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2010年7月 4日 (日)

<ジャズ回想 第23回>雨降りの1日は、レコード三昧だった。

~United Artistsというレーベルを巡って~

久しぶりに藤井寺のYoさん宅でのレコード聴きをすることになった。今回は4月白馬の集まりに参加できなかったリキさんと僕(bassclef)のために、Yoさんが声を掛けてくれたのだ。集まったのは、愛知からリキさん・konkenさん・僕。関西からdenpouさん、PaPaさん、Bowieさん。Yoさんを入れて7人となった。

午前中から夕方まで約8時間・・・皆であれこれと聴きまくったわけだが、今回はクラッシクから始まった。
Vx25_j_2 まずはYoさんから、シュタルケルのチェロ独奏。コダーイの曲を鋭く弾き込むシュタルケルのチェロ。その中低音が豊かに捉えれた、しかもエッジの効いた好録音。ジャケットを見るとこれがなんと1970年頃の日本でのレコーディング。つまりこの日本ビクター盤がオリジナルなのだ。Vx25_lシュタルケルのチェロをYoさんはディグ(探求)しているようで、そういえば2~3年前の白馬でも、シュタルケルの日本での実況録音盤~バッハだったか?~をセレクトしていた。この人のチェロは、強くて毅然としており、曖昧なところがない・・・そんな感じだ。 《シュタルケルの写真2点~Yoさん提供》
それから、ムターなる女流 ヴァイオリニスト~言わずもがなの「美人」~の2種(共にグラモフォン音源)に話題が。ムターについては、おそらく事前にリキさんとBowieさんが音源セレクトを相談したのかな。
カラヤン指揮(1988年)
~クラシック不慣れな僕らのためにお2人が気をつかってくれたのだろう(笑)・・・曲は「チャイコフスキーのヴィイオリン協奏曲」冒頭から少し経過すると飛び出てくる印象的なメロディ・・・ああ、この曲なら僕でも知っている(笑) 1988年のデジタル録音ということもあってか、ムターのヴァイオリンだけでなくバックのオーケストラまでクリアに聞こえる。
次に同じ曲の70年代もの(グラモフォン音源)Bowieさんのセレクト。こちらはアナログ録音だがバックのオケの音圧感がより豊かで肉厚な感じがする。これも良い録音だ。こちらのヴァイオリンはミルシュタインだったか。指揮はアヴァド。アヴァドという人・・・曲の終盤になると劇的に盛り上げる感じがいつもあって(たぶん)僕はなぜだか嫌いではない。そんなシンプルな躍動感みたいなものがカラヤン盤よりも濃厚に感じられて、この協奏曲は僕にも充分に楽しめました。
ムター繋がりでリキさんからもう1枚~
「これは・・・珍盤の一種かも」というリキさんが取り出したのは、立派の箱入りのLP2枚組。タイトルは「Carmen-Fantasie」(今、調べたら録音は1992年。正規品はもちろんCDであろう)ジャケット写真は・・・ヴィオリンを弾いているムターの立ち姿。正規CDと同じデザインだと思うが・・・このムター、ちょっと色っぽい。
掛けたのは「チゴイネルワイゼン」
曲の出だしからちょっと大げさな感じのするあのメロディ(好きな方、sorryです) これはグラモフォン音源のはずだが、センターラベルは白っぽくてデザインも違う。ラベルには小さい文字でmade in Japanと入ってはいるが、解説書の類(たぐい)は一切ない。聴いてみると・・・音からするとちゃんとした音源のようだとYoさんが言う。臨時に版権をとった記念のLPセットのようなものだろう・・・という意見も出たが、いずれにしても、所有者のリキさんでさえ、その出自を知らない「謎のムターLP2枚組」である。
ムター好きを隠さないYoさんが「欲しい・・・」とつぶやくと、ダジャレ好きなPaPaさんは「そんなごムターな・・・」などと言ってる(笑)

こういう音聴き会では、各人のお勧め盤を順番に聴いていくわけだが~そうすると、当然、各人の趣味嗜好が様々なので、厭きない流れになるというわけだ。実際の順番どおりではないが、ここで皆さんのお勧め盤をいくつか紹介したい。

Yoさん~今回は実は<UAレーベル>というのが隠れ主題になっていて(と勝手に解釈していた僕) それもあってか、そろそろ・・・という感じでYoさんが1枚のUA盤を取り出した。
Uas_5034_j_2 《リトルの写真4点~Yoさん提供》 Booker Little/~+4(united artists)ステレオ盤青ラベル 
この渋いUA盤からYoさんが選んだのは moonlight becomes you。スタンダード曲である。リトルはうんとスローなバラードで吹いている。
ラファロと共演のTime盤にもひとつスローものがあったと思うが、このUA盤(Booker Little +4)にもこんなに素敵なスローバラードmoonlight becomes you が入っていたのか。Uas_5034_lところが・・・僕はこの「ブッカーリトル・プラス4」~国内盤さえ持ってない。リトルがリーダーなのだから、ローチのことは気にせず聴くべきレコードだったのだな・・・などとモゴモゴ弁解する僕(笑)そういえば、Yoさんもマックスローチ苦手絡みということもあり、このUA盤の入手は他のUA盤に比べれば遅かったらしい。リトルという人・・・スパッと抜けのいい音色にも特徴があるが、丁寧にじっくりとメロディを吹くその誠実感・・・みたいなBcp_6061_j 味わいが実にいいのだ。 
Booker Little/~& Friends(bethlehem) if I should loes you
こういう音聴き会ではいつもちょっとした偶然がある。この日、konkenさん・リキさんとクルマで藤井寺へ来たわけだが、車中ではたいていiPODをシャッフルで掛けている。音源は konkenさんCDなのだが、ジャズ、ロック、ヴォーカルがごちゃ混ぜで入っているので、この3~4時間がけっこう厭きない。四日市の辺りで、トランペットが深々と吹く聴いたことのあるメロディが流れてきた。このメロディは・・・知っている。そうだ、if I should lose youだ。BGM的に流してはいても、気になる音(音楽)が掛かるとと、iPODの真ん中辺りを押してデータを表示したくなる。「ああ・・・ブッカーリトルかあ」と納得。
そんな場面があったことをYoさんに告げると、ちょっと嬉しそうなYoさんは続けてリトルのbethlehem盤を取り出して、if I should lose you をセレクトした。うん・・・いい。「やっぱりiPODで聴くよりいいな」と僕が言うとkonkenさん、ひと言「当たり前じゃん」Bcp_6061_l
どちらの演奏も、本当にスローなバラードである。一拍をカウントしてみると明らかに1秒より遅い。♪=60以下の超スローなテンポだ。
リトルはバック陣にきっちり淡々と伴奏させながら、悠々とじっくりとメロディを吹く。ほとんど崩さない。しかし不思議に味がある。リトルの音色・・・とても抜けのいい感じで、どちらかというジャズっぽくない音色とも言えそうだが・・・どこかしら、わずかな翳りがある・・・ようにも感じる。それは説明しづらい何かであって・・・妙な言い方になるが、黒人全般に一般的には似合うはずのブルース感覚とはちょっと違う感性のトランペッターであるような気がする。そしてその「翳り」とバラードはよく似合う。ブッカー・リトルという人、どうにもバラードがいいじゃないか。

Dscn2490bassclef~
Jimmy Woods/Conflict(contemporary)ステレオ盤。 conflict
右側からタッカーのザックリした切れ込み鋭い戦闘ベースが、たっぷりと鳴る。いつになくハードボイルドな感じの増したハロルド・ランドもいい。やや左側から鳴るカーメル・ジョーンズも覇気のある音色だ。そしてピアノは ・・・なんとアンドリュー・ヒル。ヒルが弾くストレーと なブルースも面白い。Dscn2492リーダーのウッズのアルトは、ちょっとクセのある粗野な感じだが、もちろん嫌いではない。ウネりながら巻き込むような吹き方は・・・ちょっとドルフィ的でもある。そしてもちろんエルヴィンもいい(笑)ドッカ~ンと響くドラムサウンドがこのレーベルの端正な感じの音で鳴るのも実に悪くない。

Miles Davis/Round Midnight(columbia CLモノラル6つ目) round midnight 
ここでいつもの聴き比べ病が出る(笑)Columbiaはスタンパー違いで音が違いが大きいと言われているが、そういえば実際に試したことはない。このRound Midnight・・・同じモノラル6つ目をYoさんもお持ちで、じゃあマトリクスを見てみよう・・・僕のはジャケはぼろぼろだが(笑)盤は1C。Yoさんのは1J。CとJなら違うと思うよ・・・と、Yoさん。
Dscn2493聴き比べの時は、僕はウッドベースの音(聞こえ方、バランス、音圧感)やシンバルの打音に注目するのだが、columbia録音のシンバルはいつもうんと控えめバランスなのでこの場合、フィリー・ジョーのシンバルであってもあまり参考にならない。そこでウッドベースだ。同じ音を出しているはずのチェンバースのベースでも、Columbia録音の場合、presitigeに比べると低音を厚めしたような感じがあり、僕の場合は、ややギスギスした感じのprestigeでのベース音よりも、ややソフトな感じのcolumbiaの方が好みではある。Dscn2489
さて、この2枚を続けて掛けてみると・・・・・・その雄大に鳴るチェンバースのベース音・・・その輪郭においてやはり1Cの方がよりくっきりした音圧感で鳴ったようだ。ベース以外には特に大きな違いは感じなかったが、全体をパッと聴いた印象として、1Cスタンパーの方が色艶が濃いというか鮮度感が高いように聞こえた。やはり・・・Columbiaレーベルではスタンパー違いによる音質の違い(鮮度感)というものがあるのかもしれない。むろんタイトルによってその差異は様々だろう。

Kenny Clarke/(Telefunken Bluesと同内容の12inch盤)から solor
アルトがFrank Morgan・・・ここでPaPaさんが鋭く反応。
PaPaさん~
僕がモーガンの名を出すと、PaPaさん、すかさず1枚のレコードを取り出す。おおっ、GNPのフランク・モーガンだ!盤を出すと鮮やかな赤。
Cimg5658_2Frank Morgan(GNP)赤盤 the nearness of you

《GNP盤写真2点~PaPaさん提供》
モーガンのアルトは・・・う~ん、これは好みが分かれるだろうな・・・ちょっと軽い音色でフレーズの語尾をミョ~!ミォ~!としゃくるような感じ。どこかの解説で「名古屋弁のアルト吹き」という表現があった。素晴らしい!(笑) ちょっと、ソニー・クリスにも似ているな・・・と思ったら、PaPaさん、次にソニー・クリスを出してきた(笑) Cimg5663さすが・・・パーカー以後のアルト吹き全般に精通しているPaPaさんだ。セレクトにテーマがある。
Sonny Criss/Up Up and Away(prestige) 紺イカリラベル から sunny

この「サニー」はもちろんあの有名ポピュラー曲。録音が1967年なので、当時のジャズロック調まっしぐら。何の衒(てら)いもなく、当時のヒット曲を料理しているようで、それは案外、クリスの持ち味であるちょっと軽いポップな感じと合っているのかもしれない。
そういえば、PaPaさんと僕が思わず微笑んでしまった場面もあった。フランク・モーガンだけでなく、もう一人、ディック・ジョンソンというアルト吹きをセレクトしてきたのだが、2人ともemarcyではなく、riversideのMost Likelyを持ってきたのだ(笑) この時、音はかけなかったが、なにか1曲となったら・・・たぶんPaPaさんも 静かにバラードで吹かれる the end of a love affair を選んだであろう。

denpouさん~
ちょっとマイナーなピアノトリオを本線とするdenpouさんではあるが、この日はピアノ主役ではない10インチ盤をいくつか持ってこられた。

Dscn0301 《写真~denpouさん提供》
Georgie Auld / (discovery:10inch) here's that rainy day
darn that dream
ジョージ・オールド・・・いや、古い日本盤ではこの人の名をりをちゃんと「ジョージイ・オウルド」と表記してあったぞ。GeorgeではなくGeorgieという綴(つづ)りに注目したのだろう。
スイング時代のビッグバンドっぽいサウンドをバックにゆったりと吹くこのテナー吹き。コーニイ(古くさい)な感じがまったく・・・悪くない(笑)
古いテナー吹きをけっこう好きな僕も、もちろんジョージイ・オールドを嫌いではない。Cimg5664_2そういえば何か10インチ盤を持ってたけど・・・などと言っていると、PaPaさんが自分のレコードバッグからすうっ~と見せてくれたのは・・・roostの10インチ盤。「おおっ、これだ!」
それにしても・・・PaPaさん、なんでも持っている(笑) Cimg5665_3 このroyal roost盤・・・面白いのは、裏ジャケットが無地・・・一文字も入ってない、無地の青一色であることだ。 さっぱりしていいじゃないか。そういえば、スタン・ゲッツの10インチも同じように裏ジャケットは無地だったかな。 当時のroyal roostさん・・・デザインとしての無地だったのか、単なる手抜きなのか(笑)
《royal roostのオウルド写真2点~PaPaさん提供》

さて・・・オウルドの10インチ盤から、here's that rainy dayという好きな曲がかかったので、僕はあのレコードを想い出した。あれ・・・エルヴィンとリチャード・デイヴィスのimpulse盤 Heavy Soundsだ。 As9160_jあれは・・・フランク・フォスターの堂々としたバラード吹奏がたまらなく魅力的なのだ。このレコード・・・拙ブログ夢レコでも小話題になったことがある。それは・・・録音のバランスとしてのリズムセクションの捉えられ方についてのコメントで、そのバランスがこのHeavy Soundsでは明らかにベース、ドラムスが大きすぎるというのがYoさん意見だった。今回、here's that rainy dayつながりだったが、Yoさんお持ちのそのimpulse盤(これは赤黒ラベルが初版)を聴いてみた。As9160_l右チャンネルからリチャード・デイヴィスの芯のある強いピチカット音が・・・かなり大きな音で鳴りまくる。 う~ん・・・これは・・・確かに大きい。フランク・フォスターのテナーが主役なのだが、音量バランス、それに弾き方そのものが管に負けないくらい「主張する音」となっている。僕はデイヴィスの音は強くて大きい~と認識しているので、僕としては「大きくても」問題ない(笑)ただ・・・一般的にみて、ジャズ録音における管とリズムセクションのバランスにおいては・・・少々、出すぎかな(笑)まあでもこのレコードはエルヴィンとリチャード・デイヴィスのリーダー作ということでもあるのだから・・・ヴァン・ゲルダーがあえてそういうバランスにしたとも考えられる。《Heavy Sounds写真2点~Yoさん提供》

Dscn0243_2《写真~ denpouさん提供》
Max Bennett~おおっ!あのシマウマだ!この10インチ盤・・・ただ、シマウマが2匹いるだけなのに、どうにもいいジャケットだ。denpouさんのこの手持ち盤はコンディションもいい。ジャケット表のコーティングもキレイでシマウマのオシリも艶々している(笑)
ベツレヘムというと名前が浮かんでくる女性ヴォーカルに、ヘレン・カーという人がいる。ヘレン・カーのリーダーアルバムとしては、10インチでは<ビルの一部屋に明かり>、12インチでは<浜辺に寝そべる2人>がよく知られているが、この「シマウマ」にも2曲だけヘレンの唄が入っている。konkenさんのリクエストもあり、この10インチ盤から ヘレンカーの歌入り(they say )を聴く。カーさん・・・声質にはやや低めで落ち着いた感じで、ビリーホリデイみたいに、しゃくったような歌い方もするが、わりと甘えたような唄う口でもある。そのカーの歌も悪くないのだが、ここはやはり間奏に出てくる、「おお、このアルトは?」くらいにハッとする鮮烈なアルトの音色に痺れる。そう、チャーリー・マリアーノである。マリアーノは唄伴でも遠慮しない。ここぞ・・・という感じで自分の唄を出しまくる。特に50年代の彼は激情マリアーノだ(笑)Dscn2504
ちなみにこの「シマウマ」(Max Bennett)は、それはそれは高価なのである(笑)でも同じ音源(8曲)をどうしても・・・という場合は、12インチではMax Bennett Plays(BCP-50)でも聴かれます。この辺りのbethlehem盤はどれもいいです。僕はマリアーノ目当てで集めました。

konkenさん~
Peggie Lee/Black Coffee(UK brunswick:10inch)
何年か前に杜のお仲間でも小話題になり何度か登場した10インチ盤。今回、ジャケット・盤ともコンディションのいいものをkonkenさんが入手。う~ん、やっぱりいい音だ。米Decca10インチと続けて聴いてみると・・・ペギーの声の鮮烈さ、バック伴奏陣のクリアさなど・・・やはりUK10インチに軍配が上がるようだ。ついでに米Deccaの12インチ盤も聴くとこちらの方がすっきりとしたいい感じなので、どうやら米Decca10インチ盤にはカッティングレベル(低い)も含めてプレス品質の問題があるかもしれない。

リキさん~
ロスアンゼルス交響楽団/Candide(Decca) バーンステインOverture ミュージカル音楽を豪快に爽快に楽しく聴かせてくれる。それにしてもこういう壮大になるオーケストラはYoさん宅の大きなスピーカーで聴くと理屈ぬきに楽しめる。

こんな具合にあれこれと連想ゲームのように飛び出てくる皆さんのお勧め盤を楽しんでいると、いくら時間があっても足らないなあ・・・という気分になるわけである。そんな中、でもやはり「レーベル興味」の音比べも楽しみたい・・・というのが、Yoさんと僕の病気である(笑)
こういう音聴き会の前にYoさんとメールやりとりしていると、そんな「レーベル話題」に関して何かしらテーマらしきものが浮かび上がってくる。
今回は・・・United Artistsである。以前から僕らの集まりで「UAのステレオ盤とモノラル盤」の話題になることがけっこうあった。具体的には・・・UAのいくつかのタイトルにおいては~<どうやらステレオ盤の方がモノラル盤より音がいい>ということで、まあもっともそれは、Yoさんと僕がチラチラと主張していただけで(笑)検証タイトルがなかなか揃わないこともあって、実際の聴き比べまでは話しが進まなかった。(Yoさんはだいぶ前から同タイトルで両種揃えていたようだ:笑)
僕が最初に、そのUAのステレオ/モノラルの音質違いに気づいたのは、アイリーン・クラールのBand & Iの2種を聴き比べた時だ。アイリーン・クラールは僕にとっては数少ないヴォーカルもの集めたい人で、このUA盤は5年ほど前だったか、先にモノラル(赤ラベル)その半年ほど後にステレオ盤(青ラベル)と入手した。そうして後から手に入れたステレオ盤を聴いて・・・僕は驚いた。「音の抜けが全然違う!」
このBand & I はバックがビッグバンド風なので、まあ簡単に言うとたくさんの音がバックで鳴っている。その大きな響きの様が、赤ラベル(モノラル)では、詰まったような感じで、なにやら暑苦しい感じが濃厚だったのである。アイリーン・クラールの声そのものにそれほど差はないようだったが、パッと聴いた時に、クラール独特のあの爽やかさ、軽やかさみたいな感じがモノラル盤では味わえなかったとも言える。
ステレオ盤では、バックのバンドの音群がそれはもうパア~ッと抜けて・・・「抜け」というのは、僕の中ではけっこうキーワードなのだが・・・説明しづらいのだが、周波数的に高音が出ているとかいう意味合いだけでなく、その鳴り方の「空気間」というか、その場で(録音現場)鳴り響いた音響の「感じ」が、よりリアルに捉えられている・・・というような意味合いで「抜けがいい」と表わしているつもりではある。
Dscn2494 Yoさんは、3年ほど前だったか・・・konkenさんお勧めのMotor City Sceneのキング国内盤ステレオを聴いて、その演奏を気に入り即座にそのオリジナル盤(モノラル)を入手した。ところが・・・どうも「違うなあ」ということで、国内盤であってもあのステレオ盤の方が遥かにいい音だった・・・という冷静な判断を下したらしい。そうしていつの間にか・・・Motor City SceneのUAステレオ盤(青ラベル)を入手していたのである(笑)
僕もクラール盤で感じていたことなので、UAの赤/青についてはまったく同感だった。そんな経緯もあって、Yoさんとは何度か「UA~United Aritistsは青ラベルだよね」みたいな会話をしていたわけである。Dscn2495
僕もまたkonkenさんのキング盤「モーター・シティ・シーン」を何度か聴いて、実に欲しい1枚だったのだが、わりと最近、ステレオ盤を入手して、その良さに満足しているところだ。4曲どれも良いのだが、特にA面2曲目 minor on top で出てくるぶっとい音のベースソロが気に入っている。ベースはポール・チェンバース。彼のいかにも大きそうな音が・・・そうだな、プレスティッジほど硬くなく、コロムビアほど柔らかくなく、適度な芯と適度に豊かな拡がりを保ちながらしっかりと芯のある素晴らしい音色で捉えられている。UAの録音エンジニアはあまり話題にならないが、なかなか素晴らしい録音だと思う。そのA面2曲目~ minor on topを掛けてもらった。
う~ん・・・素晴らしい!艶のある音色で細かいことをやらずに余裕たっぷりに吹くサド・ジョーンズ、それからいつものことながら、小気味いいシングルートーンを適度なアクセントを付けながらサラッと弾くトミー・フラナガン、そしていつもよりちょっと抑えた感じの、つまり・・・全編ブラッシュでリズムを刻むエルヴィン・ジョーンズ、そしてさきほど言ったポール・チェンバースのでかい音像のベースがやや左チャンネル辺りから響き渡る。いやあ・・・素晴らしい!Yoさんのウーレイから鳴る「抜けのいいベース音」も快感である。
この1曲があまりに素晴らしくて・・・赤ラベル(モノラル盤)と聴き比べることなど忘れてしまった(笑)
Uajs_15003_j_2《UJASステレオ盤の写真2点~Yoさん提供》
その替わりにというわけでもないのだが、今回、意図して持ってきたレコードが、Undercurrent(UA)である。同じUAでも・・・この作品は「サックス吹きラベル」である。Uajs_15003_l
   これについては・・・Yoさんがステレオ盤(UJAS~、僕がモノラル盤(UJA~)を持っており、僕はわりと最近、このモノラル盤を聴いて・・・その音の感じにやや違和感を覚えていた。ひと言で言うと「強すぎる」という感じがあったのだ。Yoさんとはメールではある程度、音の様相までのやりとりをしたが、やはり・・・音は聴かねばダメだ(笑)
7人が集まった会ではあるが、同音源の聴き比べにはあまり興味のない方も多いと思われるので、僕はちょっと遠慮気味にではあるが「ちょっとこれを・・・」と言って、灰色一色の暗いジャケット~モノラル盤:Undercurrentを取り出した。「ああ、それ、やりまひょか:笑」微妙に関西弁のYoさんが応えた。このUndercurrent・・・1978年だったか国内盤を入手した以来、僕はもう大好きでそのキング盤(ステレオ)を聴きまくってきた。あまり良好とは思えない録音(ちょっと弱い感じ)の音ではあったが、しかし、それは繊細に絡み合う2人の音世界に合っている・・・とも思えた。

<UnderCurrent モノラル盤/ステレオ盤から my funny valentine を聴き比べした後、Yoさんとのメールやりとり>Dscn2497
basslcef~
UAモノの方は「優雅で繊細」とだけ思っていた二人のデュオに、相当な力強さを感じました。エヴァンスのピアノがかなり近い音で入っていて(音量レベルそのものも大きいような感じ)かなり強いタッチに聞こえます。ガッツあるデュオ・・・という感じにも聴けました。
(ステレオ盤を聴いてみての印象)
やっぱり、青のステレオ盤、ある種、柔らかさが気持ちよく、そしてギター、ピアノのタッチの強弱感もよく出ていてよかったですね。エヴァンス、ホールのデュオ音楽としては、モノ盤のピアノは強すぎで繊細さに欠けた感じがありますね。楽器が二つだけのためか、他のUA作品でのステレオ、モノラルほどの音の落差はなかったようですが。同じサックス吹きセンターラベルでも、違い(ステレオはグレイ、モノラルはやや黄色がかった感じ)があることが判りました

Yoさん~
エバンス&ホールの件、UA盤はステレオとUK盤のモノがあります。UKモノはbassclefさんのモノオリジと同じようにカッティングレベルも高く、力感がありますが、ちょっと厚ぼったい感じがします。ステレオはちょっとレベル低めですが、透明感と力感が上手くバランスして好きです。
(USモノ盤を聴いてみての印象)
Undercurrentモノ盤は音自体は悪く無いのですが、仰るとおり「強い」という感じがあのDuoには似合わないように感じました。私は元々「DuoなんだからStereoが良いに決まっている:笑」と言う事で買ったのです。同じところから2人出てくるのは嫌いなので・・・(笑)

《この「黄色がかったモノラルラベル」については・・・Yoさんからも「モノラルでも普通はステレオと同じグレイ(灰色)だと思います」との情報をいただいた。僕の手持ちモノラル盤のラベルは・・・どう見ても黄色っぽい。これはいったい・・・? ひょっとしたら非US盤かも?と心配になった僕は、ジャケット、ラベルを仔細にチェックしてみたが・・・カナダ盤、オーストラリア盤、アルゼンチン盤などという表記はどこにもなかった。よかった(笑)》

Dscn2499《追記》
「アンダーカレント」という作品~
ステレオとモノラルの音の質感のことばかり書いてしまったので、その音楽の中身についても少し触れたい。デュオという形態は・・・難しい。その2人の個性を好きなら、ある意味、その人の手癖・足癖までたっぷりと見られるわけで面白いとも言えるが、ジャズはやはりリズム(ビート感)だ!という気持ちで聴くと・・・確かにデュオというのはあまり面白くない場合もけっこうありそうだ。
さて、エヴァンスとホールのデュオ・・・これは・・・僕は本当に凄いと思う。もちろんその前に、本当に好きだ(笑) その「凄い」は突き詰めていくと・・・やはりこのレコードのA面1曲目~my funny valentine の凄さなのだ。ごく一般的に言うと・・・ピアノとギターというのは、本来(器楽的な面として)ジャズでは相性が悪い。ハーモニーを出し、メロディも出し・・・という機能面で似ているので、出した時のサウンドとして「カブル」(被る~音が重なってしまってハーモニーが引き立たないというか・・・そいういうニュアンスで相性が悪いと・・・いう面は確かにあると思う。
この「アンダーカレント」は、ある意味・・・そうした器楽上の困難さに、ビル・エヴァンスとジム・ホールという2人の名人(白人技巧派として)が挑戦した・・・そんなレコードだと僕は思う。そうしてそんな2人の何が凄いのか・・・というと、それは「鋭すぎるリズム感の交歓、いや、せめぎ合い」ということになるかと思う。 my funny valentineは、普通の場合・・・スローバラードで演奏される。しかし、このテイクは違う。1分=180~200ほどと思われる急速調である。いきなりエヴァンスの引くメロディからスタカートをバリバリと掛けてキビキビしたテキパキした硬質my funny valentineなのである。ドラムスとベースがいないので、たしかに・・・なにやら疲れる。というより、普通のジャズだったら、あるはずの「聞こえるビート」「聞こえるタイム」がないのだ!これは・・・困る(笑) 落ち着かない(笑)フワフワしちゃう(笑)
しかし・・・これは2人の音楽的チャレンジでもあるのだ。ビートとタイムは今、聴いている自分が発現すればいいのである。アタマの中でも、あるいは手を膝に叩いたスラッピングでも何でもいいので、カウントを取って聞こえてくるビートに合わせてみる・・・そうすると2人の演っている「音」というのが、いかに凄いか・・・判ってくる。
このmy funny valentine・・・聴いていてグッ、グッと突んのめっていくような感じを受けないだろうか。この音楽が好みでない方にしてみれば、セカセカした感じと言ってもいいかもしれない。それはおそらく・・・テンポが速いからだけでなく、2人のノリ方が当たり前に「乗る」4ビートではないからのだ。小節のアタマ(4拍の1拍目)を、あえて外したようなフレージング。2拍・4拍のノリをあえて外したようなリズムのコンピング(相手がソロを弾いている時にバックに差し入れる和音) 2人はそのコンピングをどうやら1拍半(1.5拍)
のタイミングで入れているようだが、それを意地になって連続してくる。そしてその「1.5拍」は強烈なシンコペーションにもなってくるのだ。
<2小節8拍を~2・2・2・2(2x4=8)と2拍づつ刻むのではなく、例えば、1.5・1.5・1.5・1.5+2(この最後の2拍を1.5+0.5の場合もある)と
刻む。いや・・・この考えを倍の4小節(16拍)まで引き伸ばして、その間、延々と1.5拍攻撃を続けている場面さえあるようだ>
う~ん・・・こりゃ、聴いててもホント、どこがどこやら判らなくなる(笑) しかし・・・この2人はこの曲のどこで何をどうやっても、コーラスの進行を寸分違(たが)えずに音楽を進めていく。確固たる信念を持って先鋭的なリズムのやりとりを進めていく2人の厳しい佇まいに、僕は思わず身を硬くしてしまう・・・それくらいこの my funny valentineは凄い・・・と思う。そんな2人の緊迫したやりとりが、ひと山越えると、今度は、ジム・ホールがその真骨頂を見せる。エヴァンスのピアノのソロの途中、ホールはギターで4ビートを演ってしまうのだ。いや、ジャズを4ビートで演るのは当たり前だが、そうじゃない。よくあるようにベースの替わりをギターの低音部シングルトーンで弾くのでもない。ギターのコード(和音)を弾きながらそのまま4ビートを表出してしまうのだ!「なんだ、これは!」最初にこのレコードを聴いた時、その「和音の4ビートカッティング」に僕はブッとンだ。これは・・・ちょっとギターを弾いたことのある人ならば・・・同様に感じるであろう、ある意味「ショッキングなサウンド」なのである。そしてもっと凄いと思うのは・・・ジム・ホールという人がその「和音の4ビートカッティング」の音量を、微妙に抑え加減にして、なんというか技巧的に凄いというだけでなく、その技術をちゃんと音楽的なものにしてしまっていることなのだ。このジム・ホールは・・・本当に凄い、いや、素晴らしい。なお、いつもの僕の妄想では(笑)この「4ビートカッティング」が鳴り始めた瞬間、ピアノのビル・エヴァンスは、グッと目を見開いた。そうしてほんの一瞬、間を取ったが、その素晴らしいアイディアとサウンドに嬉しくなり、「よしっ!それならばオレもグイグイいくぜ」と鋭いフレージングに切り込んでいったのだ・・・。
*この「アンダーカレント」については、コメントも頂いたyositakaさんがご自身のブログでも触れてくれた。「2人のデュオ」という観点で素晴らしい表現をされている。
http://blogs.yahoo.co.jp/izumibun/32543379.html
このアドレスでご覧ください。bassclefもコメントをしました。その補足として、この追記を載せました。

UA盤話題で何度となく言葉になった、その「抜けの良さ」は、アイリーン・クラール、Motor City Scean、Undercurrent以外のタイトルでも実感していた。それは、有名なアート・ファーマーのModern Art。2ヶ月ほど前だったか、いつも2人でレコード聴きをするrecooayajiさんのモノラル盤と僕のステレオ盤で聴き比べた際、モノラル盤では引っ込み気味だったベースとドラムスが、ステレオ盤では、スパ~ッと抜けたように、大きな響きになり、しかもそれはふやけた感じではなく、しっかりした音圧感を伴った鳴りに聞こえたのである。
通常の場合、モノラル盤志向のrecooyajiさんであっても、レーベルによってはステレオ盤の方がいいのかな?・・・という見識もお持ちだ。つまり・・・いい録音のステレオ盤には偏見はない(笑) 実際、同タイトル2種(Art)を聴き比べてみて、これだけ「ベースの出方、ドラムの鳴り方が違ってくると・・・これはやっぱりステレオ盤の方がいいね」という場面もあったりで近頃は、僕らの仲間でも「UAはステレオ」がちょっとしたキーワードともなっている(笑)

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コメント

ああ、洗濯船Mさん、お久しぶりです!今年の春は白馬の集まりに参加できなくて申し訳ありませんでした。次回には万難を排して・・・と思っております。
UAのUndercurrent・・・Mさん、両方お持ちですか(笑)ステレオ盤には微妙な繊細さが、モノラル盤には厚みと力強さがあり・・・そうですね、どちらもいいですよね。やっぱり元の演奏が素晴らしいわけですから(笑)

United Artists(UA)というレーベル・・・そうですね、どのタイトルが「サックス吹きラベル」のオリジナルなのかがよく判りませんね。・・僕の手持ちでは、この「アンダーカレント」(14003)とビリーホリデーの「レディ・ラヴ」(14014)くらいだったか。アラン・ダグラスという人のプロデゥースが売りのようです。レコード番号がヒントかもしれません。

洗濯船Mさんのホームページ・・・それは楽しみです。リンクの件、まったく「メイウエンティ」~ノー問題~ノープロブレムです(笑)
またアドレスを「ニーノさん杜BBS」やこのコメント欄にてお教えくださいね。

投稿: bassclef | 2010年9月 6日 (月) 20:26

D35さん、Yoさん~コメントやりとり、ありがとうございます。キャロル・スローン・・・僕も好きな歌い手です。持ち味が地味目なためか、若い時の作品が案外、少ないですね。それでもやっぱり当時のバンドリーダーが「素晴らしい」と思ったから、デモ・テープ(CD;ハッシャバイの音源)を作ったんでしょうね。
D35さんもお持ちの、Out of the blue と Live At 30th Street・・・どちらも素晴らしいですね。

>同じように録音から年月を経てレコード化されたものにOmegaのペッパー録音The Art of Pepperがあり(当初Omegaではテープ発売だった)、ドイツBaccarolaで発売された(これも)レコードオリジナルとされているものを入手しました。その後日本でVol1,Vol2として発売されたもの~

ああ・・・それがたぶんテイチクから出たArt Of Pepper第1集・第2集のことでしょうか。発売リアルタイムではありませんが、僕もその2枚を入手しました。後にトリオからも出たはずです。テイチク盤・・・全テイクが不良ではありませんが、ピアノとかがかなりの入力オーバーみたいに聞こえる箇所がいくつもありましたね。第2集になるとますます歪み感がひどくなってきたような記憶もあります。
その<ドイツ盤レコードオリジナル>・・・たしかとても地味なジャケットのやつでしょうか? 
ネットで1~2度、見かけたくらいです。日本盤よりよさそうですね。また聴かせてください。
それにしても、あの「アートペッパー」のオリジナル(フォーム)は・・・オープンリール(テープ)なのですね。ドイツの会社が使ったテープ以外に、もしいい状態のテープが残っていればひょっとしたら・・・(笑)
いやいや、「オリジナル志向」は、レコードまでにしておきましょう(笑)

投稿: bassclef | 2010年9月 6日 (月) 19:58

こんにちわ。洗濯船Mです。たいへんお久しぶりになります。私の持っているアンダーカレントのステレオとモノもセンターは同じグレー色です。確かこの盤にもUk盤がありましたのでどうでしょうか。私は、どちらかというとジャケットの写真の色違い、ステレオ盤の方がセピア色になっいる、のが気になりました。音のほうは両方とも好みです。この盤の思いでは、このサックス吹きセンターをしばらくの間再発盤と思い込んでいて、買うのをためらっていました。しかし、いくら探してもサックス吹きしかないので、諦めて買って聞いたところ、納得しました。ところで、お願いですが、今、遅まきながらホームページを作成中なのですが、リンクを張らせていただきたいのですがいかがでしょうか。

投稿: 洗濯船M | 2010年9月 6日 (月) 11:40

D35 さん、気にしないで下さいね。このレコード(CD)が気に入って追っかけてきた私の戯言ですから。
bassclefさん、CDにまで興味が行っているというわけではないですよ。このレコードのように録音から長期間たってレコード(CD)化されたものは少なからずありますが、その中でもこのキャロルスローンの一品は内容、仕上がり(CD)ともに素晴らしかったので、コピーCDではなくちゃんとしたアルバムを持っておきたいという気持ちからです。59年の録音からCD化が87年(29年後)、その後今回のレコード化が23年後とほぼ同時期保存されていたわけですからオリジナルテープの劣化と、アナログレコード化(カッティング)の技術&ノウハウが薄れてきた昨今のレコード化の仕上がりが気になったのです。ちなみに私はデジタルマスタリングに関しては否定的ではありません。80年代終わりの全ての録音がデジタルレコーディングになった時のCDと同時発売のレコードはCDを上回る仕上がりのものが多いですので、アナログ化のノウハウと感性を持った技術者がいたら良いものが出来るはずと思っています。このレコードもやはりテープ劣化を感じましたので、ソニーが保存しているであろう87年当時にデジタル変換された(オリジナル)デジタルテープからのアナログ化を期待したいところです。デジタルは符号ですからコピーしても劣化が無いのできちんと87年当時のデータとして残っていると思います。
話は変りますが、同じように録音から年月を経てレコード化されたものにOmegaのペッパー録音The Art of Pepperがあり(当初Omegaではテープ発売だった)、ドイツBaccarolaで発売された(これも)レコードオリジナルとされているものを入手しました。その後日本でVol1,Vol2として発売されたものを持っていますので聴き比べました。テープ劣化としてのベースの膨らみ(くどいですが、テープ劣化は低音に来ると私は思い込んでいます。)はやはりありますが、マスタリングエンジニアの感性の差か、ドイツ盤の方がペッパーがしなやかで艶があり聴きごたえがあります。次回聴いてみてください。

投稿: Yo | 2010年8月30日 (月) 15:15

Yoさんこんばんわ、返事が遅くなりました(笑)。
このところ他事で忙しくて?レコードあまり聴けませんでしたので。
キャロルスローンの他のレコードも(Out of the blue と Live At 30th Street )聴いてみましたが、やはりオリジは音が良い!(当たり前?)。
おっしゃる様に低音もすっきり抜けるし、ライブ感がよく出ています。
ちなみに私のは Out of が6目、30thが2目で、マトリックスはそれぞれ1Bと1Cでした。
初レコード化された Hush-A-Bye は、妙に音がきれいでテープヒスやノイズもなく、デジタルリマスタリング(昔再発で流行りましたね)されてるのかな?とも思いますが、聴いてて気持ちいいので気にしないことにします(笑)。

投稿: D35 | 2010年8月24日 (火) 23:55

bassclefの自己・・・いや、事故コメントです(笑)8月17日 (火)のコメントの以下部分・・・
>キャロル・スローンのあの復刻LP盤(タイトルは「Body & Soul」シナトラソサイエティ3800円)~
と書いたのですが、このシナトラ・ソサエティ・オブ・ジャパン(Sinatra Society of Japan)発売のキャロル・スローンLPのタイトルは、《ハッシャ・バイ》でした。価格はあってましたが(笑)
発売元のHPにはスローンに関わる詳しい解説もあって楽しめます。
http://www.sinatrajapan.com/4006.html

それにしても、若い頃のスローン・・・かわいい感じでいいですね(笑)

投稿: bassclef | 2010年8月22日 (日) 13:43

Yoさん、またまたのコメントをありがとうございます。
>Early Hours:邦題サブタイトル:ボディ・アンド・ソウル~裏ジャケと背のCD番号等が書いてある所の色が以前に借りたものは「濃紺」であったのに「黒」~

う~ん・・・これは・・・?気に入ったものには徹底的に入れ込むYoさんならではの発見ですね(笑)なんとなくですが・・・CDにも初版、再版、あるいは厳密には初版の発売分の中にも、アナログで言うところの「スタンパー違い」のような現象があるのかも?・・・という疑惑が湧いてきました
(CDにおいても)1stと2ndで音が違うのは、マスター音源の劣化やマスタリングの違いなどはっきりした理由があるかと思いますが「CD」でも、ひょっとしたら、初回発売のうちのごく何割かがテストプレス的な感じで、スタンパーの鮮度がいい・・・なんてことがデジタルの世界でもあるのかもしれませんね。そういえばCDの世界でもたまに論争めいた事例があるみたいですが、それは~
「デジタルデータの劣化もあり得る」という主張と、
デジタルにおいては『劣化』はあり得ない」とする立場(特に技術者の立場としては)があるそうですね。
なんだかよく判りませんね。まあ我々は「基本、アナログ」ですから(笑)
でもYoさん・・・ジャズの世界でも今回話題のキャロル・スローンのように(LP復刻までの15年ほどはCDのみだった)今やCDでしか発売されない「新発見音源」もけっこう出てますから、Yoさんの「こだわり」がCDまで拡がっていきそうですね(笑)
ちなみに僕が買うCDはその手のものだけです。
例~ハロルド・ランド/ライブatセラーカフェ
 ~ヴィクター・フェルドマン/ラテンズヴィル
共にbがスコット・ラファロです。「ラテンズヴィル」は、contemporaryの既発タイトルですが、未発表音源(新たな曲もあり)満載で、ラファロのベース音に痺れます(笑)

投稿: bassclef | 2010年8月21日 (土) 18:12

bassclefさん、先日のCarol Sloaneのコメントにはビビッと反応してしまいました(笑)。
あの「Early Hours:邦題サブタイトル:ボディ・アンド・ソウル」には思い入れがありまして、昔友人から「このCD良いですよ。もう売ってませんけどね・・・」と借りて聴いた時、内容もさることながら1959年の録音にして音の良さ、そしてテープ劣化の無さ(個人的にテープ劣化は低音に来て、必ず膨らむと思っています)に驚いた記憶があります。ほとんどプレイバックをせずに良い条件下で保存されたと思いました。そこで当時のCD-R書き込みソフトで「等速読み込み=等速書き込み:今のソフトではもう無い設定と思います。恐ろしく時間がかかります。」でコピーを作り、オリジナルと音質も寸分変わらないことを確認しました。bassclefさんに差し上げたのはその孫コピーです。しかしやはりオリジナルCDが欲しくて探した結果2年前にヤフオクで見つけ買いました。ところが裏ジャケと背のCD番号等が書いてある所の色が以前に借りたものは「濃紺」であったのに、「黒」なのです。他のバーコードなども全く変りません。音を聴くとコピーCDはしっとりと穏やかな音なのに、買ったCDは少しメリハリが付いたようで、子音も少しキツメなんです。当時再発されたと言う情報は聞いていませんので、いったいこれは何なんだろう??・・・と、もんもんとしていたところにこのレコードの情報、早速買いました。聴いたところ、残念ながらメリハリ、子音に関しては後で買ったCDと同等で、その上テープ劣化が進んだのか低音が膨らむのです。(D35さん、ごめんなさいつまらない情報入れてしまいました。)「お前のシステムの所為だ!」と言う声も聞こえてきそうですが、少なくとも拙宅ではコピーCDが最も音が良いという状況に変り有りません。背の青いCDまた探しましょうか?(笑)

投稿: Yo | 2010年8月21日 (土) 08:55

いやあ・・・yositakくん(このコメント、もちろんyositakさんだと思いまして・・・ひょっとしてどなたかのコメントだったらsorryです:笑)「アンダーカレント追記」のこと、熟読していただいたようで、ありがとう!
my funny valentin~あの急速調4ビートの流れで、いわゆる4ビートを体現するのは、普通の場合もちろんベースの「1・2・3・4=ボン・ボン・ボン・ボン」であり、ドラムスの「1・2・3・4=チン・チキ・チン・チキ」なのですが・・・あの「アンダーカレント」は全編、2人だけ。alone togetherですね(笑)
なので・・・その鳴っていない「ボンボン~」や「チン・チキ~」をビートとして自らが(強く)感じながらピアノなりギターを弾き進めているわけです。これは・・・なかなか大変なことでありまして、さらに凄いのはその2人の『ビートの感じ方』が、おそらくは・・・同調している。その同調感こそが、いわば「インタープレイ」の真骨頂なわけで、ただ2人(デュオという形態)がシャレた演奏をサラリと流す・・・という次元とは別世界な何か・・・深いところでつながっている感じ・・・がありますよね。その辺の微妙感~yositakaさんのブログでの記事にも触れてたと思います。
いや、それにしても世の中には・・・まだまだ凄い演奏、凄いレコードがいっぱいですね。聴きましょう!まだまだ(笑)

投稿: bassclef | 2010年8月17日 (火) 20:08

D35さん、先日はお疲れさまでした。recooyajiさんと私bassclefと3人で集まるのも久々でしたね。唄好きのD35さんならではの渋い女性歌手を聴かせていただきました。
品のいい歌い手さん・・・ということで、ドリス・デイとダイナ・ショウを続けて聴きました。ダイナの[Yes,Indeed]
(capitol)。僕の手持ちはモノラル盤、D35さんのはステレオ盤。capitolの録音は素性がいいので、ステレオ盤のバックのブラス群がくっきりしたまま爽快に拡がる様は、やはりステレオ盤ならではの味わいでした。たいていステレオ盤を持ってるはずの僕がモノラル盤とは・・・。モノとステレオ・・・交換しましょうか(笑)
キャロル・スローンのあの復刻LP盤(タイトルは「Body & Soul」シナトラソサイエティ3800円)・・・いや、あれは・・・強いて言えばあれが(おそらく)LP盤オリジナルとも言えそうで、ジャケットも音もいい出来上がりのLP盤でしたね。
音源そのものはだいぶ以前にCBSソニーから発売されたCD:Early Hours(定価が3200円時代)だと思います。このCDさえもすぐに絶版になったはずで、そういえば、僕もなぜこの音源を知っているかというと・・・あれは第1回白馬の集まり(2005年)の後、信濃大町の駅前喫茶店にてYoさんとジャズ話しが弾み、その時、あのキャロル・スローンが小話題になったのです。その後ほどなく、YoさんがCD-Rに焼いて送ってくれた・・・というわけです。改めてYoさんに感謝です!
いやあ・・・それにしても、D35さんもいつも仰るように、ホントにジャズのお仲間というのはありがたいものですね。

投稿: bassclef | 2010年8月17日 (火) 19:56

>2人はこの曲のどこで何をどうやっても、コーラスの進行を寸分違(たが)えずに音楽を進めていく。確固たる信念を持って先鋭的なリズムのやりとりを進めていく2人の厳しい佇まいに、僕は思わず身を硬くしてしまう

先日の「聴き会」のあとに追加された「アンダーカレント」の『別記』…読みました。
まさに演奏を眼前に見るような、圧巻の評文!
bassclef君の文章そのものがジャズになっている。
巷間の、評論と称する雰囲気だけの感想文とはモノが違います。
これを読めば、誰もが『マイ・ファニー…』が聴きたくて、たまらなくなってしまうことでしょう。

投稿: yositaka | 2010年8月17日 (火) 16:01

ハリー・ベラフォンテのRCA Victorの2枚組(カーネギーホールのライブだったか)・・・私もソレお気に入りの一枚ですが、bassclefさんと同じくモノ盤です、トホホ。
ニーノさんとこでレコードを買い始めてまもなくの頃手に入れましたが、確かステレオは TAS SUPER DISK でした。
私もモノとステレオの両方を買うほど余裕がないというか、他のを買いたいのでなかなか聴き比べができません(笑)。
今度の音聴き会でうまく両方揃うとうれしいですね。
マトリックス違いなら数枚ありますので(もったいない!)持って行きます。

投稿: D35 | 2010年8月11日 (水) 19:06

D35さん、お久しぶりです。コメント2葉、ありがとうございます。「アンダーカレント」の追記のことにも触れてもらって嬉しいです。
B.エヴァンスとJ.ホールの造り上げたあのmy funny valentineの世界は、本当に見事なものですね。なんというか・・・研ぎ澄まされた感性のぶつかり合い・・・という感じで、その辺のニュアンスを表現したくて、青い文字での「追記」としました。
ベースとドラムスが入ってのドッシリしたビート感に乗っかって聴く大人のジャズも、もちろん気持ちのいいものですが、エヴァンス/ホールのこういうある意味、先鋭的なジャズもあってもいいですよね。先鋭的というのは・・・なにもガチガチなハードな意味合いではなく、2人がもともと持っている鋭いリズム感を、余裕たっぷり(例えばO.ピーターソンとH.エリスのような職人的な巧さの見せ合いという感じ)にではなくなんというか、こう、ギリギリのところでぶつけ合ってみた・・・そんな気配のするmy funny valentineだと思います。

>古いライブ録音などはステージの演奏者の立ち位置がよく解るレコード~
そうですね。そういうの、僕も好きです(笑)と言ってもなかなかいいサンプルが浮かんでこないのですが・・・あれ、ハリー・ベラフォンテのRCA Victorの2枚組(カーネギーホールのライブだったか)・・・あのステレオ録音はいいですね。ベラフォンテのちょい後ろの方(左側だったか?)で、巧いギター奏者が控えめですがいいギター弾いてます。小編成のバンドの立ち位置も含めた「ステージの気配」が、よく伝わってくる名録音だと思います。
それなのに・・・僕がたまたま入手したその2枚組は・・・モノラル盤でした。残念だあ~(笑)

投稿: bassclef | 2010年8月 8日 (日) 21:40

再びお邪魔します、今皆さんのコメントをやっと全部読み終わったので(笑)。
bassclefさんのブログはもちろん本文が凄いのですが、皆さんのコメントがこれまた凄い!
私のようにほとんど聴いた事の無い者にも聴いた気にさせてしまう!もちろん褒め言葉です。
本当は聴かなきゃ解らないわけですが、音が急に移動するとか、演奏者の立ち位置とか、空気感(ちょっと違う表現ですが)私も知らない内に気になりながら聴いてます。
ドラムなどは沢山マイクを立てますからミックスダウンする時に「シンバルだけ左から聴こえる」ナンテ事もあるわけです。
その点古いライブ録音などはステージの演奏者の立ち位置がよく解る(と私が勝手に思っている?)レコードがあって愛聴盤になってます。
末席でいいから聴きたいものです。
けれど真ん中でないとステレオ感が解らないか?

投稿: D35 | 2010年8月 8日 (日) 10:48

ご無沙汰しています。
ひさびさのbassclefさんのブログを発見して安心しました。
長いので2日かかって先程ようやく読み終えたところです(笑)。
私には追記の部分、とても面白く読ませてもらいました。
このレコードは大学1年の頃初めて買ったジャズギターのレコードで、いきなり出てきた二人の掛け合いにぶっ飛んでしまった記憶があります。
たまには私も誘ってください(笑)。

投稿: D35 | 2010年8月 8日 (日) 07:31

三式さん、再々コメントどうもです。
ラベル変遷にはあまり詳しくないのですが(ちょっと調べましたら)お持ちの「ロール・コール」は4058番ですから《レーベル・アドレス両面47West63rd・NY》がオリジナルになると思います。録音が1960年11月・・・この頃になると、モノラル盤・ステレオ盤の同時発売でしょうか。
bsさんの手持ち(ステレオ盤)も同じ47west63rd NYとしてそのオリジナルのステレオ盤が共に<モブレイ瞬間移動あり>となると・・・これはやはりゲルダー氏のステレオマスターそのもののがそうなっていた・・・ということになりそうですね。それで東芝盤はそのマスターを使用したので当然<移動あり>になった~ということなのかな。

投稿: bassclef | 2010年8月 7日 (土) 17:56

bassclefさん、こんばんは。

戯言にお付き合い戴き恐縮です。
Bill Potts/The Jazz Soul Of Porgy and Bess(united artists)でも瞬間移動があるとのこと、、
僕はそのレコード持ってはおりませんが以前、レコード店の
エサ箱で見つけてさんざん迷った末、買わなかった記憶があります。
初期のステレオ盤の場合2チャンネルを強調する余り、こういう行き過ぎたサービスに走るケースが珍しくないのかも知れませんね。
他にもD.ブルーベックのアルバムTime Further Outの中の#Unsquare DanceでJoe Morrelloのドラムがやはり右往左往してたような・・。

ところでRoll Callのステレオ盤ですが僕が所有してるのはレーベル・アドレス両面47West63rd・NYになってます。bsさんがお持ちの盤もbassclefさんがお持ちの盤もMobleyが移動するということなので、もしステレオ盤で微動だにしないMobleyが聴ける盤をお持ちの方が居られたら是非教えて戴きたいです。

投稿: 三式 | 2010年8月 5日 (木) 23:04

三式さん、またまたコメントどうもです。
モブレイの「ロール・コール」the more I see you のエンディングのテーマで、モブレイのテナーが右から左へ瞬間移動のこと・・・
>これもレコード芸術が呉れたチョットしたプレゼントだと好意的に受け取ってるのですよ。Stereo盤でしか聴けませんよ~
いやあ・・・三式さんのこの辺の太っ腹は凄いですね。
僕など、どうしてもその演奏がいいだけに・・・う~ん、ゲルダー氏・・・なんでミスったのよ~!と、ある種、残念な気持ちになってしまいます。もともと僕もレコードに「真のリアリティ」を求めてはいないつもりなのですが、そうはいっても「器楽の鳴り」を楽しみたい気持ちも強く、個性豊かなジャズメンの、その楽器が、いかにもそこで鳴っているような感じを求めてしまうようです。実際、腕利きミュージシャンが鳴らす楽器の音というのは・・・実に快感です。生演奏でなくても、僕らはいろんないいレコードから、そんな素晴らしい楽器の音(と感じさせてくれる再生音)を味わえる。
そんな気分が強いと・・・もともと再生音楽のレコードであっても~つまり、実際にそういう立ち位置で吹いていたとは限らない(トラック別で録った音源をミキシングで細工する)とも思うのですが、それでも、各ミュージシャンが「そこ」で鳴っているのなら、その状態がキープされるのが自然・・・と感じるわけです。なので・・・モブレイがテーマを、丁寧に吹いている最中に「左に2mの瞬間移動」してしまうと・・・ちょっとシラけてしまうわけであります(笑)

そういえば・・・あるUAのステレオ盤で、同じようなケースがありました。それはアル・コーンのテナーが何度も左右を行き来するという現象でした。その辺、拙ブログ:夢レコ~2007年1月 1日 (月)<やったあレコ 第8回>Bill Potts/The Jazz Soul Of Porgy and Bess(united artists)で記事にしました。
http://bassclef.air-nifty.com/monk/2007/01/bill_pottsthe_j_7186.html
このUA盤の場合は米再発・日本再発ステレオ盤に見られる現象で、オリジナルのステレオ盤にはなかったように記憶してます。

モブレイの「ロール・コール」~これ、いわゆるオリジナルはモノラル盤ということかもしれませんが、初出自のステレオ盤でも、やはりこの「瞬間移動」があるのでしょうかね?

投稿: bassclef | 2010年8月 5日 (木) 19:51

bsさん、ちょいヒサです。コメント、嬉しいです。
UAレーベルでなくても、普通、なかなか同じタイトルをステレオ/モノラルで揃えることはしませんからね(笑)
それでもマクリーンのbluenote盤での比較impression~ありがとうございます。
こちら、恥ずかしながら、マクリーンのAction~未聴です。この辺のマクリーン好きのkonkenさんにまた聴かせてもらおう。

>monoのハードで凝縮された音質~
この辺の感じ、三式さんの次コメントと同じく、判るような気がします。そうしてその「グッと濃い感じ」が、この頃のマクリーンにはよく合うのでは・・・ということも。そして、その感覚をもうちょっと拡大に解釈すれば・・・bluenoteというレーベル全体においても、やはり「モノラル」の(音造り)方が、骨太ジャズ全体に合う・・・という感じも浮かんできます。もちろんいつも言うように、録音の良し悪しは・・・タイトルごとで相当に違うものであり、ひとつのレーベルを「これこれ~こうだ」とは決められないとは思いますが、レーベル単位での音質の特徴やら質感などに、ある程度のカラーというか傾向があることもまた間違いないことかと思います。

bsさんが
《マクリーンの当時の演奏スタンス、心意気まで聴き取ろうとするならば、monoの方が適しているのではないでしょうか》
と書かれたように、僕自身にもいろんなジャズメンに対して同じように感じることがあって・・・だから僕なども「こうであってほしい」という風にジャズマンの音色の佇(たたず)まいに対し、自覚的にジャズを聴くこともあり、それはけっこう楽しいことか思ってます。
そのことについての余談ですが、同じタイトルをステレオ盤/モノラル盤で聴き比べると、ベース奏者中心に聴いていると、どのレーベルであっても、やはりモノラルの方が「厚く・重く」聞こえることの方が多いようです。ベース音は厚く重い方がいい・・・と(自分も)そう思い勝ちですが、それでも僕にはそれが「良い場合」と「良くない場合」があって、それはそのベース奏者に対するこちらが持っているイメージにより近い方を良しとしているからなのです。その辺のこと、ちょっと前の<夢レコ~同じレコードをとことん楽しむ>でhttp://bassclef.air-nifty.com/monk/2009/06/29-804c.html
記事にしました。ジョニー・グリフィンの「ケリー・ダンサーズ」でのロン・カーターのベース絡みの箇所です。

投稿: bassclef | 2010年8月 4日 (水) 20:33

こんばんは、

・・・いつも「サプライズ」がありますね・・・

そうですね、むしろ「問題発言」なのかも(汗)、、。
何時ぞやはL.Konitzにハミングまでさせてしまいましたからね(笑)。

ところでこのMobleyの瞬間移動、Mono盤愛好家にとってはもう「論外」の出来事なんでしょうね、恐らく「それ!見たことか!」ってね。確かにbassclefさんがおっしゃるようにチョットしたミスなのでしょうけど、僕にとってはこれもレコード芸術が呉れたチョットしたプレゼントだと好意的に受け取ってるのですよ。Stereo盤でしか聴けませんよ!ってね。


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bsさん、どうも!

McleanのAction,Stereo/Mono両方お持ちとは羨ましいです。僕はStereo盤しか持っておりませんがMono盤から発せられるサウンドにMcleanの心意気を感じる・・・、何となく分かるような気がいたします。

この頃のMclean、僕は大好きです。音楽的にもサウンド的にも・・特にボビハチが絡んだDestination Out=One Step Beyond=Action、、この3部作ともいうべき作品群は彼の全キャリアを通じての傑作ではないかという気がいたします。


投稿: 三式 | 2010年8月 3日 (火) 21:14

三式さん、コメントをどうもです。
>Blue Note盤のRoll Call/Hank Mobleyで確か#The More I See Youでの終盤、最後のテーマ演奏の部分で右チャンネルから聴こえてたMobleyのテナーが突然左チャンネルに瞬間移動する部分がある~

三式さんコメントにはいつも「サプライズ」がありますね。さっそく聴いてみました(東芝ステレオ盤~最後の復刻シリーズ1990円のもの) 
いやあ・・・仰るとおり!最後のテーマの繰り返し部分になると、それまでは右からのテナーが、突然に左チャンネルから鳴り始めました(笑)そしてテナーの音量もやや大きくなり、音色の質感もよりくっきりはっきりしてきたような・・・。
う~ん・・・これは・・・ステレオ盤好きのbassclef的でも「あってはならない」ミキシングですね。その「テナー突発的左に2m移動」の場面の、ピアノ、ベース、ドラムスを注意深く聴いてみました。が、僕の耳には、テナー以外の楽器の定位、ヴォリューム感にはまったく変化なし。
推測ですが、この繰り返し部分だけテーマの一部をミスったか何かで、その部分だけ「別テイク」から付け足した・・・しかしその別テイクではテナーの定位が違っていたのにそれに気づかなかった~ということかもしれません。
この1点を過大に取り上げて「だからステレオ盤(録音)はダメだ」とはもちろん思いませんが、おそらくモノラル徹底愛好派の方には、こういう風な「あってはならないステレオ定位」の事例がいくつかあって・・・そんなんなら楽器の位置など関係ないモノラル盤(録音)がベストだぜ!という気持ちになってるのかもしれませんね。
それにしてもこの『ロール・コール』more I see youには驚きました。でも・・・モブレイの吹くスタンダード・・・実にいいですね(笑)

投稿: bassclef | 2010年8月 3日 (火) 19:50

お久し振りです!
UA盤のstereo/mono、残念ながら両方所有するアルバムはありません。僕の場合、どちらかと言えば、monoの方が多いですね。UA盤の録音は、あまり知られていませんが?意外に好録音が多いですよね。例えば、MODERN ART(stereo)、三式さんが仰るようにイイですよね。

今日は、ちょっと反則気味ですが、両方所有しているマクリーンの‘ACTION'(BN)を聴いてみました。mono(NY)、stereo(liberty)なので、厳密に言えば、同条件ではありませんが、面白い事に気が付きました。monoの‘I Hear A Rhapsody’~‘Hootman’を聴いたところ、‘Hootman’で出てくるあのフリーキー・トーンがmonoでは必然的というか、実に違和感なく発せられいる事が解るんです。それがmonoのハードで凝縮された音質と大いに関係があるのでしょう。stereoではそこまでハッと感じません。ただし、音質だけならば、ボビ・ハチのvibがセンターでonというバランスがやや気になりますが、多分、STEREOに分があると思います。
でも、マクリーンの当時の演奏スタンス、心意気まで聴き取ろうとするならば、monoの方が適しているのではないでしょうか?
なんだか、本趣旨から逸脱しているようで、申し訳ありません。

それから、ROLL CALL、三式さんが仰る通り、突如、モブレィが右から左に移動しますね。初めはカートリッジか、SPが壊れたのか?と面喰いました。曲芸でもしたのでしょうか(笑)

投稿: bs | 2010年8月 3日 (火) 19:45

こんばんは、三式です。

UA盤のMono・Stereo盤の聴き比べ、面白そうですね。
ジャズレコードファンってMono盤がお好きな方がかなりいらっしゃいますよね。僕自身はといいますと、Mono,Stereoそれほど拘りはもっておりません。聴ければ別にどちらでもいいですよ!っていうタイプでしょうか。因みに持ってるLPを見てみると若干Stereo盤のほうが多いかもしれません。それもその筈で、レコードを買い始めた頃は大体、店頭にはStereo,Mono両方が並んでることが多くてStereo盤を好んで買っていた記憶があります。いつの頃からかよく憶えてませんが巷ではMono盤がより珍重される傾向が強くなっておりました。それならどれほどの差があるのか一度両方聴き比べてみるコトに・・、試しにUA盤のModern Art/A.FarmerのMono盤を無理して購入、聴きくらべて見ると・・、音の深みというか、奥行きというか、それに各楽器の切れ味がStereo盤のほうが優ってるように聴こえたのです。僕の耳がおかしいのかもしれませんがそう聴こえてしまったのです。他にもMercury盤のCannonball In Chicago、同じくYou ’n' Me/Al Cohn & Zoot Sims、同じ結果でした。
と言ってももう随分昔のことですので今聴き比べると違った結果がでるかもしれませんけど(笑)。
だから今でもMonoだからいい、Stereoだから駄目なんて思ってませんしその逆も考えていません。
音楽を楽しむためだったらStereo盤でもMono盤でも歓迎です。

それからbassclefさんがおっしゃってたStereo盤での楽器の定位のこと・・、これは凄く重要なことだと僕も思います。
変な例を挙げていいますと・・、只、このことは以前、既に話題になってたことかもしれませんので悪しからず。

それはBlue Note盤のRoll Call/Hank Mobleyで確か#The More I See Youでの終盤、最後のテーマ演奏の部分で右チャンネルから聴こえてたMobleyのテナーが突然左チャンネルに瞬間移動する部分があるのですが、いや左から右だったかな?
これなどMono盤では体験不可能な珍プレイですよね(笑)。

投稿: 三式 | 2010年8月 3日 (火) 00:53

ああ、Yoさん、ちょいヒサになりましたね(笑)6月末のYoさん宅訪問・・・本当にアッという間の一日で本当に楽しかったです。今回の夢レコ~何事を判断するにもしっかりした検証を重んじるYoさんであるのに、僕の方が勝手にYoさんを「United Artistsレーベルはステレオ盤がいい派」の首領にしてしまったような部分もあり・・・その辺、ちょっと反省しております(笑)さて、そのUnited Artistレーベルについての「検証」ですが、同じタイトルのものをステレオ盤とモノラル盤と揃えることもなかなか珍しく、ましてや意外に出てこない(と僕は認識している)United Artistsのステレオ盤6枚、モノラル盤6枚・・・たしかに通常の感覚で言えば「ステレオ盤多目」になるでしょうね。
ドーハムの「マタドール」~マクリーンが入った人間イラストジャケのやつですね。あれ、片面がちょっと組曲風な感じで、聴くとそんなに大げさな感じもなく悪くないですね。ドーハム作品としては凝った感じで異例な作風ですかね。ちなみに僕はあのレコードのベース奏者が、せかせかした感じのノリでちょっと苦手でした。

そういえばrecooyajiさんが2週ほど後に訪問されたのでしたね。
>ステレオ好きの私たちだと気にもしないこと~
この辺、確かに「良い・悪い」の問題ではないですね。やっぱり「気になるポイント」も含めての好みと言う他はない(笑)
recooyajiさんとは、何度も2人でレコード聴きやってまして、いろいろと突っ込んだ話しもしておりますので、その辺の情景・・・浮かんできます(笑)
純粋な一般論としても、モノラル派の方は確かに「ソロイストの位置、リーダー作のリーダーとサイドの位置」など気にされる場合が多いようです。そしていろいろな作品(初期のステレオ録音に多いと言えば多いか)の定位が、例えば2管の場合、リーダーは真ん中だけど、もう一人は左とかも多く、そうなると・・・2管のバランスとしてやや違和感を覚える・・・ということもあるようです。僕も管奏者が3人いてその全員が、例えば左側、リズムセクション全員が右側~というようなバランスはちょっと嫌ですね(笑)ただ、リーダーが真ん中であるべき・・・とはあまり思いません。強いて言えば・・・(ステレオ録音ならば)ドラムスとベースはちょっと離れてくれた方がいいかな。お互いの音をはっきりと聴き取りたいので。
時々、ありますが、例えば、ドラムが右側に定位していると思って聴いていて・・・シンバルを強打したら・・・その時だけシンバルが左の方からも盛大に鳴る~というのはちょっと嫌ですね。
まあでもステレオでもモノラルでも、その時の(いい)演奏をより楽しむために、それぞれの楽器を、いい音色、いい質感、いい音圧感で聴きたいわけで・・・逆に言えばそれらが現出できていれば、ステレオでもモノラルでもいいんですよね。

投稿: bassclef | 2010年8月 2日 (月) 22:00

bassclefさん、大変書き込みが遅くなってすみません。「UAのステレオ盤が良い!?」と言っておきながらたいした比較データも無く、自分もUA盤何枚持っているのかチェックしたりしている内に遅くなりました。
結局調べたらステレオ6枚、モノ6枚で内2枚づつ(例のMotor City SceneとModern Art)が両方持っている・・・という程度でした。逆に言うとステレオ盤の比率が高いと言えなくも無いですね。そして、持っているステレオ盤は全て音の厚み、エネルギー感共に良かったです。bassclefさんがアップされたUndercurrentとBokker Little+4 以外ではKenny Dorham Matadorと67Camperさんが気になされたKansas City Revisitedです。
只先日「モノ好き」のrecooyajiさんが来られてモノ盤とステレオ盤について少し聴き比べをしましたら「このステレオ盤はソロになると位置が変る」とか「中抜け」だとか・・・ステレオ好きの私たちだと気にもしないことにチェックが入ります(笑)。・・・これはもうこだわる所が違うのだから良いとか悪いとかいう問題ではないようです。

投稿: Yo | 2010年8月 2日 (月) 18:05

おお、M54さん、またまたのコメントどうもです!
>ベニー・グリーンのタイム盤~うん、いいですね(笑)僕はソニー・クラーク絡みで聴きました。
メンバーは~
ベニー・グリーン(tb)
ジミー・フォレスト(ts)
ソニー・クラーク(p)
ジョージ・タッカー(b)
(ドラムスだけは、アルフレッド・ドレアーズという知らない人)
ひとくせ・ふたくせのメンツが揃いました(笑)くどいボントロにねっちりのテナーに、一歩も引かずにグイグイとビートをかぶせるジョージ・タッカー!
重いタッチでずっしりと弾き込むソニー・クラーク!
いやあ・・・いい!(笑)
真っ黒いジャズ・・・という感じですね。
そういえば、ほぼ同じメンバーで、もう1枚、エンリカ盤で
The Swinging Bluesというのもありますね。僕は残念ながら国内盤(センチュリー)で聴いてます。そちらのベースもタッカーでして、なかなかいいのです。

投稿: bassclef | 2010年7月15日 (木) 21:35

bassclefさん、またまたタッカーネタで失礼します。ソニー・レッド のImages は大好きな盤でよく聴きます。タッカーの音は強烈でこのレコードのイメージを決定付けているように感じます。 他の2枚は未聴です、欲しいです。
タッカーを堪能したいときはアーヴィンのベツレヘム『the book cooks』サボイ『Cookin』などを聴きます。 有名なのはBN『Us Three』でしょうが、凄く高いので入手困難、日本盤で我慢・・  デクスター・ゴードンのBN『Doin Allright』もパーラン、タッカーで黒っぽく仕上がってますが、アーヴィンほどでないのでこれぐらいが、もたれなくっていいかもしれません。 あっさりしたところではベニー・グリーンのタイム盤もほのぼのとしていいですね。

投稿: M54 | 2010年7月14日 (水) 16:38

やあ、yositakaさん、コメントをありがとう!
yositakaさんブログ<児童文学と音楽の散歩道>でも、ムター関わりの記事アップしていただいてthanksです。
http://blogs.yahoo.co.jp/izumibun/32518522.html

年に2度ほど集まるこの音聴き会では集まるメンバーによって、ジャズだけでなく、クラシックもけっこう掛かるのですが、みなさん、ジャズ好きの方に気をつかってくれて(笑)わりと判りやすいものを選んでくれるようです。
ムター・・・いわゆる「美人ヴィオリニスト」という知識しかなかった僕らジャズ好きは、たぶんはじめて、ムターという人を聴いたわけです。というより、まず2枚組LP・・・そしてそのジャケットに目が行きました(笑)そのムターの立ち姿・・・CDのジャケ写真より、もう少し足元まで写ってたと思います。
「謎の2枚組」と書いたわけですが、yositakaさんの調査によると、どうやら《2008年12月には、限定プレスで二枚組LP(国内盤)も作られたとのこと》というのが正体のようですね。
音質はしっかりしてたので、怪しげ・粗悪な海賊盤ということではなさそうです。

UAレーベル~ミンガスの「ジャズ・ポートレイト」!いやあ・・・あれも実にいいですね。日本キング盤で聴いてます。僕は豊橋のジャズ喫茶に入り浸っていた頃(1975~1978年)そのジャケット違いのUA再発盤(全体に灰色でミンガスの顔がアップになってるやつ)で何度も掛けてもらいました。アルトのジョン・ハンディが吹く「言い出しかねて」・・・これがもう素晴らしくて、その後に出るミンガスのベースソロも、凄い。「ジャズ・ポートレイト」のUAのオリジナル盤・・・実にまったく欲しいところですよ(笑) でもあまり・・・出てこないような。

投稿: bassclef | 2010年7月13日 (火) 19:33

おひさしぶりです。yositakaです。
さすがに今回は渋いラインナップで、耳にしたものが少ないのですが、UAというとチャールズ・ミンガスの『ジャズ・ポートレート』、エヴァンスの『アンダーカレント』がすぐ思い浮かびます。なぜか私には前者のほうが印象が深く、もしかすると私としては、ミンガスはこれが一番好きかもしれない。
いっぽうエヴァンスの方は名盤として知られていますが、こちらはあまり聴かない方。ジャケットのセンスは最高なのですが…
演奏内容というよりもギターとのデュオであることにその原因がありそうです。でも、この記事を読むともう一度聴きなおしてみたくなりますね。私の持っているCD
は、どういうわけかブルーノート・レーベルになっていて、別テイクなども入っている<完全版>。こういうのが一時はやりました。
ブッカー・リトルも夭折惜しまれるアーティストですが、ベツレヘム盤など、ぜひ聴いてみたいと思っているものです。「ヘヴィ・サウンド」も面白そうですね。
クラシックの話題も興味深い。シュタルケルもムターも、どちらかと言えばあまり耳にしない人だからです。
まずはムターから聴きなおしてみたんですが…記事はブログに書きました。

投稿: yositaka | 2010年7月13日 (火) 08:03

dukeさん、コメントをthanksです!dukeさんのブログ~
デューク・アドリブ帖 
http://blog.goo.ne.jp/duke-adlib-note/
再開、おめでとうございます。いや、おめでとう・・・というより、また毎週日曜の更新がdukeさんにとっては楽しくもあり、苦しくもある・・・という感じでしょうか(笑)
でもさっそくみなさんから「祝・再開」いや「再会」のコメントが入っているようですね。素晴らしい!こちらもボチボチと継続していきたいと思ってます。

Max Bennett~この地味なべーシストですが、ベツレヘムというレーベルにおいて、なにやら別格的に評価されているようで、それこそ・・・そこがべーシストにとっての聖地であるかのように。Bennettは、ベース音が丸くよく弾むような感じで、もちろん音が大きい・・・つまり素晴らしいべーシストなわけですが、この時期に録音が集中している感じもあって、案外に知られてない存在かもしれません。
何かで読んだ情報では~
60年代後半(?不確かです)には、あのジャズ・クルセイダーズに参加していたとのこと。時代的にエレベだったかもしれません。クルセイダーズはworld pacificの1,2枚だけ持ってますが、未確認です。
それにしても・・・この10インチ盤の「シマウマ」・・・いいジャケットですね(笑)持ってる方は幸せでしょう。

投稿: bassclef | 2010年7月10日 (土) 10:37

bassclef さん、ご無沙汰しております。私も半年ぶりにブログを再開しましたが、こちらも久しぶりの更新ですね。

Max Bennett のシマウマはなぜ高値なのか不思議に思ったことがあります。ケントンのベーシストならエディ・サフランスキーのほうが有名なのに何で?ヘレン・カーの魅力なのでしょうかね。
高値といえば先日、ヤフオクでソニー・クリスの「傲慢な女」のスクーターの脚がない初期ジャケットが出ていました。傲慢なスタート価格でした。(笑)

投稿: duke | 2010年7月 9日 (金) 22:26

おお、M54さん、ちょいヒサです!いやあ・・・54さんも筋金入りのタッカー好きですね!(笑)
ジョージ・タッカー・・・実にいいですよね。タッカーという名前からして個性的です(笑)タッカーのベースに僕が最初に印象付けられたのは・・・ドルフィのアウトワードバウンドです。あのイントロ部分での荒々しく怒ったようなタッカーのピチカット!! 驚きでした。
さて、タッカー・・・いろいろ聴いてるはずなんですが、参加作品がうまく浮かんでこない。僕はbluenoteのホレス・パーランもの、案外持ってないので、あれ?じゃあ何を聴いてるのかな・・・とちょっと困ってしまいました。今、George Tuckerで検索したら・・・いくつか出てきました。
ソニー・レッドの Images(jazzland)
カーメル・ジョーンズの Jay Hawk Talk(prestige)
フレディ・レッドの Sanfrancisco suite(riverside)
てなところでした。
どれもがタッカーのベースが入って、より良い作品になってるような気がします。
Jay Hawk Talk~僕は黄緑ラベルの米再発で聴いてますが、これは・・・うんとガッツのあるいい演奏ですね! 

投稿: bassclef | 2010年7月 7日 (水) 23:17

67camperさん、またまたどうも!camperさんブログには本当に多くのいいアルバムが載るわけですが、たしか、Verveのバーバラ・キャロルも紹介されましたね。その時、当方からもオードリー・ヘップバーン関わりでコメントしたような記憶が甦ってきました。
UAのモノラル盤をたくさんお持ちのcamperさんに「UAはステレオ」というのも、これは失礼な話しかもしれませんね(笑)モノラル、ステレオについては、これはもうまずは「好み」もあって、僕はもともとステレオ盤が好きなんでその辺、適当に読んどいてください(笑)

>記事の最後に出てくるアーゴのアート~
すみません、これ、間違えてしまいました。何気なくArtと書いてしまったのですが、UAのModern Artのことを指していました(記事も訂正しておきます)

ArgoのArtもいいですね。モノラルだと青ラベルでしたか?

投稿: bassclef | 2010年7月 7日 (水) 21:26

bassclefさん、ご無沙汰です。 久々の更新でしたね。 待ってました!
恒例のYoさん宅での鑑賞会ネタですね、僕も行きたいけどなー九州からだとチョット遠いですね~。
今回の食いつき処は、ジミー・ウッズ のコンポラ盤ですかね(笑) この盤は数年前、えさ箱で発見、ジャケは痛んでましたが盤のほうはそこそこでした。 プロモラベルのモノ盤でした。   購入動機は勿論、ジョージ・タッカーです。 リーダーのウッズ(このレコードを手にするまでは知りませんでした)よりも先ずはリズム隊の3人をみてこれは良さそうだと。
タッカーの音はどのレーベルでも黒々としたお腹に響く味わいです。 大好物です。
UAのステレオは音が良いとは聞いてますが、今のところモノ盤しか僕の前には現れていません。ステレオ盤は少ないのでしょうか? 僕はモノ崇拝主義ではありませんが、モノ盤で所有していると更にステレオ盤をとまでは・・と言いつつ何枚かは両方持ってるものがありますね(笑)

投稿: M54 | 2010年7月 7日 (水) 11:11

bassclefさん、再登場です。ヘプバーンの記事も読ませていただきました。ヘプバーンのイラストカバーが美しい一枚ですよね。
それから、記事の最後に出てくるアーゴのアート、これも最近オリジナルを入手したのですがモノでした。結局は、ステレオオリジが入手しにくいのかも知れませんね。自分の所にころがってくるのは、この時代は何故かモノばかりのような気がしてきました。

投稿: 67camper | 2010年7月 7日 (水) 08:31

67camperさん、うんと久しぶりに更新記事にさっそくのコメントをありがとうです!こちらは約4ヶ月も空けてしまいましたが、camperさんの方はいつもきっちりとジャズのレコード、campと更新を続けてまして、本当に凄いことだと思います。

Jimmy Woods・・・主役のウッズはなかなかいいアルトですよ(笑)このcontemporary盤は、出そうで案外出てこない・・・ような感じだと思います。強力ベースのジョージ・タッカーのザックリ・ギザギザした音色を堪能できます。それにしてもタッカーやアンドリュー・ヒルに反応するcamperさん、本当にジャズ好きなんだなあ(笑)

<UA盤はステレオ・・・>については、現状、あくまで幾人かの個人(bassclefやYoさん、recooyajiさん)の感想であります(笑)同一タイトルでの比較検証もサンプルが少ないので、もちろん全てのUAものに当てはまるとも思ってません。1958年頃からの、もともとがステレオ録音のものは、やはりそのままのステレオの方がいいのかな・・・と個人的には推測してます。
camperさんのジャズ批評記事~UA盤3枚を紹介していた記事、拝見しました。たまたまですが、そのジャズ批評137号(ジャケ買いコレクション)には、僕もオードリー・ヘップバーンのレコードの投稿で載せてもらったので、その号を持っていたのですよ(笑)
ボブ・ブルックマイヤーのKANSAS CITY REVISITED は・・・<バスのバックミラー>でしたね。あれはいいジャケットですね。赤でも青でも欲しい1枚です。でもやっぱりステレオ盤好みの僕は青ラベルが欲しいかな(笑)

投稿: bassclef | 2010年7月 6日 (火) 23:23

bassclefさん、久しぶりの更新ですね。こんなミーティングがあると準備も大変なのでしょうね。今回も盛りだくさんですね。

先ずは、ジミー・ウッズ盤、初めて見ました。興味ありますね。ヒルとタッカー、contemporaryというのがまたいい。聴いてみたい一枚ですね。

次いでマイルス。自分のマトリックスは1-Bです。これはAに近いほどいいのですか???自分は長年愛聴してきた疑似ステ盤としか比較できていないんです。疑似ステはストックホルムのチェンバースがもごもごで聞き取れないですよね(ハハハ)。

最後にUA盤。個人的に思い入れが多くジャズ批評にも書いてしまいました!(2007.5月.No.137)。オリジが結構ありますが何故かモノが多いです。ステレオと言うとロイ・エアーズぐらいしかないのかも・・・。ステレオがいいと言われると一番聴いてみたいのがブルックマイヤーのKANSAS CITY REVISITEDですね。とはいいながら、モノ&ステレオで揃えるのは大変ですから、モノで我慢です。

投稿: 67camper | 2010年7月 6日 (火) 05:22

recooyajiさん、さっそくのコメントどうもです。いやあ・・・久々の長時間Yoさん宅でいろいろ聴かせてもらいましたよ。今回はクラシックも混ぜながら、最後には、やはりレーベル興味(UA)になだれ込みさせてもらいました(笑)
一番印象に残っているのは・・・やっぱりモーターシティシーンのベースソロかな(べースはポール・チェンバース)

recooyajiさんとは、4日(日)に3時間ほどレコード聴きをやったわけですが、prestigeの10インチと12インチの同じ音源(miles/monkのクリスマス・セッション)の聴き比べ・・・面白かったですね。10インチというのは・・・確かに「ある種の鮮度感」があるようですね。12インチ化の時に多少なりとも「造られた音」(ベースを大きめにしているかも?とか単にエコーを強めにしているかな?とか・・・)になっているのかなあ?という気配も感じられましたね。その点、10インチは素美人というか(笑)例えばマイルスのトランペットにしても、そっけないくらいコザッパリした音色の場合が多いように感じております。
ただ10インチ盤全般に言えることだと思いますが、その鮮度感(音質)とは引き換えに、盤の材質やプレス技術の低さ(10インチが1954年くらいまでとして、それ以後の平均的レベルと比較すれば低いのかなと思う)のためか・・・どうしてもサーファスノイズが目立つことは、やはり欠点かな・・・とも思います。その辺・・・10インチは・・・難しい。

投稿: bassclef | 2010年7月 5日 (月) 21:16

今回はご一緒できなくて残念に思っています。
それにしてもマトリックスNo.やMono・Stereo盤の聴き比べ等、相変わらず濃い内容ですね。
僕も今度、お邪魔させていただく予定なのですが、何を持っていくか、悩んでしまいます。
最近Jazz、落ちないしなぁー。

投稿: recooyaji | 2010年7月 5日 (月) 04:21

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