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2009年5月 5日 (火)

<ジャズ雑感 第28回> ジェリー・マリガンという人 

相手の個性を際立たせ、自らも生かすカウンターの名手

 

007その人のレコードを集めよう!と強く意識したわけでもないのに、知らぬ間にレコードが増えてしまう・・・そんなタイプのミュージシャンがいるかと思う。僕の場合だと、バド・シャンクやポール・デスモンド、それから、ジェリー・マリガン・・・マリガンこそ正にそういうタイプのミュージシャンだった。マリガンは、バリトンサックス奏者としては(例えば、ハリー・カーネイやペッパー・アダムスに比べれば)さらっとしたライトな味わいの音色で、さらっとしたフレーズを淡々と吹く。どちらかというと強い個性のジャズメンを好んで聴いてきた僕は、だから、マリガンのそういう淡白な持ち味に対し、なかなか自覚的に「惹かれる」というところまでは至らなかったようだ。しかし・・・集まるレコードの数というのは正直なものだ(笑)pacific,verve,emarcy,limelight もちろん全部ではないが、たいていのタイトルが集まっていたのだ。ある時、それを自覚した・・・オレはマリガンが好きなのかな?
僕のマリガン聴き込み(というほどのことはないのだが)は、もちろんチェット・ベイカーとの初期カルテットから始まり、次にマリガンのビッグバンド~コンサート・ジャズ・バンドが好きになった。そのConcert Jazz BandのVerveの諸作をひと通り聴いてしまい、次にlimelight盤もいくつかを聴いてみると、そこにはそれほどいいと感じるものがなく、その辺りまでくると・・・マリガン本人の個性というもの自体には、実はそれほど惹かれてないことに気が付いた。初期カルテットもよく聴いたが、ほとんどチェットの方を聴いていたのだ。そこで再び自問自答・・・オレはマリガンという人をホントに好きなのかな?(笑)
そう考えてみると・・・これこそがマリガンだあ!てな具合にバリサク奏者としてマリガンの持ち味を感じさせてくれるようなレコードが・・・作品数が多い割には案外に少ない。006
マリガンのバリサク・・・ああ、ひとつ、いいのがあったぞ。それは、強烈さとは無縁の、しかし不思議と何度でも聴きたくなる、穏やかな味わいのレコード・・・Jeru(columbia)だ。
このレコードは、一発で気に入った。一発というのは、本当にA面の最初の出だしから・・・という意味である。
A面1曲目は capriciousというボサノヴァ風の曲なのだが、これがもう・・・気持ちいいのである(笑)何がいいって・・・そのバリトンのライトな音色、ドラムスのデイブ・ベイリーの抑えた叩き方、トミー・フラナガンのピアノもジェントルでありながらピシッとリズムの効いたコンピング(和音の押え方)だ・・・そうしたもの全てが一体となって誠に「趣味のいい」サウンドを造り上げているのだ。考えてみれば、もともと「音」に理屈はないわけで、音楽というのは「音」そのものに快感がある・・・とも言えるわけで・・・だから「いいサウンド」を生み出すミュージシャン、あるいはバンドというものは、それだけでもう素晴らしいわけである。
それにしても、マリガンさん、なんでこういう作品~ワンホーンでじわじわ吹き込むような持ち味~をもう少し造らなかったのかな?
てなこと考えながら、ジャケット裏を見て驚いたのだが・・・produced by Jazztime Productionとなっており、Executive ProducerがなんとDave Baileyとなっているではないか!う~ん・・・ドラマーがプロデュースする~というのも珍しいだろうし、でもやっぱりミュージシャンでもあり、そうして趣味のいい人がプロデュースすると、こういう趣味のいいレコードができるのだろうなあ。008
もう1枚は・・・Gerry Mulligan Quartet(columbia)
このレコード、僕はCBSソニーから出た1300円盤で聴いていたのだが、オリジナル盤というものに惹かれるようになってから、米columbiaの<6ツ目CSステレオ盤>が好きになったので手に入れた。こちらも理屈ぬき・・・バンドのサウンドが心地よいのだ。columbiaレーベルのマリガン作品は少ないが、その数少ない2枚ともに僕が惹かれたのは・・・おそらく偶然ではない。
この2枚とも・・・相方がアート・ファーマーなのである。私見では、マリガンとファーマーの「音色のブレンド具合」がとてもいいのである(というか、それが僕の好みということなのだろう) マリガンのいい意味での軽さとファーマーの潤いのある音色が混じると、バンド全体のサウンドがしっとりした感じになるというか・・・いい感じの温かみが生まれるのだ。ついでに言うと、そのしっとり感と米columbiaレーベルの温かみのある音質~こちらの相性がとてもいいように思う。
この2枚に、もう1枚~night lights(philips)だ。これも素晴らしい。こちらには名手~ジム・ホールが入った分、またちょっと違う味わいがあるが、マリガンが「バンド全体でひとつのムードを造り出している」という点では似た質感の作品だと思う。これらの嬉しい例外の他には・・・僕にとって「マリガンの愛聴盤」と言えるものが、長いこと、なかったように思う。

余談だが、僕が好みでないブレンドがある。マリガンとはうんと古くから共演しているボブ・ブルックマイヤー・・・僕は彼が苦手なのである。それはたぶん・・・ブルックマイヤーが悪いわけではない(笑)あの楽器~ヴァルブ・トロンボーンが悪いのである。あのモゴモゴとした音色が・・・本能的にダメなのである。器楽の味わいとしての話しになるが、トロンボーンの「抜けの良さ」というのは本当に気持ちいい!それに比べ、あのヴァルブ・トロンボーン(トランペットと同じように3本のピストンで音程を造る型のトロンボーン)の音色というのは、宿命的に「抜け」が悪いように感じる。

 

しかし、このところ・・・マリガンのいくつかのレコード~
Gerry Mulligan Meets Johnny Hodges(Verve MGV-8367)
Gerry Mulligan Meets Ben Webster(Verve MGV-8343)
Getz Meets Mulligan in HI-FI(Verve MGV-8249)
を聴くに及んで、マリガンという人に対する僕の感じ方が、ちょっとづつ変わってきた。
ちょっと前の<夢レコ~クリフォード・ブラウン>で「音色そのものを味わいたい」というフレーズを記したが、マリガンの場合も、少ない編成でじっくりとバリトンサックスを吹くマリガンの音色・・・(僕にとっては)やはりこれが気持ちいいのである。
この3枚・・・言わばVerveのGerry Mulligan Meetsシリーズである。この1~2年で、これら3作を入手して聴いてみると・・・どれもが「愛聴盤」になってしまったのだ(笑)
ホッジス、ウエブスター、ゲッツ・・・それぞれに強烈な個性を持ったサックス奏者とマリガンがmeetsする~邂逅というのも大げさだし、シンプルに共演するという感じだろう~というノーマン・グランツの企画ものである。実は、僕はこの「meetsもの」を案外、低く見ていた。JATPでも後期にはマンネリ傾向があったと思うが、要するに大物同士を対決させてそのブロウ合戦を楽しむ・・・といういかにもお手軽な思いつきという感じで、まあだからこの手のレコードまで手が伸びる順番がこんなに遅くなったのだが(笑)

 

0022~3年前だったか、ホッジス盤を入手して聴いてみた。これが・・・対決とは程遠い実に和(なご)やかなムード溢れるいいセッションだったのだ。僕はこのレコードで、改めてジョニー・ホッジスという人の「芸」の細やかさを感じ取ることができた。そうしてその芸を引き出したのは・・・間違いなくジェリー・マリガンの絶妙な合わせなのである。さきほど「音色のブレンド」ということを書いたが、そのブレンドの具合の良さといったら・・・これはもう絶品なのである。
マリガンという人はアレンジャー出身ということもあるだろうが、いつも「サウンド全体」を意識しているように見える。というのは・・・例えば、このレコードA面1曲目(bunny)のテーマの部分~マリガンの鳴らすバリサク(バリトン・サックス)の音には、無自覚に思うがまま吹くというような気配はなく、その時の相手のフレーズ、その音量、その盛り上げ具合・・・そんな相手が造ろうとしている「流れ」に応じて、自分が吹くバリサクの「鳴り具合」をコントロールしているような感じを受ける。マリガンという人・・・だいたいがおそらく3~4割ほどの抑え目の音量で吹いているように聞こえる。それは淡々として迫力不足とも取れるのだが、こういうホッジスのような「強烈個性」の持ち主と相対する場合には、それが逆に効果的に映るのだ。それは相手を生かしつつ、自らも生かす~という、不思議だがそういう感じなのだ。
Meets Hodgesには、いいバラードが入っている。what the rushという曲なのだが、これはもちろんホッジスの見せ場として選んだようで、だから、この曲では、マリガンはただの一音も吹かない。そういうセンスも素晴らしいじゃないか。
僕が思うホッジスの名人芸というのは、メロディの音程のごく微妙なピッチを(音程~この場合、半音のまた半分くらいの量)ベンドさせるような技~たぶん絶妙なリップコントロール(唇の締め具合)のことなのだが、全体には静謐(せいひつ)で淡々としたこのバラードの中で、その決め技が見事な隠し味になっているように思う。
この地味なバラードの作者が、なんとジェリー・マリガン、その人なのである!
(クレジットによると、Mulligan-Holidayとなっているので、ひょっとしたら、ビリー・ホリデーも唄っているのかもしれない)*追記~この「ホリデー」については、NOTさんから正確な情報を頂きました。NOTさんの5/6付コメントをご覧ください)

 

004 そして、ベン・ウエブスター盤~ウエブスターの力感溢れる濃厚なテナーの音色。これは・・・濃い!(笑)
それはまるで太いチューブから練り出されてくる濃厚な色の絵の具のようでもあり、それは正しく「強烈な個性」と言っていいかと思う。そのウエブスターとマリガンの対比が、これまた実にいい按配なのだ!
スタンダード曲ではchelsea bridgeとsunday。マリガンという人は、バラードを大好きなようで、ホッジス盤と同じように、こちらのウエブスター盤にも自作バラードを忍び込ませている。tell me whenという曲だ。これがまたなかなかいいメロディで、ウエブスターがそれを味わい深く吹いている。
マリガンはウエブスターの吹くメロディに、時々、優しく寄り添うように合わせフレーズを入れてくる。それは伴奏としてのフレーズであり、決して自らを主張してくるような感じではない。この1曲全体を仕上げたい・・・というマリガンの気持ちのこもった「合わせ」のように思えるのだ。
chelsea bridgeでは、ウエブスターの吹くテーマのバックで、はっきりと「バリトンサックスで伴奏」している(笑)その伴奏のやり方がとてもユニークな吹き方で~ピアノでいうトリルのように高い音と低い音を素早く交互に繰り返す技~それはユニークなだけでなく、見事に効果的なのだ。こんな技を静かなバラードのバックにさりげなく差し込んでくるマリガンという人も、そうとうな曲者なんだろうな(笑)

 

003 それからゲッツ盤~実はこの3枚の中では最も面白くない・・・と思っている。ゲッツのテナーとマリガンのバリサク・・・一見、最も相性が良さそうじゃないか。でも・・・「音色のブレンド」(もちろん僕の好みの)という観点から見ると・・・案外に面白くないのだ。私見だが、ゲッツとマリガンは~楽器は違うしフレーズも違うのだが~音色の質感が・・・よく似ているのだ。
一度、口の中に溜めておいた息を小出しにするような吹き方(と推測している)で、音色がちょっとくぐもった感じや、サブトーンの割合・かすれ具合などの質感が近いように思う。2人の質感が似ているためか・・・ホッジス、ウエブスターとの共演盤のような「コントラストの妙」が、やや弱いように思える。

Mg_v8348_j_2《追記1~みなさんもコメントで触れてましたが、この「ゲッツとマリガン」A面の3曲~
let's fall in love
anything goes
too close to comfort

は「ゲッツ=バリトン、マリガン=テナー」と、お互いの本職の楽器を入れ替えて吹いてます。そうしてYoさんがコメントで紹介してくれた Stan Getz And Gerry Mulligan, Stan Getz And The Oscar Peterson TrioGetz_mulligan_2tunes_2(MGV8348) というレコード・・・そちらには本職楽器での2曲~
Scrapple From The Apple
I Didn't Know What Time It Was
が収録されているのに、ジャケット写真は「楽器入れ替え」とのこと。ゲッツの表情も面白いので、ご覧ください。 そして、この8348番に収録の2曲、やはり本職だけあって出来がいい。(この2枚の写真提供~Yoさん)》

《追記2~この8249番:Getz Meets Mulligan~すでにNOTさんがコメント(5/7付け)してくれたように、2種のジャケットがあります。Mulligan_meets_getz_2nd
写真自体は同じですが、「1色」と「2色」の2種です。参考に「2色刷りのジャケット」写真も載せておきます。(以下は「2色ジャケ」の方が再発としての話し)
なぜタイトルを「マリガン主役」のMulligan Meets Getzに変えたのか? 
なぜジャケットのデザインを変えたのか?
この辺りのことについては、マリガン好きであるYoさんも大いに興味を持ったようだ。楽器入れ替えの出来映えへの評価とか、また入れ替えテイクがA面3曲全部ではなく、too close to comfortだけかも?という説もあるらしく・・・この「ゲッツmeetsマリガン」にはなかなか謎が多い(笑)楽器入れ替えの真実については~それぞれがA面を聴き込んでみての連日(笑)のメールやりとりの結果・・・2人とも「やっぱりA面の3曲とも入れ替えてるね」それから、その出来映えについても「やっぱり本職でないとアカンね(笑)」という至極当たり前の結論に落ち着きました。楽器入れ替え~その聴き分けのポイントとして・・・Yoさんはまず「バリトン」に注目したようだ。Yoさんは、おそらくマリガンを聴き込んでいるので、マリガン独特のあの「柔らかさ」とは違う何かを鋭く感じ取ったのだろう。
《バリトンでマリガンならバフッと柔らかく出るところがブッと強めに出たりするのでゲッツかな》
僕の場合は、マリガンをそれほど聴き込んでいないのと、バリトンという楽器の特徴ある音色そのものがどうやら脳髄に強く印象付けられてしまっているようなので、「バリトン」という楽器での音色の違いにはなかなか注目が行かなかった。それでもマリガンの「バフッと柔らかく」という感じはよく判るので、この場合、Yoさんが言うところの「ブッと強め」というのは、たぶんマイナス要素だろう。
その辺りを意識してバリトンのソロを聴いてみると・・・なるほど、Yoさんが言うのはこういうことかな・・・と思える場面がいくつかあった。《Yoさん仰るように「バリトンの一番低い方の音~これが・・・さすがにゲッツでも鳴ってない(笑) ブワッ!と吹く時、ちょっと割れたような、まあどちらかというとガサツな汚い音になってるみたいですね。要は「鳴ってない」のかな》
そんなわけで、僕の方は「テナー」に注目した方が判りやすい。A面3曲のテナーソロを聴くと・・・音色自体もちょっと堅めで詰まったような感じだし、高音域のフレーズではピッチ(音程)がけっこう悪いように聞こえる。そして決定的なのは・・・テナーのソロにイマひとつ冴えがないことだ。こんなフレーズに閃きのないテナーが・・・ゲッツのわけがない(笑)
そんなわけで、ここしばらく、Yoさんはマリガンをいろいろ聴いたようだ。そうしてそれは、僕の方も同様である(笑)
ジャケットのデザイン・タイトル変更については・・・以下、もちろん推測です。この3枚の番号はこうなっている。
Gerry Mulligan Meets Johnny Hodges(Verve MGV-8367)
Gerry Mulligan Meets Ben Webster(Verve MGV-8343)
Getz Meets Mulligan in HI-FI(Verve MGV-8249)
つまり発売は・・・ゲッツ~ウエブスター~ホッジスの順なので・・・そこから考えると、最初のゲッツ盤の時点では、まだ「マリガン主役のmeetsシリーズ」という概念はなくて、その後の2枚がYoさんも仰るように出来もよかったので、(ホッジス盤の後)、ゲッツ盤を再発する折に・・・グランツが「マリガンmeets シリーズ」として考えて、ジャケ・タイトルを変更した~という流れかな、と思います。
グランツがそう考え直したのは・・・・NOTさんも?付きでコメントされたように、マリガンお得意のクレームがあったのかもしれません(笑) いや、それよりもグランツがマリガンに気を使いつつ、「Mulligan meets シリーズ」にした方が、より売れる・・・と判断したのかな》


コントラスト・・・という観点で実はもう1枚、興味深いレコードがある。ご存知・・・Mulligan Meets Monk(riverside)である。モンクのこととなると・・黙っちゃおれない僕だけど、今回は「バリトンと他のサックス奏者との音色」がテーマでもあるので・・・そのモンク盤のことはまたいずれ取り上げたいと思います(笑)
ウエブスター盤の場面で「合わせフレーズ」という言葉を使ったわけだが、この3枚のMeetsシリーズを聴いてからは、マリガンというと・・・反射的に「カウンター」という言葉が浮かんでくるようになってしまった。この言葉はボクシングのカウンターと同じ語源のはずだが、ジャズの世界では、他の誰かが吹く主メロディに絡むように別のメロディ(というかフレーズ)を吹く場面のことを「カウンター的に」とか「対位法的に」という意味で使っていると思う。
そうして、「カウンター」といえば「あしたのジョー」だ(笑) 相手がパンチ(例えば左ストレート)を繰り出してきたその瞬間、こちらは右ストレートを相手の左ストレートにかぶせるように打ち込む必殺のパンチである。
ただし・・・マリガンの「カウンター」は、ボクシングのカウンターとは意味(効果)が決定的に違う。ボクシングの「カウンター」は相手を倒すためのものだが、マリガンの繰り出すカウンター(的メロディ)は、相手を生かすためのものなのである!
それは相手を生かしつつ、自らも生かす~という「優しいカウンター」・・・なにかしら東洋の哲学のような雰囲気さえ漂ってくるではないか(笑)
マリガンという人の味わい・・・それは、和紙に沁み込んだ濃い絵の具が、自然にじわ~っと拡がってくるような、そんな優しい表れ方のようでもあり・・・そうしてそれこそが、マリガンという人の真の個性なのかもしれない。

ジャズはまだまだ面白い。

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コメント

NOTさん、コメントどうもです。
いやあ・・・まったくこの「Getz Meets Mulligan in Hi-Fi(MGV-8249)には、悩まされますね(笑)
《ゲッツmeetsマリガン」の再発がなぜ「マリガンmeetsゲッツ」になったのか?》
NOTさんも同じ見解ということでよかったです(笑)

>MGV‐8248の「JAZZ GIANTS ’58」~
ああ・・・「ジャズ・ジャイアンツ58」において「ゲッツ/マリガン」の顔合わせがあったんですね。残念ながら、その「~'58」~国内盤はおろかCDさえも持ってないのですが、たぶん、本人たちの意気投合というよりは、グランツがその時のサウンドを気に入って、それでこの8249(Getz Meetz Mulligan)を企画したんでしょうね。
その辺の期待感(サウンドへの)が、グランツ氏の8249番ライナーノートの冒頭~
[I've conjectured ~ what kind of sounds should come from a meeting between Gerry Mulligan and Stan Getz]
[マリガンとゲッツ、この2人が一緒に演ったら、いったいどんなサウンドになるんだろうな・・・と想像してきたよ]
に表われてるのかもしれません。

>推測の域を出ませんが当初予定より短時間で終了し時間が余ったのでMULLIGANが「ちょっと、遊ぼうぜ」的な提案で楽器を交換したのでは・・~
うん、なるほど!ミュージシャンは「お遊び」のつもりで演ったら・・・グランツがその3曲(let's fall in love, anything goes, too close to comfort)を面白がって8249番に入れてしまった・・・そういうことかもしれませんね。しかし「お遊び3曲」を後発(予定)の未発表テイクのオムニバス盤に入れるならともかく、こちらの本気盤(8249番)に入れたのは・・・やっぱり成功したとは言い難いですね。お遊び3曲も「売る材料」に使い、本テイクの残り2曲(Scrapple From The Apple とI Didn't Know What Time It Was)もオムニバス盤に使い・・・う~ん、グランツ氏・・・やっぱり商魂たくましいのか(笑)
でもまあ、この楽器入れ替え3曲が《ちょっと、遊ぼうぜ」的な提案》だったとすれば・・・いや、たぶんそうであったろうと思うので、少なくとも僕のアタマに渦巻いていたマリガンへの疑惑(あまり巧くないピアノ弾いたり、テナーも吹いたり・・・ちょっとその辺には疑問を感じてしまうbassclefでもあります~というコメントもしたので:笑)も、だいぶん解消されましたよ(笑)

投稿: bassclef | 2009年5月24日 (日) 10:30

こんにちわ。

GETZ=MULLIGANに言及した「追記2」はなかなか充実していますね。

>>つまり発売は・・・ゲッツ~ウエブスター~ホッジスの順なので・・・そこから考えると、最初のゲッツ盤の時点では、まだ「マリガン主役のmeetsシリーズ」という概念はなくて・・・

まったくそのとおりだと思います。GETZ MEETS MULLIGAN IN HI-FI(MGV-8249)はその一番前(MGV‐8248)の「JAZZ GIANTS ’58」の副産物のようで、このセッション(GETZ、MULLIGAN、EDISON+OP4)で意気投合した?GETZとMULLIGANは2か月後に8249を録音します。

そして楽器交換のことですが8249のセッションを調べるとB面の3曲、Yoさん写真提供の8348の2曲、つまり正規の楽器で一枚分の録音を終えた後、楽器交換してA面の3曲を演奏したようです。推測の域を出ませんが当初予定より短時間で終了し時間が余ったのでMULLIGANが「ちょっと、遊ぼうぜ」的な提案で楽器を交換したのでは・・。

それを商魂逞しいNORMAN GRANTZは見逃さず「大物2人が楽器を交換した世紀の名盤」的なうたい文句で売り出したかったからお遊びの3曲を入れた・・そのため当初入る予定の2曲が余ってしまったので8249の英文解説の最後に「この歴史的セッションの2NDは直ぐに出るから待っててね」と記載しています。実際には直ぐに発売されずMGV8348で陽の目を見ることになります。

投稿: NOT | 2009年5月24日 (日) 08:14

ああ、北のdukeさん、コメントをthanksです!
マリガンって・・・やっぱり目立ちたがり屋ですかね(笑)>サンデイ・デニス~
微かに記憶がありちょっと調べたら・・・ああ、あの女優さんでしたか。デニスという人~左時枝という日本の女優にちょっと似た感じの、額が広くてちょっとクセのある感じじで・・・たいてい暗い感じの文学的な映画に出てた人ですね。
あの女優さんとマリガンが・・・知らなかったですね。
ジュデイ・ホリデイのLPタイトルが・・・Trouble is a man! う~ん・・・あまり笑えないような・・・dukeさん、しゃれがキツイですね(笑)
よしっ、そのジュディさんを聴いてみよう!

投稿: bassclef | 2009年5月23日 (土) 12:44

bassclef さん、ご無沙汰しております。

マリガンは bassclef さん同様、知らぬ間にレコードが増えてしまったプレイヤーの一人です。多分に軽々と吹くバリトンの明るい音色と、映画「私は死にたくない」で見るステージの格好良さや、似合いすぎるGIカットに惹かれるのでしょう。

Meets シリーズは目立ちたがり屋らしいマリガンの特徴がよく出ておりますね。相手をかえるのはプレイヤーばかりでなく、奥さんもかなりかえているようです。サンデイ・デニスとも結婚しましたがこの人も女優でした。デニスといいジュデイ・ホリデイといい女優が好きだったのかもしれません。ジュデイは44歳の若さで亡くなっておりますが、きっと男では苦労したのでしょう。容姿に似合わずおばちゃん声でしたし、アルバム・タイトルは、「Trouble Is A Man」でした。(笑)

投稿: duke | 2009年5月22日 (金) 21:15

konkenさん、D35さん、コメント、どうもです!
なんだかんだ言っても、ジャズのことについては、岡崎市は素晴らしいですね。キッカケはもちろん内田氏が自身のコレクションを贈呈したこと(それを開示する責任)だと思いますが、何年か前に「女性ジャズピアニスト」を主役にしたNHKの朝TVドラマを期に「ジャズの街:岡崎」みたいなノリになってきたみたいですね。岡崎市民のkonkenさん、S田さん・・・税金thanksです!(笑)
(D35さん、今回はそのこともあって、まず岡崎市民のkonkenさん、S田さんとそれぞれ連れの1名~ということで申し込みをしてもらった次第です)
でもまあ、こういう趣味のことは・・・市を挙げて行政側がいろいろやってくれても、なかなか広まらない感じもしますが・・・やらないよりやった方がいいに決まってる(笑)
土曜のレコードコンサートも、岡崎のジャズ好きの会の方が、工夫していろいろやってくれるんでしょう。馴れてきたら・・・好きなレコード(曲)でもリクエストしちゃおうかな(笑)
内田氏地下室を再現したという、そのオーディオにも期待してます。
papaさん、D35さんも興味津々のようなので、見てきたら(聴いてきたら)またこの場で報告しましょうかね。

投稿: bassclef | 2009年5月20日 (水) 20:13

konkenさん、お誘いありがとうございます。
そのメンバーでしたらよけいに行かねばと思います、またメールしますね。
先程やっと「ナイトライツ」聴きました、bassclefさんが苦手なブルックマイヤーとペットがファーマーのやつです。
私には違和感なくゆったりと聴けました(笑)。
他には3枚しかなく、ココに出てくるレコードは持っていませんし皆日本盤です、面目ない。
その中でも「カリフォルニアコンサーツ」は元気があって好きです。
Yoさん、内田先生は3年前矢野佐織と市原ひかりの名古屋デビューの時にも見かけました。
まるで孫の初舞台を見守るおじいちゃんみたいでした(笑)。
bassさん、本文に関係ないことばかりでスミマセン。

投稿: D35 | 2009年5月19日 (火) 00:01

>そういえば・・・10年くらい前だったかに、岡崎市の南公園という所で・・・
それは多分岡崎市中央総合公園のことだと思います。
D35さん、今度の土曜に私、bassclef,recooyaji両氏とS田くんと4人で内田再現オーディオを聴きに行きます。一応予約制ですが来てしまえば断られることはないと思いますよ、可能ならご一緒に如何ですか?
内容はプレスティッジのコルトレーンということで、問い合わせたところ"Coltrane""Soul Trane""Tenor Conclave""Bahia""The Believer"の5枚を用意するそうです。全てオリジナルとは限りませんし、市の職員にそれを判断させるのは難しいと思われます。要望、質問のメールは歓迎のようですので、参加の有無に関わらずマニアックな質問をして市の担当職員を育ててやってください。

投稿: konken | 2009年5月17日 (日) 23:45

D35さん、いつもコメントをどうもです!
そういえば・・・10年くらい前だったかに、岡崎市の南公園という所で一ヶ月ほどの期間でレコード展示とミニライブ(毎週の土・日)があって、その時、デビュー間もないケイコ・リーを見ました。ドスの効いた声に驚きましたが、ピアノ弾き語りで唄うmy foolish heartはあまりに良かったので、終演後に握手してもらいました(笑)
ちゃんとしたミュージシャンのライブは、たいてい楽しめますね。
>パトリシアン~その名前を知らなかったのですが、内田コレクションのHPの「オーディオ」を見たら、判りました。ウーハーが76cmですか・・・う~ん・・・。当時、内田氏があえてJBLではなく、このエレヴォイ社のパトリシアンというスピーカーを選んだとのことですね。どんなベース音が鳴るのかな?

投稿: bassclef | 2009年5月17日 (日) 19:00

こんにちわ、ご無沙汰してます、空振り続きの私ですが、bassclefさんのブログを見て気晴らしさせてもらっています(笑)。
皆さんのコメントは相変わらず深いですが、岡崎の内田コレクションには相当惹かれました。
ぜひあのパトリシアンでオリジナル盤を聴いてみたいものです。
昔ライブハウスによく通った頃、売り出し中のケイコリーさんや寺井尚子さんのライブがあるときよく見かけました。
大勢のミュージシャンを育てた人でもありますね。

投稿: D35 | 2009年5月16日 (土) 16:37

上不さん、コメントありがとうございます。
Frank Isola(この人、アイソーラと呼ぶのかな?)を巡るマリガンとゲッツの因縁話し・・・それは、知りませんでした。
その話しとは直接の関係はないですが、そういえば、NOTさんとマリガン絡みのレコードのジャケットが差し替えになったという話題の時、「マリガンがクレームでも出したのかな?」という(憶測レベルですが)という話しになりました(笑)
ゲッツについても「(音楽は最高なのに)人間性はアカン・・・」というような話しを何度か読んだことあります。
ほとんどのミュージシャンに(たいていは麻薬絡みでか)ダーティな話しがあるようにも思います。
まあ、その手の話しは・・・知りたいような、知りたくないような(笑)
ロリンズだけにはそういう類の話しを聞いたことがないように思います。そのロリンズが何かのインタヴューで「人間として本当に尊敬できたのは・・・クリフォード・ブラウンだけだ」というようなことを話してましたね。やっぱり・・・クリフォード・ブラウンは「いい人」だったんでしょう。あのピュアな音色を聴けば・・・単純な僕には、やはり、そうとしか思えない(笑)

投稿: bassclef | 2009年5月15日 (金) 19:03

ホリデイ(Holliday)はNotさんのおっしゃる通り勿論Judyで、当時のマリガンの奥さんのような(!!)存在だった女性です。Getz-Mulliganがいまひとつしっくりしないところがあるようなら、それは音楽的なものより、2人の個人的な問題です。Getz在籍中のFrank Isola(ドラマー)をマリガンが人に言えないような姑息な手で奪った有名なエピソードをご存知ですか?

投稿: 上不三雄 | 2009年5月14日 (木) 20:49

67camperさん、いつもコメントをthanksです!
camperさんも、しっかり「マリガン好き」のようですね(笑)
>一番楽しめる"JERU"ですよね。やはりトミフラが最高~
そうですね。トミー・フラナガンのピアノが、ああいうintimate(親密な)感じのセッションによく合うんですよね。いや、トミ・フラが入っているから・・・そのintimateな雰囲気が生まれるのか・・・たぶん、その両方でしょう(笑)
JERU~僕の手持ちは写真でもお判りのように、ラベルがColumbia Special Products なんですよ。そしてたぶんこのレコードのオリジナルは「2eye」だと思います。なので・・・これもたぶん、音の鮮度の良さそうな2eyeラベルが欲しいのですよ(笑)

>ステージ映えのする~
そういえば、一度、マリガンを見ました。1982年の長野:斑尾ジャズフェスティバルでした。マリガンは真っ赤なジャケットを着ていて、オーケストラを指揮しながら、颯爽と軽やかなバリトンを吹いてましたね。
その斑尾での僕のお目当ては「グレート・カルテット」(マッコイ、フレディ・ハバード、トニー・ウイリアムス・ロン・カーター)だったので、当時は「マリガン好き」でもありませんでしたので、トップに出てきたマリガン・オーケストラを見ても「ふ~ん・・・これがジェリー・マリガンか。ヒゲが凄いなあ」という感じでした(笑)
そのマリガンのステージの時(斑尾は高原なので)だんだん霧が濃くなってきて、ステージが見えなくなってきたのですよ(笑)それでも、マリガンの真っ赤なジャケットが・・・うっすらと・・・その霧の向こうに垣間見えるわけです。それもカッコ良かったな(笑)

投稿: bassclef | 2009年5月12日 (火) 19:53

bassclefさん,マリガンに関して大作ですね。
今度は何がでるだろうと戦々恐々でした。相変わらず,コメントされたみなさんを含めて深いですよねぇ。
マリガンとゲッツ,マリガンとホッジズ,自分も再発盤で所有しています。ゲッツが水色,ホッジズが赤のイラストのカバーのものです。個人的にはラビットびいきなので,ホッジスをもっぱら聴いてます。
マリガンは,ご指摘のコロンビアの2枚,mono-monoさん垂涎の一枚と一番楽しめる"JERU"ですよね。やはりトミフラが最高かと・・・。マリガンは格好良過ぎます。恐らく,相当にステージ映えのするいい男だったのではと推測いたします。やっぱり,バリトンでは絶対はずせない名プレイヤーですねぇ。

投稿: 67camper | 2009年5月12日 (火) 07:04

Yoさん!マリガン愛情コメント(笑)どうもです。
>Stan Getz And Gerry Mulligan, Stan Getz And The Oscar Peterson Trio(MGV8348)~
ああ、そのレコードは持ってないのですよ。いいなあ(笑)その黒トランペットも欲しいのですが、ピーターソントリオのCDとGetz Meets MulliganのCDは持ってまして、そちらにそれぞれの未発表曲が入っているので、とりあえず音源は聴いてます。
>Scrapple From The Apple とI Didn't Know What Time It Was が入っているのですが、どちらも何故8249の時に撥ねられたのか?と思うくらい素晴らしく~
この2曲、今日の午前中に聴いてみました。まったく同感ですね。出来のいいこの2曲を、なぜGetz Meets Mulliga(8249)に入れなかったのか?

Stan Getz And Gerry Mulligan, Stan Getz And The Oscar Peterson Trio(MGV8348)のジャケット写真には「ゲッツ=バリトン、マリガン=テナー」の写真が載っていることも考え合わせると・・・以下は、僕の妄想です。

あの2人の楽器入れ替えについては・・・グランツも「お遊び」だと認識していた。なので1曲程度にしようと考えて、それでこのYoさんお持ちのMGV8348収録の2曲は、もちろん8249のA面に入れるつもりだった。そうして8249のA面に入っているどれか2曲を、こちらの8348に「珍しいテイク」として入れるつもりだった。それが製作段階の単純な手違いで、間違えて収録してしまった・・・てな妄想なんですが(笑)
まあそう考えたくなるくらい・・・その方がGetz Meets Mulliganとしては、いいレコードになったと思えてなりません。
~in Hi-Fiの意味もよく判りません。ひょっとしたら・・・楽器を入れ替えても巧く吹く~というそのことを、当時はやりのhi-technology的なイメージにかこつけて・・・無理やりin-Hi-Fiとしたのかもしれませんね。
そうだとすると「単純な収録ミス」は、ありませんね(笑)

投稿: bassclef | 2009年5月10日 (日) 23:56

シュミットさん、今回もコメント、嬉しいです。
この2枚には独特な気配~マリガンがこの2人(ジョニー・ホッジスとベン・ウエブスター)を大好きで、精一杯のリスペクトを表そうとしている感じ~が満ち溢れていて、ほのぼのとした中にリスペクトの気持ちが自然に表れている・・・僕は、そう聴いています。
>「叔父と甥」~なるほど「叔父と甥」ですか・・・巧いこと言うなあ。思うに、シュミットさんには、尊敬できる、そして大好きな叔父さんがいたんでしょうね(笑)

ゲッツ盤での気配がちょっと違うのは、(たぶん)マリガンと世代が近いので、もうちょっとライバル意識みたいなものが(笑)(これはデスモンド盤についても同じかな?)という風に邪推しております(笑)

エリントン/ミンガス/ローチの「マネー・ジャングル」~そうですね・・・「血が近い」感じはありますね(笑)
疲れてしまう感じ~それは・・・ミンガスのサウンドでありローチのサウンドですから(笑)
実は・・・その「疲れちゃう」感じのためかどうか・・・僕は、このレコード(入手したのは、1978年くらいだったと思いますが)あまり聴き込んだ記憶がないのですよ。その頃はミンガス目当てで買って、しかし・・・楽しめなかったようです。その後、入手したDuke Plays Ellington(capitol)は、すぐ気に入って、そのうんと後に聴いたパブロ時代のレイ・ブラウンとのコンビ作(Big 4、ジミーブラントンに捧ぐ)も、愛聴しております。だから・・・「エリントンのピアノ」自体が苦手ということは全くないのに。

「マネー・ジャングル」~よく世評では、偉大すぎるエリントンの前で、ミンガスもローチも萎縮した~と言われてますが・・・どうでしょうかね?
萎縮」とは思いませんが・・・ミンガスがちょっと(ミンガス流の)小技に走っていたような、そんな印象はありましたね。「マネー・ジャングル」~またちゃんと聴いてみたいと思います。

投稿: bassclef | 2009年5月10日 (日) 22:20

bassclefさん、今度はマリガンですか?私もマリガンは大好きです。
マリガンのmeetsシリーズで提示されたホッジス、ウェブスター、ゲッツはいずれも70年代のドイツ再発盤で持っていてなかなか音が良いのでオリジはその後ホッジスのモノ盤を買っただけです。
この他ではNOTさんが仰ったデスモントの2枚と後はコニッツ(Pacific Jazz38)が有りますね。分類してみると上記3枚はピアノ入りでデスモント、コニッツはピアノレスですね。個性が強くソロバトル中心になる3人はピアノを入れ、演奏の色が近くマリガン得意のソロの織り重ねやハーモニーが構築できると判断した2人はピアノレスにしたのではないかと思っています。デスモントとのピアノレスカルテットは常設バンドのように素晴らしいし、コニッツではチェット・ベイカーが入っていて、最初「ピアノレスカルテットにコニッツが客演」のように思いましたが、チェットが霞むくらいマリガンとコニッツの掛け合い、ハーモニーは絶妙の感があります。
昔上記3枚を聞いたときは私もゲッツ盤がつまらなく感じたものでした。このように分類してみるとゲッツが個性強い派と同系派の中間で中途半端なのかなと思いますが、そのつもりで聴くとなかなか楽しく聴けます。私はオリジ系では Stan Getz And Gerry Mulligan, Stan Getz And The Oscar Peterson Trio(MGV8348)を持っています。最初8249と8251のオムニバス盤かと思って安くで買ったのですが、聴いてみると2つのセッションの未発表曲集でマリガンとはScrapple From The Apple とI Didn't Know What Time It Was が入っているのですが、どちらも何故8249の時に撥ねられたのか?と思うくらい素晴らしく・・・たぶん演奏が長い所為で曲数の問題だったと思いますが・・・今ではこの盤を良く聴きます。只この盤のジャケ写真がNOTさんご指摘の楽器交換した写真で戸惑います。(内容は交換していません)
Night Lightsの件ですが、私は大好きです。あのショパンの前奏曲ホ短調はオリジナルの曲想のままソロで繋ぎハーモニーで締める展開は素晴らしいと感じています。この盤はほぼこの展開で統一されていますがこの盤はマリガンの演奏者としての代表作ではなくアレンジャーとしての代表作だと思っています。

投稿: Yo | 2009年5月 9日 (土) 22:22

konkenさん、
musashi no papaさん、
こんばんわ。コメントどうもです!お2人とは白馬の集まりでもご一緒したわけですが、あれからもう2週間が過ぎたわけですか。会ってワイワイ・・・も楽しいですが、こうして拙ブログにコメントいだけるのもなかなか嬉しいものです。
岡崎の内田コレクション~papaさん、ちょうど5月からその内田氏コレクションのレコードを掛けるレコードコンサートというのも始まったようです。konkenさん、S田さん(以前にYoさん宅で会われたと思います)recooyajiさんらともその話しが出て一度集まろうかと計画しております。面白かったらぜひまたPapaさんにもお知らせしますね。

投稿: bassclef | 2009年5月 8日 (金) 21:30

NOTさん、またまたのコメント、どうもです。
>ジュディ~
ああ、そうでした!ジュディ・ホリデーでした(笑)あのcolumbiaのジュディのレコードは、たしか・・・けっこう声がシワガれたような感じで、いかにも演劇的に唄う感じだったので、それほど聴いてません(笑)でも・・・マリガンさん、その頃、ジュディ・ホリデーに惚れたんでしょうね。

なぜ8249だけが、Getz Meetsなのか?そしてNOTさん追加情報によると~再発時には GERRY MULLIGAN MEETS~に変えたそうですね。それは気づかなかったです!それも・・・ちょいとおもしろいトピックですね。NOTさんのマリガン絡み話しには「マリガンがクレーム~」けっこう多いですね(笑)でも・・・ホント、マリガンさん、その辺のプライドがけっこう強そうな気もしますね(笑)
ちなみに、(ごくごく私見ということで)マリガンの吹くテナーは・・・ピッチ(音程)も悪くてアカンですね(笑)(その点、ゲッツの吹くバリトンは、かなりいいかな、と思いました)
マリガンさん、あまり巧くないピアノ弾いたり、テナーも吹いたり・・・ちょっとその辺には疑問を感じてしまうbassclefでもあります。

投稿: bassclef | 2009年5月 8日 (金) 21:23

今晩は、シュミットです。
マリガンの「ミーツ」もの、いいですね。とくに、ホッジスとウェブスターとやったヤツはマリガンとこの二人との距離感が絶妙です。まあ、いわば「叔父と甥」の関係に似てるような気がします。そんなにしょっちゅう会うことはないが、会えば各々のスタンスでけっこう話するみたいな感じです。
こういう叔父や甥がいると楽しいと思います。

マリガンはウエブスターとの「ミーツ」で「go home」というウエブスターのオリジナルをやってるんですが、マリガンはコンサート・ジャズ・バンドでこの曲をレパートリーにして録音も残してます。もちろん気に入ったからなんでしょうが、こういうのってマリガンのイカシタところですね。

エリントンがミンガスとローチを相手に「マネー・ジャングル」っていうレコードをつくりましたよね。これはいわば「親父と息子二人」の関係に似てるような気がします。なんか血が濃過ぎて、私なんか傍目に見てると(聴いてると)疲れてしまいそうです。そんなことないですかね?

投稿: シュミット | 2009年5月 8日 (金) 21:11

bassclefさん こんにちは。お邪魔しまーす。いつも拝見しておりますよ。マリガンのコメントは深い方にお任せですが。konkenさんのお勧めの内田ジャズさんは出来てすぐからメンバーになってメールも戴いていますが、恥ずかしいことに行ったことがないんです。konkenさんが岡崎地元MANでしたら一度案内して戴きたいものです。あの有名なコレクター内田さんのコレクションがそのまま維持されているって素晴らしいことですね。米国ではレオンレビットが有名でしたが彼の収集盤もちりじりに。悲しいことではありますが私も手に入れた一人なのであまり強くはいえないところですね(笑)。bassclefさんとkonkenさんと3人で内田コレクション見に行きたいものです。

投稿: musashi no papa | 2009年5月 8日 (金) 11:06

カウンターと言えばこのブログにもカウンター付いていますよね。こんなマニアックなブログにしては凄いアクセス数じゃないですか?この1時間ほどで数十件のアクセスありましたよ。物言わぬ隠れ常連客が存在するのはうれしいですね。ちなみに私、愛知県岡崎市在住でありますが、岡崎市は昨年秋に移転新装した図書館"Libra"に「Dr.ジャズ」こと内田修氏の寄贈した展示スペースがあります。http://www.uchida-jazz.jp/

投稿: konken | 2009年5月 8日 (金) 00:02

こんばんわ。また突っ込みたくなるようなコメントをされるもので・・・(笑)

>>今、よく見たら「ゲッツ盤」だけは・・・Getz Meets Mulliganでしたね

同じVERVEトランペット・ラベルで再発されたジャケットをご存じですか?同じ写真を使うもカラーがグレーとピンクに替わっています。タイトルもオリジナルの「GETZ MEETS MULLIGAN IN HI‐FI」が「GERRY MULLIGAN MEETS STAN GETZ」と替わりレコード・ナンバーもMGV―8249からV-8249 と変更されています。MULLIGANがクレームを付けたんでしょうかねぇ?それとこのオリジナルだけ「HI‐FI」のなのも特別の意味があるんでしょうか?

それとジョニー・ホリディではありませんよ、ジュディです。ジョニーでは男になってしまいます。

投稿: NOT | 2009年5月 7日 (木) 21:32

おおっ、洗濯船Mさん!白馬の集まり~大変、お疲れ様でした!このブログにコメントを頂けるとは・・・嬉しいです(笑)
Mさん~マリガンもお好きでしたか。
>マリガンのハーモニーはすばらしい~
まったくです。特にもう一人が吹く主メロディに、おそらくアドリブ的に絡ませる時のカウンター・・・その時、単に対位法的にだけでなく、ハーモニー感覚も併せた感じのメロディを吹くあたり、絶妙だと思います。
(ついでに言うと、ボブ・ブルックマイヤーもたびたび同じようなことをやるが(やろうとするが)マリガンのレベルには程遠いので・・・僕の耳には、ただせわしない感じに聞こえることも多い)
ゲッツ盤~僕は、ホッジス、ウエブスター、ゲッツと3枚を同じシリーズとして扱ってしまいましたが・・・今、よく見たら「ゲッツ盤」だけは・・・Getz Meets Mulliganでしたね(笑)つまりこの盤は、「ゲッツ」が先だから・・・それもちょっとプロデュース意図が違ったのかもしれませんね。
「2人の楽器入れ替え」のこと、知ってはいたのですが、A面を聴いた時の違和感(混乱~楽器の音はバリトンだけどゲッツのフレーズ?~当たり前か:笑)みたいなものが強くて、ちょっとこのレコードに辛(つら)く当たってしまったかもしれません(笑)
楽器入れ替えがマリガンのアイディア~それは知らなかったのですが(グランツだと思っていた)ジャケ裏解説を読んだら、そのことも書いてありました。まあでも・・・A面3曲全部・・・というのはやりすぎですね(笑)お遊びは1曲くらいでないと・・・グランツもマリガンには弱かったんでしょうか(笑)

投稿: bassclef | 2009年5月 7日 (木) 20:20

mono-monoさん、いつもコメント、ありがとうございます。
マリガン/ファーマーのwhat is there to say(columbia)はホントにいいですよね。ちょっと残念なのは、本文記事でも触れましたが、なぜあのカルテットでの作品をもっと造らなかったのか・・・ということです。まあ、あのカルテット自体が短命だったとは思いますが、マリガンが最初に組んだバンドもチェット・ベイカーという高音を多用するタイプではないソフトな音色のトランペッターだったことを考えると・・・おそらくマリガン自身も本当はファーマー(みたいなトランペッター)とコンビを組みたかったのかな~と勝手に推測してます。たぶん・・・ファーマーのギャラが高かったんでしょう(笑)
そういえば、1990年頃の発掘盤だと思いますが、正にこのカルテット(マリガン、ファーマー、ビル・クロウ、デイブ・ベイリー)のレコードがあります。A Night In Rome vol.1, vol.2(fini jazz)というタイトルで、1959年6月ローマ:Adriano Theaterでのライブ録音です。
2枚とも、intimateでありながら、ガッツもあって、いい演奏です。録音もまあまあ。この2枚もお勧めです。

3枚目~いやあ・・・NOTさん、洗濯船Mさんから「あれは楽器を入れ替えてるから」と確認コメントもありました(笑)
さきほどA面少しと(笑)B面をしっかり聴いてみました。
NOTさん、仰るようにB面は・・・大丈夫でした(笑)

投稿: bassclef | 2009年5月 7日 (木) 20:03

こんにちわ。初めて書き込みします。
杜の会イン白馬及びコラムありがとうございました。
マリガン好きなので一言。
昨年、秋の杜の会にホッジス盤(ステレオ)をかけていただきましたが、私はゲッツ盤も好きです。このゲッツ盤のA面はたしかマリガンとゲッツが楽器を交換しているはずです。ですから「音色が似ている」や「コントラストの妙がやや弱い」と感じられたのではないでしょうか。これはマリガンが言い出したようです。
マリガンのハーモニーはすばらしいですね。

投稿: 洗濯船M | 2009年5月 7日 (木) 14:54

ああ、NOTさん、さっそくのコメントをありがとうございます。的確な情報が嬉しいです。鋭い突っ込みにもタジタジであります(笑)
マリガン自作のバラード~what the rushの共作クレジットの「ホリデー」さんは・・・ジョニー・ホリデーのことだったんですか!ジョニー・ホリデーのcolumbia盤はたまたま持ってました。あのレコードにはマリガンは参加してなかったのですね。そういえば、マリガンとその女優の話し(なにか悲恋っぽいような)は聞いたことがあります。なるほど・・・それで当時の本当のコラボレーション音源が後に発表されたわけですね。
ポール・デスモンドとの2枚~VerveとRCA もちろんアタマには浮かびましたが・・・そちらはあまり聴き込んでなかったので・・・特に意図的にはずした~というわけでもないのですが、「マリガンとデスモンド」は、ホッジスやウエブスターとの共演盤とは、ちょっと質感が違うような感じもあり、一緒にはしませんでした(なりませんでした)
ホッジスやウエブスターに対するリスペクトする感じが、デスモンドに対してはまた違う~同世代のライバル意識というか・・・あの2枚は普通のバトル盤になっているようにも思います。またちゃんと聴いてみますね。

Night Lights~いやあ、NOTさん、マリガンマニアだから(笑)あのレコードばかりが持ち上げられること・・・それ自体に我慢ならないご様子ですね(笑)
まあでも、あれはやっぱりいいレコードですよ。ファーマーとジム・ホールの絶妙サウンドが心地いいですし、僕が苦手なボブ・ブルックマイヤーも吹きすぎない感じで(というより短めのソロで)それほど気になりません(笑)

投稿: bassclef | 2009年5月 6日 (水) 20:58

1カ月待たされただけの事はある充実の内容ですね(笑)
マリガン最高です。
コロンビアの「WHAT IS THERE TO SAY」は私にとっても座右の1枚といってもよいレコードです。
聴けば聴く程に素晴らしい。
ファーマーとの部分、なるほど納得です。
Gerry Mulligan Meetsシリーズの上2枚はすぐにでも欲しくなりました。
3枚目は棚の肥やしとなってますが(笑)

投稿: mono-mono | 2009年5月 6日 (水) 20:46

こんばんわ。またMULLIGANですか(笑)・・MULLIGAN好きでは人後に落ちない(?)ので、ちょっと・・・。

>>Meets Hodgesには、いいバラードが入っている。what the rushという曲・・・・クレジットによると、Mulligan-Holidayとなっているので、ひょっとしたら、ビリー・ホリデーも唄っているのかもしれない)

HOLIDAYではなくHOLLIDAY(「L」が多い)でBILLIEではなくJUDY、そう女優のJUDY HOLLIDAY(COLUMBIAに1枚アルバムがあります)のことです。実はMULLIGANと1961年にレコーディングをしていて、中には「WHAT’S THE RUSH」も含めこの二人の共作が4曲あります。但し当時はお蔵になってしまって結局陽の目を見たのは1980年にDRGというレーベルから「HOLLIDAY WITH MULLIGAN」というタイトルで出されたのが最初です。

「MEETS GETS」はA面は何を思ったかバリトンとテナーを交換して吹いているので、やっぱり変で、B面だけ聴くべきレコードです。「THAT OLD FEELING」から始まるB面はかなり好きですね(特に最後のBALLAD)。

それと皆さん大好きな「NIGHT LIGHTS」、マリガンフリークに言わせればこんな「~らしくない」アルバムはありません。それを我が国ではFMのテーマ曲に採用されて人気が出たため、どの雑誌を見てもマリガンの代表アルバムのような捉えられ方・・・・納得できないなぁ~。

bassclefさんの挙げられたCOLUMBIAの2枚と「MEETS HODGES」は私も大好きです。あぁ、それとDESMONDとのアルバムは意図的に外したのでしょうか?

投稿: NOT | 2009年5月 6日 (水) 19:48

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