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2021年12月31日 (金)

<ジャケレコ  第5回>7インチEP盤には逆らえない

バート・ゴールドブラット装丁のEP盤たち

なんだか知らぬ内に日々が過ぎて、この1年も早くも終わろうとしている。本当に早い。毎年、年末になるとこのような感慨に耽るわけだが、この「夢見るレコード」・・・年に1回だけでも更新せねば、というわりと律儀な気持ちもあり(笑)しかしなかなかいい題材も見つからず、あれこれレコード棚をパラパラと見ながら、埃(ほこり)を払ったりしていたら、棚の前に飾ってあるEP盤がぱたりと落ちてきた。あ、そうだ、これでいこう!・・・という訳で、今回はEP盤である(笑)

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この何年かの内にジャケットを気に入ったものを少しづつ入手してきて、EP盤もけっこう集まってきている。
‌EP盤の魅力はやはり、まずはジャケットにある。そのジャケットから醸し出される雰囲気の魅力である。
さて、EP盤を入手するキッカケにはたぶん誰もがこんな具合かな、と思えるパターンがあって、それはつまり、12インチ盤、10インチ盤でとても好きなレコードがあって(それを持っていても、あるいは持っていなくても)そのレコードと同じデザインのジャケットのEP盤というものが数多く存在している・・・そしてひとたびその姿を目にしてしまうと、その7インチという小振りな姿、形がなんとも「チャーミング」なモノに見えてきて・・・いいなあ、これ!という気分になってしまう(笑)~そんなパターンかと思う。
またデザインは同じで色合いだけ違う場合もあるが(*写真上の方に映っている bethlehem のクリス・コナーなど)それはそれでチャーミングである。このクリス・コナーのEP盤については「夢レコ」過去記事「クリス・コナーの声」で取り上げている)
それから10インチのジャケット写真の、それを撮った時の別カット写真をEP盤の方に使う~というパターンもあるようだ(emarcyのヘレン・メリルなど)それも悪くない。それから、10インチの元盤と関係なくても、そのEP盤のオリジナルなデザインが実に魅力的なものも、当然のことながら、数(あまた)存在する。なんだ・・・これではEP盤というものを好きになってしまうのも無理のないことじゃないか!(笑)

図柄的魅力とは別な話しとして、じゃあ7インチEP盤の音ってのはどうなんだ?という興味もある。
僕の場合、EP盤は45回転だから音もいいはずだ~という素朴的期待感もあり、いろいろ入手してきたわけだが、初期の頃には Clef のゲッツやフリップ・フィリップスの幾つかのタイトルに「かなりいい」と思えるものを見つけたが、それらは例外的なもので、その後は「まあ・・・普通の音だな」と感じる場合がほとんどだった。特定のレーベルなら全て音がいい~なんてことはまったくない。こういうのはやはりタイトルごとの問題だろう。そして「いい場合」の確率はそれほど高くない・・・そんなことから(僕の場合)ある時期からEP盤というものは、あくまでジャケットの魅力に拘るべきだ、と考えるようになった。

さて、さきほどEP盤の棚を少し整理してみたら、なにかしらジャケットが同じ雰囲気のものがけっこう見つかった。それらは主役であるミュージシャンを個性的なイラストで描いているジャケットのもので、たまたまかもしれないが Savoyレーベルのものが多かった・・・そう、バート・ゴールドブラットである。ゴールドブラットはベツレヘムの格調高い写真ジャケットで有名だが、イラストものも凄く個性的で素晴らしいのだ。それらを並べてみたら・・・う~ん、実にいいなあ・・・好きだなあ・・・というわけで(笑)
まずは、バート・ゴールドブラット装丁ジャケットのEP盤をあれこれと紹介してみたい。

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《上写真~黄色と赤色の2枚~Stan Getz/Swedish All Stars(roost) 》赤い方が EP 302(vol.2と右下に表記)と 黄色いのが EP 304(vol.3と表記)である。これこそ同じデザインの色違いパターン。この写真だとジャケットの表面の紙が剥がれているように見えるかもしれないが、これはサックスの部分だけ「白い色」にしてある・・・そういうデザインなのだ(笑)

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《マリアン・マクパートランドの savoy のEP盤~vol.1(xp 8032) と vol.2(xp 8033) と vol.4(xp 8106) 》
これら3枚を集めたが、vol.3 は残念ながら未入手である。そしてこの3枚~表ジャケットは素晴らしいイラストだが、vol.1 と vol.2 の裏ジャケットはまっ白・・・何の表記もない。但し、vol.4 には裏ジャケットに解説と自社レコード広告が載っていたが、エロール・ガーナー、ジョージ・シアリングなどのEP盤紹介のみで、マクパートランドのEP盤 vol.3 情報は得られなかった。
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このイラスト・・・女性がけっこう太めの右腕をアタマの上の方からぐぐ~っと曲げ込んで鍵盤をタッチしている・・・そういう図なのだが、こんな風に肘を90度にしたらピアノなんか弾けないぞ(笑)でもいいのだ・・・写実ではなくイメージ表現なのだから。ゴールドブラットは・・・「線」がいいと思う。線のタッチにすごく強弱感(太い、細い)があって、スピードを感じる。僕はこのイラストレーションをとても好きなので、同じ図柄(色違い)の Marian McPartland MOODS(MG 15022)という10インチ盤~上写真~も手元にある(笑)
  
ゲッツ~他のルーストEP盤にもゴールドブラット装丁のものが在ったので掲げておきたい。ゴールドブラットの描く、どことなくヘナヘナッとしたゲッツの姿が悪くない。しかしながら・・・Roost レーベルの音質はどう弁護的に言っても良いとは言えない。録音の段階から(おそらく)なんというか音が遠いというか、こもったような鮮度感のない音である。これはオリジナルの10インチ盤、12インチ盤でも同じ傾向。残念ではある。

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上写真~Stan Getz/Stan Getz Plays の vol.1(roost EP 301) と vol.4 (roost EP 306)
さて、この2枚・・・同じ図柄で vol.1とvol.4となっているので、当然これらの「色違い」vol.2 と vol.3 が存在しているはず~と考えて、未入手なのを残念に思ったわけだが、その vol.2とvol.3・・・なんとしたことか、先ほど紹介した3つ上の写真~Stan Getz/Swedish All Stars の2枚そのものだったのである! なぜそれが判ったのか? EP 306 の裏ジャケット~そこに答えがあったのである。つまり・・・裏ジャケット右下に EP 301から EP 307までのタイトルがしっかりと表記されていたのだ(笑)こうある。
EP 301 Stan Getz Plays ーvol.1
EP 302 Stan Getz and His Swedish All Stars ーvol.2
EP 304 Stan Getz and His Swedish All Stars ーvol.3
EP 306 Stan Getz Plays ーvol.4
う~ん・・・Plays の方は 1 と 4、Swedish の方は 2 と 3 が手持ちで、なかなか巻(vol.)が揃わないなあ~と少しガッカリ気分もあったのだが、なんのことはない。たまたま持っていたゲッツの roost  EP盤4枚が、ちゃんと vol.1~vol.4 までの揃いになってるじゃないか!これは・・・ちょいと嬉しい(笑)

まあこんな風にバート・ゴールドブラットのカバーアートが大いに魅力的なEP盤ではあるが、たまには音源的な(音質ではない)興味から大いに惹かれてしまう・・・そういうEP盤もある。例えばこいつ。

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ゲッツだけ紹介して他のテナー奏者も出さないのも面白くない(笑)上の2枚のEP盤は、モーリス・レーン(xp 8089) と テッド・ナッシュ(xp 8090) TENOR SAX なるシリーズで文字通りテナー奏者を紹介するための企画のようだ。同じデザインの色違い・・・僕はこういうのにけっこう弱い。おそらくゴールドブラットは2枚を並べた時の効果を考えて、その色彩を決めている。だから・・・こちらも2枚、並べたくなる(笑)
この2枚~例によってジャケット裏に何の印刷も無いので(データが無いので)テッド・ナッシュについては調べた自分のメモが付けてあったことを失念していた(笑)そのメモによると、over the rainbow を含むこの4曲は1946年のSP音源のようだ。dsにマックスローチの名前がある。

さて、この時期のテナーと言えば・・・ブリュー・ムーアを忘れてはいけない~下写真の2枚。

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Brew Moore vol.1 (savoy xp 8066) と vol.2 (xp 8067)  である。これは、vol.1とvol.2の連続番号なので、savoyレーベルには売り出したかった意図があったはずだ。実際、この時代ではすごくモダンなフレージングが素晴らしい。なぜ人気が出なかったのか・・・判らない。
このEP盤2枚~各4曲づつ(計8曲)収録されているのだが、前述のマリアン・マクパートランドEP盤と同様に、裏ジャケットに何も印刷されてない。だからどこにもパーソネルも記されてないわけで・・・同時期(1953年と思しき)の10インチ盤~Brew Moore/Modern Tenor Sax(MG 9028) にはおそらく裏ジャケット情報は載っているだろう。だが僕はその10インチ盤は未入手なので、discogsで savoyレーベルを調べてみると、その10インチ盤には6曲しか収録されていないことが判った。その6曲とは~
EP8066の4曲と8067からの2曲(lestorian mode と mud bug) である。
つまりこの段階で8067から残りの2曲が抜け落ちてしまっているのである。後述するチャック・ウエイン/ブリュー・ムーア音源との関連もあり、なんとなく知ってるつもりだったブリュー・ムーアの savoy音源のことが、ほとんど判ってないことが判った(笑)う~ん・・・なんだかとても気になってきた(笑)そうなると厳しいことに、savoyというレーベルは、コンピレイションものが雑なのである(笑)データ表記もアバウト過ぎて・・・とにかく判りにくい。
だがしかし天は我を見放さなかった(笑)EP 8067に収録されている「レストリアン・モード lestorian mode」という特徴ある曲名が大きなヒントになって、いろいろ判ってきたのだ。

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上写真のEP盤8067に収録の lestorian modeという曲名にははっきりと覚えがあって、それはスタン・ゲッツ絡みで、savoyレーベルにこの名前の12インチLPが在ることを知っていたからだ。そこでゲッツの棚をチェックしたら・・・在った在った。
Lestorian Mode(MG 12105)だ。

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この Lestorian Mode には~ゲッツ、サージ・チャロフ、そしてムーアの3種のセッションから4曲づつが収録されていた。そして、件(くだん)のムーアの8曲の内、8067の4曲がB面3~6曲目に収録されており、そのパーソネルもきちんと表記されていた。よかった(笑)

Brew Moore(ts)
Gerry Mulligan(bs)
Kai Winding(tb)
George Wallington(p)
Jerry Floyd(tp)
Curley Russell(b)
Roy Haines(ds)

lestorian mode
gold rush
kai's kid
mud bug 
録音年は12インチ盤 Lestorian Mode にも表記されていないので、不明です。
*1/4追記~上記4曲の録音年月日が 1949年5月20日と判明しました。Arista/Savoy時代のボブ・ポーター監修の再発盤~
Brothers and Other Mosthers vol.2(SJL 2236)の詳細なデータによって判りました。ちなみにこの2枚組(1979年)には上記4曲が各2テイクづづ収録されています。

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 さて、もうひとつのムーアのEP盤(8066)4曲はどこに行ってるのか? 
こちらも案外すんなり見つかった。
In the Beginning BeBop!(savoy MG 12119) という12インチLPに4曲とも収まっていた。こちらも前述の「レストリアン~」と同じように3種のセッションから4曲づつ(全12曲)収録で、ムーア4曲はA面5,6,B面1,2に配置されている。このセッションはカルテット(4人編成)でパーソネルは以下。
録音年月は12インチ盤にも表記されておらず不明。

Brew Moore(ts)
Gene Dinovi(p)
Jimmy Johnson(b)
Stan Levey(ds)

blue brew
more brew
brew blew
no more brew

*1/4追記~録音年月日が 1948年10月22日 と判明しました。こちらも Arista/Savoy時代のボブ・ポーターによる再発盤~
Brothers and Mothers vol.1(sjl 2210)という2枚組(1976年)のデータに明記されていました。

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さて、ブリュー・ムーアのリーダー作品はと言うと・・・あまり思い当たらない。この savoyEP盤の他にはたしか fantasyに在ったかな?
というくらいだ。調べてみたら(discogs)やはり fantasy に以下の2作品を残していた。
Brew Moore Quintet(1956年)紫色の風神様みたいなジャケットのもの。
Brew Moore(1957年)ムーアがテナー持って笑ってるジャケットのもの。
あとは Brew Moore in Europe(1962年)~ラース・ガリンやサヒブ・シハブとの共演盤~という作品があるくらいで、これでムーアのリーダー作はうんと少ないことがはっきりした。だから、ブリュー・ムーアを聴くためには、他のミュージシャン作品への参加作~後述するチャック・ウエインを含めて~をチェックするしかないのだ。

このように貴重な音源をセッション単位で聴きたい時に、あるセッションがそのまま1枚のEP盤にまとめられているとありがたい。SP音源はA面・B面で2曲単位だから、SP2枚分4曲をEP1枚に収めるケースも多いようだ。それから10インチ盤の時代には、ひとつのセッションを3~4曲でまとめる場合が多いようで、つまりセッション2回で6~8曲分を仕上げて、それらで10インチ盤両面を構成しているケースが多いように思う。また12インチ盤に再収録する場合、先ほどの savoy のコンピレイションLPのように、3つのセッションから4曲づつで、1枚の12インチ盤を構成する場合もある。その際、元セッションの3~4曲が、A面・B面にバラバラにされたり、あるいは別のLPに振り分けられたりするケースも多いようなので、特に興味深いセッションの場合には、その3~4曲が1枚のEP盤にまとめられていると、それだけで嬉しいものなのだ。

次にこのEP盤。

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Here's that Mann vol.2 (dee gee EP 4013)

pooch mc gooch
all of me
back in your own backyard
it don't mean a thing

シェリー・マン名義のEP盤である。セプテット(6人)編成だが、なんと言っても魅力なのが、アート・ペッパーが入っていることだ
(it don't~以外の3曲)  
*写真右スミのEP赤盤は~ミルト・ジャクソンのカルテット(dee gee)これ、round midnight の演奏も音質もいい。

pooch~では「おおっ!」と叫びたくなるような切れ味鋭いソロを聴かせてくれる。all~とback~は歌入りではあるが、間奏やオブリガート(歌の合間に入れる短い合いの手)で見事なソロが聴かれる。歌伴・・・という感覚からはすっ飛んでる!(笑)
これら3曲は1951年11月のペッパー入りセッション4曲からの3曲。そうして嬉しいことに、このDee GeeのEP盤4013~1951年シカゴ録音とのことだが、音質もなかなかに良いようだ。
ペッパー入りのもう1曲は、the count on rush street という曲で、その count~は Dee Gee EP4006なるEP盤に収録。4013がvol.2と表記されているから、4006 はたぶん Here's that Mann vol.1 なるタイトルだろう。
count on rush street は急速調のインスト曲で、この曲でのペッパーのソロも他メンバーのソロも、皆ハリのある素晴らしい演奏だ。
ちなみにこれらの音源はSavoyの12インチ盤 Deep People に収録されている。
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Deep People (savoy MG 12405)のA面4,5,6,7に back~以外の3曲とcount~の4曲収録されている。
*back~は女性歌手 shelby Davisの歌伴曲なので、Singin' and Swingin'(savoy MG 12060)という女性歌手を集めたオムニバスLPに収録されている。

もうひとつ、音源・・・いや、演奏が素晴らしいEP盤を。
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Chuck Wayne Quintet(savoy xp 8119)1954年6月録音

while my lady sleeps
tasty pudding
prospecting
sidewalks of Cuba

このEP盤・・・ジャケットの淡いブルーな色合い、構図、イラストの全てが素晴らしい!好きなジャケットだ。オマケにこのEP盤・・・音源的にもとても魅力的でそれは、やはりズート・シムズのテナーが素晴らしいからである。
《このEP盤の裏解説(オジー・カデナ)によると4曲中3曲が Zoot Sims、1曲(sidewalks~)のみ Brew Moore、とされている。カデナは~"sidewalks of Cuba" which were recorded a week after the sides with BREW MOORE~とハッキリ書いている》
*1/2夜・訂正1~上記のオジー・カデナ解説部分~恥ずかしながら意味を完全に取り違えていました。 最初に、この "sidewalks of Cuba"という曲名が目に入って、次に recorded を見て、それを with Brew Moore につなげて意味を解釈してしまって「そうか、この1曲だけはブリュー・ムーアと録音されたのか」と思い込んでしまいました。しかし改めて裏解説をよく見たら・・・この "sidewalks of Cuba" の前に大事な文章が在ったのです。それをつなげると、以下のようになります。
ZOOT SIMS blows with CHUCK on "Butter Fingers", "While My Lady Sleeps", "Tasty Pudding", "Prospecting" and "Sidewalks of Cuba" which were recorded a week after the sides with BREW MOORE   
そうなんです。ズート・シムズは、これらの5曲を("Sidewalks~" を含む)チャック(ウエイン)と演奏(blows)して、それらが録音されたのはブリュー・ムーアとのセッションの1週間後だった~というのが正しい意味かと思います。
早とちりしての先入観を持ったまま、ズート・シムズとブリュー・ムーアの音色のことなど書いてしまい(後述部分)恥ずかしい限りです。
ここに謹んで訂正させていただきます。

これらの音源4曲は、12インチ盤 the Jazz Guitarist(savoy MG 12077)に4曲とも収録されている。そしてここからが問題なのだが、このLP裏解説では上記の sidewalks~はズート・シムズとされているのだ。つまりズート入り5曲(上記4曲+butter fingers)、ムーア入り3曲、あと4曲(ウエイン、ジョン・ミーガン(p)のカルテット)加えての全12曲とされているのだ。う~ん・・・。Dscn3146

さあ困った(笑)・・・どちらが正しいのだろうか? 
さっそくその sidewalks~を何度も聴いてみた。う~ん、判らない。ズート・シムズのようでもあり、ブリュー・ムーアのようでもある(笑)元々、この2人はまずソフトな音色がよく似ているし、ビートに軽やかに乗るスタイルとフレーズ展開も似ていると思う。しかし・・・気になる(笑)それで、ムーアのリーダーセッション(前述の1953年(推定)8曲)など、ムーア絡みをあれこれ聴いてみた。その上での自分なりの認識はこんな風だ。
<高音域フレーズの時~アルトっぽい艶々した音色になるのがズート・シムズ。やや掠(かす)れたような乾いた音色になるのがブリュー・ムーア>
<音色の全般として~ヴェールが掛かったようなソフトなマイルドな感じがズート・シムズ。
全体にサブトーンの度合いが強めで(シムズよりは)時に乾いた硬い感じ(シムズよりは)になるのがブリュー・ムーア>
そんな印象を持ちながら、改めてこの sidewalks~を聴いてみると・・・やっぱり判りません(笑)それでもちょいと無理やりに理屈を付けてみると・・・テナーのソロの時に高音域の繰り返しフレーズで僅かに引っ掛かるような場面があって・・・ズートはほとんどのフレーズに迷いが無いから・・・そうするとこの sidewalks~のテナーは、ブリュー・ムーアであるように僕は判断している。
*1/2夜・訂正2~すみません、完全に間違えました。sidewalks of Cuba のテナーは、12インチ盤解説の通り、ズート・シムズです(パーソネル表記の詳細については写真の上の青字「訂正1」をご覧ください)

いずれにしても、この2人がそれぞれの曲でチャック・ウエインのギターに絡んでテーマをユニゾンで吹く場面が多いのだが、ウエインのギターにフィットしたソフトなテナー音色が素晴らしい。どのトラックも味わい深いが、僕が特に好きなのが while my lady sleeps だ。この曲、なんとも慎み深いような雰囲気のあるメロディの曲で、僕が最初にこの曲を知ったのは、プレスティッジの「コルトレーン」というLPからである。1972年秋にビクターが、prestigeゴールデン50なるシリーズで1100円(当時、LP盤は大体1800円~2100円だったのこの1100円という価格は画期的に安価で、しかし良質なジャズLPだった)で発売した時の目玉がこの「コルトレーン」だった。このレコードは、だいぶ後になって、傑作バラード~<コートにすみれを>収録LPということで有名になったように記憶しているが、もうひとつのバラード曲がこの<while my lady sleeps>だったのである。コルトレーンはスローバラードで仕上げているが、こちらのウエイン/シムズは意外にも速めスイングだ。しかしそれも素晴らしい。

さて、このEP盤(XP 8119)にも vol.1という表記があり、裏解説をよく見ると続き番号の XP 8120 がvol.2 のようで、これは前述のシェリー・マン(dee gee EP 4013)と同じケースである。これは単にsavoy レーベルのやり方というだけかもしれないが、つまりこういうことではないだろうか・・・要はあるセッションが完了して、その音源がまず10インチ盤で発売されて、そのすぐ後に(あるいは同時に)2枚のEP盤に分けて発売された~というパターンだと考えられる。価格面でも10インチ、12インチよりは7インチEPの方が安かったので、好みの曲を収録している方のEP盤だけ購入する~という需要があったから、同じ音源でもいろんなフォーマットを用意したのだろう。
そうだ、考えてみれば日本でも、33回転コンパクト盤なるフォーマットがあったじゃないか。たいてい4曲入りで、要はアルバム(LP)を買うまではいかないけど、ヒットした曲を聴きたいな、という場合に、このコンパクト盤が重宝したのだ。そういえば・・・僕もサイモン&ガーファンクルの<明日に架ける橋>はコンパクト盤で我慢していたな(笑)
アメリカでEP盤というフォーマット(45回転)が盛んに発売された頃は、大体のところ、10インチ盤の同内容がEP盤2枚、12インチ盤同内容がEP盤3枚になるパターンが多いようだ。Clef や Victorレーベルの場合だと10インチ盤や12インチ1枚分をEP2枚組み、3枚組みとしたタイトルがけっこうある。あの「見開き組みセット」にしたEP盤もこれまたチャーミングではある。それらについてはまたの機会に。
う~ん、それにしても・・・レコードというものは、どうしたって楽しいものですね(笑)

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コメント

bsさん、コメントいただけて嬉しいです。こちらは更新が年に1回の年賀ブログになってますが、本年もよろしくお願いします。
EP盤~まあこれは見て楽しい、というのが主で、音源的、音質的な面では、正直、ちょい弱いかな・・・という感じです。私の場合、同じでデザインの色違いとか、つい並べたくなってしまう・・・そういうレベルの楽しみ方なので、感覚としては切手集めみたいなものかもしれません(笑)
ただ、ジャズのEP盤はやはり古い時代のものがほとんどだし、さらにどうも扱いが雑な場合が多いようで、いいコンディションのものは激減してるようで、もう手軽に集める~という感じはすっかり無くなりました。残念であります。


投稿: bassclef | 2022年1月13日 (木) 23:33

こんばんは。

今年も遅刻ですね(笑)。
7インチEP盤は自分にとって、まるで宇宙の遥か彼方の存在です。
でも、bassclefさんの記事内容と皆さんのコメントを拝見すると、底知れぬ深海にような魅力が隠されているようで羨ましいです。EPの世界は自分にはもう時間がないのでLPの世界の端でひっそりと・・・・・・・(涙)

遅ればせながら、本年もよろしくお願いいたします。

投稿: avengerv6(bs) | 2022年1月12日 (水) 21:19

denpouさん、2ndコメントをどうもです。
キャロル・クレヴェリングcarole creveling ・・・いかにヴォーカルものに疎い僕でも、「あれだな」と想起できました。「海辺を歩く美女の顔のところが白い丸で囲まれてるやつ」ですよね。だいぶ前のレコード仲間の集まりの時(三島の方だったか?)見せて・聴かせてもらったことがあります。かなりのレアものとのことで仲間内でも「おおっ!」てな感じでしたね。
それで今、ちょっと検索してみたら、SSJの復刻が2008年初めで(2007年末かも)CDが2800円、LPが3800円だったようですね。(今ではそのCD、LPにもかなりのプレミア価格になってる様子)
その折の「+2曲」の初出が、dukeさんコメントの「白ラベルのEP盤」・・・そこに、denpouさんが鋭く反応した・・・ということなんですね。
そのEP盤がこれはもうさらに相当なレアもの・・・であることは僕にも充分、想像が付きます。だからこそ、SSJ復刻の際の目玉の+2曲になったわけですから。クーヴェリングの歌は・・・さらっとした気持ちのいい声質だったような記憶が・・・いや、ちゃんとは覚えていません。あとでちょっと音源が聴けそうなネット探ってみます。
それからあのジャケットデザイン~「白囲み」がなにか独特の雰囲気を醸し出してますね。そして美女は海辺を歩いていた、と記憶してましたが、しっかり海の浅瀬に足が浸かってました(笑)

投稿: bassclef | 2022年1月10日 (月) 09:53

 bassclefさん 再度コメントさせてください。
このコメント欄のdukeさんのキャロル・クレヴェリングのEuterpean盤のEP凄いのをお持ちの方が居られるんですね、私もこのキャロル・クレヴェリング以前から気に成っていた歌手なので探していましたが ssjでCDで発売されたので 直ぐに買いましたよ 一度聴いたら忘れられないですね、それ以後 ssj のCDは数枚入手しましたよ、bassclefさんも一度探して聴いてみて下さい。

投稿: denpou | 2022年1月 9日 (日) 18:08

シュミットさん、明けましておめでとうございます。また新年の年賀拙ブログにコメントいただき嬉しいです。
>私の周辺はepだらけの取っ散らかり状態になってしまいました(笑)。
~わははっ!僕の方もまったく同じ状態です。写真用に並べる際にあれこれ探ってて、もう埃まるけ(笑)でもシュミットさんと同じく、だいぶん前に入手したものが多いので「あれっ?こんなの在ったのか」という楽しく新鮮な気分を味わえましたよ。
ep BOX~EP3枚が(4枚~6枚も)紙の箱に収まっているやつですよね。あれも好きだなあ。まあ「箱のへり」が潰れやすいのが難点でしょうか。10インチ盤と同内容がEP3枚BOX~というパターンが多いように認識してます。
そして ゲートフォールドのep~これは背表紙付きの見開き・・・いわゆるLP2枚組(3枚組)と同じ形式かな、これも実にチャーミング。
1950年代のモノは造りが丁寧でお金が掛かってますよね。見てるだけでも楽しい気分にさせてくれる。それで音もでるんだから言うことない(笑)

投稿: bassclef | 2022年1月 5日 (水) 19:09

bassclefさん、あけましておめでとうございます。 
epの写真がとても可愛いですね。とくに同じイラストで色違いのは眺めてるだけでいい気分になれます。
私も少しだけepを持ってまして、取り出してみようとしたのですが、とてもへんぴなところに置いてあって、ひと苦労です。
すると大昔に買ったep boxが10ケくらい出てきまして、当時のことをいろいろ、思い出しました。それらのboxはレーベルはrca、columbia、capitol、coral etcで、グッドマン、シアリング、ソーンヒル、アニタ・オデイなんかのものです。海外のセラーさんから、送料も安くしてもらって格安で入手しました。国内ではep boxとか見たことがなかったので、けっこう調子に乗って買ったんですね。そのころゲートフォールドのep2枚組も買ってたようでdeccaの「basie at the piano」なんかがでてきてなつかしいです。コメントでdenpouさんがおっしゃってたart van dammeのepもcapitolのが2組ほどみつかりました。
と、いってる間に私の周辺はepだらけの取っ散らかり状態になってしまいました(笑)。

本年もよろしくお願いいたします。

投稿: シュミット | 2022年1月 5日 (水) 14:49

D35さん、明けましておめでとうございます。ご無沙汰しておりますが、またチャンス見つけておじゃましたいものです。
新年の初聴き~いやあ・・・カーペンターズ、いいじゃないですか!
僕の方は実は<モンク/グリフィンのファイブスポットライブ>のEP盤(2曲)を聴いたのですが、それをdukeさんのブログの「あなたの初聴きは?」にコメントした折に~「元旦には慣れ親しんだものを聴きたいのです」みたいなことも書き添えました。
カーペンターズ・・・中3の頃から実に親しんでおります(笑)初期の<遥かなる影><愛のプレリュード>などはすごく好きです。中期の<青春の輝き>もいいですよね・・・そんなわけで、D35さんが「慣れ親しんだ」に違いないカーペンターズを新年初に掛けたのは・・・実に自然なセレクトだった、と思います。
また今年もよろしくお願いします!

投稿: bassclef | 2022年1月 5日 (水) 11:07

遅ればせながら、bassclefさん、明けましておめでとうございます。
今回も「ついてけないな~」と思いながら皆さんのコメントも最後まで楽しく?読ませてもらいました。
そして以前集まった時の皆さんの熱い語りを(笑)思い出してました。
私の今年の聴き初めはカーペンターズでした(恥ずかしい)。相変わらずボーカルばかり聴いてます(もちろんジャズも)。
でもいくつかのセッションをまとめたり、組み替えたりしてレコードにしていく作業には共感します。
そしてこの記事に書かれたレコードをbassさんの解説と一緒に聴きたいものです。
こんなことを書いて皆さんに笑われそうです。
今年もよろしくお願いします。

投稿: d35 | 2022年1月 4日 (火) 23:28

dukeさん、明けましておめでとうございます。
dukeさんブログの「デューク・アドリブ帖」~毎年、元旦に<今年の聴き始めのレコードは?>・・・僕も何から聴こうかな、とけっこう迷ったりする気持ちがあるので、ついコメントをいれたくなってしまうんです(笑)そんな「デューク・アドリブ帖」~この夢レコの右側に紹介リンクありますので、みなさん、ぜひご覧あれ。
>ジューン・クリスティの「Something Cool」を大中小・・・
~わあ、それは素晴らしい!僕の方は・・・大と中で止まってます(笑)
こういうのは並べてると実に楽しいものですよね。
あと、シリーズもの vol1,2,3,とかのやつも同様。
レコード会社の作戦なんでしょうけど、揃えたくなる(笑)dukeさん、今年もよろしくお願いします!

投稿: bassclef | 2022年1月 4日 (火) 20:13

bassclef さん、明けましておめでとうございます。

聴くよりも飾りたくなるEP盤が並びましたね。圧巻です。私はEP盤はあまり持っていませんが、ジューン・クリスティの「Something Cool」を大中小(笑)と3枚並べてニヤニヤしたことがあります。これをおかずにご飯が何杯でもいけそうです。

EP盤といえばキャロル・クレヴェリングのEuterpean盤をお持ちの地元のコレクター氏に、クレヴェリングのEP盤「Willow Weep For Me / Between The Devil And The Deep Blue Sea」を聴かせいただきました。白ジャケでしたが、音は良かったです。今は三具さんのSSJ盤でこの2曲を聴けますが、オリジナルで聴くと格別の味わいがあります。

投稿: duke | 2022年1月 4日 (火) 08:20

audio_romantic80さん、おめでとうございます!正月早々、コメントをありがとうございます。80さんのブログはよく覗いてますよ(笑)真空管アンプ製作上の話題にはなかなかコメントができなくてごめんなさい。でも音の立ち上がり・立ち下がり~辺りのニュアンスはなんとなく判るような気がしてます。
7インチ盤~今回はバート・ゴールドブラットの装丁に絞っていくつか紹介しました。D.ストーン・マーチンとは似ているようでまた別の素晴らしい個性のデザイナー(装丁家)だと思います。
マリアン・マクパートランド~エヴァンスへのインタビュー盤お持ちですか・・・それは相当なエヴァンス・マニアですね(笑)マクパートランドは1950年代中頃から相当な人気ピアニストだったようで、savoy、
capitol、60年代には time などに多くのレコード在りますね。ピアノのスタイルは、わりとブロックコードを連続して叩いてくる硬質な感じ・・・デイブ・ブルーベックをもうちょっと判りやすくしたような感じかなあ。savoyの音源では共演のベースのエディ・サフランスキーがいい感じです。
今年もよろしくお願いします。

投稿: bassclef | 2022年1月 2日 (日) 20:32

おっ、yositakaくん、明けましておめでとうございます!じっくり読んでいただいたみたいでありがとうです。<~音の人~>いやあ・・・見抜かれてますね(笑)実際、そうなんですよ。今回はぼんやりながらも<ジャケットが気に入ったEP盤~バート・ゴールドブラット中心で>なるテーマで書き始めたのですが、該当EP盤を掛けてる内に「おっ、これは!」みたいな場面がいくつも発生してきて、で途中から、音源興味、演奏興味の流れになってしまった・・・というわけです(笑)で、まあそれでもいいや、と方針転換したので、他の幾つかのEP盤紹介はできませんでした。
チャック・ウエインと2人のテナー奏者(ブリュー・ムーア、ズート・シムズ)のサウンドはギターとテナーがうまい具合にブレンドした魅力的なサウンドで、どちらのテナー奏者にも惹きつけられます。記事で触れた<sidewalks of Cubaのテナー奏者のデータ違い>には恥ずかしながら今回、EP盤裏ジャケットをチェックして初めて気が付いたのです。ですので以前からLP盤を何度も聴いていてもそちらのデータを疑うこともなく、つまり・・・EP盤解説を読まなければ今でもsidewalksはシムズであると思ってたわけで。それくらい微妙な違い方なのです。僕は話を振った立場上(笑)<sidewalks~はブリュー・ムーアだと思う>と書きました。ただ12インチ盤裏解説データの方が正しいかもしれないし・・・まあ逃げを打つみたいですが、ムーアかシムズか・・・正直、確信的な自信は未だないです。
また<僅かに引っ掛かる~>という表現も取り様によっては、ズートの方が巧い~みたいに解釈されてしまうかもしれず、それはそうではない、と言っておきたいのです。表現としてあえてゴツゴツするリズムやアクセントで発声する方が魅力的な場合も多いにありますし。同じ楽器ということに関係なく、音楽表現はそれぞれの個性ということですよね。だからこそ・・・音楽は面白い! 今年もよろしくです。いい音楽を大いに聴きましょう!

投稿: bassclef | 2022年1月 2日 (日) 20:04

bassclefさん あけましておめでとうございます
今回は「7吋」ですね!
7吋ジャズのディープな世界「目から鱗」です
に反し 我が「7吋体験」はお恥ずかしい限り 中学生の頃かなヴィレッジ・ストンパーズの「ワシントン広場の夜はふけて」とかブラザース・フォアの「グリーンフィールズ」とか あと何枚かあったはずですが今は雲散霧消 それ以降まったく「縁なき衆生」です
デザインがいいですねー シンプルで動的で
7吋だとやっぱりこういう感じがインパクトがありますね
当時米国で「7吋」はどういう人たちがマーケットだったかも背景にありそうです
でもチャック・ウエインなんかのは12吋でもグーですね
マリアン・マクパートランドは意外でした
彼女 当時は売り出し中だったんですか?
「discogs」で見たら録音年月不詳になってましたがサボイだから51~52年?
今頃気付くのも遅きに失しますが 僕が昨年やっと開眼したベースのビル・クロウも彼女と長かったらしいですね
が恥ずかしながら僕は彼女のはエヴァンスとの「インタビューアルバム」(CD)しか持っていません 反省です
あっでも「メリル・アット・ミッドナイト」のピアノは彼女か?
当方 昨年はジム・ホールとロンカーターの「デュオ」のSMJ盤を再認識したのと
クラシックではドビュッシー「ペレアスとメリザンド」に開眼でした
音はどちらもとんでもなく素晴らしいです
ここんとこずーっとアンプの改良(改悪?)でレコードが聴けない状態なんです
そろそろ 禁断症状が出そうです
今年もbassclefさんにとって良い年でありますように!
ではまた

投稿: audio_romantic80 | 2022年1月 2日 (日) 17:58

明けましておめでとうございます。
今回は盛りだくさんの内容ですが、圧巻はスート・シムズとブリュー・ムーアの聴き分け。ジャケット云々行ってますが、結局Bassclef君は音の人なんだね。

スートの「アルトっぽい艶々した音色、ソフトなマイルドな感じ、ほとんどのフレーズに迷いが無い」という形容、対してムーアは「時にやや乾いた感じ・繰り返しフレーズで僅かに引っ掛かるような場面」がある。ことにフレーズの引っ掛かりという微妙なところは演奏者ならではの視点でしょう。レビューを読む醍醐味、ここにあり。
そして、ほとんど違いが判らないのに人気の有無は歴然という聴き手の耳の本能的ともいえる敏感さは驚きです。

ジャケット話も愉快。含蓄もある。 Marian McPartlandのイラストの魅力はまさに線。加えてホワイトの生かし方。鍵盤と口とピアスだけが白抜きでアクセントを作っています。なんという魅力的なイラストでしょう。

しかしそんな力作を使っていながら、サヴォイの編集はいい加減で、ナンバリングも適当ならパーソネルすら記載なし。一方12吋盤はデータ記載はそれなりだが、寄せ集めの感がある。7吋を買う層とLPを買う層ははっきり違っていたんでしょうね。こうしたことからも、当時のアメリカ社会におけるジャズ音楽の「見られ方」が、何となく伝わってくる気がします。

そして杜撰に作られたレコードの中にあっても突き抜けるような妙技を示すズート、ゲッツ、ペッパーらの存在感が、この記事を読んだだけでも伝わってきますねえ。こういう記事、年一度と言わずもっと読ませてほしいものです。読者のみなさん、そうでしょう?

今年もよろしくお願いします。

投稿: yositaka | 2022年1月 2日 (日) 12:51

おお、senriyanさん、元旦からコメント、嬉しいです。明けましておめでとうございます。1年経つだびに同じようなことを想いますが、1年1年あっと言う間ですが、まずは無事に生きていられる~そのことに感謝の気持ちです。同学年の友人も何人か逝ってしまってますから。
EP盤・・・理屈抜きにチャーミングですよね(笑)ただ僕の場合はカバージャケットが無いものには何も感じません(笑)日本のシングル盤と違って、アメリカのEP盤はもともと「カバージャケット無し」の場合も多かったようで、この頃はネットでも古いジャズのEP盤でカバージャケット付きのものはあまり見かけません。
バートゴールドブラットの独特な描線には、ストーン・マーチンとはまた違った天才を感じます。今回、実はゴールド・ブラットから始めて、後半はやっぱりストーン・マーチンものを出して、この二人を対比させよう、などと企んでいたのですが(笑)ブリュー・ムーア絡みで想定外に長くなってしまったのと年末の時間切れもあって、ほぼゴールドブラットだけで締めてしまいした。senriyanさんにはその辺り、見抜かれたようで、しかし「企画おもしろい~続編も」と言ってくれたので恐縮してます(笑)また他の面白いモノ、いいモノでEP盤特集、やってみます。今年もよろしくです。

投稿: bassclef | 2022年1月 1日 (土) 18:15

denpouさん、明けましておめでとうございます。
さっそく元旦の早朝からコメントをありがとうです。denpouさん、バードウオッチングで鍛えてるから、朝が平気なんですね(笑)
denpouさんも、7インチEP盤~マクパートランドだけでなく、ビリー・テイラーやジョー・バートン辺りもお持ちということで、やっぱりなあ、と嬉しい気持ちです。またいろいろ教えてください。今年もよろしくです。

投稿: bassclef | 2022年1月 1日 (土) 17:57

あけましておめでとうございます。
正月番組に飽きていたところ、本記事、良いお年玉をもらったようです。
う~ん、素晴らしいジャケットたちですね。
確かに、7インチEPの音というのは、あまりぱっとしないものもあります。なかには、いいものもありますが。
7インチが安定してくるのは60年代に入ってからでしょうか。ロック、ソウルファンの間で7インチが重宝されるのもわかるような気がします。ジャズファン、どうにも分が悪い。
サイモン&ガーファンクルの当時のオリジナル7インチなんかかなり良さそうです。(笑)

とはいえ、これを楽しまない手はないだろうという気が大いにしてきます。私も7インチ、ジャケなしを含めて、安ければ買うということで、今回のコレクション、まさに同志ということで興味深く見させて頂きました。

ブリュー・ムーア、ズート・シムズの違いは書かれていた、表現されたように、まさに適格、おっしゃる通りだと思います。
そうですね、サイドマン、オムニバス形式での違いをあてるとなると難しいと思っています。
ただ、その難しい違いが、売れる、売れなかったの岐路にあったのかと。だが、ブリュー・ムーア、いいんですよ、個人的に。
この人も、実生活のアウトローぶりが、あまり、実際のプレイには出ていないという、スタン・ゲッツと同じパターンの人です。
未聴ですが、ウエインのギターに同調するソフトなプレイ、大いにありえますね。

この企画は面白いです。ぜひ続編を期待させて下さい。

投稿: senriyan | 2022年1月 1日 (土) 15:25

bassclefさん 明けましておめでとうございます。
 恒例の 大晦日のブログ拝見しました、今回は7インチジャズレコードに光を当てられていますね、私も以前からデザインが好きで savoyのMarian McPartland MOODS盤は持っています、savoyではPiano Styles of Billy Taylor や Joe Burton: Ken Kersey などが有ります、PRESTIGE 7inでは Billy Talorのを3枚 SEASCの7in それから7inは2枚組のジャケットなどが有りますね、アートバンダムやアンドレプレビンの 7inも有りますよ 見ていて楽しいですが、聴くのと 置き場所がどうも上手くいきませんね。

投稿: denpou | 2022年1月 1日 (土) 05:30

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