかった。この曲に関してはちょっと残念だったが、テナーの Gorge Barrow のちょっとくすんだような音色は素晴らしいもので、全体的に落ち着いた渋いジャズ作品に仕上がっている。ベースは Arthur Phipps、ドラムは Al Harewood という渋いミュージシャンが揃っている。
「シェナンドー」という曲は、おおまかに言うと アメリカ民謡(古い翻訳感覚で言えば)、Folk、 traditional、 country、 spritual 的なものに分類されているようだ。You tubeで検索するとかなりの歌バージョンが出てきて、ソロの歌い手さんのものに混じって、合唱もの(教会音楽みたいな感じ)も多数あって、そういうのを見るとなんとなく、古くからのアメリカに移住してきた人々(まさに開拓史の流れ)の先代から歌い継がれてきた、ある種、白人スピリチュアルみたいな気配がこの曲に閉じ込められているようにも思う。そしてこの曲には、後々の時代の人々にも感じ取れる「何か」something special がはっきりとあって、だからこそ、多くの歌い手が、この「シェナンドー」を取り上げてきたのだろう。そうして、ジャズ作品としては数少ないが、上記のように何人かのジャズミュージシャンが、この曲を真摯な解釈でもって録音してきたことも素敵な事実である。
このような「アメリカ民謡」の曲をセレクトして、そこにソロピアノでもって、自らの「歌」を静かに表現してくれた~それはじわじわと効いてくる~キース・ジャレットという人に、僕は素直に感謝したい。
音楽は・・・ジャズは・・・素晴らしいな。
<2023年 1月3日追記>
記事を読んで「シェナンドー」という曲に興味を抱(いだ)いてもらったとして・・・さらにそのキース・ジャレットの音を耳にしたくなったとしても・・・その「音」を耳にすることができなければ、つまらないですよね(笑)
それで僕も You Tube などアレコレ検索してみたのですが、一般ヴォーカル系(ジョー・スタフォード、グレン・キャンベルなど)、 フォーク系(ブラザーズ・フォー、ピート・シーガーなど)、合唱団系、 それからちょっと間違えそうなのが、ピアノ勉強の人が弾く「キースのコピー演奏(真似)」そういうのばかり出てきて困りました(笑)
どうやら・・・ You Tube にはキース・ジャレット本人演奏の音源が載ってないようです。それでも、僕としては、キース本人のソロピアノでの「シェナンドー」の「音」を(たとえ一部分でも)聴いていただきたい・・・という素直的気分から、以下にリンク付けておきます。
ちなみに<夢レコ>では、ネット販売へのリンクは、これまで一切、付けたことありませんが、今回は例外ということでご容赦を。
視聴音源(もちろん無料)できるサイトで The Melody At Night With You をいろいろチェックしたら、HMV や Amazon よりも Apple Music のサイトがもっとも良心的と判りました。CDの全11曲がどれも90秒、聴けます。よろしければ、ちょいと耳にしてみてください。
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コメント
やあ、西尾のギターKさん、こんにちわ。僕の<夢見るレコード>いろいろと読んでくれたようでありがとうです。
《80年代半ば以降のベースはピックアップの普及のせいかボディやガット弦の鳴りがおろそかになってエレベみたいなのびたうどんのような音になったと思います≫
~わはは、でもまあ、のびたうどんが好きな方も居るのでね(笑)エレべ全部が悪いわけではなく・・・エレべ専門の人は、もちろんいい音を追求していて、いい音の人はいっぱい居るわけだし。ただピックアップ使用歴史上、初期の頃は、90%くらいが電気的な音色で確かに「ウッドベースの良さ」が損なわれたしまった・・・時代は在ったよね。
ピックアップもその後、ものすごい改良されて、たぶん2000年くらいからはかなり自然な感じの音質になっているようだよ。ただしそれもやはり「生」で弾いて状態でしっかりした胴鳴りが出ている場合の「+ピックアップ」の話しだと思うわけだが。
クリスチャン・マクブライドは、生で「物凄い音」~密度のある太い音色も音量も~出しているね・・・you tubeでそういう場面をいくつか見た。(エメット・コーエン(ピアノ)のyou tubeなど)
ギターKさん・・・またいいレコード、いい演奏を聴こう!
投稿: bassclef | 2023年12月28日 (木) 11:14
どーも、西尾のギター弾きのKです
ちゃんと書き込めるかわかりませんがやってみます
私の知らないレコードばかりで驚きました。とてもじゃないですが私のコメントできる世界ではないです
ただ、以前のコラムでのK5さんのべ―スについての意見には全面的に賛成します。80年代半ば以降のベースはピックアップの普及のせいかボディやガット弦の鳴りがおろそかになってエレベみたいなのびたうどんのような音になったと思います。この件についてはロンカーターも自伝で言っていました
私はオルガンのフットペダルのベース音もダメです。ジャズは木鳴りガット弦のウッドベースが一番と思っているのですが
投稿: | 2023年12月26日 (火) 18:04
bsさん、コメントをありがとうございます。ジャズのブログも一頃、相当増えて、しかしまた減って・・・そんな中で、bさんのBlue Spiritsと jazz and freedom and avenger では、興味深いジャズ話題~このところのレコード/CDの断捨離の実態(笑)、またちょくちょく現れるビル・エヴァンス絡みなど~をコンスタントに発信してくれるので、何度か読み返したりして、楽しませてもらっております。こちらもかろうじて年1回維持してますが(笑)またいろいろと語りあいたいものですね。
bsさんのキース・ジャレットへのスタンス・・・なるほどの感、あります。スタンダーズトリオは、やはり扱う素材(スタンダード曲)も徐々に限られてくるであろうし(レコード・CD作品として)いくらあの3人の演奏性が素晴らしくても、そのやり方・持って行き方みたいなものに馴れてくる宿命であるし(これはどんなバンドにも当てはまることではあるけど)そんな慢性的感覚になるのも当然ですよね。僕などは、今回記事のThe Melodyを2019年に聴いて、キース・ジャレットへの偏見が払拭されて、そんなオールド・ルーキーだから、ついこの前(11月)にようやく、スタンダーズのvol.1とvol.2を入手したところで、その辺を楽しんでおります(笑)(「スタンダーズ・ライブ」だけは、20年くらい前に入手している)
bsさんのキース遍歴で、あっと思ったのは、TALES OF ANOTHERです。これだけは・・・、ゲイリー・ピーコック目当てで、かなり前に(1988年くらい)入手して何度か聴いて、こういう感じなら、如何に「非キース」の僕でも聴けるな・・・と感じたレコードだったので。
僕の場合は、今更ながら、キースへのアレルギー症状が薄まってきた自覚があるので(笑)少しづつ、初期のもの~atlantic、voltic辺りから探っていこうかな・・・くらいの立ち位置です。bsさん、今年もよろしくです。またいろいろ教えてくださいね。
投稿: bassclef | 2023年1月15日 (日) 12:49
こんにちは
今年も遅刻(笑)しました。遅ればせながら、新年のご挨拶とbassclefさんの次のステージへのスタートにお祝い申し上げます。
「非愛好主義同盟」って妙に的を射ていて思わず膝を討ちましたよ。bassclefさんほどでなくロイド・グループで一旦、純愛好主義者になりましたが、解散後は世の中、ソロ・アルバム等々で浮れて居る間も無視していました。所が、77年のピーコックの”TALES OF ANOTHER”で叩き起こされた口なので、ま、「正」ではなく「準」と言った所ですね(笑)。ただ、スタンダーズになり、暫くして、果たしてキースに合った題材なのか、疑問を覚え、「スティル・ライブ」辺りで止まっています。この題材はもう他の人に任せ、彼の才覚からして、いい子で収まらず、いい意味でもっと暴れて欲しいと思いました。でも、体調面、年齢など、いつまでも昔を基準にして語るのは酷ですね。お薦めの作品、探します。
投稿: avengerv6(bs) | 2023年1月14日 (土) 13:25
audio_romantic80さん、コメントありがとうございます。明けましておめでとうございます。
《8曲目の「Be My Love」あたりであやうく落涙しそうになりました》
いやあ・・・キース・ジャレットのこの「The Melody At Night With You」の、じわじわと効いてくるような、独特な味わい深さみたいな感じを、ズバリと表してくれる表現だと思います。僕もshenandoah 後半で目頭が熱くなる・・・みたいな感じになりました。キースが本当に好きな曲を、まったく奇を衒(てら)わずに、すうっと弾いた・・・ような、そんな「キース・ジャレットの音楽」に、僕自身、これほど感じ入ることが起きるとは・・・40年前には全く想像すらできませんでしたよ(笑)
10曲目の I'm Through With Love だけ、別のスタジオ録音ではあるまいか?
これについては・・・今、何度か I'm Through~と他の幾つかの曲のサウンドを聴き比べてみましたが・・・よく判りません(笑)ただ「録音の感じ」が確かに微妙に違うようで、確かに I'm Through~だけは、ピアノの低音に厚み・音圧感が増して、高音がやや丸くなって、全体にマイルドになった感じ・・・ありました。(下記のモノラル的に対し、音場はやや拡がっているみたい)
他にひとつ気づいたのは、他の1~9番の9曲は全て、なにか・・・モノラル的な感じで、ちょい硬めの高音と、低音があまり分離しない感じで、ピアノ全部の音が一つの塊(かたまり)になっているように聴きました。
あと、CD(独)のクレジットには、engineer:Keith Jarerett と表記されているのも興味深いことですね。録音スタジオの表記は、Cavelight Studio とありました。これが キース・ジャレットの自宅スタジオのことかと思います。
投稿: bassclef | 2023年1月12日 (木) 20:41
bassclefさん
おめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
コメントありがとうございました。
bassclefさんがキース・ジャレットを余り聞かなかったっていうのは初耳でしたが、今回「The Melody At Night With You」を採り上げられたのには1本参りました。さすがです。これすごくいいですよね。
僕もこのアルバム出てすぐに買ったのですが、キースの病み上がりってこともあったんでしょうか「いつもと違うキース」がいるので凄く驚きましたね。
で、その時は、僕も最初からずーっと聞いていって8曲目の「Be My Love」あたりであやうく落涙しそうになりました。でも、次の「Shenandoah」の懐かしさでしみじみ慰められたもんです。
で、昨晩このCDを引っ張り出してきてもう一度聴いてみました。随分久しぶりです。もちろんもう枯れ木みたいになってますから落涙なんてしませんが、あらためてなんかエヴァンスがファンタジーに残したソロ集のような寂寥感みたいなものを感じましたね。そりゃピアニズムは全然違うんですけどね。
僕は、さっきの「Be My Love」とかガーシュインの「Someone to Watch Over Me」とかの演奏が凄く好きなんですが、よくもまぁ短い小節に、こんなにも うねる様な感情の起伏を織り込めるもんかと感心します。ほんとに凄い事です。勉強になります。
ところで、余談なんですが、この録音 キース・ジャレットの自宅で録音されたと書いてありますが、なるほどいつものキースのピアノとは違う硬質な響きがあります。
ところが最後の曲「I'm Through with Love」はその硬質さは消え、凄くふくよかハーモニーのピアノ、つまり「いつものキース・ジャレット」が居ます。この曲だけスタジオ録音をカップリングしたんじゃないかなぁ、なんて思ってます。
この演奏も素晴らしいですが、これがこの一連の自宅録音のあと、スタジオで録ったものなら何らかの意味を込めたってことになるでしょうが、そうでなければただ余白を埋めたってことになりますか。どっちなんでしょうかね?
では、また
投稿: audio_romantic80 | 2023年1月12日 (木) 08:48
D35さん、お久しぶりです・・・明けましておめでとうございます。D35さんはたしか僕よりちょっとだけ年長なんですが、やっぱり、ブラザーズフォーの「シェナンドー」をフォークバンドとして演奏もして、曲も知ってるんですね。僕も今回「シェナンドー」というコトバであれこれ検索してると、必ず出てくるのが、ブラザーズ4のバージョンでした。聴いてみると・・・キーはDのようで、これは検索で出てきた楽譜もDだったし、そして面白いことに、うんと後の1999年のキース・ジャレットもDで演奏しているのですよ。
曲のメロディーもコード(和音)も、やはりカントリーっぽいところもあって、実際、検索で出てきた他のバンドの「シェナンドー」には、ヴァイオリンが(フィドル的に)入っている場合も幾つか在りました。こういう曲調には、DキーとかAキーとかGキーが合うんですよね。ギター中心のサウンドだと、開放弦がカラッと明るく響く感じ・・・と言ってもいいのかな。
ところが・・・キース・ジャレットの「シェナンドー」は、(キーは同じでも)ピアノの、ピアノだけの、そしてもちろんキースだけの音楽・・・という捉え方みたいで、しっとりした感じの濡れたような音色でもって、素朴な水彩画のように描かれている感じなんですね。かと言ってコードなどを「かっこいいジャズの音」に変えてるわけでもないのですよ。他のどのバージョンにも感じられるこの曲に対する<郷愁、リスペクト>みたいなマインドはまったく同じ質感で、間違っても「お洒落なジャズでしょ」みたいな感じではない、と思います。そこが素晴らしい! まあ今回は・・・そんなような要素が絡(から)まって、僕自身が苦手だったはずの「キース・ジャレットのソロピアノ」の音に絆(ほだ)されてしまった・・・ということかな(笑)
D35さん、お互いに、まだまだいい音楽を聴いていきましょう!
投稿: bassclef | 2023年1月 9日 (月) 11:14
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
先ほどyoshitakaさんの提供サイトでシェナンドー聴きました。学生時代にブラフォーのコピーバンドをやっていたので私にはその歌のイメージしかなかったのですが、本当にしみじみと聞かせてもらいました。
あのキースの演奏とは思えなかったです(笑)。
私も皆さんと同じようにケルンや緑のアルバムを持ってますがずいぶん聴いてません。若い頃にコンサートも一度行きましたが、トリオがソロになって聴いてるのが辛かった(笑)覚えがあります。
また出して聴いてみようと思います。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
投稿: D35 | 2023年1月 8日 (日) 23:05
yositakaくん、明けましておめでとうございます。そして、コメントをありがとう!それから「シェナンドー」の5分46秒フル・ヴァージョンの音源アップにも感謝です。これはyositakaくん個人が保存してある音源を「ギガファイル便」という場所に預けた状態なんだね。どういう仕組みかがよく判らなかったので、実験的に、僕もダウンロードしてみましたら、すぐダウンロードできて、その音源ファイルを保存した状態になりました。ダウンロードしなくても「再生」押せば聴ける・・・という仕組みですね。
キースのこの「the Melody At Night With You」・・・すでにたくさんの方が指摘されているように、これまでのキースの「ソロピアノ」とは、はっきり違う趣旨のもので、キースが厳選したであろう、地味で渋めの、しかし、なんともジワジワ沁みてくるような「あのメロディーThe Melody」のスタンダード曲~を、独りで弾いた、その結果・・・独自な味わいのソロピアノ集になったのだ、ということかと思ってます。
yositakaくんも表現してくれたように<しみじみと回顧的な曲想をキースが感慨を込めて演奏しています>・・・そう、そういう種類の音楽ですね。
それから、キースジャレットという人は、ソロピアノでもスタンダーズトリオでも、たいていアドリブ部分のソロが長いのですよ。yositakaくんの言う、まさに「冗長」かな。まあ次々に楽想が湧いてくるから仕方ないのでしょうけど(笑)僕などはそうしたアドリブをスロー8ビート風に演られると延々とやられると、いまだにちょい苦手ですが・・・この作品ではどの曲も3分~5分台にスッキリまとめてるので (something to remember by と I Got It Bad and That Ain't Goodの2曲だけは7分台)The Melodyをシンプルに味わえるように思います。
クラシックでもジャズでも、本当に様々な種類の演奏が在って、僕らはそれらの全てを聴くことはできないけど、自分にとって「聴く喜び」を味わえるものが、まだまだ在るはず・・・という音楽聴き的貪欲マインドは失いたくないですね。多少の変節くらいいいじゃないか!と開き直る自分です(笑)
投稿: bassclef | 2023年1月 8日 (日) 18:28
あけましておめでとうございます。長くて読み応えのある記事をじっくり拝読しました。とりあえずキースの「シェナンドー」をお聴きになりたい方は、個人的にファイル化しましたので、こちらからダウンロードしてください。ダウンロードしないで再生も可能。ただし期限付きで2月7日までです。
https://xgf.nu/jy1U
しみじみと回顧的な曲想をキースが感慨を込めて演奏しています。ジャズっていうか、ノージャンルの音楽ですね。bassclef君の音楽生活も、少し変わってきたかも。いい意味で許容度が広くなったっていうのかな。僕がクラシックに引っ張ったせいもあるかも知れないね。
キースに抵抗感はないですが、ずうっと聴いていませんでした。一番好きなCDは「スティル・ライヴ」ですが、これも随分聴いていない。スタンダード演奏どれも美しいけれど、1950年代のジャズと比べると長尺過ぎるという印象もあります。冗長感といいますか。
でもこのアルバムには、それがあまり感じられませんね。キース自身の体調のせいで、長い演奏をする体力がないのかもしれないけれど、それがかえって聴きやすさを生んでいる。
いずれにしても聴くことへの許容度が上がるのはいいことじゃないかと思います。音楽への許容度は人間への許容度かもしれない。だとしたら、今ほど音楽が必要な時代はないかも。今年も素晴らしい音楽にたくさん触れられる1年になりますように!
投稿: yositaka | 2023年1月 8日 (日) 10:18
すみません、シュミットさんへのコメントに訂正を1ヶ所。
blame it on my youth は、CD「Melody~」の1曲目ではなくて6曲目でした。何か思い込みで勘違いしました。ちなみに1曲目は、I love you, Porgy です。う~ん…この曲も好きだなあ(笑)
投稿: bassclef | 2023年1月 7日 (土) 14:22
シュミットさん、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。コメント、とても嬉しいです「ちょっと今までのキースとは雰囲気が違ってますよ」・・・うんうん、ホント、その通りなんです!そうしてその「違い様」のお陰で、まあ「反キース」だった僕は「キース、素晴らしい!」になってしまったのですから(笑)シュミットさん・・・リアルタイムでこのCDを耳にしていたのですね。
blame it on my youth・・・僕も大好きな曲です。ど直訳から意訳してみると、<私の若さを責めてよ>→<あれは・・・私が若かった、ということなのよ>→<若気の至り、だったのよ><若さゆえ~>(ここはグループサウンズの音で笑)
~たぶんそんなニュアンスのタイトルかと思いますが、キース・ジャレットは、この曲をCDの1曲目に持ってきてますよね。僕などもタイトルからの連想で、<自分の若かった時のあれやこれやの様々な事象、感情・・・を想っている>みたいなイメージが自然に湧いてきます。そしてシュミットさんが書かれた≪諦念みたいなもの≫・・・うん、感じますね。言ってみれば、このCD、全編がそういう感じ、漂っているようでもあります。だから・・・そういう雰囲気が好みでない方には合わない音楽かもしれません。
僕はモンクが大好きなのですが、今回、このキースのソロピアノを聴き込んで感じたことがあって、それは・・・モンクのソロピアノ集のもつretrospective(懐古的、追想にふける)reflective(思索にふける)そうした雰囲気と、キースのこのソロピアノ音楽とは、意外に近い感覚があるぞ・・・ということです。普通に考えれば、モンクとキースはどう見ても・聴いても、ピアノを弾く音楽上のスタイルはまったく異なるのですが、ソロピアノという形式に拘りを持ち、そこでの自己表現に自己の本領を発揮する~ということでは共通点がある。そして何より、このキースのCD~スタンダード曲を淡々と、しかし、しみじみ弾いていると思える~を聴いていると、ガチガチのモンク好きの僕などは、モンクの「サンフランシスコ」「ヒムセルフ」を聴いている時と、キースの「メロディー」を聴いている時と、なんだか同じ様な音聴き感覚になっている・・・そんな自覚が確かにあります。
シュミットさんが、感じた「復活ブーニンのシューマン」に、心動かされる・・・なんか判るような気がします。シューマンのピアノ曲は 謝肉祭 くらいしか馴染みがありませんが、シューマンという人の内省的な雰囲気はわりと好きです。また聴いてみます。
シュミットさん、音楽というのは・・・素晴らしいですね。
投稿: bassclef | 2023年1月 7日 (土) 11:59
すみません、途中で誤って送信してしまったようです。
シューマンからの続きです。
シューマンには心動かされるものがあります。音楽は深い。今回は私もなにか雰囲気が違うみたいですね(笑)。アッ、それから、退職なさったそうで、お勤めご苦労様でした。
投稿: シュミット | 2023年1月 6日 (金) 20:00
bassclefさん、少し遅くなりましたが、本年もどうぞよろしくお願いします。シュミットです。
多分、20年くらい前だと思うのですが、その頃よく行ってたレコード屋さんで、このcdを「ちょっと今までのキースとは雰囲気が違ってますよ」ってことで、すすめられて買いました。なんでもそのころキースは疲れると症状がドンドンさらに疲れがひどくなる病気と闘病中で、たしかにこのcdは状況も内容も異色ですね。
このcdに入ってる「blame it on my youth」を聴いてると私は懐かしさとかやすらぎといった感覚とはすこし異なる諦念みたいなものを共感するのです。
年末のnhkの再放送で「ブーニン 9年ぶりの復活コンサート」というのをやってました。クラシックのことはよく知らないのですが、彼が10代でショパン・コンクールを圧倒的技巧をもって優勝したのは知ってます。その彼も大きな身体的障害と闘っているそうです。50代なかばとなった彼が不自由な左手を精一杯使って奏でるシューマンにはこころえこ
投稿: | 2023年1月 6日 (金) 19:49
やあ、sigeくん。明けましておめでとう&コメントもありがとうございます!
<力みや作為があまり聞こえてこない、滲み出てくる音>
うん、正にそんな感じだよね!ソロピアノというフォーマットは同じでも「ケルン」や「緑3枚組」とは明らかに違う肌合いの作品で、それはもちろん前2作が全編フリー即興スタイルに対し、「The Melody~」の素材が全てスタンダード曲、自由なルバートでのスローバラードというスタイルの違いから生じたものだ~と分析するのは簡単ですが・・・それだけじゃない何か別の・・・キース・ジャレットの心情的な何かがあっての、深みのあるスタンダード曲解釈につながっていった・・・みたいなことを想うわけです。
「the Melody~」のライナーの中に<キースが自宅で奥さんのためだけに弾いた>という話しがあって・・・僕は普段、こういうサイドストーリーには気持ちを動かされないタチなんですが、この作品のピアノの音に浸ってしまうと・・・「なるほど」と素直に納得しましたよ(笑)
秋吉敏子の「キース・ジャレットへの高評価」は僕も覚えてます。たしか油井正一氏が何かのコラムで「秋吉敏子の談話として~今は(その1972年頃)チック・コリアの人気が高いようだけど、ピアニストとしての資質・能力はキース・ジャレットの方が断然、上だと思います~みたいなことを書いた」という経緯だったと思います。その頃には僕も「ふうん、そういうものかな?」くらいで理解できてなかったけど、この頃は、ピアノトリオでもソロでもキースの、あの鍵盤に粘りつくようなタッチ感は素晴らしいな、と思ってます。
なんにしても・・・ほぼ「嫌い」だったはずのミュージシャンの音楽をこれほど、愛聴している自分に驚いております(笑)
sigeくん、まだまだジャズを聴いていきましょう!
投稿: bassclef | 2023年1月 3日 (火) 22:15
bassclefさん、明けましておめでとうございます。元旦にはブログ更新されているだろうと楽しみにして開けば、やっぱり更新されて嬉しかったです。その「シェナンドー」、90秒ですが貼付けられたリンクの音を拝聴させていただきました。奏者の心の中から滲み出てくるままに音に換えているといった演奏で、素直に心に届きました。力んで才智を働かさず滲み出てくるのがとてもいい演奏と感じました。1971年か1972年のスイングジャーナルでしたか、穐吉敏子氏がキース・ジャレットを推している記事を読み、そうかなあと思っていたんですが、大学時代、先輩の下宿で『フェイシング・ユー』というソロピアノ集を聞き、少しいいなあと思いました。ケルンも三枚組も一生懸命聞きましたが、ピーコック、ディジョネットとのスタンダードをやっているのを後輩の車中で何度も聞かせて頂いたほうがなんぼかいいなと思っていました。ですから、今回の「シェナンドー」は、チャールス・ロイド、マイルス、自己カルテット、ソロ、スタンダードトリオのどれにも属さない、力みや作為があまり聞こえてこない、滲み出てくる音がして、少し驚いたのでした。研ぎ澄ました精神で造形しようという、結構力みを感じていた奏者でしたので驚きました。これからも、ジャズ、どんどん聞くぞう!
投稿: sige | 2023年1月 3日 (火) 16:57
denpouさん、コメントありがとうございます&明けましておめでとうございます。
いやあ、今回は、なぜか<夢レコ>には、まったく似合わないであろうキース・ジャレット話題ですから、denpouさん・・・おそらく困惑してるだろうな、と想像してましたよ(笑) 興味のないミュージシャンの馴染みのない曲を、いくら「いいですよ」と力説されても困りますよね。you tube検索などもしてもらったみたいで恐縮です。実は僕も「キース・ジャレットのシェナンドー」とかで検索してみたのですが・・・フォーク系や合唱団のバージョンや、ピアノを勉強してる人のキースジャレットのコピー演奏ばかり出てきて、参りました(笑)キース本人の演奏はまったく出てこなかったですね。
denpouさんが仰る通り、「いい曲」はもう間違いないのですが、その曲をキース・ジャレットのソロピアノで、どんな風になるのか?それをぜひ耳にしてみてほしい・・・そんな気持ちがあります。
それであれこれチェックしたら、キースジャレットの弾く「シェナンドー」が聴けるのは~
HMV や AMAZON などの30秒ほどの視聴音源だけだと判りました。で、その種で一番良心的だったのが、アップルミュージックの視聴音源で、これは The Melody At Night With You からどの曲も90秒くらい視聴できます。音質もなかなか。
<夢レコ>にネット販売店のリンクを付けたことは無いのですが(他に「本人音源」が見つからないので)ちょっとリンク付けときます。よろしければ聴いてみてください。https://music.apple.com/jp/album/the-melody-at-night-with-you/1440930475
投稿: bassclef | 2023年1月 3日 (火) 09:34
bassclefさん 明けましておめでとうございます。
毎年 年明けで パソコンの電源を入れ 今年は何かなと楽しみで最初に見るのが このブログなんです そして 直ぐにコメントをするんですが 今年は キース・ジャレット全く音源が有りませんし 画像のレコードもみんな持っていませんので コメントのしようが無く今回は止めようとも思いましたが 毎年大晦日のブログ皆さん楽しみにされていると思いますが 私は「シェナンドー」という曲に興味を持ってyoutubeなどで検索してみました この曲はjazzではあまり聞いた事が無いですね でもいい曲であることが分かりました、私も歳なので そろそろレコードも 断捨離対象に成ってきていますので 色々聞きながら 置いておくレコードの選択をしておりますよ、次のブログも楽しみに拝見したいと思っています、bassclefさんは ライブ演奏で頑張っておられる様で 益々お元気で 頑張ってください、以前の様に皆さん集まってのレコード鑑賞 またやりたいですね。
投稿: denpou | 2023年1月 3日 (火) 06:38
senriyanさん、さっそくコメント、ありがとうございます。そして明けましておめでとうございます・・・も。
いやあ…今回の「シェナンドー」は、音楽聴きの上での、自分でも呆(あき)れるくらいの変節ぶりを、まあどうしたもんかな・・・という記事なんですよ(笑)
ジャズ聴き、それはもう長いですけど、「ソロピアノ」という形態はわりと好きなんです。それは、モンク、ダラー・ブランド、アンドリュー・ヒル・・・そういう流れを本線として好んでいるのですが、まったく好きではない(自覚として)ミュージシャンでも、例えば、チック・コリアのソロピアノは、ごく初期の「vol.1」はけっこう好きなんです(但しA面のみ)
それなら、キースジャレットは?というと、senriyanさんと同じく、1973年頃からのECMレーベルの「ケルン」や「緑の3枚組」が、やっぱりダメでしたね。ただ流行りで買った方が多かったようで、ひところの(たぶん2000年以降)中古レコード店では、キースのソロ作品は大暴落してましたね。ケルンは300円~500円、3枚組でも800円~1000円とか・・・僕は安いものに弱いので、その2作のソロ作品だけは入手しましたが、当時は、やはり聴き通せませんでしたね。
記事の The Melody~(CD)を聴いてキースのピアノの音色自体に免疫ができてからは、「ケルン」も「緑3枚組」も(スタンダード曲が無いのが不満だけど)なんとか聴けてます(笑)
まあしかし、今頃になって~自分のレコード入手リスト記録をチェックしたら、The Melody~は2019年4月に入手してました(わずか4年弱の最近)その後にようやく、うんと前の録音(Melody は1999年、ケルンや緑は1972~1974年頃)を 「聴けるようになった」というのも、なんというか・・・おかしな話しですが。
でもsenriyanさん、キースの「The Melody~」という作品だけは、ちょっと他のキースものと肌合いが違う・・・ような気がしてます。
ぜひ(もしネット音源は絶対に耳にしない~みたいなルールにしていないならば)ちょっと耳にしてみてください。シェナンドーの映画もご存じであれば・・・キースのピアノの一つ一つの音から、当時の鉱山だったかの労働者の、故郷・自然への郷愁・・・みたいな感覚が味わえるかと思います。
投稿: bassclef | 2023年1月 1日 (日) 18:48
明けましておめでとうございます!
早速、楽しまさせて頂きました。
実に、キース・ジャレットに関しては共通点がございまして。30日にです。私は古本屋でECMから出ていた「scattered words」という本を入手しまして、英語、写真多数、これはキース・ジャレット好きの方ならたまらない内容だと喜んでいたところなんです。
「キース・ジャレット非愛好主義同盟」笑ってしまいますが、実は私もその一人だったのです。ただ、bassclefさんが分析しているように彼のもつ音楽的特徴、主観のようなものではなく、あの頃のミーハー的な、キースジャレット信仰による弊害のようなものだったと自分では自覚しております。(笑)
あの頃、ジャズ喫茶では「ケルンコンサート」がよくかかっていたは、本当の話しで。一度かかると、ずっと続く、さすがに、ジャズはキースだけじゃないぞと。
でも、私は同じように、キース・ジャレットのソロだけではない、相当、ヘンな作品も残してまして。その辺り、かなり安い、を聴くようになって、考えは大きく変わりました。
今回の「シェナンドー」ですが、私のような西部劇ファンは、1965年に、ジェームズ・スチュアートが出演した「シェナンドー河」を真っ先に思いうかべてしまうのですが、この映画でも、おそらく、この曲は立派に流れていたはずなのです。
入植者とネイティブアメリカンの酋長の恋が題材になっているようですね。
私が、ここでハタッと膝を叩いたのは、この選曲が実にキースらしいということです。
そもそもこのナンバーは、アメリカの民謡、フォークソングであるわけですが、キース実は、この人の根底に脈々と息づいているのが、このアメリカ民謡だと思っています。
つまり、キースという人は、マイルスや、コルトレーンや、ビル・エヴァンスなどよりも、ウディ・ガスリー、ザ・バンド、ザ・バーズ、そして、ボブ・ディランに近いものがあると私は思っています。
この「シェナンドー」はそのボブ・ディランも80年代頃かカバーしているようです。
残念ながら、キース・ジャレットのECM作品は、ほとんど持っていないのですよ。他の人に、任せようと思って。(笑)
だから、今回、basscleさんが紹介されたこの有名な、有名ですよね、このアルバムも未聴です。なんだ、これを聴いていないのか、オマエさんは、と怒られそうな作品ですよこれは。だが、これも、本当に聴いてみたくなりました。私は、ゆえあって、CDデッキを持っていないので、なんとしても、ECMのアナログを狙いたいところなんですが、高いんじゃないか~これ。(笑)
ということで、大いに楽しませていただきました。
また、気づきあればコメントさせて頂きます。
投稿: senriyan | 2023年1月 1日 (日) 07:32