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2018年12月31日 (月)

<ジャケレコ 第4回>JAZZ AT THE PHILHARMONIC VOL. 17 (3LP BOXセット)

あっ・・・気がつけば、もう2018年も終わりの大晦日(おおみそか)になってるじゃないか。家でボオッ~としていても却って疲れてしまうよな・・・というわけで、久々にこの「夢見るレコード」に戻ってきました(笑)
相変わらず僕はレコードを聴いている。ジャズを中心に、それからクラシックを少し。とにかく・・・アナログレコードを聴き続けている。うん、厭きないのです、これが(笑) 
さて、今回の夢レコ・・・特定のミュージシャンやレーベルでまとめるものにはできそうにない。というのも、この数年・・・年末・年始に「夢レコ」を更新するのだ!ということが、最低限の目標になってしまっており、だから今回、まずは短いものでもいいから・・・という感じもあるからです。
考えてみれば・・・がんばって凝ったものを拵(こしら)えよう、とするあまり、なかなか記事を更新できなかったという面もあるので、今回は・・・そうだな、素直に「好きなレコード・面白いレコード」を紹介するだけでいいじゃないか! ということに相成りました(笑)
そんな時・・・ぱっと目についたのが僕のレコード棚の正面真ん中あたりに、レコードのジャケット面を見せている・・・うん、これだ!

Dscn3176 JAZZ AT THE PHILHARMONIC VOL.17 3枚組box(CLEF)

これ、好きだなあ・・・ジャケットのイラストはもちろん、中身の3枚のレコード、センターレーベルの色合い・・・何もかも好きだ(笑) そう、素直に好きなのである。
考えてみたら、僕がオリジナル盤というものに急速に嵌(はま)り出した頃、その一番の原動力となったのは・・・デビッド・ストーン・マーチンだった。そのジャケットの魅力だった。そうしてやはりJATP シリーズ(mercury、clef の10インチ盤)のストーン・マーチンのジャケットには惚れ惚れするほど素晴しいものが多く、それらがVOL.1からVOL.17までのシリーズにもなっており・・・だから、それはもう「集めるしかなかった」のだ(笑)

 3枚組だから、1面から6面まである。そして言わずもがな・・・のことだが(笑) この時代の複数枚セットものは、1枚目に1面・2面、2枚目に3面・4面~とはなっていないのである。どういうことかと言うと・・・このセットの場合は、1枚目に1面と6面、2枚目に2面と5面、そして3枚目に3面と4面~という具合に数字の順番どおりには構成されていないのだ。こういうやり方ってのは、オートチェンジャー装置(何枚もの盤を連続して掛けることが可能な仕組み)への対応上、そうなっている・・・と我々は知ってはいるが、当時の米国にしても、家庭のステレオ装置が100%オートチェンジャー仕様だったとも思えないし、なんとなく・・・嫌だなあ(笑)

Dscn3177どのミュージシャンのどの演奏も楽しめるが、僕の好みは第2面である。
ノーマングランツ氏お得意のバラード・メドレーだが、メンツが凄い。選曲もいい。
ロイ・エルドリッジ  ~The Man I Love
ベン・ウエブスター ~Tenderly
ビル・ハリス     ~Imagination
フリップ・フィリップス~I’ll Never Be the Same
ディジー・ガレスピー~Stardust
 グランツ氏の解説によると(下・写真を拡大すれば文字まで読めます)~
≪それぞれのミュージシャンに、好きな曲とそのキーを選んでもらって・・・そしてそれは、それぞれのプレイヤーが、うまいこと(pretty)演奏して、それぞれの良さを発揮してもらうためだ≫
・・・というようなことが書かれている。
 ≪On Side 2~中略~Also on this side is the Ballad Medley, which allowed each artist the selection of the tune and the key for the demonstration of his ability to play pretty≫ 
う~ん・・・やっぱり、いい演奏はいうものは、いい企画(意図)から生まれるのだな。

 皆が絶好調の時期のようで、どの曲でも各人の名人芸が楽しめる。僕は特にフリップ・フィリップスの1曲が好きである。スタジオ録音でも同じ曲を演奏してるので、フィリップス氏・・・この曲を好きなんだろう。

そのフィリップスのClef、Norgranの緒作については、だいぶ前に<夢レコ>にまとめてあるので、そちらもご参照ください。

このセッション・・・録音もなぜだか凄くいい感じで、1954年のある夜のライブ会場のざわめくような雰囲気も最高である。ちなみに箱の内側のライナーノートによれば録音場所は・・・Hartford Bushnell Memorial Auditorium(1954年)とのこと。

Dscn3178_20230102133001さて・・・この3枚組ボックス。ジャケットも中身も充分に良いものなのだが、もうひとつ、素晴しいオマケがある。それは・・・
≪PICTORIAL STUDY OF THE ARTISTS IN VOLUME 17≫ と題されている写真群である。このVOL.17録音に参加しているミュージシャンのモノクロ写真が12枚入っている。
 実は、このJATP VOL17・・・僕が最初に入手したのは「写真集・無し」のものだった。というか・・・本来は写真集が付いていること自体を知らなかったのだ。後にだんだんと判ってきたのだが、どうやら、CLEFのJATP VOL 15、16、17 という箱ものセットには、販売時に写真集が付いていたようなのだ。
Dscn3179ところが如何(いかん)せん、これらは1950年代の古いものだから、壁に貼られて破損したり、散逸したり、あるいは写真だけ別保管したために紛失したり、などで・・・オークションに出品されているものには「写真集・無し」のものが多かったように思う。 
Dscn3180そして今回、紹介したこのピクトリアル(写真集)は、<封筒も付いた12枚の完品>である。この記事では12枚の内、2枚(ライオネル・ハンプトンとバディ・リッチ)だけ紹介していない。

「無し」を入手した後、だいぶ経ってから ネットで「VOL.17 箱と写真集・完品(レコード3枚は無し)」の出品を見つけて・・・僕はどうしてもこの「写真集」が欲しくなり(笑) ちょっと無理して、それを入手したというものである。
・・・そんな訳で、この VOL.17・・・箱だけが2つ在るのです(笑)

Dscn3184

<追記>2023年1月2日  
ノーマン・グランズお得意のセット物のオマケPictorial (写真集)には、小型判型の物も在ります。それは・・・
スタン・ゲッツのEP盤6枚組~At The Shrine(noesgran EPN 2000-6)です。
小型判ピクトリアルの大きさ比較できるように、ここで紹介しておきます
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