<ジャズ雑感 第30回> リヴァーサイドの不思議
2人のエンジニア~Jack HigginsとRay Fowler
《Tadd Dameron/The Magic Touch(1962年) 青モノラル》
リヴーサイドが好きである。ジャズ聴きの初期からモンクやエヴァンスを聴いてきて、だから彼らの一番いい時代の演奏が残されているリヴァーサイドというレーベルを嫌いになるはずがない。このレーベルには、もちろんモンクやエヴァンス以外にも好きなレコードはたくさんあるが、今回はジャズの中身(演奏)についてではなく、「リヴァーサイド録音の質感」について書いてみたい。
また音の話しか・・・と思われてしまいそうだが、今回は、僕自身が「いい録音」「あまりよくない録音」と思える盤のタイトルを挙げながら、いつものように自分の思い込みを展開したい(笑)
要は・・・まず僕自身の「好き・嫌い」を明らかにすることで、それに対し「いや、それは違う!オレはあっちの方が好きだ」とかの意見も当然あるわけで・・・つまり「音の好みというのは本当に人それぞれなのだ」ということを、充分に認識することで、そうした方が・・・たぶん音の話しの「いい・悪い」も伝わりやすくなると思うのだ。そうしてこれらは録音についての僕の好みの話しなので、「音の良くない」方で挙げた盤があったとしても、それは・・・決してその盤の中身が悪いというわけではありません(笑)
以前からリヴァーサイドには、録音がとてもいいと思えるタイトルと、そうでないものがあって、だから、bluenoteやprestigeのようには「リヴァーサイドは、これこれこういう音だ」と簡単に表現できないもどかしさを覚えていた。僕のリバーサイド認識は・・・基本的には「自然な感じのしっとり感のある音質」だ。そうして、そのソフトな質感をもちろん嫌いではない。しかしそうとは感じない音の盤もけっこうあって・・・どうもリヴァーサイドの音はよく判らない・・・そんな感じもあるのだ。
今回は、その辺のことをできるだけ具体例を挙げながら書いてみたい。
さて、いろんなリヴァーサイド盤を聴いてきたが、この頃になってようやく、同じリヴァーサイドであっても2人のエンジニア~Jack HigginsとRay Fowler~によって、だいぶ音造りが違うようだぞ・・・ということに気づいた。
だいたいの掴(つか)みとして~
Jack Higgins(Reeves Sound Studios) 1956年くらいからのモノラル録音が主。[参考~モンクのBrilliant Corners、ビル・エヴァンスのEverybody Digs~やPortrait In JazzはHiggins録音]
*追記~Portrait In Jazzついて~モノラル録音はHigginsだが、ステレオ録音はひょっとしたらRay Fowlerかも?という話しが、bsさんのHP(BLUE SPRITS 8/20付)にてアップされました。そのCDのデータを巡る興味深い記事です。必見です!
*追記2~bsさんのブログ Blue Spirits は移転したので、そちらのアドレスを以下に。http://bluespirits.g2.xrea.com/hitoiki18portraitinjazz.html
Ray Fowler(Plaza Sound Studio) 1960年くらいからのステレオ録音が主。
[参考~但し、モンクのMonk's Music(1957年),ファイブスポットのライブ(1958年),Monk Orchestra at Town Hall(1959年)などはFowler録音]
1960年代に入ると、ほとんどの作品がRay Fowlerになっているようで、その音の違いは・・・スタジオ自体の響きや年代による録音機器の違いによるものも大きいはずだが、やはり2人の音造り(ミキシング、マスタリングのバランスなど)の違いというものもはっきりとあるように思える。 僕の場合、一聴して「おっ、いい音だな」と感じると・・・Ray Fowler録音の場合が多かった。
まず、Fowlerの方からいこう。
ひと頃、リヴァーサイドの中編成ものが好みになっていくつか入手した。
Thelonious Monk/~Orchestra at Town Hall(1959年) 青モノラル
Jonny Griffin/Big Soul Band(1960年) 青モノラル
Blue Mitchell/Smooth as the Wind(1960年)黒ステレオ(写真上)
Blue Mitchel l/A Jazz Version of Kean(1961年) 黒ステレオ
Tad Dameron/The Magic Touch(1962年) 青モノラル
Mark Murphy/Rah (1961年) 青モノラル/黒ステレオ(写真下)
《特にマーク・マーフィーのファンではないのだが、このRahは、ビル・エヴァンスも何曲かに参加しているという情報もあり入手した。しかし・・・何度聴いてもどのトラックがエヴァンスなのかはっきりとは判らない》
上記6点のFowler録音盤は、モノラル盤、ステレオ盤どちらであ っても、多くの管楽器のエネルギー感もたっぷりで、スポットが当たるソロ場面での音色には鮮度感がある。しかもドラムスやベースのリズム陣の音圧感も充分にあり、さらにそれら全体のエネルギーバランスが強すぎず弱すぎず・・・のいい具合だったのである。
どれも好きな音だが、特にTad Dameron盤でのジョニー・グリフィンのテナー、Mitchell盤でのブルー・ミッチェルの艶やかなトランペットは、素晴らしい音だと思う。これら6タイトルは全てRay Fowler録音である。
こんな確認をしていると・・・まあ要は僕がFowlerの録音を(ミキシング、マスタリング含めて)好きというだけのことかもしれないが、いずれにしても、僕は今やはっきりとそういう認識を持ってしまったわけである(笑)
*モンクの未発表LP~Evidence(milestone 1983年)A面には、At Town Hallからの別テイク~ラウズとのカルテットが3曲、オーケストラの1曲(thelonious)が収録されている。モノラル盤を聴いていて感じた、ブラス陣やベースの厚みある音そのままに、ナチュラルなステレオ音場になっており、なかなか素晴らしい音質だと思う。Ray Fowlerはやっぱりステレオ録音が得意なのだ。たぶんそのステレオ音源を元として、モノラルにミックスしているのだろう。
そのRay Fowlerの初期のステレオ録音とされているMonk's Musicは、3rd(黒ステレオ)と4th(茶色abc:モノラル)しか持ってないが、その演奏を僕はとてつもなく好きなので、Monk's Musicについてはまた別の機会に(笑)
*追記~皆さんがコメントで異口同音に触れてくれた、Riversideにおける[同じ作品でのステレオ盤とモノラル盤での音質違い]~これは・・・確かにある(笑) それは、Monkの「ミステリオーソ」です。2年ほど前に、Yoさんとのやりとりの中でも浮上したこの話題。その過去記事がこれです。
さて、好きなリヴァーサイドであっても、何もかもオリジナル盤というわけにもいかないので、当然、OJC盤やビクター国内盤でもいろいろと聴いている。OJC盤は、それまで国内盤で聴けなかった(入手できなかった)タイトルをいくつか聴いたのだが、「いい音」が印象に残っているものをいくつか紹介したい。オリジナル盤で検証しなくては無意味だ~というご意見もあるかと思うが、僕自身の感じとしては・・・国内盤、あるいはOJCであっても、もともとの録音の素性(質感、楽器のバランス)みたいなものは、ちゃんと表われるもので、つまり・・・「良い録音」か「あまり良くない録音」くらいは(何が良いか悪いかは、人それぞれであっても)どんな版でも判るものだと思う。
Victor Feldman/Merry Olde Soul(1960年 Ray Fowler) OJC盤
~このレコード・・・やけに音がいい。フェルドマンのヴィブラフォン、ピアノが適度にしっとり感のある音で捉えられており、ベースやドラムのバランスもちょうどいい。それから「サム・ジョーンズのベース」という観点で後述の2枚に比べてみると、低音の響きが豊かに捉えられていて、実にいい具合なのだ。
Milt Jackson/Bags Meets Wes(1961年 Ray Fowler ) OJC盤
~これもとてもいい録音だ。ウエスのギターの艶々した質感が素晴らしい。サム・ジョーンズのベース音に限って言えば、先の2枚に比べると、ほんのちょっとだけベースの低い方が薄い感じがある。しかし充分に芯のあるいいベース音だと思う。
Blue Mitchell/Blue's Moods(1960年)もいい。これはビクターの紙ジャケCDを聴いただけだが、そのしっとりしたペットの質感と、サム・ジョーンズのベースの豊かな鳴り具合には、間違いなく元録音の良さを感じた。未入手・未確認だがエンジニアはRay Fowlerだと思う。
サム・ジョーンズは・・・おそらく右手のピチカットの時、その引張り力が強すぎて(アタックを掛けすぎて)「グシャッ」という感じに潰(つぶ)れたような音色になることもあるようだ。そしてその強烈さのためか・・・実際、その「引っ張り力の強さ」だけが強調された録音が多くて、ベースの録音としては、ややペンペンしたような音に聞こえてしまう録音のものも少なくないようにも思う。そんなサム・ジョーンズのベース音が良くないと思える録音盤を2枚だけ挙げよう。
*訂正~Things Are Getting Betterのベース奏者はパーシー・ヒースでした。Solarの方はサム・ジョーンズです。
Cannonball Adderley/Things Are Getting Better(RLP 12-286) *モノラル・青・大ラベル 1958年 Jack Higgins
~このモノラル盤・・・一聴、ベース音が遠く霞(かす)んだ感じで音圧感に乏しく、ドラムの音は大きく入ってはいるがシンバルなどが歪っぽく、音そのものに鮮度感がない。サックスやヴィブラフォンも大きめに鳴ってはいるのだが、なにかにガチャガチャと暑苦しくこもったような感じに聞こえる。僕にはとても疲れる音だ。
《追記1~Yoさんからは、Things Are Gettingのステレオ盤(黒・小)の音は素晴らしい~とコメントもあり謎は深まる(笑) だとすると・・・どうやら、Jack Higginsの録音自体が悪いわけではない・・・ということかも》
*《特別追記!》~ついにこの「ステレオ盤Things Are Getting Better」を聴くことができた。昨日(10月10日)ニーノニーノさんの集まりにてYoさん宅で、まず僕のモノラル盤、それからYoさんのステレオ盤(黒・小ラベル)を聴いたその印象を以下。一聴して・・・「これは良い!」でした。Yoさん、NOTさんが仰るとおり、ジャクソンのヴィブラフォン、キャノンボールのアルトには芯に充分なエネルギー感があり、(ジャクソンは左側からキャノンボールは右側から)たっぷりの音量バランスで鳴る。そして僕がモノラル盤で感じた最も「苦手」な部分は・・・ドラムのシンバルや打音の「ガシャガシャ感」(歪む一歩手前くらいか?)であるが、ステレオ盤ではドラムスは全くでしゃばることなく、ちょうどいい按配の音量だ(僕にはそう聞こえた。この辺は、ぜひNOTさんブログでのレポートもご覧ください。ドラムが暴れ気味の方を好むであろうNOTさんの正直な感想にも納得。同じドラムの音量の聞こえ方に対しても、個人の好みでその印象はだいぶん違ってくる・・・という好例だと思う(決して良い悪いの話しではありません、くれぐれも:笑)それからもうひとつ~パーシー・ヒースのベース音にも大きな違いが!直前に同じ装置で聴いたモノラル盤よりも、ステレオ盤では明らかに、ヒースの音が太めに大き目に聞こえました。この点でも、特にベース音バランスが気になる僕にとっては「ステレオ盤」の方がベストなバランスだと感じました。
*追記~上記のリンク~NOTさんブログThese music suite me well は移転したので、ここに移転先アドレスを付けておきます。<MONO VS STERET>なるカテゴリーに興味記事満載です。ぜひどうぞ!
《追記2~上のモノラル盤とは違うジャケットのモノラル盤(*青・小ラベル)が存在しました。というより、僕の手持ち盤の方がモノラルの2ndジャケだろう。そして「音が悪い」のも、ひょっとしたらこの2ndジャケ盤だけの症状かもしれない(笑) その1stジャケットの写真は右下(ネットからお借りしました)
図柄は同じですが別ジャケットには、左下に[○囲みのSPECTROSONICロゴ]と右上のRIVERSIDE文字のすぐ下に[CONTEMPORARY SERIESと12-286]表記が入ってます》
《追記3~そして今になって気づいたのだが(笑)・・・ジャケットだけでなく、センターラベルにも違いがあったのだ!Riversideに詳しい方ならすでにお判りだと思うが、センターラベルにも「小ラベル」と「大ラベル」があったのだ。普通の場合、「小ラベル」の方が先らしい(一部に例外あり) そして今回のケースでは~僕の手持ち盤(2ndジャケ:写真左上)の方が「大ラベル」で、1stジャケ(写真右上)が「小ラベル」のようだ。
大と小の簡単な見分け方のポイントは~ラベル左側のタテ書き[LONG PLAYING]文字と溝が交わらずに溝の外側にあるのが「大ラベル」、そして[LONG PLAYING]文字の上を溝が縦断しているのが「小ラベル」だと思う。
ラベル中央上部の「カセットテープみたいな図柄」でも同様に「溝が通る位置」の違いが明らかだ》
《追記4~bsさんコメント(2009年8月 2日 (日) 20:48)により、このThings Are Getting Betterのセンターラベルにもう一種あることが判明。それは[青・大・溝なし]で、bsさんによれば[僕の耳には、この盤の「音」は〇、それも◎に近い]とのこと。この[青・大・溝なし]と僕の手持ち[青・大・溝あり]とが同一の音質とは断定できないが、bsさんコメント内での音質感の描写は、僕の耳に聞こえた質感と近く、おそらく「同じ音」を耳にしているものと思われる。興味深いのはその「同じ音」に対しても受ける印象が異なってくる場合も充分にあり得る・・・ということです。この辺りのことについて、bsさんがご自身のHP(8/12付け)で取り上げてくれました。コメントと併せてぜひご覧ください。
Red Garland/Solar(jazzland:JLP73)モノラル・オレンジラベル 1961年 Ray Fowler
~どのトラックでもサム・ジョーンズのベース音色がはっきりと薄い。もう少しは出ているはずのウッドベースの低い方の音がざっくりと抜け落ちてしまって、乾いてペンペンしたような音色になってしまっている。いい方の録音のサム・ジョーンズとはだいぶ肌合いが違う。サム・ジョーンズは、こんなに軽い感じのべーシストではないはずだ。
ついでに「ベース音が遠い、薄い」録音として、Sonny Rollins/The Sound of Sonny(1957年 Jack Higgins)のことも。
ロリンズのレコードの中では・・・なぜか今ひとつの感がある。僕の好きなソニー・クラークも入っているのに、なぜだか演奏に生気が感じられないのである。ああ・・・今回は「演奏」については触れないでおこう。あくまで「録音」に拘りたいところなのだが、ちょっとだけ思うに、この「サウンド・オブ・ソニー」~ベースはポール・チェンバースなのに、(*訂正~チェンバースのテイクは3曲、パーシー・ヒースが6曲でした)かなり小さめでしか聞こえず(しかも遠めに)ロリンズのテナーも何となくエネルギー感に乏しいように聞こえてしまう。その要因に一部は・・・こうした「録音の拙(まず)さ」にもあるように思えてならない。なお、このSound of Sonnyは、米milestoneの2枚組で聴いてきたが、recooyajiさんが「モノラル白ラベル」をお持ちで、その真性オリジナル盤を何度か聴かせてもらった時の印象もまったく同じである。
*アダレイやサム・ジョーンズ好きな方が以下の3枚~
Cannonball Adderley/~ at the Lighthouse(riverside)
Cannonball Adderley/Poll Winners(riverside)
Cannonball Adderley/JAZZ Workshop Revisited(riverside)
をお持ちなら、ぜひ聴き比べてみてください。たぶん・・・ベース音には相当な違いがあるかと思います。情けないことに、僕は3枚とも未入手です(笑)なお、以上の3枚の録音はWally Heiderとのことです(厚みのあるベース録音に特徴)
*そのWally Heider録音によるjazzland盤を見つけたので紹介したい。
Harold Land/West Coast Blues(1960年)小豆色ラベル:モノラル
~いい具合にベースはサム・ジョーンズだ。低い方まで太めに響くベース音が聞かれる。オン・マイクで録った音だとは思うが、適度な自然響きもあって、僕には好ましいベースの音だ。ただ・・・前回の記事で書いたように<そのミュージシャンの本当の音>という観点から言うと、サム・ジョーンズとしては、ややマイルドすぎる音色になっているかもしれない。しかし・・・さすがにWally Heiderさん、いい録音だ(笑)
さて・・・どうやら僕はRay Fowlerの音が好きなようである。もちろんこの辺のことは好みの問題だがそれだけではなくて、2人の録音盤を見ると判る録音年月の違い(スタジオや録音機器の違い)という要素もあるはずだ。だから機器の性能レベルでは、より有利なはずのFowler録音の方を「良い」と感じるのは、実はごく当たり前のことかもしれない(笑)
今回は僕自身の音の好みとして「Fowlerの音を好きで、Higginsの音が苦手」という流れで話しを進めてきた。そしてそのサンプルを見ると好きなFowler録音にはステレオ盤が多く、苦手なHiggins録音にはモノラル盤が多い・・・ということも事実のようである。
ちょっと白状すると、僕の好みが「ステレオ」なので「モノラル」の方ばかりを「良くない音」に感じてしまうのではないか・・・という怖れが自分自身にもあったので、手持ちでは数少ないJack Higginsのステレオ盤も聴いてみた。
Philly Joe Jones/Showcase(RLP1159)黒ラベル:ステレオ 1959年 Jack Higgins
~それほど悪いという訳ではないのだが、3人の管楽器にもうひとつ鮮度感が乏しい。ドラムもシンバルが大きめに鳴ってはいるが・・・なんだか緞帳(どんちょう)の向こうで叩いているような感じだ。
Johhny Griffin/The Little Giant(ビクター盤:ステレオ)1959年 Jack Higgins
~アダレイのGettin' よりは若干すっきり目にはなったが、やはり暑苦しい感じが聴きづらい。全体に音量はあっても、どの楽器にも自然な音圧感・実在感がいまひとつ感じられないのだ。鳴ってはいるが・・・直(じか)に伝わるエネルギー感に乏しい・・・と言ったらいいのか。推測だが・・・Jack Higginsは、どの楽器もオンマイク気味で録った後、抑える方向でミキシングし直して全体のバランスを取ろうとしているのではないだろうか? それがために自然なエネルギー感が損なわれてしまう・・・ということがあるのかもしれない。
それから、Ray Fowlerのモノラル盤もひとつ~
Harold Land/In New York(jazzland:1960)モノラル・小豆色ラベル
このレコード、ベースはサム・ジョーンズではないが、太めに入ったベース音と小気味のいいシンバル音も気持ちのいい、そしてランドのテナーも自然な感じで、なかなかいい録音だと思う。ただ、このベース奏者(Clarence Jones)、太い音色は魅力的なのだが、4ビートでのビート感がドタバタした感じになってしまうのがちょっと残念だ。
2人のエンジニアの音盤のことを書いてきて、その音の特質みたいなものを自分の中では整理できたのだが、 ここで僕は正直に言わねばならない。
お気づきかもしれないが、レッド・ガーランドのSolarのエンジニアがJack Higginsではなく、Ray Fowlerとクレジットされているのだ。
Solarは、「良くない録音」の2番手に挙げた盤だ。 そういえば同じガーランドのNearness of You(1960年:Ray Fowler)の音も全体に生気感に乏しくて、拙(まず)い録音だとの思いもある。こうなると・・・判らなくなってくる(笑) Ray Fowler氏はピアノ・トリオの録音が苦手だったのかもしれない。
さらに言えば、Higgins録音でも初期の1956年~Presenting Ernie Henry(12-222 モノラル・青ラベル)には、さっき書いたような違和感(ドラムスやベース音が遠い感じで音圧感に乏しくこもったような)は、ほとんど感じなかった。僕が一番耳にしてきたであろう、モンク作品もチェックしてみると・・・Higgins録音は以下の3タイトルのみ~*4タイトルに訂正~Five By Monk By FiveもHiggins録音でした(Yoさんからご指摘~thanks!)
<Thelonious Himself, with John Coltrane, Mulligan meets Monk, Five By Monk By Five>で、それらについてもCannonball Adderley/Things~に感じたような「録音の違和感」も特にないので、となると・・・Jack Higgins録音がどれも良くないのでは?・・・という僕の推測も頼りなくなってくる(笑)
どんなミュージシャンにもその演奏に好不調があるように、録音エンジニアであるHigginsにもFowlerにも、その音録りに当たり外れがある・・・というのが実際のところかもしれない。
ただリヴァーサイドでは、その当たり外れが録音だけでなく演奏の中身も含めて大きく現れてしまう・・・そんな印象が強い。そんなちょっとばかり毅然(きぜん)としない感じが個性的とも言える。まったく不思議なレーベルである。だから・・・リヴァーサイドは面白い(笑)
*僕の好みでは特に「良くない録音」と感じる2枚を明記しておきます。
Cannonball Adderley/Things Are Getting Better(RLP 12-286)モノラル・青ラベル
Red Garland/Solar(jazzland:JLP73)モノラル・オレンジラベル
言うまでもなくこれは「録音」についての印象で、中身(演奏)についての良い・悪いではありません(笑)
このレコードをお持ちの方の印象・感想もぜひ聞いてみたいと思います。皆さんが思う「良い録音」「良くない録音」レコードもお知らせ頂ければありがたいです。音の好みというのも、まったく不思議なものですね(笑)
《*10月4日(日)追記》~
いつも更新が遅いこの「夢レコ」だが、今回は2ヶ月も空いてしまった。更新しなかったのは、もちろん次の記事が書けなかったからなのだが、苦しい言い訳をするならば・・・実は、心理的に次に進めないような感じもあったのだ。それはもちろん・・・夢レコ:7月28日<Riversideの不思議>関わりである。この記事で僕は「音の好みは人それぞれ」ということについて少々突っ込んで書きたくて、それにはまず自分の好みを明らかにした方が話しが判りやすいと思い、自分が「あまりよくない録音」と思う2~3の具体的なタイトルを挙げたわけだ。それに対して、各氏から濃厚なコメントを頂き、それについての検証や報告(手持ち材料の中での)などのやりとりが、じわじわと続き、またその間に、NOTさん、bsさんのブログ、HPにおいても関連話題の記事も登場してきて・・・どうやら僕はそんなRiverside渦に充分に巻き込まれてしまったようなのだ。「渦」と言っても、これは楽しい渦ですが(笑)
あるレコードについての新しい検証コメントが出てくると、そんな聴いてみたい音盤たちのまだ見ぬイメージに苛(さいな)まれ、いろんなレコード雑学的なことも気になったりで、もう精一杯になってしまい(笑)・・・まあそんなこともあって、なかなか更新できなかったというわけです。
さて、約2ヶ月に渡るRiverside音盤についてのやりとりの中から、このレーベルに関わるいろんな側面が浮き彫りにされてきたようだ。自分のアタマを整理するためにも、ポイントだけ整理してみたい。
《Riversideの初期ステレオ盤(1100番台シリーズ)への再認識》
僕自身、実は「1100番台」という呼び名にほとんど認識がなかった(笑)「リヴァーサイド・ブック」(ジャズ批評社)でも、普通にRLPの201~499番と並べられていて、例えば、モンクのBrilliant Cornersの226番の所にカッコで(1174)番と表記されている状態で、だから・・・「1100番台」を連続したひとつのシリーズとして認識し辛い状況だったのだ。推測だが、よほどのマニアの方でなければ、リヴァーサイドのステレオ盤としての「1100番台」を認識されている方は少ないだろう・・・と思う。しかし今回は、その「マニア」の方が、2人も揃ってしまったようだ(笑)
まずYoさんからその1100番台について詳細なレポートが続き、Yoさんがこのレーベルを如何に愛しているのか・・・が判明しました(笑)
そのYoさんのレポートにNOTさんが鋭く反応。NOTさん手持ちの1100番タイトルを再検証・・・、お2人の手持ち盤を併せると30タイトルほどとなり、それぞれの盤に対する熱の入った報告から、モノラル盤とはまた違った「ステレオ盤の良さ」~定位的なことだけでなく、各楽器の音圧感や存在感など~を伺い知ることができた。特に音が良いと報告されたものをいくつか挙げておこう。(全容については、ぜひ各コメントをお読み下さい)
~Cannonball Aderley/Things Are Getting Better(1128番:
黒小DGあり(モノラルは286番) 録音:Jack Higgins
◎~各楽器がとても自然で音圧感も申し分ない。RiversideのCannonballのアルトの最も良い録音!!(Yoさんコメント)
Blue Mitchell/Blue Soul(1155番:黒小DGあり)(モノラルは309番)録音:Jack Higgins
音圧が凄く高く迫力満点です。MITCHELLは全ての曲で常に中央に位置し音のクリアさを含め録音の良さでは所有する1100番台中随一(NOTさんブログ~http://blogs.yahoo.co.jp/not254/50839518.htmlより)
Wynton Kelly/Kelly Blue(1142番:黒小DGあり)(モノラルは298番)
録音:Jack Higgins
◎~どの楽器も自然でエネルギー感十分、バランスも良い
(Yoさん)
音が中央に集中していないため中抜け?と思えるような部分もありますが、KELLYのピアノ、NATのコルネットの生々しさはMONOを上回ります(NOTさんブログ~http://blogs.yahoo.co.jp/not254/50839518.htmlより)
Jimmy Heath/Really Big!(1188番:黒小DGあり)(モノラルは333番)
録音:Ray Fowler
◎(-)~ビッグバンドの録音として素晴らしい。しいて言うと音全体が若干硬質(Yoさん)
ちなみに、NOTさんは以前からに並々ならぬ興味をお持ちで、ご自身のブログにおいても「モノラル盤VSステレオ盤」なるコーナーで、多くのサンプルを検証されている。その最近記事~http://blogs.yahoo.co.jp/not254/50980289.html
http://blogs.yahoo.co.jp/not254/50922757.html
も必見です。
*追記~このNOTさんのブログ~These music suite me well は移転してリンクが効かないので、ここに新しいアドレスをリンクしておきます。<MONO VS STEREO>というカテゴリーで40件もの記事があります。労作です。ぜひどうぞ。
https://ameblo.jp/noriten226/theme-10109479643.html
こうしてみると、今回の拙ブログのコメントやりとりは・・・モノラル録音が専門だと思われている「Jack Higginsの初期ステレオ録音」についての、YoさんとNOTさんによる再検証の記録とも言えそうだ。
音質の評価については、僕も何度も言い訳しているように(笑)「個人の好み」で変わるものかもしれないが、NOTさんもたびたび仰るように「定説に振り回される」ことなく、可能な限り自分の耳で判断することが必要だと思う。
モノラル盤とステレオ盤の好みが分かれることについては・・・どちらが良いとか悪いとか一元的に決められるものでないことはもちろんだが、「良い/悪い」の状況は、あくまで個々のタイトルごとで変わってくるものだと思う。そんな「モノラル/ステレオ」については、次のコメントを紹介しておきたい。
《楽器の音に厚みや力感を求める方であれば(定位的に中央でないとダメというポリシーの方でなければ)ぜひ「良い録音のステレオ盤」を耳にしてみてほしい》(by Yoさん)
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コメント
Yoさん、bsさん、NOTさん、67camperさん、M54さん、yositakaさん、dukeさん、三式さん、今回はいろいろ熱心なコメントをありがとうございました。おかげで、僕にとっても認識を新たにしたことも多く、そしてやっぱりRiversideというのは、実に面白い(もちろん良いということです:笑)レーベルだなあ・・・との実感を深めました。
また次の夢レコ・・・何か考えます(笑)
投稿: bassclef | 2009年10月 6日 (火) 20:12
bassclefさん、ようやく完結に近づいたようですね。でもまだ1100番台だけで以降の頭に「9」のつくSTEREO盤が残っていますけど・・・・(笑)。今回はホント、目から鱗の連続でした。「MONK'S MUSIC」のSTEREO盤が素晴らしいのは定説ですし自分でも確認していますがあとは初期の金シール付のものは良好、でもそれ以降のものは大方ダメと決めつけていましたから。bassclefさん、Yoさんたちのおかげで随分と愛聴盤が増えました。それも新たに購入したのではなく従来から所有していたダメダメ盤が急に輝き出すわけですから嬉しかったですね。ありがとうございました。
投稿: NOT | 2009年10月 4日 (日) 21:31
bsさん、ご報告有難うございます。やはり痩せましたか?私の昔のレコードではほとんど痩せませんからデジタルで音場情報(残響、反射音など)の加工していますね。これは決して悪い事ではなく、アナログ時代でもオンマイクで録った楽器の直接音だけでは良いステレオ感(臨場感)が出ませんので、別のマイクで残響などを録った音をミックスしています。デジタル時代になってそういうことが簡単に合成処理出来る様になったことです。しかし、やはりエンジニアの音楽的感性がリマスターでも重要ですね。ホフマン氏(聞いた事があります)やダグ・サックス氏などの有名エンジニアはオリジナルの良さを崩さずに本当に自然な音に仕上げます。
投稿: Yo | 2009年10月 1日 (木) 18:24
Yoさん、こんばんは。手持ちのCDを聴き直しました。p、b、ds、それぞれの位置関係は全くYoが仰る通りでした。monoポジションで聴いたところ、pは殆ど痩せず音質の劣化もほんの僅かですが、bとdsはpの後に引き、かなり痩せますね。ただ、ボリュームをちょっと上げればそれなりの音になりました。
このCDをマスタリングしたエンジニア、スティーブ・ホフマンをネットで検索するとJAZZ以外の音楽も手掛けており、かなり評判が宜しいようですね。
FOWLERの録音でしたら、世紀?のスクープだったのに残念です~(笑)。
投稿: bs | 2009年9月30日 (水) 23:37
ごめんなさい。「音場はスピーカー間の1/3」と書きましたが「2/3」の間違いです。
投稿: Yo | 2009年9月29日 (火) 18:41
bsさん、この盤は以前から興味を持っていて、今回bsさんのコメントで拍車がかかりました。そうすると何故か見つけてしまうのですね・・・怖い事に(笑)。私のつたない検証で納得頂けたら嬉しいですが、確かにステレオオリジはFowlerの音では無いと思います。ステレオオリジの定位のところで説明不足かと思いますので追記しますと・・・
全体の音場はスピーカー間の1/3程でやや狭く、ピアノが中央右寄り、ベースが右、そしてドラムスは左なのですがシンバルが中央なのです。このレコードは多くの部分でピアノとベースが鳴り、シンバルがアクセントとなるだけでドラムセットの音は少ないです。という事は殆どが右寄りで鳴ってしまいます。その上シンバルが中央なのでテナガザルのようなドラムスなのです。・・・おかしいでしょう?やはりOrpheum盤やビクター盤のように中央ピアノ、右ベース、左ドラムスで中央左寄りがシンバル・・・やはりこうで無いといけません。全体を左に寄せるだけなので結構上手く修正できたようですね。それとステレオといえどモノミックスでちゃんと鳴るということは音場成分が少なく、空間感の入った良いステレオではありません。今のデジタル技術なら右(左)チャンネルの位相を回転させた成分を左(右)にそれぞれ加える事で擬似的に音場が広げる事が出来ますが(最近録音のCDでは皆これをやっています。ですから近年録音のCDをMonoポジションで聴くと一挙に音が痩せます。)bsさんのCDでは如何ですか?
bassclefさんの投げたテーマでいろいろ私も勉強になりました。有難うございました。
投稿: Yo | 2009年9月29日 (火) 18:31
2006年5月の「ポートレイト・イン・ジャズ」記事の中で「音揺れ」を話題にしたこともあり、あの「音揺れ」がモノラル・オリジナル盤(青・小ラベル)、Orpheum盤、それから欧州リヴァーサイドのモノラル盤、ビクター国内盤にも同じように認められて・・・それを残念と思うと同時に、あとは「ステレオ・オリジナル盤(黒)はひょっとして?」と書いていたのですよ(笑)
そして、Yoさんがその「黒・小ラベル」を入手、検証されて、その結果は・・・やはり「音揺れ・あり」とのこと。
今回、bsさんの意図的な(?笑)問題提起により、Yoさんによる、その録音エンジニア探求が、期せずして僕自身のあの作品に対する最後の疑問(期待)についての解答ともなったわけです。疑問・・・すなわち、あの音揺れがどの時点で発生したのか?については~これであの音揺れが「テープレコーダーに録音された時~マスターテープ段階での「揺れ」という結論付けてもいいかと思います。いささか残念ではありますが(笑)
また、じゃんじゃんとジャズ話題でやりとりしましょう!(笑)
投稿: bassclef | 2009年9月28日 (月) 20:40
こんばんは、PORTRAIT騒動の張本人のbsです。
Yoさん、散財?をお掛けして(笑)、申し訳ありませんでした。詳細な検証文を拝見いたしましたが、状況証拠としては、やはり、HIGGINSで間違いないようですね。あのCDの記載はどこかで勘違いがあったのではないでしょうか。自分もあの「音」はFOWLERではなく、HIGGINSのような気がしていましたが、RIVERSIDEに詳しい何方かに検証して頂ければ、とチョット無責任な記事を書かせていただきました。
それにしても、BNと違った意味でRIVERSIDEって想像力を駆り立てますね。改めて、お礼申し上げます。
投稿: bs | 2009年9月27日 (日) 17:57
ああ、Yoさん、またまたの労作コメントをありがとうございます。
ビル・エヴァンスのPortrait In Jazzの黒・小ラベル(ステレオ盤:1162)ついに入手ですか!
Portrait~については、近年の復刻CDデータによる<ステレオ盤~Ray Fowler録音の可能性>が、断定できないまでもあるのかも?という記事がbsさんのHPで提示された後、このコメント内でもいくつかのコメントやりとり(Yoさん~8月19日20:02、bsさん~8月20日00:32、Yoさん~8月21日19:10、bassclef~8月22日11:31など)がありましたが、その音質感の違いを、ぜひともオリジナル・ステレオ盤との比較で検証していただきたい流れになっておりました。
この手の興味心が人一倍強いであろうYoさんのことだから・・・「アレ」を入手しました~というNOTさんブログでのひと言で、Portrait:黒だろうな・・・ピンと来ましたよ(笑)
そんな経緯での入手の喜びをじっくり味わう間もなく連夜の聴き込み・・・お疲れさまでした(笑)
>《ステレオオリジはとにかくラファロのベースが◎で厚み、質感、キレ共に素晴らしいです。その反面ピアノの高域(倍音成分)のヌケが悪いのです。同時にシンバルのヌケもちょっと悪いです》
このYoさんの質感描写~実によく判ります。僕はビクターSMJ(ステレオ盤)で聴いた音質感から、モノラルテイク(枯葉)と比較したのですが、その相対感覚はほぼ同じかな・・・と思えます。逆に言えばビクターSMJ盤も「よくできた再発盤」ということでいいのかな(笑)但し・・・Yoさんも仰るところの《テープの劣化は低音の劣化》という面は、この1975年くらいの再発としては避けられず、ラファラのベースの量感はモノラルより出てはいるのですが、モノラル盤の芯の強さに比べてその輪郭がちょいと甘いというか軽い感じになっているように思います。
「モノラル/ステレオの録音が同一のテープレコーダー(テープ)の根拠として<B面2曲目のSpring Is Hereの音揺れ>での検証の件り~大変に明快ですね。そしてこの主の<音揺れ>は、以前にも拙ブログで話題としましたが、Riverside録音には散見されるようです。僕などそんなメカニック上の欠陥?が、演奏の中身が素晴らしいだけに、それはもう残念でなりません(笑)
そんな検証でいくと、Portrait In Jazz~1959年12月の録音エンジニアは・・・モノラル/ステレオ共に、やはりJack Higgins氏だったということになりそうですね。
今回のRiverside記事~皆さんからの熱心なコメントのおかげで、本当にRiversideというレーベルの新たな情報が判ってきました。特に初期ステレオの1100番シリーズ~これについてのYoさん、NOTさんの報告には、改めて感謝します!
拙ブログ(ちょっと更新できずにサボってますが)のRiverside記事~長期間に渡るコメントやりとりの中には、あまりにも色んな側面があるので、読まれる方も大変かな(笑)と思います。また簡単にポイントをまとめようかと思ってます。
それと、この3~4週、NOTさんブログの方でも精力的なRiverside記事が続いてます。NOTさんとYoさんのやりとり~とても参考になります(笑)http://blogs.yahoo.co.jp/not254
投稿: bassclef | 2009年9月27日 (日) 11:12
bassclefさん、久々の書き込みです。NOTさんのブログでちょっと披露させて頂いたようにRLP 1162 Bill Evans - Portrait In Jazz(黒小)を(見つけたら思わず)買ってしまいました。ここでbsさんの疑問から始まった録音技師と録音スタジオですが、このステレオオリジナルのジャケットには(Jack Higgins:Reeves Sound Studios)とありました。もちろんこれだけではステレオをRay Fowlerが担当していないと言う事にはならないと思いますので、オリジナル・Mono&StereoそしてOrpheum/Stereo,ビクター盤/Stereo+枯葉monoの音質も含めて聴き比べました。2夜かかって聴き比べた結果はつまらないもので(笑)
12-315 青小モノオリジナル ○(+)
1162黒小ステレオオリジナル ○(+)
1162ターコイズOrpheum ○(+-)
SMJ6144ビクター(枯葉x2) ○(+)
・・・なのです。評価はほぼ同じですが内容は違います。
先ずモノオリジは、以前も言いましたようにエバンスのピアノは◎でその厚み、ヌケ、質感共に素晴らしく、同時にモチアンのシンバルの質感も◎です。ですがラファロに限ると他の盤に比べて質感は良いのですが少し引っ込んだ感じがします。
ステレオオリジはとにかくラファロのベースが◎で厚み、質感、キレ共に素晴らしいです。その反面ピアノの高域(倍音成分)のヌケが悪いのです。同時にシンバルのヌケもちょっと悪いです。只ここでステレオオリジをアンプのMonoポジション(MonoMix)で聴くと低音と高音のバランスはちょっと違いますが、音の佇まいは全く同じなのです。ここで私の想像ですが、このモノ・ステレオの録音はJack Higginsが両方行い、左右2チャンネルで録音しながらモニターはMonoMixで行っていたと思います。同じテープを元にしている証拠ですが、B-2Spring Is Hereで音揺れが有るのですが、全く同じところで起こります。これは実際の音ではありえないもので録音のデッキの回転ムラかテープの伸びしか考えられないもので、別のデッキでの別録音とは思えないものです。モノミックスでのモニターと言うのはステレオでの定位でピアノが中央右寄りで、全体の定位からしても「これなら中央にすべきだろう」と思えるものです。その証拠にOrpheum盤とビクター盤ではその修正がなされてあります。もしFowlerがステレオのモニターしていたら・・・これは無いだろうと思えるものです。
Orpheum盤はステレオオリジのピアノの高域の伸びと上記定位を修正してあります。ですからリマスターしてあります。只ベースに関してはステレオオリジより少し劣ります。私はテープの劣化は低音の劣化と思っています。後年の評価の高いリマスター盤でも低音だけはどうしようも無く膨らみます。このOrpheum盤のラファロのベースは膨らみこそありませんが弦のテンションが下がったような劣化が見られます。基本として良い音なのですがオリジナルを聴いた後では少しその修正が派手目なこととA面に比べてB面の音圧感がちょっと下がるので(+-)としました。B-2の音揺れは同じです。
ビクター盤はOrpheum盤と同じように修正がなされています。全体としてちょっと端正な音作りですが、ピアノ、ドラムス、ベースどれをとっても過不足無く、トリオとしてのバランスはとても良いで、安心して聴けます。モノバージョンの枯葉も入っていて音も良いです。B-2ではやはり揺れます。
以上です。こうなるとステレオ盤でのリマスターがどの時点で行われたかで、Inc黒大ラベルでしょうか?・・・もう買いませんよ(笑)
投稿: Yo | 2009年9月26日 (土) 22:48
お花畑のモンクですか!「言い得て妙」といいますか・・。
なるほど納得です。
僕も以前その怪しい?ステレオ盤持ってたことあります。
仰るようにすごくいい音で愛聴盤になってたんですが
モノラル盤に買い換えてから以前ほど聴かなくなりました。
多分「お花畑」の方がいい音してたんだと思いますよ。
売らずに持っとけば良かったなあ!
それから今回のリヴァーサイド・レーベルの話題。
たしかにブルーノート、プレスティジと並ぶ3大ジャズレーベルなんですが他の2レーベルがジャズを中心とした黒人音楽専門なのに対してジャズ・オンリーではなく色んなジャンルの作品をリリースしていたのがリヴァーサイドなんですね。あまり商売にはならないような物・・・特に変わったところでは効果音のLPなんかもありますね。自動車のエンジン音とか(笑。
経営的に余裕があったんでしょうね。
投稿: 三式 | 2009年9月 6日 (日) 17:01
三式さん、さっそくのお返事コメントをどうもです!
シールマンズのMan Bites~の残りの1曲の元ネタ・・・ありがとうございます。イエプソンのディスコグラフィでしたか。
>多分この#Barbequeっていうのは#Struttin' with Some Barbequeと同曲で、アダムス抜きのセッションも録っておいて~
なるほど・・・おそらくそういうことでしょうね。ひょっとしたら近年発売の再発CDなら、その辺の別テイク?まで収録してるかもしれませんね。
モンクのMonk's Music~abc Riverside盤RS-3004~
>やはり12-242と同じ内容なんですね?
はい、モノラル盤ですから、12-242番と間違いなく同じ・・・はずです(笑)
このRS-3004盤裏ジャケットには~
A面~1.Abide With Me
2.Well, You Needn't
3.Ruby, My Dear
B面~1.Off Minor
2.Epistrophy
3.Crepescule With Nellie
と表記されてまして、その通りの収録です。
ちなみに僕の手持ち~もう一枚は、Monk's Music/Thelonious Monk Septet(RS9242)なるタイトルで「お花畑のモンク」(命名 by Yoさん)ジャケットのやつです。RS~ですからOrpheum期の再発だと思います。こちらの方もいいかげんでして(笑)ジャケット裏の下の方に大きく(MONO)と表記されているのに、なぜか、中身の盤は「黒ラベルのステレオ盤」です(笑) そして、MONO盤仕様のジャケットなので、B面3曲目にはCrepescule With Nellieがクレジットされているのですが・・・その「ネリー」は、もちろん収録されてません。
ついでにランオフ部分を見ると・・・手書き刻印でRS-9242 A(A面)となってますが、そのすぐ横には、RLP-12#1102A(A面)なる手書き刻印が、引っ掻き線で消されてます。ということは、このステレオ盤・・・スタンパーは初期ステレオ盤の1102番のものということになるのかな。そしてこのRSナンバーのステレオ盤でも、とてもいい音質なので・・・僕は未だに、オリジナル盤「三輪車のモンク」を持ってないのですよ(笑)
投稿: bassclef | 2009年9月 6日 (日) 14:31
bass clefさん、こんにちは!
>>たぶん、モンクのラウンドアバウトミッドナイトを聴きながら・・
***************************
いやいや、そうだと雰囲気があっていいんですけどね。
なかなかそうは行かないもんで!
近所から頂いた枝豆を茹でながら書いてました(笑。
真夜中に!!
アップして頂いたABC-Riversideのジャケ写真、そうです!これです。ご面倒をおかけしました。
疑似ステレオ表示でモノラルとはアバウトなんですね。僕と一緒です・・。やはり12-242と同じ内容なんですね?
”Man Bites Harmonica”はモノラル盤現物をもってないのでハッキリしたことは分からないのです。でもbass clefさんがお持ちのOJC盤も8曲入りとなると9曲入りはないのかもしれませんね。ただイエプセンのディスコグラフィーにはP.アダムスが抜けた#Barbecueというのが記載されてまして、合計9曲となってます。多分この#Barbequeっていうのは#Struttin' with Some Barbequeと同曲で、アダムス抜きのセッションも録っておいて後に編集して1つにまとめたのかもしれません。
投稿: 三式 | 2009年9月 6日 (日) 13:51
三式さん、真夜中の3コメントをどうもです。たぶん、モンクのラウンドアバウトミッドナイトを聴きながら・・・(笑)
>後年ABC・Riversideからリリースされた~モンクとコルトレーンの大きなカラー写真を表紙に使ったやつ~
それって、たぶん・・・「これ」のことですかね?先ほど本記事の中ごろ(ヴィクター・フェルドマンの上辺り)にジャケット写真をアップしておきました。
このRS-3004番~三式さん仰るとおりの、いわゆる[abc Riverside]で、茶色の環っかラベルがなかなかチャーミングですよ(笑)
実はこのレコード・・・僕のジャズレコード入手2枚目なんです。(それもネムジャズインを見に行った徹夜明けに名古屋で買ったのです)そうして、もう嵌りに嵌った大好き音盤でして(笑)
ただし、このレコード・・・ちょいといいかげんな造りで、ジャケットには(本記事参照)electronically rechannelled for stereo ~つまり擬似ステレオだと表記されてますが、なんとしたことか、中身は・・・間違いなくモノラル盤です。音質もなかなかいいようです。ランオフ部分にはBell Sound刻印がありました。
そして、モノラルプレスですから、B面3曲目にちゃんとCrepescule with Nellie(邦題~「黄昏のネリー」)が入ってます(笑)
それと、Man Bites Harmonica”/Jean Thielmans 12-257~についてなんですが、これ、僕の方も、黒ラベルとOJC limited を持ってるのですが、共にステレオ盤なのでどちらも8曲収録です。(OJC再発だと、オリジナルフォーマットに拘らずに、オマケ曲が入ったりしてることもあるのですが)ピアノのKenny Drew,ベースのWlibur Wareの線からちょいと調べてみましたが、そのモノラル盤~9曲というのが判りません。もし三式さんの方で、その元ネタ資料などあれば教えてください。Wareマニアとしては、1曲が気になります(笑)
投稿: bassclef | 2009年9月 6日 (日) 11:59
NOTさん、こちらこそお久しぶりです。
ブログ拝見させていただきました。実に詳細な内容で
たいへん参考になりました。結構あるものですね。
僕が考えていた・・{溝の幅とか技術的な問題ではなくて
主にステレオ効果を考えた末のカットだったんですね!
そうだとしてもやはりステレオ盤もモノラル盤と同じ曲数
を収録してもらいたかったですよね。なぜって・・モノラル盤と1~2曲少ないステレオ盤・・同時に並べられたら絶対に曲数の多いモノラル盤を買ってしまいますもんね
(笑)・・貧乏人根性まるだしです!・・・。
ところで前にBrilliant Corners/T.Monk Stereo-1174のことがチョット話題になってたか?と思うのですが僕の手持ちのBrilliant/Orphem盤(アクア・ラベル)、何度聴いてもモノラル音にしか聞こえないんです。一応ラン・オフには1174の手書きエッチングがあるのでステレオプレスは間違いないと思います。ステレオ両溝にモノ音を入れたんですかね?
投稿: 三式 | 2009年9月 6日 (日) 10:31
三式さん、お久しぶりです、NOTです。
MONOとSTEREOで曲数が違う(STEREOが少ない)のは知っている(所有している)範囲では1102(MONK'S MUSIC)、1105(JAZZ CONTRASTS)、1107(THAT'S HIM / ABBEY LINCOLN)、1110(JAZZ LAB)、1112(PAL JOEY)と初期に多いようです。アカペラ(1107)やピアノ・ソロ(1112)などSTEREO効果がないものが主にオミットされたようです。1100番台については拙ブログでも話題にしていますのでお暇な時にでもご覧ください。
http://blogs.yahoo.co.jp/not254/50839518.html
投稿: NOT | 2009年9月 6日 (日) 08:18
もう一つありました。
”Man Bites Harmonica”/Jean Thielmans 12-257・・・
手持ちは12-1125のステレオ盤なんですが8曲収録、、対してモノラル盤は9曲収録となってます。
ほかにもあるかもしれません。
投稿: 三式 | 2009年9月 6日 (日) 03:51
>>>補足<<<
Riverside盤Monk's Music 12-242については何も口を挟む余地はないのですが、後年ABC・Riversideからリリースされた「モンクとコルトレーン」・・・モンクとコルトレーンの大きなカラー写真を表紙に使ったやつと言った方が分かりやすいかもしれませんね。これってRiverside・12-242と内容は同じなんですか?
投稿: 三式 | 2009年9月 6日 (日) 02:38
僕もアバウトなことを書いてしまったようです(汗)!
敢えて言えるほど有る訳ではないですね。Monk's Music!・・そうですね。それ以外だとJazz Lab Quintet/Gigi Gryce が・・、これは実のところステレオ盤は聴いたことがないのですがモノラル盤が6曲収録なのにステレオ盤になると5曲しか入ってなかったような記憶が・・・。これは正確ではないかもしれません。
それから先のHoward RumseyのLiberty盤、盤質イマイチのモノラル盤を買い換えるつもりで買ったのがたまたまステレオ盤だったんです。聴いてみてビックリ!なんと2曲も少ない!こりゃ損した!ってね(笑)。両方とも処分せずに置いてあります。イースト派とウエスト派のツワモノ同士の友好セッションで結構好きなレコードなんです。
投稿: 三式 | 2009年9月 6日 (日) 02:15
ああ、三式さん、コメントどうもです!ちょいヒサでした。
ステレオ盤だとモノラル盤より収録曲が少ない~けっこうあるみたいですね。と言ってもその実例を知ってるのは、Monk's Musicの1曲~Crepescule with Nellie だけです・・・いや、でしたかな(笑)
三式さんの
《Double or Nothin'/Howard Rumsey’s Lighthouse Allstars & Charlie Persip's Jazz Statemen"(Liberty盤)》を読んで「ええっ!」ですよ(笑)
このレコード、持ってたはずなのでさっそく確認すると・・・Libertyのステレオ盤(LST 7014)黒ラベルでした(盤質がイマイチで残念なんだが)
ということは・・・この盤、マイナス2曲かあ! う~ん,知らなかった(笑)
自分のステレオ盤には当然ですがクレジットされてないので、ウイントン・ケリーとリー・モーガンのディスコグラフィで調べたら・・・その2曲は~
wildwind
celedia
という曲らしいですね。
ちなみにステレオ盤の収録時間はA面~15分ほど、B面~17分ほどですね。
う~ん・・・やっぱりちょいと損したみたいな・・・やっぱり僕は、セコイですね(笑)
投稿: bassclef | 2009年9月 5日 (土) 23:01
bass clefさん、こんにちは、三式です。リヴァーサイドのステレオ盤・モノラル盤。
それから録音エンジニアの話題・・・、ネタは尽きないですね!
リヴァーサイド盤の音質については以前からバラツキがあることは承知してましたが、
かといってエンジニアは誰だとかいう話には全く無頓着でして「聴ければいいか!」
ぐらいの感覚でここまで来てしまいました(笑)。
こうして皆さんのコメントを拝見してみて「こういう楽しみ方もイイモンダな!」って認識できました。
ちょっと遡るとヴァン・ゲルダーも録音を担当してたことも分かったりして中々興味深いですね!
それとは別にちょっと気になったことはモノラル盤には収録されてるのに
ステレオ盤には入ってない曲があるLPがチラホラ見受けられることです。
これはステレオ・モノラル過渡期ということで溝の幅とか技術的な問題があったんでしょうね。
リヴァーサイド盤ではないんですが
”Double or Nothin'/Howard Rumsey’s Lighthouse Allstars & Charlie Persip's Jazz Statemen"(Liberty盤)
などモノラル盤は8曲収録なのにステレオ盤だと6曲しか入ってない。
こうなるとステレオ・モノラル以前に商品価値としてチョット問題かな!・・・なんて’セコイ’ことを考えてしまいます(笑)。
投稿: 三式 | 2009年9月 5日 (土) 12:40
Yoさん、僕のワガママな要望にもいやがらずに(笑)誠実なコメントをしてもらってありがとうございます。まずは「音楽の中での音」の分析力に優れたYoさんがあのしっかりとした装置でしっかりと聴いていただいたわけで・・・このコメントをいただいて・・・今回の夢レコ「Riversideの音~あれやこれや」についても、自分なりにひときり付けられそうです(笑)
こちらの最後の拘りであった二つのスタジオでの音の違い(響き方)にはいいテキストになるだろう・・・と思ってお願いしたのは~
1160 Jimmy Heath/The Thumper Ray Fowler-Reeves Sound Studios
1188 Jimmy Heath - Really Big! Ray Fowler-Plaza Sound Studios
でした。
《残響感は明らかに1160の方が長いです。これは高音楽器やピアノのタッチで分かりますが、1160はス~~ッと尾を引きます。1188はスッ~と短めです。どちらも機械的エコー(リバーブ)のようなわざとらしさが無いのでたぶんスタジオのホールトーンの残響だと思います》
う~ん、なるほど・・・と僕は素直に納得してしまいましたよ。というのは、Higgins録音(Reevesスタジオ)についてなんとなく僕が感じていた「エコー感」~それについては以下《 》
《Higgins氏のステレオ録音盤について~ちょっと感じたのは~ドラムス全体にエコーがかかった感じでシンバルなどがわりと大きく入る(聞こえ方によってはやかましい感じ~Fowler氏に比べると)ことで、ベースも音量は入っているが、やはりちょっとエコーがかかった感じ・・・と聞こえるような気がしてます》(8月15日 (土) 10:16付け)
もちろん僕にはそれが機械的エコーかスタジオの自然な残響かについてはまったく意識がなかったのですが(笑)Yoさんの分析を読んだからには、Higgins氏はその「残響」を、わりと積極的に生かした音造りをしていた・・・と半ば確信しております(笑)
またそう考えれば、僕がちょっと苦手と感じたあの「エコー感」の存在にもなんというか説得力が増すような気もする(笑)
さて本記事では、僕がキャノンボールのThe Things Are Getting Betterのモノラル盤を例に挙げて、Higgins氏の録音に疑問を投げかけて、それにいろんなご意見・感想をいただいたわけですが、その後、Higginsのステレオ録音(盤)だと、その音質感がだいぶ違うようだ・・・という話しが広がり、僕もHiggins録音のいろんなタイトルを聴いてみて(国内盤も多いのですが)Yoさんの言われるところの「ステレオ録音でさえHigginsは悪くない、むしろ良い」というご意見に、ほとんど抵抗感を感じなくなりました(笑)こんな風にHigginsのエコー感を理解しつつも、特に「リズムセクションの音」については、自然で雄大な鳴りだが、僕の好みではもう少し直接音(楽器に近い音)でのタイト感があればもっといい・・・という自分の好みみたいなものまで自覚できました。
この記事以後、Higginz録音で「これは凄い」と感じたのは
Julian Priester/Keep Swingin'(ビクター国内盤:ステレオ)です。これ、とにかく印象に残ったのが・・・サム・ジョーンズのベース音です。右チャンネルから、本当にばかでかい音量(と思われる)ベース音が鳴り響くのです。そしてその響き方は・・・オンマイクではない方の、音色が中空に拡がった後の音~に聞こえました。いずれにしても「サム・ジョーンズのでかい音」を感じさせる録音だと思った次第です。このKeep Swingin'は、たしか・・・konkenさん宅で聴かせてもらって(あれは黒ラベルステレオだったか?)ベース音の良さが記憶に残ってました。
これなども、純粋に僕の録音の好みで言えば、あの「豪快な鳴り」を維持したまま、もう少しだけ「タイト」なベース音になればもっと凄いのにな・・・とも思いますが、サム・ジョーンズ録音に「ペンペンした低域が薄い感じ」が多い~と書いた僕としては、このKeep Swingin'のベース音こそ、真の「サム・ジョーンズの鳴り」に近いのかな・・・と感じてます。
投稿: bassclef | 2009年8月27日 (木) 23:16
bassclefさんの探究心は底なしですね(笑)・・・私も好きですが・・・(笑)
確かにヒースは好きですね。ts奏者と言うよりはアレンジャーとして好きな面が多いです。その点ではゴルソンと同じかな?
このご質問はとても難しいものでしたが、そこは独断と偏見でご了承下さい。その前に1188 Jimmy Heath - Really Big! はPlaza Sound Studiosでした。
そこで2枚の聴き比べをしました。
1160 Jimmy Heath/The Thumper Ray Fowler-Reeves Sound Studios
1188 Jimmy Heath - Really Big! Ray Fowler-Plaza Sound Studios
まず楽器の音色などについてはほぼ同じです。これはレコーディング-エンジニアが使い慣れた機器(特にマイク)を簡単に換えないだろうと言う事が考えられますし、基本的セッティング(オン、オフ)マイクも近いものだろうと思います。
後はスタジオの違いとしては残響感と奥行感や距離感だと思います。まず残響感は明らかに1160の方が長いです。これは高音楽器やピアノのタッチで分かりますが、1160はス~~ッと尾を引きます。1188はスッ~と短めです。どちらも機械的エコー(リバーブ)のようなわざとらしさが無いのでたぶんスタジオのホールトーンの残響だと思います。奥行き感、距離感(楽器同士の)ですが、これも1160の方がリズムセクションが後ろに下がったイメージ(決して音量が小さいから遠いと言う事ではなく、良い録音だから奥行き感を感じると言う意味です。・・・追加ですが、このレコードの音評を〇(-)としましたが〇に訂正です。2管が平面的と申しましたが1曲目だけで、後は素晴らしい録音で〇(+)としても良い位です:笑)です。それに比べて1188は奏者同士が近接した感じがします。
・・・ここで私の独断と偏見での2つのスタジオの違いは「Plaza Sound Studiosに比べてReeves Sound Studiosの方が広い!!」・・・です。・・・このコメントに責任は持ちません(笑)
投稿: Yo | 2009年8月26日 (水) 18:28
ああ、Yoさん、わざわざのお知らせコメントをどうもです!九州遠征に行かれたとのこと・・・お疲れでしょうけど、もうひとつだけ、お尋ねしますね。どうもRiverside迷宮に嵌ってしまったようで後は、みなさんとのコメントやりとりで浮かび上がってきた「いろんなタイトルのエディション違いを実際に聴いてみる」ことが全て・・・だと判っているのですが、その前に気になることも出てきてしまって。しつこくてすみません(笑)
ただ、これは、本記事で僕bassclefが強引に決め付けようとした(笑)(記事最後の方では迷いが出てるのですが)Higgins録音~あまり良くない、Fowler録音~とても良い~という流れに拘っているわけではないですよ(笑)Higgins録音とFowler録音の微妙な(でも何かが明らかに違うような)差について、自分自身が、もうひとつ捉まえられない・・・というようなむず痒さがあるのですよ(笑)
そうして気になっているのが、本記事にもチラッと書いたのですが「ReevesとPlazaのスタジオの響きの違い」(そういう違いがあるとして)
そこでお尋ねしたいのが、同じRay Fowler録音によるジミー・ヒースの2タイトルについてです。
*訂正~The Thumperの録音はJack Higginsでした。ですので「同じRay Fowlerによる録音」は間違いです。
314(1160)Jimmy Heath/The Thumper(1959年11、12月 Reevesスタジオ)
333(1188)Jimmy Heath/Really Big(1960年6月 Plazaスタジオ)~
これは以前にYoさん宅で聴かせてもらった時(それまでは未聴)ごく素直に「いい音だあ」と思った盤です。このReally Bigが、Plaza Sound Studioの録音とすると(というのはPlaza録音が始まった(と思われる)331番:グリフィン/Big Soul Bandが1960年5月録音なので)この2タイトルは~
同じエンジニア(Fowler)で、同じミュージシャン(ヒース)管が多い編成、ほぼ同じ時期(約半年の差)、そして同じステレオ盤(Yoさん手持ち)ということで・・・二つの録音スタジオの質感を比較するには適役かなと思います。
(もしもReally BigがReevesスタジオ録音だったら・・・すみませんです:笑)
この2タイトルについては、すでにYoさんから音質評価コメント~以下《 》
《1160Ray(黒小DG) Jimmy Heath - The Thumper : 〇(-)Jimmyのtsとリズムセクションは〇だが、他の管が曲によっては引っ込み気味で平面的 (*訂正~1160Rayとありますが、ここはJH~つまりJack Higgins録音の間違いでした)
1188Ray(黒小DG) Jimmy Heath - Really Big! : ◎(-)ビッグバンドの録音として素晴らしい。しいて言うと音全体が若干硬質》
をいただいてますが、
<同じエンジニア(たぶん同じようなマイクセッティング)だけど録音スタジオが違う>という観点で、何か感じるところがあったらまた教えてください。(*訂正~上記の訂正The Thumpreの録音エンジニアはJack Higginsでしたので、「同じエンジニア~」は当たってません)
Yoさんのジミー・ヒース好きは(たぶん)人後に落ちないと思ってますので、お時間ある時でけっこうですので、もう一遍だけ聴いてみてください(笑)
投稿: bassclef | 2009年8月24日 (月) 22:57
bassclefさん、bsさん、今度は謝るのは私の番のようですね。十分に調べずにPlaza Sound Studiosの事を書きましたが、私も持っているRLP 331 Johnny Griffin - The Big Soul-Bandは確かにRay FowlerのPlaza Studio録音でした。すみませんでした。ご質問のRLP 12-314 Jimmy Heath - The ThumperはReevesでした。その他手持ちの近辺の録音を見ましたが
RLP 12-316 Julian Priester - Keep Swingin'
RLP 12-318 Nat Adderley - Work Song
RLP 12-320 The Incredible Jazz Guitar Of Wes Montgomery
RLP 12-322 Cannonball Adderley - Them Dirty Blues
は全てHiggins-Reevesでした。・・・この頃微妙ですね(笑)。
投稿: Yo | 2009年8月24日 (月) 21:16
dukeさん、ちょいヒサですね。こちらもなんやかやとレコード聴きに忙しくて(笑)dukeさんブログにコメントできない週が多いです。
Kelly Blueのモノラル盤はだいぶレアらしいですね。僕はタイトル曲のあのテーマを高1の頃だったか、カセットに入れて何度も聴きましたが、なぜだかちょっと苦手で、その後入手した国内盤もあまり聴いてません。今回のRiverside関わりで(Jack Higginsのステレオ録音である)Kelly Blueをだいぶ聴き直しましたよ(笑)それで、あれ、案外にいいじゃん・・・と思うようになりましたが(笑)過去になぜだめだったか・・・についても納得がいきました。今はそれほどアレルギーのないベニー・ゴルソンのうねうねテナー、それからジャスパーが(好きなテナー吹きなのに)フルートしか吹いてないこと(というより、僕がジャズでのフルート自体がちょいとダメなこと)、それからビクター盤の音の良くないであろうことなどが重なったために「苦手」になってしまったのだと思います。
>アダレイのソロに全員聴き惚れて~
う~ん・・・確かにいいソロです!タメ気味に乗りながら、しかし時に余裕の倍テンでかっこいいフレーズを繰り出すソロに少々驚きました。ナット・アダレイってこんな風にオトナに吹けるのか・・・と。サド・ジョーンズにはそんな「オトナ」のプレイを感じてましたが。
ビクター盤はステレオなので、dukeさんが鮮烈に記憶しているその「ソロの後のテーマに入るまでの一瞬の間」については確認のしようがありませんが、このブルース曲でのナット・アダレイのソロが素晴らしいことは判りました。ナットの次のソロはゴルソンで、ナットのアイディア豊富なソロに圧倒されたのか・・・ソロの出足、しばらくはあのかすれた音色で「ブブゥ~~~~」とロングトーンばかりで誤魔化してます(笑)ゴルソン・アレルギーはなくなった僕ですが、やっぱりまだちょい苦手かな(笑)
ああいうケレンのロングトーンが許されるのは・・・ロリンズだけです(笑)
投稿: bassclef | 2009年8月23日 (日) 14:24
Yoさん~
>Plaza Sound Studiosを使った記録は1961年のRLP 362 The Montgomery Brothers - Groove Yardで初めて出てきます。1959年に存在したのかな?~
僕もこのあたり気になって、それと、Ray FowlerのPlaza Studio録音は、もうちょっと早くからあるような・・・という気持ちもあったので、ちょっと調べてみました。と言っても「リヴァーサイド・ブック」(ジャズ批評社)の1959年~1960年あたりのレコード手持ち(ほとんどOJCだったりしますが:笑)の裏ジャケットのクレジットをチェックしただけですが。
僕の手持ちLPのジャケット裏クレジットから確認できた限りでの、
《Plaza Studio/Ray Fowler録音》の最初期と思われるタイトルは以下~
331番 Johnny Griffin/The Big Soul Band(1960年5月、6月録音)
334番 Bobby Timmons/Soul Time(1960年8月録音)
22番(Jazzland) Johnny Littile/Blue Vibes(1960年6月録音)
それと、ビル・エヴァンスのPortrait in Jazz(1959年12月録音:Reeves Sound~モノラルはJack Higgins、ステレオは?)の前後のタイトルを見ると、ちょうど・・・Jack HigginsからRay Fowlerに徐々に移行していく時期のようで・・・ちょうどその節目となるのが、Portrait~になってるとも言えそうで・・・この辺、ますます面白いところですね。
Potrait(315番)の直前のタイトル~これが、314番(ステレオ1160番) Jimmy Heath/The Thumper(1959年11月、12月)なんですが、録音はRay Fowlerのようです(Yoさんコメント2009年8月 4日 (火) 17:16) このThe Thumper・・・1959年末なら、録音場所はまだReevesなんでしょうか?
余談ですが、リヴァーサイドには、あともう一人・・・Bill Stoddardなるエンジニアが、時々、混じってきますね。この人は有名な Bell Soundo Studiosの主?でしょうね。1960年頃からのRiverside録音では、まだ数が少ないようですが、実はビル・エヴァンスのあのExplorations(1961年2月録音)のエンジニアでもあり、僕の感じでは、他のエヴァンス作品よりもピアノの音色が瑞々(みずみず)しい感じ(いや、これはあの「音楽」自体が、正に瑞々しいのだけど・・・その「音楽」に合った音というか・・・)とベース、ドラムスのバランス感覚に優れているような・・・そんな風に聞こえ、だから・・・ちょっと気になる存在です。そんなBill Stoddard氏のこと、いずれまた(笑)
・・・あっ、335番にMangione Brothers(1960年8月)にBill Stoddard録音を発見!(笑)
こりゃあ・・・リヴァーサイド作品を聴くとき、つい裏ジャケットを見ちゃうのが・・・当分は続くなあ(笑)
投稿: bassclef | 2009年8月23日 (日) 10:56
yositakaさん、「ステレオ録音」に纏(まつ)わる面白話しの紹介、ありがとう!
リンク先の書籍~見てみました。これは、ちょい昔のクラシックのレコード業界や録音に興味のある方には、最高に面白い本でしょうね。それにしてもちょいと高いですね(笑)
ところで、この「レコードはまっすぐに」ちょっと意味が判りにくいような感じがしませんか?
原タイトルは、Putting The Record Straight となってました。「レコードを掛ける」という日本語に当たるのが、たぶんput the recordだと思うのですが・・・Straightという単語には副詞として「正しく」の意味もあり、だから僕の勝手な訳では「レコードはきちんと掛けて」みたいな感じかなと推測してます。またStraightには「率直に」「あからさまに」という意味もあるので、本の内容から類推すれば・・・「レコード(業界)のことをあからさまに」というような意味合いかなとも思います。まあそれらのことも含めて訳者の方は「レコードはまっすぐに」としたのでしょうけど。(単語の意味は~ジニアス英和辞典による)
>ステレオは二つの音が一枚に収録されるため、印税が二倍になるという説~
>演奏者には無断でステレオ収録~
業界としては印税のことも大問題だったでしょうから、当時の混乱はすごかったでしょうね。
50年代末のジャズの場合でも、もし黙ってモノラル/ステレオ録音の両方をやってたとして(録音現場において)ひょっとしたら、ちょっとメカに詳しいミュージシャンが「おい、なんかマイクの数が多くないかね?」なんて会話もあったりしてね(笑)
投稿: bassclef | 2009年8月23日 (日) 09:39
bassclef さん、ご無沙汰しております。
さすがに Riverside となると皆さん熱いですね。
NOT さんが Kelly Blue のモノラルオリジナルの値段に触れておられましたが、とても手を出せる価格ではなく、かつて上野にあったジャズ喫茶「ママ」で、一度だけ聴きました。1曲目のタイトル曲はソロの間にテーマをはさむ形で演奏されますが、モノラルオリジナル盤はステレオ盤とは大きく違う印象を受けました。テーマ部の質感が大きなことは勿論ですが、ソロが終わってテーマに戻る「間」の違いです。ジャスパーやケリー、ゴルソンの「間」と、アダレイの「間」のズレです。前者3人よりアダレイのソロが終わりテーマに戻る「間」が長いのです。長いとは言ってもスポーツ計時で計るコンマ2桁の数字です。ボルトが縮めた0秒11くらいなものでしょうが、聴きなれた耳には長いものでした。アダレイのソロに全員聴き惚れてテーマに戻るタイミングが遅れたものと感じました。この話をすると再発盤では同じ「間」ですので、勘違いか、テープ編集によるズレだろうと馬鹿にされますが、三指に入るアダレイのソロですので、いまだに聴き惚れだと信じております。(笑)
投稿: duke | 2009年8月22日 (土) 20:27
Yoさん、またまたのリヴァーサイド熱気コメントをどうもです。
僕もbsさんのHPアダレイ記事終わりの方に、ススッとコメントされた[stereo録音の方はRay Fowlerの可能性・・・]に驚きつつ、手持ち音源で聴いてから・・・とマゴマゴしてたら、Yoさんの熱気反応コメントが入って・・・さらにbsさんからはその[stereo録音の方はRay Fowlerの可能性]の根拠記事もアップされました。
(8/20付けのbsさんのHP(Blue Spirits)参照~http://www.geocities.jp/bluespirits4196/hitoiki18portraitinjazz.html
bsさん、そのCDのデータは実に興味深い資料ですね。オーフェイムのステレオ盤の該当箇所が消されていること、それからyositakaさんの「ステレオ/モノラル」暗躍状態・・・そんなことも絡めると・・・何かがありそうな気がしてきます(笑)
bsさんのHP記事も本文中にリンクさせて頂きました。
Special Thanks to Mr.bsさん!
そんなこんなで、まずは「枯葉」のstereo/monauralテイクを実際に聴いてみないと・・・ということで、ようやく先ほど聴いてみました。
僕の手持ちのPortrait in Jazz関連音源は、以下の2枚のみ~
1.欧州Riverside(INTERDISC) ?年~モノラル青ラベル
2.ビクター国内盤(SMJ6144)1976年~ステレオ盤(「枯葉」のみモノラル別テイク入り)
このPortrait in Jazzは、「音揺れ」を題材に以前に夢レコでも取り上げたことがあります。その時は、Yoさんからオリジナル・モノラル盤とオーフェイムのステレオ盤をお借りして4種の聴き比べをしました。その記事はこちら。http://bassclef.air-nifty.com/monk/2006/05/post_4129.html
今回は、ステレオ/モノラルの各テイクの「音の質感」に注目しているので、ビクター盤の「枯葉」(A面2曲目と3曲目)を続けて聴くことになります。
あくまで「ビクター国内盤(ステレオ)」での「枯葉」のみのステレオとモノラルのテイクでの比較なんですが・・・
まず、ステレオテイクでの定位は~そんなに左右に分かれた感じではなく全体に中央寄りですが、ベースが右、ドラムが左、ピアノが中央(ほんの少し左寄りか)
その定位のことは別にして、音質感(オンシツカンではなくオトシツカンという気持ちでの「音質感」というコトバです:笑)での違いとなると・・・モノラルになると中央に寄ったベース音が、ちょっと篭った感じになりますが、その分、太く厚くなってますね。ピアノもモノラルの方に、もう少しの力強さが加わり、そして一番違って聞こえたのは・・・ドラムスでした!これは僕もちょいとびっくり。モノラルの方がきびきびした印象が強くなるなあ・・・なぜかな?と思ってよく聴いてみると・・・モチアンのスネアがスパン!スパン!と明らかにステレオテイクよりも大きく聞こえます。シンバルもけっこう強く出てきたようです。と言ってもこれはステレオテイクに比べれば「大きい」ということで、実はビクターステレオ盤ではどの曲を聴いても、モチアンのドラムスに関しては、かなり小さめでシンバルなんかはうんと遠くで鳴っているような感じです。
ちなみにビクターステレオ盤では「枯葉」以外の曲もモチアンのドラムに関しては「「定位」も「音量」(特にスネア)はだいたい遠目に聞こえました。そんなことから、ステレオ録音の好きな僕ですが、この「枯葉」に関しては、モノラルテイクの方により魅力を感じます。
さて、「録音エンジニア」の観点に戻ると・・・このリズムセクションが「遠い」(あくまで僕の印象として)と感じる「ステレオ録音」は、bsさん、Yoさんが「ソリスト中心」かなと仰る「Jack Higgins録音」なのかな・・・と思えてきます。
もちろんビクター盤のステレオ定位・楽器バランスは、米オリジナル・ステレオ盤と同一であるとは限らないし、このビクター盤から僕が得た印象と、Yoさんの印象(ステレオとモノラルでの)とはちょっと逆みたいな感じかもしれませんね。それはたぶん・・・以前にお借りしたYoさんのオーフェイムステレオ盤・・・あれだと確かビクター盤より、いい意味でワイルドでラファロのベース音にもう少しザックリしたような感じもあり、だから・・・たぶんベースとドラムスのバランスは、ビクター盤よりもやや強めにしてあったのかなと推測してます。
そういえば、Yoさんからお借りした折に聴き込んだ(すみません:笑)オリジナル・モノラル盤も本当にしっかりとした芯のある音でした。
それから、手持ちのINTERDISCのRiverside盤(ランオフに刻まれたスタンパーはRLP 12-315)もまずまずの音で(Yoさんの米モノラル盤に音質感は近い)気に入ってます。ところがこの欧州盤~ちょい余談になりますが・・・「枯葉」はもちろん1テイクのみ収録ですが、これがなんと・・・ステレオテイク(からのモノラルミックスになるのかな)だったんです。盤はもちろんモノラル盤なのに・・・ステレオテイクと全く同じ演奏だったのですよ。ビクター盤での「枯葉モノラルテイク」を聴いて(その良さを感じてから、じゃあ、欧州Riversideではどんな感じかな?と期待して聴いたら・・・あれ?てなもんでして(笑)Yoさん説明にある《エバンスのイントロの後に入るラファロがグィーンとチョーキングするのがMonoバージョン》あの「グィ~ン」が好きなのに(笑)出てこないわけで・・・なにやらトホホ・・・という感じです(笑)まあ、元々「枯葉」の別テイク発見というのは・・・新発見でもなんでもなくて、米発売のモノラル盤とステレオ盤に「枯葉」だけは違う演奏のテイクが入っていた~ということだったらしいですね(ビクター盤:粟野政昭解説)
それにしても・・・こうなってくると、Portrait in Jazz~オリジナルのステレオ盤(黒ラベル)、ぜひ聴いてみたいですね。bsさんがHPで触れているように、Portrait in Jazzのステレオ盤というのは・・・かなりのレア盤かもしれませんね(ネットでちょっと調べたら「Portrait~」の落札例が40~50件くらいの中にステレオ盤は7~8件くらいでした)
PaPaさん、recooyajiさん、Boseさんあたり・・・お持ちでないのかなあ(笑)
投稿: bassclef | 2009年8月22日 (土) 11:31
ステレオ創生期の話は面白い事が多そうですね。yositakaさんのクラシックのお話もとても面白い・・・話題が尽きませんね。
bsさん、またまた私がフライングしてしまって、謝っていただくような事ではありません。bsさんのブログにアップされたCDの表記は興味深いですね。「MONOはHIGGINS、STEREOはFOWLER」と言うのは決して荒唐無稽とは思いません。例のMonk's Musicはまさしくそのパターンでしたから・・・。キープニューズがこのセッションを重要視していたなら有りうる事と思います。
只、おっしゃるCDの表記で「Plaza Sound Studios」と言うのが若干気になります。Fowlerの独立と関係有るのかどうか分かりませんが、ShaorinさんのセッションインデックスによるとRiversideでこのPlaza Sound Studiosを使った記録は1961年のRLP 362 The Montgomery Brothers - Groove Yardで初めて出てきます。1959年に存在したのかな?とちょっと気になりました。後はオリジナルステレオ盤の表記と実話の裏話などを調べてみないと難しいですね。
ですが、モノ盤ステレオ盤ともに素晴らしい録音なので、本当に一人の人間が両方きちんとモニターしながら録音出来たのかな?と言う疑問も湧いてきます。そしてその音の差に録音技師の癖が若干出ているような気がするので余計です・・・本当に知りたい話になってきました(笑)
投稿: Yo | 2009年8月21日 (金) 19:10
節ブログにもコメントいただき、光栄です!!
モノラルとステレオの問題は複雑です。事情は、会社によっていろいろでしょうが、クラシックの例では、デッカ、EMIの両社がプロデューサー、エンジニアともモノラルとステレオでは別人になっていて、調整室も別、マイクセッティングから音響バランスまで、すべて異なっていた事実があきらかにされています。
ステレオ録音開発の時期は、なんと演奏者には無断でステレオ収録していたというのです。
出典『レコードはまっすぐに』http://www.honya-town.co.jp/hst/HTdispatch?nips_cd=9979463902
ステレオは二つの音が一枚に収録されるため、印税が二倍になるという説がはびこった。演奏者にそんな主張をされては大変、でも時代には遅れたくない…そこで秘密にし、まずモノラルで発売。
「あのレコードのステレオ音源発見!」のニュースがいまも聞かれるのは、そんなわけです。隠匿していたテープの紛失も少なくありませんでした。
ジャズも、きっとそうでしょう。腹黒い業界人も多い世界でしたしね。
投稿: yositaka | 2009年8月21日 (金) 16:36
yositakaくん、貴ブログ
児童文学と音楽の散歩道 http://blogs.yahoo.co.jp/izumibun/29081746.html
にもコメントさせて頂きました。
Mulligan Meets Monk~ステレオ盤(ビクター)とモノラル・テイク集(ビクターの特典盤~ジャケットがかっこいい!)本当にかなりの「音質感」の違いがありましたね。
たしか両方に入っているstraight no chaserというモンク曲で聴き比べたのですが、当時の未発表テイク集だったモノラル・テイクでは、マリガンのバリトンにもハッとするような鮮度があり(より硬質に聞こえた)そして、yositakaさんも書かれているように、ウエアのウッドベースが、グンと締まってしかも大きな鳴りに聞こえて素晴らしかったですね(ステレオ盤では、ウエアのベース音がちょっとふやけた感じがした)
しかしながら、マリガンのバリトンの「フワ~ッとした軽さ」みたいな質感と、モンクのピアノ音は(モノラルテイクではピアノが明らかに遠い)しっかりと入っている)ステレオ盤に軍配が。
それにしても、これだけその音楽の印象が変わるとなると・・・yositakaくんも言われるように、当然いろんな好みはあるにしても、モンクやウエア、そしてマリガンの好きな方なら、これはステレオ/モノラルの両方を耳にしてみる価値がありそうですね。そしてYoさんもコメント(8月19日 (水) 20:02)で、Portrait in Jazzについて「エバンス聴くならmono、ラファロ聴くならstereo」と書かれているように、ステレオ盤とモノラル盤では(結果として~というのは、その音様相の違いが、マスタリング段階で明確に意図されたものなのか、あるいは、録音時のマイクセッティングの位置違い(ステレオとモノラルで別セッティングとして)などによるものなのかが・・・微妙だと思うので)「聴きどころ」が違ってくる(というケースは、特にRiversideレーベルでは、けっこうありそうですね。
ちなみにこの「Mulligan meets Monk」の録音は、Jack Higgins氏でしたね。
投稿: bassclef | 2009年8月20日 (木) 23:25
おおっ、yositakaくん、コメントをthanksです!
いやあ・・・前回の3人集まりの楽しさの余韻を味わいつつ・・・知らぬ間に1年経ってしましましたね。そうして1年ぶりの3人会・・・あっという間の6時間でした(笑)
今回は特に誰々を聴こう~ということも特に決めてなかったので、なんだかこちらの好みばかりで聴いてもらったようで申し訳なかったです(笑)
つい先日、入手した復刻10インチ盤のSonny Rollins/Thelonious Monk(PRLP 190・・・の復刻ですよ:笑)これ、大好きなロリンズとモンクの共演3曲(1954年10月)のオリジナルのフォーマットの10インチ盤でして・・・とにかくモノクロのジャケット写真がいい!(笑)白いシャツにネクタイをきちんと締めたロリンズが若い!
この復刻10インチ盤は、ビクタートレーディングが米fantasy社に製作させたもので、センターラベルまで忠実に復刻してますが、僕はこのロリンズ盤で初めてその音を耳にしましたが・・・これがなかなか良いのですよ。ベースも音量豊かに、しかしギュッと締まった感じで(トミー・ポッター)ロリンズの大きく鳴るテナー(エコーの強さが、やっぱりVan Gerlder録音だな、と思わせる)そして何よりモンクのピアノの、タッチの質感(本当に重い!伸ばした指と拡げた手のひらを、そのままググッと押し込んだ(正に)ような拳骨のようなタッチだ!(笑)その質感がよく出ていているように僕は聞きました。
この10インチのオリジナル盤なら、これはもうさぞかし・・・(笑)という気持ちで一杯なところをガマンして(笑)聴き比べたのが、12インチ再発のJazz Classics(PR 7433~紺イカリ)での同曲。これを聴くと・・・やはり近年の再発盤の音「あっさり浄化しているような感じ」は否めないのかな・・・とも思いましたね。ロリンズのサックスがもう少し「ザラッ」とした感じが現れてくるようで、紺ラベルでもなかなか良い。12インチの1stであるMoving Outの黄色ラベルなら、やはり相当な音なんだろうなあ・・・とまたまた無いものねだり虫が(笑)
しかし・・・モンクのピアノ音に関しては、そのタッチの強弱や力感と鮮明度で、復刻10インチの方が楽しめるように思います
(*追記~もちろん112インチのPR7433紺イカリと比べてです。10インチのオリジナル盤については~NOTさんのブログhttp://blogs.yahoo.co.jp/not254/8075337.html
でその様子が判ります)
そんなところから始まって・・・確かにオリジナル盤が良いのは(特に鮮度において)間違いないのですが、全体の音楽を聴く場合・・・その後のリマスターが優秀な(しっかりとした意図がある場合)復刻だと・・・復刻も悪くないぞ・・・という場合もありそうです。またそうでなかったら・・・いろんな名盤を楽しめませんものね(笑)
この辺りのこと~yositakaさんがご自身のブログでも仰ってくれてますね。いつも素敵なレビューをありがとう!
http://blogs.yahoo.co.jp/izumibun/29081746.html
マリガンとモンクの共演盤については、また後日、コメントします。では。
投稿: bassclef | 2009年8月20日 (木) 20:39
こんばんは。bsです。
先ず以て、Yoさんに再度、お詫び申し上げます。弊HPで書きましたMONOはHIGGINS、STEREOはFOWLER、と言うのは、実は確信があるのではなく、その可能性があるのではないか、と思っていたのを、断定した書き方になってしまいました。
その‘PORTRAIE IN JAZZ'について18日(火)にはUPするつもりでしたが急用ができ、先にYoさんのコメントが入ってしまいました。すいません。
20日(木)中には、仕事をサボってでも(笑)、UPしますので、時間をください。
投稿: bs | 2009年8月20日 (木) 00:32
bassclefさん、Jack HigginsとRay Fowlerの音の違いと言うのは、bsさんがお書きになっているように「ソリスト集中」と「全体のバランス」と言うのが大まかな特徴かなと思います。只、お互いこの特徴で成功したものとそうでない物が有りますから難しいですね。
ところで、bsさんがお書きになっている「BILLEVANSの代表作‘PORTRAIT IN JAZZ’、HIGGINSがMONO、FOWLERがSTEREOを担当している。」と言うのは恥ずかしながら知りませんでした。と言いますのはこの盤は昔「オルフェウムも悪くないよ」という誰かの言葉でターコイズラベルのmonoとstereoを買ったのです。それ以前は70年代のビクターのステレオ盤で例の枯葉のmonoバージョンとstereoバージョンの両方入ったレコードで聴いていましたので、バージョンの違い(エバンスのイントロの後に入るラファロがグィーンとチョーキングするのがMonoバージョン)と長さ(stereoは約30秒長い)を知っていました。この2枚のオルフェウム盤は本当にいい加減で
1)枯葉の演奏時間がどちらもMonoバージョンの時間表記になっている。
2)録音技師の名前が書いていない。(その部分だけ削除してある)
3)そしてなんと、Mono盤はstereo盤のミックスダウンだったのです!!
Mono盤は音もひどく腹が立って叩き(割ったらカッコイイのですが・・・)売りました(笑)
その後、Mono盤は頑張ってオリジナルを買って今に至っていまして、ビクター盤もそれなりに音が良いので残してあります。
そこでこの3枚でHigginsとFowlerの聴き比べをしてみました。Higginsのmonoはエバンス集中でbとdsは若干後ろに下がります。そしてエバンスの艶やかなピアノの音色とタッチが良く分かる録音です。Fowlerのstereoはトリオの三位一体の演奏が良く捉えてあり、ラファロのベースが素晴らしいです。その分エバンスのピアノはちょっとエネルギー感は十分ですが細やかなタッチはMono盤に劣ります。ビクター盤の枯葉でもこの差は分かるので、オリジナルステレオ盤もたぶんこうだろうと想像します。(オリジナルを聴かないで想像ですみません)まさしく「ソリスト集中」と「全体のバランス」ですし、「エバンス聴くならmono、ラファロ聴くならstereo」と思いました。
投稿: Yo | 2009年8月19日 (水) 20:02
先日は楽しい時間をすごさせてもらいました。
アナログ盤をめぐる興味や楽しみは尽きないものがありますね。
印象的だったのは、『マリガン・ミーツ・モンク』のステレオ・レギュラー盤と別テイク・モノラル盤の音の大きな違いです。
これはまったく別の音!! 手が加えられていない自然さと生々しさがあり、独自のよさを感じました。
本テイク盤の諸曲も同じ音で収録されているはず。耳にしたいものですね。こういう嗜好が病気の始まりなんですね。
エリントンの1940年『デューク・アット・ファーゴ』にも感嘆。エリントン・ファンの青年二人が許可を得て、バッテリー方式のポータブル・ディスク・カッターで録音を行ったとのことで、放送局所有の記録ではないようです。まさに渾身の録音でしょう。
こんな具合に、演奏する側にも、記録する側にもドラマのあった時代だったんですね。
投稿: yositaka | 2009年8月19日 (水) 09:59
みなさん、おはようさんです。いやあ・・・この1週間、いろんなRiverside盤を聴きました(笑)もちろん全部がオリジナル盤という訳にはいきませんが、とにかくいろいろと聴いてみて・・・このレーベルの音質のことはとても一筋縄ではいかないぞ・・・ということが判ってきました(笑)
本記事では「Ray FowlerとJack Higginsの音質感の違い(とそれについての僕の好み)」という流れで書きましたが、これもかなり強引な話しで(笑)どうやらそう単純には割り切れないようですね。
みなさんからのコメントとのやりとりをしながら、いろんなタイトルを聴いてみて、僕自身が確認し直したことがひとつありました。
Higgins録音でも1956年~1957年頃のモノラル録音盤(以下)については、その音質感にまったく「違和感」が無かった(僕にとっての)ということです。
1.Ernie Henry/Presenting ~(1956)青モノラル
2.Mathew Gee/Jazz By Gee!(1956)青モノラル
3.Kenny Drew/This is New(1957)OJC
4.Ernie Henry/Seven Standards(1957)OJC
ひょっとしたら・・・これらは、モノラル録音がオリジナルの場合なのかな?という推測もしてます。これらはどれも管の音にしっかりと芯があり、ベース音もファットで強力です(それはしかし、これら4枚が全て「ウイルバー・ウエア」だからかもしれませんが(笑)
ウエアで想いだしましたが、Yoさんがグリフィンのお勧め盤として挙げられたWay Out(1958年)も、ホントにいいですね。あれ、1958年まできてますが、録音はHigginsでモノラル録音のみらしい・・・とのことですが、その辺からまた僕などは<Higgins氏の録音手法(音造り)として、モノラルとステレオでは、その質感にわりと違いがあるのでは?>との気もしてくるのです(笑)
Higgins氏のステレオ録音盤について~
ちょっと感じたのは~ドラムス全体にエコーがかかった感じでシンバルなどがわりと大きく入る(聞こえ方によってはやかましい感じ~Fowler氏に比べると)ことで、ベースも音量は入っているが、やはりちょっとエコーがかかった感じ・・・と聞こえるような気がしてます。
僕自身の好みでは・・・それがちょっと苦手なのかな?という自己分析です(笑)
こららについても、もちろんいろんなご意見があろうかと思います。何か聴かれて思うところがあれば、ぜひお願いします(笑)
bsさん~貴HPでのキャノンボール・アダレイのThings Are Getting~記事、読みました。音質感の的確な描写やセンターラベルの写真など、とても参考になりますので、拙ブログ記事中とリンクさせていただきました。ありがとうございました!
投稿: bassclef | 2009年8月15日 (土) 10:16
Yoさん、丁寧なコメント返事をありがとうございます。
グリフィンのThe Little Giant(1149)~
<何度か聴いているうちに慣れもあって心地よくなり、最後には好きになった>
なるほど・・・Yoさんにもそういう経緯があったのですね。実は今回、遡上に挙げたキャノンボールのThings Are Getting~音質感を聞き取るために何度も聴いている内に・・・「あれ?」と演奏の中身に引き込まれる曲がありました。お判りだと思いますが、bsさん、Yoさんが「いい!」と仰ったServes Me Right’です。
曲自体もちょっとゴスペル風というか敬虔な感じもあり、何よりも抑えた感じのキャノンボールの吹き方には感じるものがありました。bsさん、やっぱりいいとこ聴き取ってますね。thanksです!
>ステレオとモノの併売の時代に両方同じ人が両フォーマットを録音した事が問題で(Monk's Musicは別です)きちんとモニターリングしたほうのフォーマットが音が良い・・・ということだと思います~
う~ん・・・おっしゃるとおりかもしれませんね。両フォーマット(モノラル/ステレオ)で同時に録音・・・としても、マイクの立て位置の有利・不利とかの問題も出てくるでしょうし、マイクセッティングは同一だとしても(この場合、ステレオ録音がマスターとしてモノラルにミックスとなるのかな)そのミキシングの際に、いろんな問題も出てくるでしょうし・・・どうやらその辺にありそうですね。
Riversideというのは、まったく・・・厄介な、いや面白いレーベルですね(笑)
投稿: bassclef | 2009年8月 8日 (土) 18:45
NOTさん、Kelly Blueを再聴頂いてのコメント嬉しいですね。そしてNOTさんのオープンマインドなところと「恥ずかしい」とまで仰る姿勢に敬服するしだいです。確かにジャズ好きの人にはモノ盤好きの人が多いです。たぶん初期のBlueNoteやPrestigeのバンゲルダー録音(これぞジャズの音だと評価が固まっていました)が圧倒的にモノ録音のほうが良かった事や、初期の音の良いステレオ録音でも「中ヌケ録音」が多かった事でモノ盤に慣れた方にとっては違和感があり「ジャズはモノ」となったように感じます。私はもとより「音が良ければ何でも良い」というところと「Riversideには良いステレオ録音がある」という思い込みもあって黒ラベルを買うのに何のためらいもありませんでした。しかしこの1142 Kelly Blueは国内盤から見慣れたモノ盤のジャケ(上部ラインが青と紫)とは違って黄緑とオレンジの軽薄な色使いで,何かまがい物のような気がして心配でした。しかし聴いたとたんまずBobby Jaspar のflの自然さ(ジャズフルートの録音ではぴか一と思います。)に驚き、その後全体の音の良さに驚いた記憶があります。
bassclefさん、ご質問の件ですが、まずは1149Jack Johnny Griffin - The Little Giant についてです。私がこれを気に入っている事に怪訝そうですが(笑)、確かに買った当初はNorman Simmonsの曲が「シカゴジャズのアクの塊」(この言い方が正しいかどうか分かりませんが私はそう思い込んでいます:笑)のように聴こえて好きにはなれませんでしたが、このレコードの音の良さと「グリフィンの代表作」と言われる所以を覗きたくて何度か聴いているうちに慣れもあって心地よくなり、最後には好きになったと言うわけです。bassclefさんが「詰まったような暑苦しさ」と仰るのは曲&演奏に関してだったら分かるのですが、音については1149は違うと思っています。次回是非聴いてみてください。ただ私もこのレコードを「グリフィンの代表作」とは思っておりません。そして歌心満載の 420 The Kerry Dancersも大好きですが、私としては一番ではありません。私はRiversideの中では12-274 Way Out!が最も好きです。Griffinの急速調のブローやアーシーな雰囲気の曲、そして歌心で吹き上げる曲と魅力が詰まっていますし、メンバーが良いです。けだるさのあるブルースフィーリングのKenny Drew 、重量感とキレの良さの絶妙なバランスのWilbur Ware 、そしてバッキングに徹しながらも時々見せるキメのかっこ良さのPhilly Joe Jones 、そしてやはりJack Higginsの録音の良さです。間違いなく◎です(笑)(このステレオ盤は無いようです)
次にJack Higgins と Ray Fowlerの録音の違いですが、これが一番難しい!(笑)一般的にJack録音を「渋い」と表現されますが、音の良くない録音では多少「暗め」の印象があるのでそう表現されるのかも知れませんが、音の良い録音はそんな事は無く「あくまでも自然で伸びやか、エネルギー感十分」と言う感じです。逆にRay録音は「艶がある」とか「煌びやか」とか言われますが、私の印象ではRayの良い録音でも多少音が硬質と思うときがあるのですが、このことがそのような印象をもたれる所以かなと思っています。例えば上記JackのWay OutとRayのKerry Dancersと比べると(モノ盤同士でどちらも良い録音)、Kerry DancersのGriffinのtsの方が硬質で、Way Outの方が自然と感じます。Kerry~のベースが多少膨らむのはRon Carter の問題でしょう(笑)。・・・このように書くとJackびいきになってしまいますが、Riversideの音の中でのわずかな差だと思っています。いずれにしてもステレオとモノの併売の時代に両方同じ人が両フォーマットを録音した事が問題で(Monk's Musicは別です)きちんとモニターリングしたほうのフォーマットが音が良い・・・ということだと思います。
投稿: Yo | 2009年8月 7日 (金) 17:22
NOTさん、熱の入った2つのコメント、どうもです!
基本的には、モノラル盤好きだと思われるNOTさんがだんだんステレオ盤(もちろん、いい録音の:笑)もいいぞ~という流れになってきたみたいで、楽しいですね。
ここのところの皆さんとのやりとりで、やはりRiversideというレーベルでは、どうしても「ステレオ盤/モノラル盤」ごとで(しかもそれはもちろん個々のタイトルごとで)語らないと・・・ダメなようですね。というのも、同じタイトルで話しているつもりでも、その音(定位とか音場だけでなく、その音質感までも)が大きくその様相を変えてしまっているらしい・・・ので、特にRiversideでは!(笑)
いろんなレコードでの音印象レポートを読んで、その「違いざま」が伝わってきました。でもまあもちろん、そんなRiversideが面白いのですが・・・こういうことから逆説的に言えそうなのは・・・そういう「当たり・はずれ」のリスク(みたいなもの)を避けるのなら(避けたい?)それはやはり、bluenoteやprestigeの、あの大体において一定的な録音の質感というのは・・・なかなか凄いことかもしれませんね。しかもその「モノラル盤」なら・・・(レコードとしての音質面において)まず間違いないわけし。
なるほど・・・だから世のジャズ好きは一斉にbluenoteに走る、だから高い(笑)ということかもしれませんね。
みなさん!Riversideで冒険しましょう(笑)
「ケリー・ブルー」~僕の手持ちは、これもビクター国内盤(ステレオ)です(笑)この国内盤・・・チェンバースのベース音がブヨブヨに膨らんでます(特に管の入らないトリオのテイクの方)いかにベース好きの僕でも、ただ大きく鳴ってればいい・・・なんてことはありませんよ(笑)ベースはある程度の量感を持って、なおかつグッと締まって芯のあるブゥウ~ンとくる感じでないとね。ベース以外にも全編、明らかに「鮮度落ち」の音質なので、「ケリー・ブルー」については、オリジナル盤のステレオ/モノラルの音質感のことをどうこうでは?とはとても言えません。
たしかrecooyajiさん~モノラル盤をお持ちだったような・・・トリオの曲でベースがどれくらい締まっているのかをまた聴かせてもらおう(笑)
投稿: bassclef | 2009年8月 6日 (木) 23:41
こんばんわ。1142(KELLY BLUE)の再検証結果は衝撃的でした。なにせ拙ブログでは以前に1142は中抜けでダメなんてコメントしているわけですから・・・あぁ恥ずかしい。自己弁護ではないですが1曲目のタイトル曲の出だし暫くは左KELLY、右CHAMBERS、COBBで中抜け?のような状態が続きNAT ADDERLEYが出てきてセンターが固まるような録音なため、最初だけで判断したのだと思います。まぁ2曲目の「SOFTLY AS ~」を聴けばKELLYが真ん中にいて中抜けでないことは即判断できたはずですが・・・・。Yoさんのご指摘のとおりSTEREO盤はエネルギーに満ちています(特にNAT ADDERLEYのコルネット)が、やっぱりドラムが片チャンネルに寄るというのは正直言って違和感があります。それとできれば主役のKELLYは常時センターにいて欲しかった。でもそれらを差し引いてもSTEREO盤はMONO盤を凌駕していると今は思うようになりました。値段の話はするのは好ましくないかもしれませんがKELLY BLUEのMONOオリジナルはSTEREO盤の5倍くらいするというのが我が国の現状では?MONO神話は依然健在です。
投稿: NOT | 2009年8月 6日 (木) 21:48
Yoさん、またまた労作コメント2をありがとうございます。
まずは
>bassclefさん、ブログの主張と反対方向に引きずった様ですみませんです~
いや、まったくそんなことはありませんよ(笑)bsさんへのコメントでも申し上げたことですが、以前から「レコード録音の音質感」(もちろん演奏についてもあるのですが、それはまた別次元として考えたい)については、必ずや、十人十色の好みがあるだろう・・・ことは感じていて、そんな中で僕自身、拙ブログにも「良い音だ!」とか書いていることもあり、まずはbassclefの言う「良い音」(良くない音)というのは、どんなものか?というのを具体的なタイトル名を挙げることで、ある程度の実感的な認識ができるのではないだろうか・・・という気持ちがあったわけです。
まあ・・・そんな予想以上にその好み方の違いに驚いている部分もありますが(笑)(今回は)Riversideというレーベルの、いろんなタイトルへの様々な音への感想が集まりつつあることがうれしいのですよ。
Yoさんのリヴァーサイドの黒ラベル(ステレオ盤)の音印象こと・・・実に面白いです。それにしてもYoさんはリヴァーサイドのステレオ盤をとてもお好きなようで前回のコメント(7/27付け)と併せると・・・
1104Ray (黒大DG)Pepper Adams/10to4at5Spot
1106Jack(黒大DG)Mulligan meets Monk
1119Jack(黒小DG)Chet In NewYork
1128Jack(黒小DG)Cannonball/Things
1129Jack(黒大DG)Bill Evans/Everybody~
1131Jack(黒小DG)Blue Mitchell/Out of The Blue~
1133Ray (黒小DG) Thelonious Monk - Misterioso
1142Jack (黒小DG) Wynton Kelly - Kelly Blue
1149Jack (黒小DG) Johnny Griffin - The Little Giant
1150Jack (黒小DG) Thelonious Monk - 5 By Monk By 5
1160Ray (黒小DG) Jimmy Heath - The Thumper
1169Jack (黒小DG) The Incredible Jazz Guitar Of Wes Montgomery
1174Jack (黒小DG) Thelonious Monk - Brilliant Corners
1177Wally (黒小DG) Barry Harris At The Jazz Workshop
1188Ray (黒小DG) Jimmy Heath - Really Big!
とまあ・・・こんな感じですかね。黒ラベルだけでこれだけなのでこれに白・青も併せると相当なタイトル数になりそうですね。こりゃ・・・ホントにリヴァーサイド好きのYoさんのツボを押しちゃったのかな(笑)
さてこれらの1100番レポート~まずは・・・ご自身の率直なる音印象レポートを載せていただいたことに感謝します。ある意味・・・こういうのって勇気のいることで、というのは、僕など今回、2枚だけ(自分が良くないと感じたもの~Things Are Getting と Solar)発表(そんな大げさな:笑)する際でも、相当に迷いました。拙ブログでは、どちらかと言うと「良いと感じたもの」だけを取り上げてきたので、自分の気に入らないものをあえて声高(こわだか)に言うこともないだろう・・・という気持ちもあり、ただ今回は「録音の音質感」という観点で話しを突っ込みたかったのであえてそうさせてもらったわけです。
それと、Yoさんご自身からも《あの私の試聴検証は全くの独断&偏見である事はお断りしなければなりませんが》とのコメントを頂いてます。このブログをお読みの皆さんは(たぶん、いや間違いなく:笑)それぞれに、ヒトクセ・フタクセある皆さんでしょうから、心配は無用かと思いますが、みなさんも、いろいろとYoさんのこれまでのコメントやらを読んできて(Yoさんという人物の感性みたいなものを把握しておられる)その上で「なるほど」とか「あれ?」とか・・・そういう受け取り方もあるでしょうね。
実は僕にもありました(笑)NOTさんと同じく、
1149Jack (黒小DG) Johnny Griffin - The Little Giant についてです。
このタイトル~ヒギンズのステレオ録音盤の一例として本記事中に載せてますが、まあ1976年の国内盤ということを差し引いても、あの質感はどうにも苦手で~それは・・・Yoさんが《私もこの盤が好きなので多少の身びいきもあるかも》と書いて頂いていることの全くの裏返しとして、僕のアタマの中にもひょっとしたら、このグリフィンの3管(tp、tb)のバンドとしてのサウンド(3曲も入っているノーマンシモンズというピアニストのオリジナル曲があまり好きではない)がちょっと苦手なのかもしれないぞ・・・という録音の音質感とは別次元の要素も、あるのかもしれなくて・・・。自分の中でのジョニー・グリフィンという時・・・グリフィンは好きなんです、もちろん(笑)ただよくよく考えてみると・・・それは1958年のモンクとのファイブスポットでのライブ、それから「ケリー・ダンサーズ」というテナー1本の作品を特に好ましく感じていることも事実なのです。録音という点でも「ケリー・ダンサーズ」(RF)は大好きです。(ああ、これはNOTさんと好みの違いですかね:笑)
そういう「演奏的・音楽的」なことは、あえて努力して無視して「録音」についてだけもう一度、僕への聞こえ方を書くと・・・やはり「詰まったような暑苦しさ」を覚えるのです。(国内盤でさえも)確かにどの楽器も大きく入っていて、音圧感も感じるのですが、その音圧感が自然に楽器が芯から鳴ってジワ~ッと大きな音が出てきている・・・という感じではなく、最初から「大きな音」で入力されてしまった(つまりかなりのオンマイク)ような音の大きさで、若干、潰れたような感じもあり、それが違和感(僕には)になっているのかも・・・という感覚があるようなんです。これが、もちろんオリジナル盤(黒ラベル)では、スパッと抜けてナチュラルな楽器のパワー、音圧になっているのであれば・・・それはもう単なる国内盤とオリジナル盤の違い~ということで自分としても万々歳なんですが(笑)いずれにしても、これでまた聴いてみなければ・・・というレコードが増えましたね(笑)
それからひとつYoさんにお願いしたいのが・・・Ray Fowler、Jack Higginsという2人のエンジニアに(たぶん)早くから注目してきて、その音(モノラル盤、ステレオ盤)に数多く触れてきたかと思いますが、2人の「音の質感」という点で、もし感ずるところがあればお尋ねしたいのが・・・Jack Higgins と Ray Fowlerの録音(と言ってもどうしてもマスタリングまで含めたひとつのレコード作品として音質感)での違いというか・・・特徴みたいなものを、何か感じますか?(あるいはないのか?)
それにしても「録音の好み」というのも、ホントにいろいろありそうですね(笑)そして、やはり・・・リヴァーサイドは面白い!
投稿: bassclef | 2009年8月 5日 (水) 21:56
NOTさん、また悩み事を作ってしまったようで申し訳ないです(笑)。そしてKelly Blueを再聴されて同意頂けてホッとしています。あの私の試聴検証は全くの独断&偏見である事はお断りしなければなりませんが、NOTさんも1142をお持ちだと承知しておりましたので慎重に聴きました。そして私の中では◎でした。他1149(Little Giants)が〇(+)と言うのは私もこの盤が好きなので多少の身びいきもあるかも知れません。「やかんの中」との事で私も再聴しました。結果は確かに響きが多いですね。只リバーブをかけたというよりは響きの多い狭いところでの録音のように聴こえます。・・・私はさほど気になりません。1174Brilliant Corners は中抜けはありません。Monkがセンターに居ます。そんなに不評な盤なんですか?私は白モノを買うまではこれで満足して聴いていました。
私はBlue Soulの黒ステが欲しくなっております(笑)
bassclefさん、ブログの主張と反対方向に引きずった様ですみませんです。私、Monks Musicの大成功からのRay Fowlerの世評どおり期待して聴いていると「さほどでもない」と思い、Jack Higginsの世評の悪さで聴いていると「そんなに悪くない、いや良いよ!」と思うようになっていたところにbassclefさんのこのブログ・・・突っ込んでしまいました(笑)
投稿: Yo | 2009年8月 5日 (水) 20:29
こんばんわ。せっかく泥沼から這い出したのにYoさんによって更なる深みに、はまりそうです(笑)。1142(KELLY BLUE)が◎、1149(LITTLE GIANTS)が〇(+)、1174(BRILLIANT CORNERS)が〇(-)という検証結果にビックリしています。高名なMONK'S MUSIC(1102)がRIVERSIDEの素晴らしいSTEREO録音の代表ならばBRILLIANT~(1174)はダメな(中抜け?)な方の代表として君臨していたからです。実際に聴いたことはないのですが、業界?ではそう言われ続けてきたと思います。それとTHE LITTLE GIANTS、このアルバム私はMONO盤しか持っていませんが、評価の分かれる(近年は特に悪い)盤でマイナス評価をされる方の理由に必ず「やかんの中で鳴っているみたい」と音の悪さを挙げられていました。私はこの盤、世評の高いKERRY DANCERSなどよりずっと好きなので、なんとしてもSTEREO盤を入手しなくては・・・・。そしてKELLY BLUEはMONO(298)とSTEREO(1142)の両方を持っていますがSTEREOは一回聴いただけで、ずっと死蔵していました。ベースとドラムが右チャンネルから聞えるのがなんとも気になってかなぁ?とにかくKELLY BLUEのSTERE0はダメと思い込んでいました。再聴の結果はYoさんのご指摘のとおりエネルギー感十分、凄いです。いやぁJACK HIGGINSに対する認識がすっかり変りました。
>>Mitchellのtpの鮮度感は良いのですが伸びやかさがなくサイドメンは引っ込み気味です。これこそステレオ録音のミックスダウンではないかと思います。NOTさん、ステレオ盤でMitchellはセンター定位ではないですか?tpの直接音だけが左右に同じレベルで入っていてミックスダウンで情報欠落が無かった・・・そんな気がします。
MITCHELLはセンターですね。今KELLY BLUE(1149)の後に聴きなおしましたが、この盤の音圧はもっと高くて、より左右に広がります。でも違和感がないのはMITCHELLの他、BASS(SAM JONES)もDRUMS(PHILLY)もセンターよりに位置しているためだと思います。
投稿: NOT | 2009年8月 4日 (火) 20:53
bassclefさん、Things Are Getting Betterは皆さん青モノで私だけが黒ステで、ちょっと嬉しいようなのけ者にされたような(笑)、でもbsさんの(bsさんご丁寧な訂正有難うございます。気になされないように)青大溝なしの印象は大変黒ステに近いです。vibとasの録音が良いと言うことは高域の倍音成分が多いということでちょっと高域寄りの印象もありますが、リズムセクションの録音も大変良いので(ベースはブンブン録音ではないですが)バランスは良いです。もう一度聴きましたが◎ですね。やはり溝なしの後期になってモノ盤の出来の悪さ(皆さんごめんなさい)に気が付いてリマスタリングしたのでしょうか?Serves Me Rightのアダレイの翳りのあるアルト・・・良いですね。
NOTさんのお持ちのBlue Mitchell/Blue Soulは私はモノ盤(青小DG)で持っていますが音は良くないです。Mitchellのtpの鮮度感は良いのですが伸びやかさがなくサイドメンは引っ込み気味です。これこそステレオ録音のミックスダウンではないかと思います。NOTさん、ステレオ盤でMitchellはセンター定位ではないですか?tpの直接音だけが左右に同じレベルで入っていてミックスダウンで情報欠落が無かった・・・そんな気がします。
M54さん、お久しぶりです。M54さんもやはりJack録音は地味だとの印象をお持ちのようですね。またレコード聴きご一緒したいですね。
しつこくてすみませんが、残った手持ちの1100番台の印象を書かせて貰います。
1133Ray(黒小DG) Thelonious Monk - Misterioso : △グリフィンがひ弱で音圧感も薄い。
1142Jack(黒小DG) Wynton Kelly - Kelly Blue : ◎どの楽器も自然でエネルギー感十分、バランスも良い。
1149Jack(黒小DG) Johnny Griffin - The Little Giant : 〇(+)6tetの配置も良く分かり、音圧感、鮮度感共にGood
1150Jack(黒小DG) Thelonious Monk - 5 By Monk By 5 : 〇音圧、鮮度感ともにGood
1160Ray(黒小DG) Jimmy Heath - The Thumper : 〇(-)Jimmyのtsとリズムセクションは〇だが、他の管が曲によっては引っ込み気味で平面的
1169Jack(黒小DG) The Incredible Jazz Guitar Of Wes Montgomery : 〇(-)厚みと音圧感はGoodだが鮮度感はイマイチ/モノ盤2nd(青大DG)よりは良い。
1174Jack(黒小DG) Thelonious Monk - Brilliant Corners : 〇(-)白ラベルと比べると鮮度感、厚みともに劣るがこれだけ聴くと不満は無い(これがRiversideの最初のステレオ録音でしょうか?)
1177Wally(黒小DG) Barry Harris At The Jazz Workshop : 〇(+)各楽器の明瞭さ鮮度感はイマイチだが音圧はあって音楽全体のまとめ方は素晴らしい。
1188Ray(黒小DG) Jimmy Heath - Really Big! : ◎(-)ビッグバンドの録音として素晴らしい。しいて言うと音全体が若干硬質。
・・・ここでやはり私の感想として「ステレオ録音でさえRay Fowler録音よりJack Higgins録音が劣るとは言えない(逆に良い)!!」(笑)
投稿: Yo | 2009年8月 4日 (火) 17:16
M54さん、さっそくのご回答、どうもです!
どうやら、ジャケットは1st(○囲みのSPECTROSONICロゴ有り)しかし、盤のラベルは「青・大」のようですね。
>ラベルの大小について僕はあまり判らないのです~
いやあ・・・54さん、実は僕もラベル変遷には、リヴァーサイドに限らず、けっこう弱くて、よくみなさんが「~番からは~だよ」とかソラで言うのを聞いて唖然としてます(笑)
それでRiversideのラベル変遷については、今回、個人的にも興味が湧いたので、がんばてちょいとネットなどで調べてみました。少し前のコメントで、NOTさんからも補足いただいたように、実は「青・大には2種類」あるようなんです。、判りにくいでしょうけど、以下に少し~
白(201~242くらい?)
前期・青・大(243番~278番くらい?)
青・小(279~339くらい?)
後期・青・大(340~485くらい?) 途中から「溝なし」となる
オルフェイム(486くらいから~)
変わり目の番号には諸説あるようで・・・はっきりはしませんが、大体こんな流れなんでしょうね。これに黒・ステレオも混ざってくるわけで・・・う~ん・・・判りにくい!(笑)
投稿: bassclef | 2009年8月 2日 (日) 22:23
bsさん、またまたの音印象コメント~ありがとうございます。
>乱戦模様~いえいえ・・・まったくそんなことないですよ(笑)というより、おそらくこういう真反対のご意見が出てくることも予想(期待)してまして・・・そういう意味ではbsさんの確かな耳でThings Are Getting(青・大・モノラル)の音質感の描写とそれに対するbsさんの印象レポートは、ものすごく嬉しいコメントであります。
今回は記事の至る所に「皆さんの好み・ご意見を~」と書きました。今回、まずは自分の好みとして「いい音/そうでもない音」と書かせてもらいましたが、それというのも・・・このところの僕は、「人間の音の好み~その違い様」みたいな事象に純粋に素朴的な興味がありまして、(同じレコードの同じ音を聴いたとしても)それが「良い」か「普通」か「良くない」と分かれることは平気に起こり得るのでは?
ということを妄想してまして(笑)それで一度、具体例を挙げて~皆さんのご意見(反論)を聞いてみたい・・・という気持ちもあったわけです。
きっかけは、いつも一緒にレコード聴きをするrecooyajiさんとの「モノラル対ステレオ」話しです(笑)いろんなレコードを聴いた時のちょっとした印象・感想のやりとりにおいて、「あれ?そうなの?」と感じることもあり、さらに2ヶ月ほど前だったか・・・Yoさんとパラゴンさんが同じレコードを聴いての、音についての感想違いのことを知り、そんな具合で「音の好みは人それぞれ」という事象への素朴的な興味がうんと湧いてきたわけです。
そんなことを知ってどうするの?というご意見もあろうかと思いますが、まあジャズ好きオヤジの病気ということでお許しください(笑)
で・・・bsさんの表現~《ややメタリックでしかもエネルギーが充満した音造りがされ、一聴、さ行が強く、ややもすると耳障りの感も無きにしも非ずで、高域にややシフトされた為、bが犠牲になってます》
これ・・・正に僕が手持ちのThings「青・大」に感じた音質感なのです。というより、僕の言いたい「感じ」をほとんどそのまま表現してくれている・・・という驚きです。これはほぼ同じレコード(「同じ音」)を聞いている~と断言していいかと思います。
そうしてここはbsさんが、気をつかってくれて(笑)このように否定的な立場の人だと「ややもすると耳障りの感~」と書いてくれてますが・・・まったくそのまま当たりなんです(笑)そうなると、そういう風に聞こえてしまう人間にとっては・・・bsさんがその後半に書かれた、美点の箇所も
《反面、アダレィのプリプリas、ジャクソンのvibはブライト感溢れています》
~もはや、そうとは受け取れない状態になってしまうのかもしれません・・・僕の場合はそうなったわけです(笑)
>stereo盤ですと、この辺りがうまく中和され~
この分析も正解でしょう!
そして僕はたぶん基本的な音の好みが、(ハード感よりは)ソフト質感なので、だとすると「ステレオ」の柔らかい感じ(モノラルに比べれば一般的に言って)が好きなのでしょう。
いやあ・・・でも今回は自分の(レコードの音質としての)聴き方(もちろんどちらがいい悪いというようなことではなく)が、いかに『ベース』に片寄っているか・・・再確認できました(笑)まず、ウッドベースの質感・音圧が(無意識的にでも)気になってしまう~そこがダメだとそのレコード(音として)もうダメ(自分にとっては)というかなり極端な自分だな・・・と思い至ってます(笑)
bsさんのコメント~
>僕の耳には、この盤の「音」は〇、それも◎に近いです~う~ん、そうなんですね。こうしてはっきりと宣言していただくと・・・bsさんの好みの感覚がこれまでより、うんと実体感を持って伝わってくるような感じがしますよ。
それにしてもホントに「好み」って違うものなんですね。
そして、これは「音質感」(レコードの)についてだけの局面で、たぶん同様の好みが、オーディオ、それから、ついにはジャズ演奏の中身~ミュージシャン~と延々とそれぞれの「好み」がいろいろと拡がっていくわけで・・・まったく好みというのは不思議なものですね(笑)
bsさん、thanksでした!
投稿: bassclef | 2009年8月 2日 (日) 22:04
NOTさん、ブルー・ミッチェルのBlue Soul~録音エンジニアの回答~ありがとうございました。
《RAY FOWLERではなくJACK HIGGINS &ROY FEIEDMAN(MONO、STEREO共通)》
Roy Feiedmanなる名前には馴染みがないですね。
NOTさん、Yoさん共に、Jack Higgins録音のステレオ盤にもいい音のものがある~というご意見が出ました。どうもbassclef形勢不利ですね(笑)というより考えてみたら・・・僕はリヴァーサイド初期(この場合、Higgins録音の1957~1959年くらい)のステレオ録音のオリジナル盤というのをほとんど聴いてないな・・・と気が付きました。本当に聴いてないですね。記事にちょいと挙げたHigginsのステレオ録音盤~フィリー・ジョーShowcaseと、グリフィン「国内盤リトル・ジャイアント」だけかな・・・。Yoさん、NOTさんの音表現を読むと、どうも上記2作とは音の雰囲気が違うようなので、僕のHiggins認識としては・・・ステレオ盤についてはまた別の感じがあるらしいぞ・・・と思い至ってます。
投稿: bassclef | 2009年8月 2日 (日) 21:18
続きです。文中で、Yoさん、大変、失礼しました。確認途中で、間違えて送信ボタンを押してしまいました。お詫び申し上げます。
*bsさん~(さん)を付けておきました(笑)bassclef
投稿: bs | 2009年8月 2日 (日) 21:04
こんばんは。
僕の手持ちはジャケットには、左下に[○囲みのSPECTROSONICロゴ]と右上のRIVERSIDE文字のすぐ下に[CONTEMPORARY SERIESと12-286] これは有ります。
しかしラベルは青大のようです。 ラベルの大小について僕はあまり判らないのです。
今回のことで手持ちの青ラベルを見てみました(たいして数はありませんが・・) ラベルの直径が10cmが大で9cmが小ということだと思いますが?それでよろしいのでしょうか?
これでジャケとラベルとまたややこしい事になってきました。
これは是非、一堂に会して見比べながら聴かないといけませんねー。
投稿: M54 | 2009年8月 2日 (日) 20:52
折角、泥試合(笑)も、そろそろ収束の方向へ向かい始めた所へ参戦させてくだいね。今度は乱戦模様になるやもしれませんが。この「THINGS ARE GETTING BETTER」のモノを持っています。ちょっと変わった?代物で、カヴァはNOTさんと同じですが、ラベルは大青で溝ナシです。結論から先に申し上げると、意外と思われるかもしれませんが、僕の耳には、この盤の「音」は〇、それも◎に近いです。ただ、個性張出ですが。ややメタリックでしかもエネルギーが充満した音造りがされ、一聴、さ行が強く、ややもすると耳障りの感も無きにしも非ずで、高域にややシフトされた為、bが犠牲になってますよね。反面、アダレィのプリプリas、ジャクソンのvibはブライト感溢れています。ケリーさえ腰高に聴こえます。stereo盤ですと、この辺りがうまく中和され、Yo(さん)が言われるように、アダレィ「響き」が素晴らしい、のも頷けますよね。中でも、B・ジョンソンの‘Serves Me Right’でのアダレィの啜り、グッときますよね。
投稿: bs | 2009年8月 2日 (日) 20:48
>>Blue Soul~ステレオ盤、良さそうですね。・・・1959年9月録音ですから・・・Jack HigginsかRay Fowlerか微妙な時期ですね。「音がいいステレオ盤」ならFowlerでしょうか? ああっ、それは僕の悪いクセの決め付けになっちゃうか(笑)
このレコード、MONOとSTEREOの両方を持っています。比べるとSTEREOの方がずっと音圧が高く迫力があります。そしてBASSはSAM JONESですが、ちゃんといつものSAM JONESしています(笑)。録音は残念ながら(笑)RAY FOWLERではなくJACK HIGGINS &ROY FEIEDMAN(MONO、STEREO共通)でした。
投稿: NOT | 2009年8月 2日 (日) 14:21
NOTさん、さっそくの確認コメントをthanksです!
当たり前かもしれませんが、1stジャケット(左下に○囲みのSPECTROSONICロゴ有り)の中身は、やっぱり、small mike&reel(小・青・マイク&リール~とりあえずこういう表現にします)でしたか。
>何度か聴いていくとBASSの音はダメですけど・・・そんなに悪くはないなぁ(笑)
いやあ・・・そうでしょう(笑)
実は、M54さんがコメントで《確かにヒースのベースは若干、後ろに引っ込んでますが全体的には悪くないかと思います》と書いてくれた音の感じからも、ひょっとしてそうじゃないかな・・・と思ってたんですよ(笑)
そのM54さんの手持ち盤が<小・青・mike&reel>であれば・・・流れとしては[青・小~悪くない(M54さん、NOTさん)→青・大~かなり悪い(bassclef)→黒・小~かなり良い(Yoさん)]という整理ができるのですが。ちょっと強引かな(笑)
M54さん~お持ちのThings Are Getting青ラベル・・・小さいですか? 大きいですか?よるしく~(笑)
いずれにしても、お2人が共通して仰ったのは「ベース音がオフ気味かも」という感じだと思います。それについては・・・おそらく(ごく一般的にみて)サム・ジョーンズの前に出てくる(音も弾き方も)感じに対して、常に控えめなプレイに徹するパーシー・ヒースが(特に音が小さいとは思いませんが)録音上、ちょっと目立たない・・・という要素はあるのかな・・・と思ってます。
Blue Soul~ステレオ盤、良さそうですね。いいなあ(笑)そのレコード、僕はまったくの未聴です(国内盤・OJCでさえも)1959年9月録音ですから・・・Jack HigginsかRay Fowlerか微妙な時期ですね。「音がいいステレオ盤」ならFowlerでしょうか? ああっ、それは僕の悪いクセの決め付けになっちゃうか(笑)
投稿: bassclef | 2009年8月 2日 (日) 11:32
bassclefさん、こういう泥沼は大好きですよ(笑)。
ご指摘の件、間違いなく小ラベルです。しかし音がさえない、冴えないと言いつつも何度か聴いていくとBASSの音はダメですけど・・・そんなに悪くはないなぁ(笑)。致命傷は音圧が低いことかなぁ~なんて思い始めました。YoさんのSTEREO盤は多分音圧が高くワイドに音が広がるんだと思います。
>>リヴァーサイドの「白モノラル」→「青・小・モノラル」→「青・大・モノラル」
重箱の隅を突いてすいませんが白のあと243番(BLUES FOR TOMORROW)から280番?くらいまでは大・ブルーがオリジナル。そのあと小・ブルーになってまた大ブルーになります。
bassclefさんが折しもピック・アップされた1155(BLUE MITCHELL/BLUE SOUL)このSTEREO盤、音圧が高く左右いっぱいに広がって・・・・凄いです。
投稿: NOT | 2009年8月 2日 (日) 10:53
ああ、NOTさん、またまた補足情報コメントをありがとうございます。なにやらまた泥沼化してきましたね(笑)でも・・・面白い。
NOTさん手持ちの、1stジャケット:Things Are Getting(青・モノラル)の方も「音は冴えない」とのこと・・・そうでしたか。安心したわけではないですが(笑)実はNOTさんの前コメント(7/29 22:21付け)の後、追記1と追記2を入れたのですが、ジャケットだけではなく「小・大ラベル」も違うことに気づいたのですよ(笑)
そう思って自分の手持ち盤のセンターラベルを見ると、どうもラベルが大きいようで・・・となると、たぶん1stジャケは「小ラベル」だろうな・・・ということです。そう思い至ってから、ネット拝借の写真見ると、やはり明らかに「小ラベル」ですね(ラベル左側のLONG PLAYING文字と溝の位置で)
僕自身、Riversideの「大・小ラベル」にはあまり意識がなかったものですから、そこら辺のことを追記3として補足アップしました。
NOTさん、またお手数ですがNOTさんの1stジャケット盤の中身をチェックしていただけませんか?
ごく一般的に言って、おそらく「小ラベル」→「大ラベル」変遷ですから、普通に考えると「小」の方が音にも鮮度がありそうな・・・(笑)
自分の手持ち盤が悪いことはもう判ってますので・・・いや、そんな小さい気持ちじゃないんです(笑) この際、リヴァーサイドの「白モノラル」→「(前期)青・大・モノラル」、「青・小・モノラル」→「(後期)青・大・モノラル」、そしてできればその「黒・ステレオ」まで(まずはThings Are Getting Betterについてだけでも)およその「音質の状況」を把握したい気持ちになってますよ。サンプル材料が揃ったら・・・一度、皆さんで持ち寄り聴きあい合戦でもやってみたいですね(笑)
*NOTさんから補足コメントをいただきました。青・大・モノラル」には2種類ありますので、(前期)と(後期)としました。
「白モノラル」
「(前期)青・大・モノラル」
「青・小・モノラル」
「(後期)青・大・モノラル」
>STEREOシリーズの手持ちを調べたら1102、1106、1107,1110、1112、1124、1131、1138、1142、1155、1156、1178、1183の13枚~
いやあ・・・お持ちですね。NOTさん、ブルー・ミッチェルけっこう行ってますね(笑)僕はまだ勉強不足でして、個人的に?Riversideを1100番台という表現では認知しづらくて、だから1155だと309(Blue Michell/Blue Soul)のことか・・・とリヴァーサイド本を見ながら探ってる状態です(笑)
投稿: bassclef | 2009年8月 2日 (日) 08:55
おおっ、M54さん、お久しぶりです。やっぱりベース好きの54さんならではの、いろんな作品でのベーシストの音の印象レポート・・・ありがたいです。
>《エバンスの『Everybody Digs~』(Jack)このサム・ジョーンズは轟音~B・ティモンズ『Soul Time』(Ray)このサム音色は良いですねー迫力もありまた音色に艶があります》
~この辺、僕も聴いたことのあるオリジナル盤に関しては、まったく同じ印象です。特にSoul Timeは、つい2週間ほど前に、recooyajiさん宅でステレオ盤を聴かせてもらいまして、その鮮度感ある音が印象に残ってます。その時のステレオ盤では、なぜか、トリオ全体とブルー・ミッチェルもなぜか左側よりで、かなり片寄った定位でしたが(recooyajiさんもお嘆きでした:笑)音質そのものはとてもよかったのです。
ジャズのウッドベースについての好みや感性は、M54さんと僕は、どうやらよく似ているようです。ということは、その54さんも《ベースが乾いてペンペンしたような音色》かな?と感じた、Solar(ステレオ盤)とSam Jones/Chant・・・僕は未聴ですが、たぶん僕には好みでない方の音なのかな。それにしても、Chantという地味目なとこまで持ってるんですね。
>この艶がRayとJackの違いのような気がします~
M54さんがサラッと書いてくれたこの表現・・・僕が感じていたFowlerとHigginsの録音・音作りの違いを感覚的にうまく表してくれたような気がします。Ray Fowlerに「艶」があるとすると・・・Higginsには「艶消し」の渋さがある~ということかもしれませんね。
もちろん、本記事の最後の方に書いたように、2人の活躍年代には60年頃を境にズレがありますから、ごく単純に言ってより後期のFowlerの方が録音機器が優秀~ということも充分にあるとも思いますが。いずれにしても、僕などはまだ「艶消し」の渋さが判ってないのかもしれません(笑)僕は意外に「普通にいい音」(録音の音としては)が好きなので(笑)
エンジニアなど意識することなく聴いてきたモンク作品でのHiggins録音(裏ジャケのクレジットで調べた限りでは3つしか確認できない)の中では、Thelonious Himselfがいいかな・・・あのソロ・ピアノの音は嫌いではないですね。というか「音」は関係なく演奏がもう大好きなのです(笑)
それと・・・M54さんのポロッと書かれたひと言~《但し演奏内容を無視することは出来ませんので音だけの判断ではないかもしれません》
これって・・・実はホントに重要なポイントで(今回、僕がこの記事書いているときにも実はその悩み(自覚・無自覚も含めて)がちらつきまして(笑)いくらコトバで「今回は、録音の音の質感のことに絞って・・・」とか書いても、それはたぶん・・・ホントのホントにはムリなことで、どうしたって「その演奏」も聴いていて・・・だからさきほど僕が、Thelonious Himselfの音は嫌いではない~と書きましたが、それはもうすでに「モンクのソロピアノ」としてあのレコードの雰囲気が脳髄に染み付いてしまっているので、なかなかそうしたレコードについての「音だけの評価」というのもできないかな・・・という気持ちもあるわけです。なにやら訳の判らん話しになってきました(笑)
M54さん~またどんどんコメントよろしく~!
投稿: bassclef | 2009年8月 2日 (日) 00:07
Yoさん、さらなるコメントをどうもです!
>《ビッグバンドなどの大編成は~ライブ録音に関しては~基本をステレオ録音として、モノ盤はミックスダウンで済ませる場合が多いと思うわけです》
~これは同感ですね。僕もそういう類だと思われる「ビッグバンドもの自然なステレオ録音」がけっこう好きで、クインシー・ジョーンズのライブ盤「Newport'61」(エンジニアはJack Tracy)や「バンドの誕生ライブ編」(mercury)、それからWally Heider録音の「テリー・ギブス・ドリームバンド(contemporary)など愛聴してます。
(特に大編成ものの場合)ステレオ録音の良さは音場の拡がりと共に、なんというかその場の空気感(雰囲気)みたいなものを、より感じられることですね。
I've grown accustomed to her face~しっとりとした情感が漂うような、ホントにいい曲ですね。この曲・・・僕はシェリー・マン、アンドレ・プレヴィン、ルロイ・ヴィネガーのテイクで好きになりました。プレヴィンが抑えた感じで弾くテーマのバックで「優しく撫でるように叩く」(本当にそう聞こえる:笑)シェリー・マンのシンバルに痺れてしまいます。
>《この曲は途中からドラムとベースのバッキングが入るのですが、ステレオオリジ盤ではほとんど聴こえません。逆に日本盤ではちゃんと入っています。レコーディングマスターにはちゃんと入っているのにカッティングマスターを作るときのエンジニアがソロ演奏風に作ってしまったんですね》
~う~ん、なるほど・・・こういう事例を知ると、やっぱり「マスタリング」というのは本当に重要な作業なんだなと思い知らされますね。だからこそ・・・ヴァン・ゲルダーはマスタリング&カッティングまで自分でやる!と決めてたわけですね。
さきほど、国内盤(日本グラモフォンのRiverside Antholgyなるシリーズの版)でこのI've grown~聴いてみました。イントロだけ別の曲みたいな感じで、キーもEからDへ変わるのかな?ホントだ・・・ベースのチェンバースが高い方でかっこいいことやってますね(笑)
投稿: bassclef | 2009年8月 1日 (土) 23:21
bassclefさん、また眠れなくなるようなコメントを提供されて・・・・(笑)。
>>《図柄は同じですが別ジャケットには、左下に[○囲みのSPECTROSONICロゴ]と右上のRIVERSIDE文字のすぐ下に[CONTEMPORARY SERIESと12-286]表記が入ってます。こちらが・・・1stでしょう。つまり・・・記事中にThings Are Getting~の「音の悪さ」というのは、同じモノラル盤であってもひょっとしたら、2nd(僕の手持ち盤)だけの現象かもしれない
bassclefさん、ご安心ください。私のMONOは左下に[○囲みのSPECTROSONICロゴ]と右上のRIVERSIDE文字のすぐ下に[CONTEMPORARY SERIESと12-286]表記が入ってます。音はご指摘のとおり冴えません。特にBASSはダメです。ただこのジャケ、bassclefさんがネットから借りてきたのと色が微妙に違いタイトル文字の「WITH MILT」と「ARE」が水色(ネットのものは緑)でbassclefさん所有のものに近いですね。RIVERSIDEは12-×××のナンバーがオリジナルだと思います。それとついでに1100 STEREOシリーズの手持ちを調べたら1102、1106、1107,1110、1112、1124、1131、1138、1142、1155、1156、1178、1183の13枚がありました。
投稿: NOT | 2009年8月 1日 (土) 01:49
NOTさん、またまた興味深いコメントをどうもです。
>「THINGS ARE GETTING BETTER」はMONOとSTEREOではジャケットにも違い~
なるほど・・・と思い、ちょっとネットなど探ってたら・・・なんとモノラル盤の方も別ジャケットを見つけてしまいました(笑)そしてその別ジャケットは、よりvintageな感じのするもので、どうやら僕の手持ち盤が(おそらく)2ndだな・・・思わざるを得ません(笑)
《図柄は同じですが別ジャケットには、左下に[○囲みのSPECTROSONICロゴ]と右上のRIVERSIDE文字のすぐ下に[CONTEMPORARY SERIESと12-286]表記が入ってます。
(興味深い話しなので、その別ジャケット写真を本記事に追加しておきます)
こちらが・・・1stでしょう。
つまり・・・記事中にThings Are Getting~の「音の悪さ」というのは、同じモノラル盤であってもひょっとしたら、2nd(僕の手持ち盤)だけの現象かもしれない・・・という推測も可能となってきたわけです。カッティング時の物理的問題(プレス精度とか?)そんな可能性もあるのかな?
NOTさん、あまりお好きでないという「45回転2枚組」の情報も面白いですね。あれだけ質のいい(値段が高いのでそうであるはず・・・という推測)復刻をするわけですから、モノラルでもステレオでも「音のいい方のマスター」を使う~というのが自然でしょうね。
ブルー・ミッチェルのOut Of The Blueは、ネジのジャケットのやつですね。あれ・・・Yoさんも高評価、NOTさんも入手、たしか・・・recooyajiさんも持ってたな(モノラル盤)う~ん・・・なかなか出てこないようないいレコードを、なんで皆さん、持ってるの?参りました~!(笑)
投稿: bassclef | 2009年7月31日 (金) 22:41
Bassclefさんこんばんは、ご無沙汰しております。
リバーサイド、確かに音の違いが激しい印象がありますね。 オリジナル盤を購入しだした頃、初期に購入した2枚がウエスの『Groove Yard 青』(ベースはM・モンゴメリー)とキャノンボールの『Things Are Getting Better 青』でした。 Things~ は後回しにして、『Groove Yard』はいい音やなーさすがはオリジやなーと思ったものです。 少し後でウエスの『Incredible Jazz Guitar 青』(b P・ヒース)を入手して聴いてみると、あれ~地味な音だなーと、チョットがっかりしました。 こちらはやっぱりJack Higgins。 煌びやかなRay Fowler に対して地味なJack Higgins という印象でした。 もっとも当時はエンジニアが誰かなんて知りませんでしたが・・・
先ほど改めて聴いてみたのですが、以前に感じたような優劣は意外と感じませんでした。
音作りの違いは明らかですが、地味なHigginsもなかなか好いぞと(笑)
但し演奏内容を無視することは出来ませんので音だけの判断ではないかもしれませんが・・
Things Are~も先ほど聴きましたが、確かにヒースのベースは若干、後ろに引っ込んでますが全体的には悪くないかと思います。
次にサム・ジョーンズについて、先ずはSolar ST 黒ラベル >ベースが乾いてペンペンしたような音色 そう言われればそんな気がします。同じRay FowlerのST 『The Chant』S・JONES PLUS 10 このベースの音色も同じような感じです。
次にmono盤ですがエバンスの『Everybody Digs~』(Jack)このサム・ジョーンズは轟音です。
音が割れ気味ですけど僕的にはこんな感じがサムらしい感じかなーと思います。
それからB・ティモンズ『Soul Time』(Ray) このサム音色は良いですねー迫力もありまた音色に艶があります、この艶がRayとJackの違いのような気がします。
演奏内容は最高にファンキーですねー。
とにかく、bassさんのおかげで久しぶりに棚から引っ張り出して聴きまくりました。
Jazzってやっぱ良いですねー
投稿: M54 | 2009年7月31日 (金) 22:31
NOTさん、援護射撃有難うございます(笑)。NOTさん、bassclefさんをはじめ、bsさん、67camperさん・・・皆さんのジャズに関する熱い思いのブログを読ませて頂いていつもレコード買いの参考にさせて頂いております。私は演奏に関して上手いコメントなど出来ませんが、音や録音に関しては少しは口を挟めるかと思ってちょっと熱くなりましたか?(笑)
NOTさんの仰るように高音質盤(それも45回転盤)となるとマスターテープの音質が良くなければ作られませんから、このThings Are Getting Betterのステレオマスターの音の良さの証明ですね・・・有難うございました。
bassclefさん、私本当にRiversideファンですよ。他の1100番台のステレオ盤だけでもまだ数枚ありました。私は特に大編成演奏盤とライブ録音盤は出来るだけステレオ盤を買うようにしています。ビッグバンドなどの大編成はもちろんそのサウンドの広がりと共にステージを感じたいからですが、ライブ録音に関してはリハーサルも十分に出来ず、モニターリングもモノとステレオの両方できる訳がないと思いますので、基本をステレオ録音として、モノ盤はミックスダウンで済ませる場合が多いと思うわけです。その最も典型的なのがエバンスのバンガード録音です。マイクの距離差で同じ音を位相差のある信号で左右に入ったステレオ録音をミックスすると相殺されて音が死んでしまいます。アンプのmonoモードでステレオ録音を聴くとつまらなくなるのと同じです。特に最近の録音CDでは左右のスピーカーよりも外側までサウンドステージを広げようとする為にわざと位相を回転させた成分を逆側に入れてあるので音の死に方は激しいです。
Riversideのライブ盤といえばこれも以前夢レコで話題となったWallyさん録音のWesのFull Houseがあります。Wallyさん録音はとても良いのですが、マスタリングやカッティングにはタッチしていない所為か本当にWallyさんの意図が生かされているかが疑問な時があります。Full HouseA面2曲目のI've Grown Accostomed to Her Faceというマイフェアレディーの曲が好きなのですが(余談ですが、この曲が弾きたくて50の手習いでジャズギターを始めたんです:67camperさん、私もギター好きです)この曲は途中からドラムとベースのバッキングが入るのですが、ステレオオリジ盤ではほとんど聴こえません。逆に日本盤ではちゃんと入っています。レコーディングマスターにはちゃんと入っているのにカッティングマスターを作るときのエンジニアがソロ演奏風に作ってしまったんですね。ベースのバッキング・・・カッコいいんですけどね(笑)
投稿: Yo | 2009年7月31日 (金) 13:37
YOさん、またまたコメントをthanksです。いやあ・・・まずは、Yoさんが青モノラル盤を未聴ということが判りましてほっとしました。
こちらもYoさんが「いい」と感じるそのステレオ黒ラベル~どれくらいに良いのか・・・と早く聴いてみたい気持ちでいっぱいですよ(笑)
今回、あくまで音について~という次元ながら、Things Are Getting Better(青モノラル盤)の「録音良くない」ということを書きました。それでいろいろ考えるところが出てきたんですが、実は僕の手持ちのは、盤質があまり良くないの(スリキズあり)で、自分が感じた「録音の悪さ」がひょっとして、そんな個体状態の悪さ故のものと混同してないか・・・という心配がちょっとあって、昨夜、もう一度しっかりと聴いてみました。
一応、自分の耳としては・・・本記事で書いたような音質の印象は、スリキズなどのサーフェスノイズとは違う質感のものだ・・・とほぼ確信できました。(キズのためならば、悪い部分とそうでない部分があるはずだが、全編通して同質の音質なので)
そうした場合、それが「録音自体の悪さ」ではなく、その青モノラル盤のカッティング時(前)の「マスタリングの不具合」なり「ミキシングの不具合」ということも、あり得るんでしょうか?その場合は、同じ時にプレスした何百枚?かは、ほぼ同じ状態・・・ということになりそうですね。
というのは・・・ステレオ盤が素晴らしい~ということは、モノラル盤と同じマスターテープではないということだと思いますが、Higgins氏がステレオ録音マスターからモノラルにミキシングする際に「良くない録音」(と僕が感じるところの)に変化してしまった・・・ということもあるのかな?
「良くない」(と仮定して)マスターの方から、いい音のステレオマスターを創ることはたぶん不可能でしょうし・・・。
>Monkのミステリオーソでのモノ盤とステレオ盤の違いが話題(グリフィンがステレオ盤では全く力がない)
~ああ、ありましたね(笑)あれはホントに・・・音楽の質感まで違いましたね。僕はもともと版の違い(音質、定位など違う場合)で、もともとの「音楽」に対する印象(評価とはあまり言いたくない)がそれほど変わることはない~という主義でしたが、あの「ミステリオーソ」には、そのささやかなポリシーを覆されました(笑)
それくらい・・・グリフィンのテナーの印象が違ってしました。だいぶ以前の<夢レコ>でそのことを書いた部分もあったと思いますので、あとで本記事のどこかにリンクを付けておきます。
Yoさん、Riverside盤を相当にお好きなようで嬉しくなります。また他のレコードで気が付くことがあったら、どしどしコメントお願いしますね(笑)
投稿: bassclef | 2009年7月30日 (木) 22:24
また、お邪魔します。いつも冷静沈着なYoさんが珍しく熱くなられているようなので・・・ちょっと応援します。その前にCANNONBALL の「THINGS ARE GETTING BETTER」はMONOとSTEREOではジャケットにも違いがあります。MONO盤だと白・黄・水色・オレンジのタイトル文字がSTEREOは緑や紫の文字などの色違いになっていたと思います。STEREO盤は持っていませんが何度か手にとりましたので間違いないと思います。
以前拙ブログでもMONO VS STEREOとして何枚かのRIVERSIDE盤の検証をして「初期の金のSTEREOシールが貼ってあるものは大方良い音がする」というような自論を展開しましたが、その後Yoさんも指摘されている「OUT OF BLUE」のSTEREO盤(1131)を入手して音の良さにビックリ、後期にも良いSTEREO盤があることを知りました。そのYoさんが二重丸をつけている(OUT OF BLUEは一重丸)盤なら間違いないでしょう。
それを裏付けるように「THINGS~」は高品質45回転2枚組で再発されているようなんですが、ジャケはSTEREO盤を踏襲、ということは中身も当然STEREOマスターを使用していることと思います。私はこの手の高品質盤は大嫌いなのですが唯一、「MONKS MUSIC」だけは購入しました。歴史的ハード・バップ名盤全25枚のうちの1枚として出されたわけですが他はすべてMONAURALマスターを使用していたのに「MONKS MUSIC」だけはわざわざSTEREOマスターを使用していました。それはSTEREOの方が良いという認識があったからです。ですから「THINGS~」もSTEREOマスターを使うのはSTEREOがMONOより音が良いからだと思うのです。まぁ百聞は一聴?にしかず、bassclefさん、レポートお願いします。
bsさん、ご無沙汰しています。昔から変わらぬ媚びない姿勢・選盤には頭が下がります。今後もよろしくお願い致します。
投稿: NOT | 2009年7月29日 (水) 22:21
bassclefさん、私も言葉足らずでした。ついついモノ盤とステレオ盤の違いを説明するのとJack録音にも良いのがあるんだぞ!と言うのを混同して書いてしまいましたが、bassclefさんのCannonball Adderley/Things Are Getting Betterのモノ盤の音が悪いと言う説を否定しているのではないですよ。私もbassclefさんの耳は知っていますし、好みに合わないからけなすと言う方でないことも分かっています。でも本当にこのステレオ盤はすぐにでも聴かせて上げたい(笑)。驚くと思いますよ。そして私もそのモノ盤を聴いてみたいです。以前もMonkのミステリオーソでのモノ盤とステレオ盤の違いが話題(グリフィンがステレオ盤では全く力がない)になりましたが、ひょっとしたらこの盤がRiversideで最もモノとステレオの差が激しい盤かもしれませんね。
投稿: Yo | 2009年7月29日 (水) 12:56
67camperさん、コメントをありがとうございます。Riversideのライブ盤の音のこと、率直な感想で参考になります。
キャノンボール・アダレイのSF~「イン・サンフランシスコ」ですね。このレコード、僕の手持ちもビクター国内盤(1974年の緑マイルストーンラベル)これは・・・ホントに音は良くないと思います。音の印象は~camperさんが書かれている通り《なにやらベースがもこもこしてて,音の分解能が悪く,サウンドが薄い》感じですね。ドラムスもシンバル・スネアなど全体に篭った感じかな。
そしてそれは国内盤ゆえに・・・ではなくおそらく「元録音の悪さ」じゃないかな?と推測しております。さっきその国内盤を掛けてみてオソルオソル、ジャケットの裏を見てみました。エンジニアは・・・Reice Hamelなる人物でした。正直、ホッとしました。西海岸のライブということで、この作品がもし、Wally Heider氏とか、僕がいいと思って本記事を書いたRay Fowler氏だったら・・・ちょいとマズイじゃないの・・・という気持ちでしたから(笑)
camperさんによると、オリジナルの青モノラル盤でも《いくらかましになった程度》とのことですが、これまたひょっとしてひょっとしたら、オリジナルの黒ステレオ盤の音が「素晴らしい音」かもしれませんね。
黒・ステレオ盤をお持ちの方~その音の印象など、コメント下さい。
このエンジニア~Reice Hamel氏、聞いた名前ではないから録音自体が悪いかも・・・と疑っているわけではなく、さきほど同じ時期のビクター国内盤~ナット・アダレイの「ワーク・ソング」もチラッと聴いたところ、こちらはだいぶいいんですよ(サンフランシスコに比べれば)なので・・・まあこの1974年頃のビクター盤が押しなべて「イン・サンフランシスコ」並みの(あまりよくない)音ではない~ということは言えると思います。
ボビー・ティモンズのIn Personは、たまたま「黒・ステレオ盤」(録音はRay Fowler氏)を持ってましたので聴いてみました。こちらは確かに音圧低い気味で鮮烈さはないですね。ピアノが左側、ベースがちょい右かな。まあ普通のピアノトリオ(ベースがちょっと変わったことをやってるけど)の音で、それほど悪い録音には聞こえませんでした。
《ベースがもこもこ~》というのは、ロン・カーターのプレイ自体がちょっとモコモコした感じと言えなくもないので、camperさんも余計にそう感じてしまうのかも(笑)
投稿: bassclef | 2009年7月28日 (火) 23:36
Yoさん、Riversideへの愛情コメントをありがとうございます。そして、NOTさん、bsさんからもご指摘のあった「リヴァーサイドでのステレオ盤とモノラル盤での音の違い」のこと・・・Yoさんからもそのダメ押しが出てきたようですね(笑) 皆さん、やっぱり一筋縄ではいきませんね(笑)
実は今回、<Riversideでは、作品ごとで音質が相当なバラツキがある>という話しを書いていて・・・何度も「ステレオ盤」と「モノラル盤」というキーワードが出てきそうになったのですが、今回は敢えてそのことを避けて(笑)なおかつ「録音の音」だけについて切り込もうと思ってたのです。というのは・・・ステレオ/モノラル話題になると、どうしても「音質」だけでなく「(変な)定位・音場」的な流れになっていきそうで(笑)そうなると話しが拡がりすぎてしまうかなという怖れもあったのです。そんなことで、やや根性なし的に、「その話題」を避けてきたのですが(笑)
でもまあ・・・「レコードの音」という話しの時に、音質だけでなく、定位や、それからカッティングレベルも含めて音質だ・・・ということも言えるわけで・・・やはり避けては通れないRiversideですね(笑)
その「ステレオ盤」Cannonball Adderley/Things Are Getting Better~この作品の音質の評価で、Yoさんの反論も出てきました。これは面白くなってきましたね(笑)
Yoさんとはここ4年ほどいろんなジャズやりとりをしてまして、ミュージシャンやその作品、レコードの音質への好みが近い場合もあれば、もちろんそうでない場合もあったりで、大体のお互いの好みは判っている・・・つもりでしたが、このレコード(の音)がYoさんの「当たり」だったとは・・・正直、ちょいと驚きました。思うにYoさんも僕がこの盤に×印を付けたのを見て驚いたでしょうね(笑)
当たり前のことですが、全ての好みが全く同一だったら、逆に怖ろしいですよね(笑)
それにしても、もしYoさんが「モノラル・青ラベル」盤を聴いての好評価だとしたら・・・それはおそらく僕の手持ち盤が個体として不良かな・・・と思うしかないほど、あの音でYoさんが二重丸を付けるはずはない~くらいに、要は「同じ音」を聴いての評価ではないのだろう・・・と思うわけです。黒ラベルだけでなく、ひょっとして、青ラベルもお持ちでしたか?
まあ・・・Yoさんは「青モノラル盤」は聴いたことがなくて(そうしてもちろん僕は「黒ステレオ盤」を聴いたことがないのですが)・・・おそらくこのケースこそが、正に「Riversideのステレオ盤とモノラル盤の怖ろしいまでの音質の違い」ではあるまいか・・・というのが現在の僕の希望的観測です(笑)
それはそれとして・・・Yoさんが報告してくれたRiverside所期のステレオ盤(黒ラベル)を見ると、このレコードについては~
《1128Jack(黒小DG)Cannonball/Things~◎各楽器がとても自然で音圧感も申し分ない。RiversideのCannonballのアルトの最も良い録音!!》
ということで、Yoさんの耳の良いことと~良いというだけでなく、音へのレファレンスをする際には(たぶん)徹底的にニュートラルなスタンスで分析評価できるマインドの持ち主だということは充分に理解しております。そのYoさんの二重丸盤であるThings Getting Better・・・これはぜひ・・・その(黒小DG)盤を聴かせてもらわないといけません。いやあ・・・これで次回の集まる時のテーマが決まりましたね(笑)
投稿: bassclef | 2009年7月28日 (火) 21:53
すみません。前書き込みでRiverside初期ステレオ盤を1000番台と書きましたが1100番台の間違いです。1119までを1019と言うように書いてしまいました。11xxと訂正お願いします。
*遅くなりましたが、訂正しておきました~bassclef 8/3
投稿: Yo | 2009年7月28日 (火) 13:50
bassclefさん,完全に出遅れてしまいました。
皆さんのハイレベルな話には全く付いて行けず唖然として読み流してしまいました。今回の話は,更に高級ですね。リバーサイドは手持ちにステレオ(黒),モノ(青)、オルフェウム,国内盤(多くはビクター)、OJCとありますが,最悪なのが国内盤のライブ盤,自分が前から槍玉に挙げているキャノンボールのSF、ボビーティモンズのインパーソンです。なにやらベースがもこもこしてて,音の分解能が悪く,サウンドが薄い印象です。ともにモノラルのブルーラベルを入手していくらかましになった感じですが,やっぱりライブの録音があんまり好ましくないように思われる盤があるのですがどうでしょうねぇ。低レベルの話ですみません。
投稿: 67camper | 2009年7月28日 (火) 00:43
bassclefさん。Riversideの音の話「バラツキは大きいけれど好きだ」・・・全く同感です。バンゲルダー録音や西海岸録音にはないコクと粘りが大好きです。でも聴いている盤(Stereo&Mono、1st&2nd、3rd)によって印象ががらりと変わるレーベルでもあるのも確かです。
このbassclefさんのコメントに2つ反発があるんです(笑)。ひとつはRay Fowler録音は
良いけどJack Higginsも良いんだぞ!と言う事と私の大好きなCannonball Adderley/Things Are Getting Betterの録音が貶されている事です。
そこでRiverside初期の1100番台の手持ちのステレオ盤を聴いてみました。
まず、Riversideのステレオ盤で後回しには出来ないのがMonk’s Musicですね。1102という番号が付いてますが、1101はステレオデモ盤みたいなもので実質ステレオ演奏録音はこれが最初でしょう。モノ盤をJackが担当し、ステレオ盤をRayが担当し、ステレオ録音の音の良さを見せ付けてくれました。この頃の黒ラベルの大小はどれがオリジナルか知りませんが、私の黒小DGラベルは2ndではないかと思いますが、それでもどの楽器もエネルギー感が十分で定位、サウンドステージ、音の厚み全てが素晴らしいと思います。
後数枚聴いてみました。
1104Ray(黒大DG)Pepper Adams/10to4at5Spot・・・△ライブ録音でRayも慣れてないのか全体に音が薄い。
1106Jack(黒大DG)Mulligan meets Monk・・・△音は良いけど全体に音圧が薄い。
1119Jack(黒小DG)Chet In NewYork・・・△トランペットが薄くベースが膨らむ
1128Jack(黒小DG)Cannonball/Things~◎各楽器がとても自然で音圧感も申し分ない。RiversideのCannonballのアルトの最も良い録音!!
1129Jack(黒大DG)Bill Evans/Everybody~・・・〇音圧自然さ共にGood
1131Jack(黒小DG)Blue Mitchell/Out of The Blue~・・・〇音圧自然さ共にGood
こんな所です。1129も2ndと思いますが、音は良いです。
このようにRayの2枚目のステレオ録音1104(1103は発売されてないようですので)はダメです。そしてその後のJackのステレオ録音はダメなものもありますが素晴らしいものも多いです。
ちなみにNOTさんのご質問のBlue Mitchell/Blues Moodのモノ盤は各楽器の音圧感も自然さも素晴らしくステレオ録音のミックスダウンにありがちな情報の欠落感は有りません。
・・・もっと聴いて報告したいが(ミステリオーソのステレオ盤(Ray)はダメだとか、 Barry Harris At The Jazz Workshop録音はWallyさんだとか・・・)次週回しですね(笑)
投稿: Yo | 2009年7月27日 (月) 22:03
ああ、bsさん、ちょいヒサでした。コメントありがとうございます。
>ガーランドの‘Solar’、僕はSTEREO盤(あずき)~
ステレオ盤ですか、そりゃいいな(笑)僕はもともとRiversideのステレオ盤を嫌いではなくて、本記事中にも書いたように「Ray Fawlerはステレオ録音が得意かな」と睨んでいるので、
《右chから、スパンのg、fl、センターやや左、上部にガーランド、そして左chにbが前、やや後方にdsと、小気味よく決まっています》
こんな風に描写されると・・・「う~ん、聴いてみたい!」と思ってしまうわけです(笑)
Solar録音~bsさんもその「ステレオ盤」を聴かれて、異質としながらも「案外、悪くない」という印象をお持ちのようですね。bsさん仰るように、ギターの音は切れがあったように思います。その「切れ」を出したいために・・・ウッドベースの方が薄くなってしまったかも?というのが、僕のいいかげんな推理です(笑)レス・スパンはちょっと興味持ってますので、他の盤でのスパンのギターの音にも注目して、また聴いてみます。
それにしても、ジャズランドのあずき色でもステレオ盤ってあるんですね。そういえば、記事中に載せたハロルドランドの2枚~あれ、共にOrpheumのアズキ色ラベルなんですが、Orpheumは音質が良くないと思ってたわりには、しっかりしたいい音なんですよ。比べてみたいのですが、さすがに同一タイトルでのオレンジとアズキは持ってません(笑)ちょいと話題が変わりますが、Jazzlandは、Riversideより廉価で発売した~という話しを読んだことがあります。そのために、ビニールの材質とかがちょいと劣悪で、そのために音質もちょい悪い(違ってくる)・・・というようなこともあるのかも?
投稿: bassclef | 2009年7月26日 (日) 21:56
NOTさん、速攻コメントをありがとうございます。
>でもOJCや国内盤で「良い音だなぁ」と思った盤のオリジナルは更に一皮むけていて~
いやあ・・・まったくそうでしょうね。実際、僕もその流れで「いい演奏でいい音」と思ったレコードのオリジナル盤を狙っていく・・・という作戦です(笑)ただ、そういうレコードって、やっぱり人気も値段も高いんですね(笑)
ブルー・ミッチェルのBlue's Mood~録音がRay Fowlerとのこと、良かったです。あの音がもしHiggins録音だったら・・・自分の感性が信じられなくなってしまうところでした(笑)
Solar~
《いや、むしろ中庸というか誇張がなく好ましくさえ思っています》~いやあ・・・NOTさんの率直な印象を書いてもらって、ありがたいです。こういうことが知りたかったんですよ(笑)
ベースが薄い代わりにピアノの高音部のメリハリはあったと思います。ただこちらの手持ち盤では、そのピアノもちょっと線が細いというか、痩せた感じに聞こえました。それが僕の場合は「苦手録音」ということなのかな。
こういうことって、厳密には、まったくの同一盤を同じ再生環境で比べないとダメかもしれませんが、、基本的な音の質感や器楽の音量バランスやらは、まあちょっと乱暴かもしれませんが、大体のところは「同じ音」を聴いているとして・・・その「同じ音」であっても、人によって違う印象(好み)を持つ場合もある・・・と言ってもいいかと思うのです。
もちろん絶対に、どっちの好みがどう・・・とかいうことではありませんです(笑)
それにしても、僕の手持ちはオレンジラベルは一緒でもまったくの「溝なし」です。う~ん・・・ラベルにはOrpheum表記もないのですが・・・やっぱりDG(溝)有りの方が、1stでしょうから、鮮度感も違う可能性が高いですね。
ちょっと・・・残念(笑)
投稿: bassclef | 2009年7月26日 (日) 20:41
こんにちは、bassclefさん。それと、NOTさんお久しぶりです。JAZZ畑にも、リターンされたようで嬉しいです。
RIVERSIDEって、bassclefさんが仰る様に確かにアタリ、ハズレ、しかもSTEREO、MONOでかなりバラツキがありますよね。BNのようなレーベル・サウンド(=RVGサウンド)ではなく、まぁ、エンジニア・サウンドといっていいかもしれません。まぁ、そこが一つの魅力なのかも?
で、ガーランドの‘Solar’、僕はSTEREO盤(あずき)を持っていますが、これがなかなかイケルんですよ。もっとも、いつものタイトなFowlerと思って聴くとちょっと面喰いますが。
まず、STEREOの音の広がりがとても自然で、しかも各楽器の音像が重なり合わず、ある意味で、理想的ですね。右chから、スパンのg、fl、センターやや左、上部にガーランド、そして左chにbが前、やや後方にdsと、小気味よく決まっています。ただ、ガーランドのpがややエコーが多目かな?気持ち、拡散気味ですかね。
ジョーンズのb、伴奏中は確かに控え目すが、ソロでは結構、聴かせてくれ、TOPの一曲でも、いきなり締まった音でギシギシさせてます(笑)。ただ、セッションがセッションだけに、以前のようにズシーンと来る黒さは薄らいでいますよね。それに、NOTさんが言われるようにCELLOぽくも聴こえますね。
また、スパンの音がヤケに生々しく録られています。また、ガントのシンバルが綺麗に出てます。
いずれにしても、僕の頭の中では、このステレオ録音はRIVERSIDE盤のなかでも、良い意味で異質なものと捉えています。
投稿: bs | 2009年7月26日 (日) 15:06
こんにちわ。
>>オリジナル盤で検証しなくては無意味だ~というご意見もあるかと思うが、僕自身の感じとしては・・・国内盤、あるいはOJCであっても、もともとの録音の素性(質感、楽器のバランス)みたいなものは、ちゃんと表われるもので、つまり・・・「良い録音」か「あまり良くない録音」くらいは(何が良いか悪いかは、人それぞれであっても)どんな版でも判るものだと思う。
全くご指摘のとおりだと思います。国内盤はともかくOJCは結構良くできていて、オリジナルの10分の一以下の価格も考慮すれば素晴らしくお買い得だと思います。でもOJCや国内盤で「良い音だなぁ」と思った盤のオリジナルは更に一皮むけていてLP全体を聴き終わったあとの感動に大きな差が出てくるのも事実です。一番困るのはRIVERSIDEやJAZZLANDでの再発(2ND、3RD)にオリジナルとは比較にならないくらい「ヒドイ音」のものが散見されることです。ご指摘の「THINGS ARE GETTING BETTER」は同じ青・モノ・DGで確かにクリアな音ではありませんね。ただ「SOLAR」についてはSAMのベースはCELLOみたい音を出していますがGARLANDのピアノはキラキラ輝いていて特に悪い録音とは思いません。いや、むしろ中庸というか誇張がなく好ましくさえ思っています。もしかしたら私のはオレンジ・モノ・DGですがbassclefさんのは写真だと溝なしのように見えますが、そのあたりの違いによるものかもしれません。
それと「BLUE’S MOODS」はご推測どおりRAY FOWLERです。手持ちはSTEREOオリジナルでずっとMONOが欲しいと思っていましたがMONOはSTEREOのミックス・ダウンの可能性も十分ありそうで・・・そうするとMONOは不要(笑)。まぁ「I'LL CLOSE MY EYES」一曲だけの盤ですけれど。
私は、ある意味誇張されたRVG録音に馴らされすぎていて中庸な(自然な?)RIVERSIDE録音には全般に物足りなさを感じるのも事実です。
投稿: NOT | 2009年7月26日 (日) 10:34