« <ジャズ回想 第19回>溢れ出るレコード達をどうしようか・・・。 | トップページ | <ジャズ雑感 第28回> ジェリー・マリガンという人  »

2009年3月22日 (日)

<思いレコ 第16回>クリフォード・ブラウン with ストリングス

クリフォード・ブラウンの音色そのものを味わいたい~

002_3 休みの日に好きなレコードを聴く・・・僕にとっての幸せというのは、ほとんどそんなことだ(笑) そうして「好きなレコード」はいくらでもある。聴きたいな・・・と思うレコードは、その日の気分によって変わってくる。
今日は朝から雨模様で薄暗い。僕の気分もなにやら仄かに暗いようでもある。そんな時・・・僕はなぜかWith Stringsを取り出すのだ。
クリフォード・ブラウンのトランペットのあの「鳴り」が流れてきた瞬間、「ああ・・・いいなあ」
その音色に触れるだけで・・・実際、沈んだ気持ちが癒されていくのである。
あのちょっと軽めにも聞こえるパリッとしたペットの鳴り・・・本当にスカッと抜けたようにキレイに鳴っている。そのトランペットの音色が気持ちいいのである。これは・・・理屈じゃない。それは僕にはほとんど条件反射だ(笑) そうじゃない人もいるかもしれないが・・・レコード盤から出てきた「音」に幸せを感じてしまう人間がいる~ということも真実なのだ(笑)

A面が終わると・・・僕は迷うことなくレコードをひっくり返す。そうしてB面も聴き通す。同じような曲が続くのだが、不思議とあっという間に40分が過ぎてしまう。その間、思っていることは・・・「ああ、いいなあ」だけなのである(笑)いい音楽、いいレコードというのはそうしたものだろう。今日の僕にとってはそれが、With Stringsだったわけである。

007このクリフォード・ブラウンの作品、僕は長いこと日本フォノグラムの廉価版で聴いてきた。もちろん最初から嫌いではなかったし、よく言われるような「アレンジが古臭い」とかもそれほど気にならなかった。だがしかし、折りにふれ聴きたい~と思うほど好きなわけでもなかった。

005_3そんな「ウイズ・ストリングス」に特別な愛着を覚えるようになったのは・・・ちょっと前に入手した米EP盤~その中のブルー・ムーンなど聴いた時だった。クリフォード・ブラウンが吹くトランペットの音色の張り具合、輝き、そして何よりもその音の抜け方みたいなものが、国内盤とはだいぶ違うように感じたのだ。006

《EP盤はたいてい4曲収録なので、この2種で計8曲。12インチ盤には12曲収録だから、あともう1種、EP盤があるはずで・・・やっぱりそれも欲しいな(笑)
7インチ盤~柄は小さくても「ブルー・バック」なのが、ちょっとうれしい(笑)》

たぶん僕は、EP盤で聴いた「音色」にそれまでには感じたことのない「ブラウンという人の存在感」みたいなものを感じ取ったのだろう。ただ・・・そのEP盤はオリジナル盤と聴き比べると、ややハイ上がりでふくゆかさに欠けており、さらに2枚ともカッティングレベルが低いようだった。EP盤好きの僕は少々がっかりしたものだが、「With Strings」への愛着はますます湧いてくるのだった。

004_2そうしてちょっと前に12インチ盤「With Strings」を入手した(一番上の写真参照) 残念ながら、これはemarcyの再発で、センターラベルがドラマーの付いてないemarcyの2ndか3rdラベルだ。もちろん裏ジャケットもブルーバックではない。
追記《センターラベルは、Mercuryです。ジャケ表記はemarcyなのに:笑》003

だがこの再発emarcy盤の音・・・これが意外によかったのだ。
鮮度感はあったがややハイ上がりのEP盤と比べると、このemarcy盤では中音域が厚くなったというか・・・トランペットの音色がふくゆかになり、音全体に艶やかさが増してきたのだ。そうしてクリフォード・ブラウンがその艶やかで瑞々しい音色で、例えばcan't help lovin' that manのメロディをじわじわと吹き込むと・・・比喩ではなく、その音が僕の体に沁み込んでくるのだった。

このWith Strings~ブラウンはいわゆるアドリブをほとんど吹かない。どの曲もスローテンポのバラード調なのだが、ブラウンはそんないい曲のメロディを、慈(いつく)しむように・・・丁寧に吹く。ブラウンは本当にゆったりと吹く。パラパラとフレーズを細かく刻んだりはせず、自分自身が、ゆったり伸ばしたロングトーンの響きを楽しんでいるようにも思えてくる。トランペットという楽器の本当に美しい響きをひっそりと味わうだけでいい・・・そんな音楽なのかもしれない。
そうして、ブラウンが丁寧に吹くメロディを味わい尽くすためには・・・その音色全体のニュアンスがとても大事な要素になるのだと思う。

~追記《僕が気に入っているクリフォードの吹き方がある。この男、キレイにプワ~ッと伸ばしたその音の音圧と音量を保ったまま・・・どんな仕掛けか、その音を「むわわ~ん」と膨らましたような感じにするのだ。「膨らます」と言っても、音が拡散してしまうわけではなく、響きはあくまでクリアなままで、その音の輪郭だけを微妙に変化させる・・・シャボン玉を柔らかく膨らましているような・・・そんな感じかな。そんな風に聞こえる場面が確かにある。そしてそのクリフォードの「決め技」に・・・僕は参ってしまうのだ(笑)》

この頃の僕はなんとなく疲れ気味で、そのためか、このレコードを聴きたい・・・と思うことも多い。そうして、聴くたびに・・・気持ちよくなる(笑)
この「クリフォード・ブラウンのウイズ・ストリングス」は・・・僕にとっては、本当に大事な1枚である。
もちろん、1stのオリジナル盤はもっと凄いだろうな・・・と思わないわけでもないが、今の僕にはこれで充分だ。
当分は・・・1stオリジナルを耳にしない方がいいのかもしれない(笑)

| |

« <ジャズ回想 第19回>溢れ出るレコード達をどうしようか・・・。 | トップページ | <ジャズ雑感 第28回> ジェリー・マリガンという人  »

コメント

dukeさん、コメント、thanksです!
>粟村政昭、中村とうよう、相倉久人~
いやあ・・・このメンツ、いかにも皆、ガンコそうですよね(笑)
僕など、そういうガンコさ自体が嫌いではありません(笑)
粟村氏の「ジャズ・レコード・ブック」は、古本屋さんで入手して面白く読みました。当時のほかのジャズ本は、モダン派ばかりでしたが、この本には中間派とかスイング派のミュージシャンも載っていて役に立ちました。
相倉氏の本は、本当に好きでいろいろ読みました。ただ後期にはロック・ポップに興味が移ったようで・・・やはり「ジャズは死んだ」と思ったのでしょうね。

とうよう氏だけは・・・氏のメインがロック系、ブルース系だったこともあり(と思う)あまり読んだことがないです。
ブラジルものとかの紹介本は愛読しましたが、ジャズについては・・・なにかいつも「ジャズの洗練性みたいなもの」を批判してばかりいるようで(笑)
古いスタイルとしてのハード・バップとかには興味がないらしくて、(雑誌の中では)
70年代~80年代においても、ブルックリン派とかそういうスタイルしか評価していないようだったし・・・氏の雑誌(ニュー・ミュージック・マガジン~ミュージック・マガジン)の性格が「常に新しいもの」を紹介していくようなものだったのかもしれませんね。
まあでも、ミュージシャンと同じく、「個性ある」評論家の方が、絶対に面白いですよね。

投稿: bassclef | 2009年4月15日 (水) 23:25

bassclef さん、こんばんは。

ブラウンにしてもパーカーにしても当時の評論家諸氏はウイズ・ストリングス=イージー・リスニングとして酷評しておりました。ブラウンとニニ・ロッソ、パーカーとファウスト・パペッテイを同一線上で捉えていたことになります。ハードでゴリゴリこそがジャズである、という風潮でしたからたとえ音楽的に優れていたとしてもウイズ・ストリングスは貶していたようです。

見方を変えると粟村政昭、中村とうよう、相倉久人の各氏は酷評のできる信頼のおける評論家ということになります。今のレビューを担当しているのは評論家というより解説屋ですので、レコード会社とジャズ雑誌の広告との絡みで誉めるだけですからね。68年にオーネット・コールマン「Ornette At 12」のレビューを担当した野口久光氏は、全文カタカナで書く方法で批判しておりました。今では氏のような骨太の批評家がいないのは寂しいですね。

投稿: duke | 2009年4月13日 (月) 19:03

Yoさん、ちょいヒサです。コメントどうもです!
>ステレオ針で聴くと中央からヌケの良いTpとストリングスが、両側からノイズが出て楽音と分離できるんですよ~
いやあ・・・「ノイズ」の聞こえ方にまで拘るYoさんは実に面白い。その話しを聞くと・・・どのみち出るノイズなら、僕としては「分離」してくれた方が好みかな(笑)

音楽のことで言えば・・・ホント「唄う」ということこそ(どんなジャンルの音楽であれ)全てと言ってもいいくらいですよね(笑)更に言えば「唄う」ことと同じくらい「唄おう」とする姿勢というか・・・そういうものがある演奏(家)の方に、より魅力を感じますよね。
そうして僕ら聴き手はそんな演奏者の「唄い」を聴こうとする・・・いや、感じ取ろうとする・・・たとえそこに微妙なズレみたいなものがあってもいいじゃないですか(笑)
演奏者の思い込みと聴き手の思い込み~この2本線の寄り添い具合、あるいはズレの具合で・・・まあそれぞれの方の「好み」の傾向が決まってくるのかな。
Yoさんが挙げられた、キャノンボール・アダレイの「ウイズ・ストリングス」~アルトサックスを顔の前に横たえて目を閉じてるジャケットのやつですね。1955年録音のようですから、その時期に新人のキャノンボールにお金を掛けた「ストリングス」のレコーディングなわけで・・・mercuryとしては「第2のパーカー」として売り出したかったのかもしれませんね。(実際、パーカーにそっくりに吹く(吹こうとしたように聴こえる)場面もある)
僕の方は、それと同内容の旧ビクターの日本盤(これはどちらかというとムードミュージック的なノリとして売ろうとした感じのジャケットですが)で持ってますよ(笑)
いいスタンダード曲ばかりやってて、キャノンボールのことですから、ちょっと唄いすぎというかコブシが回りすぎみたいな場面もありますが(笑)<水辺にたたずみ>や<ポルカ・ドッツ&ムーンビームズ>など悪くないですね。

投稿: bassclef | 2009年3月27日 (金) 23:33

67camperさん、コメントどうもです!
「ウイズ・ストリングス」という形式は、なかなか怖いものかもしれませんね。なんというか・・・そのミュージシャンの本性や品格みたいなものが浮かび上がってくるというか・・・。
camperさんが過去に取り上げた「ウイズ・ストリングス」~僕はben websterのものが印象に残ってて、さきほどcamperさんブログ内検索を掛けて再読してみました。2007年でしたが、その時、僕:bassclefもコメントしてました(笑)あのNorgran 1018 Music for Lovingは、ホント、いいジャケットですね!僕の方はもう1枚のベンの with Stringsとも言うべきNorgran 1039(Musci with Feeling)は持ってましてその盤を愛聴しております。1019と同じセッションからも一部、収録されているようですね。

スタン・ゲッツは大好きなんですが、なぜか・・・ゲッツのストリングスもの(cool velvet)は、あまり聴きません。ゲッツの持っている「クールな甘さ」みたいな質感が、こうなんというか・・・最初からその甘さを更に過剰に演出しようとしている~そんな感じに捉えてます。まあそうだとしても・・・それはたぶん・・・そういうのがVerveの「企画」だったんでしょうね(笑)

投稿: bassclef | 2009年3月27日 (金) 21:48

NOTさん、コメントありがとうです!
>イージー・リスニングだと思ったらとんでもない話~
いやあ・・・そうなんですよね。実は、その「イージーリスニング」という言葉からちょっと思いついたテーマ(おおげさですね:笑)があるんですよ。以前から漠然と考えていたのですが(僕はイージーリスニング的音楽も嫌いではないので)その「テーマ」とは次のようなものです。

《このクリフォード・ブラウンのトランペット(のサウンド・音色・唄い口・その他もろもろ)と
ニニ・ロッソのトランペットとは、一体、何が違うのだろうか?どこがどう違うのだろうか?》 
です(笑)
ニニ・ロッソのトランペットだって、輝くような音色で朗々と鳴ってるし、いい曲のいいメロディを忠実に吹いている・・・しかし・・・僕らジャズ好きはニニ・ロッソを信奉することはない・・・なぜだ?
てなオバカなことを割と真剣に考えたりしております(笑)

NOTさん、やはり「ブルー・バック、大ドラマー」お持ちですか。まず・・・「いいなあ」です(笑)
まあ粟村氏云々~は、僕にも身に覚えのあるワカゲノイタリでしょう(笑)
僕の場合は・・・高1の頃に読み漁ったジャズ本の中でダントツに好きだった相倉久人の影響が大でした。モンクス・ミュージックについての論評で、どのソロイストもモンクと格闘することで自己表現をしている傑作だと誉めてはいたのですが、その中で「ただ、アルトのジジ・グライスだけは、パーカーイディオムをなぞるだけに終始しておりダメだ」みたいなことを書いておりまして・・・だから僕も長い間、ジジ・グライスという人はダメだ~と思い込んでおりました。その後、もちろん好きになっていきましたが(笑)
音楽は自分で聴いて(世間の論評と関係なく)自分が「どう感じるか」だけですよね。
みんなが、「自分にとって大切な音楽」を見つけていくことが、その過程が・・・音楽を聴いていく大きな楽しみかもしれませんね。

投稿: bassclef | 2009年3月26日 (木) 21:14

bobさん、コメントどうもです。
bobさんのブログ~Walking Slowも毎回、楽しみにしております。ちょい前のビートルズのシングル(day tripper)いは意外な新鮮さがありましたね。僕の方は特別なビートルズ好きでもないのですが、あの曲のイントロのフレーズはとてもかっこいいな・・・と思いました。
クリフォード・ブラウンのwith Strings・・・僕の方も記事中に書いたように拒否反応とかはなかったですが、「特に好き」ではなかったのですが、年を取るに従って「沁みる」ようになってきたようで、「好きな」度合いが徐々に深まってきたレコードです。
それでこの頃はもう「あの音色」だけでもう脳が麻痺してしまいますよ(笑)
>ジャケ写がこの作品の楽しみ方を象徴しているような~
うん、なるほど・・・そうだったのか!そういえばペットの朝顔(ホーンの開口部のことを、こう呼んでいたような?)がこちらに向かってきて・・・まさにそこから「音色」が飛び出てきているようですね。う~ん・・・ディレクター氏もやはり「何も考えるな!この音色を聴け!」という気持ちがあったんでしょう(笑)

投稿: bassclef | 2009年3月26日 (木) 20:58

bassclefさんは「唄う」ことを大事にされてますから(私もですが)アドリブばかりではなく、こういうテーマをしっとりと叙情的に吹くジャズがお好きですね。このブラウニーは本当に弱冠二十歳過ぎのミュージシャンの演奏とは思えないくらい素晴らしいものだと思います。テーマをテーマ通りに吹いてこれだけの感動を与えられる演奏を評価しない人はジャズ以前に音楽を分かってないのではないかと・・・言い過ぎかな(笑)
私はこの盤はオリジナルを持っていますが、オリジを集め始めた初期に「盤質が悪いので格安」で買ったもので、盛大にパチノイズが出ます。楽音に歪やジャリ感が無く、音自身は素晴らしいので買い替えせずにそのまま楽しんでいますが、途切れなく出るパチノイズには閉口して、いつも丸針のモノ針で聴くかステレオ針で聴くか悩みます。モノ針で聴くと確かにノイズは少ないのですが中央からノイズと楽音が一緒に出ます。・・・ステレオ針で聴くと中央からヌケの良いTpとストリングスが、両側からノイズが出て楽音と分離できるんですよ・・・こんな事考えて聴く人は私だけでしょうか?(笑)
Emarcyのストリングス物ではもうひとつCannonball and Stringsが好きです。Cannonballはさほど好きではないのですが、この盤は好きです。オリジナルの音の鮮烈さではブラウニーに及びませんが温かみのある良い音だと思います。

投稿: Yo | 2009年3月25日 (水) 19:54

bassclefさん、ブラウニーのウィズストリングスいいですね。自分も1500円廉価盤で聴いてます。
何度かオリジナルも見かけたのですが、GETできてません。
ストレートにスタンダードのテーマを吹くだけの印象しかありませんがこれが却ってこのアルバムの価値を高めているように思います。パーカーに始まるウィズストリングス盤、ストリングスと共演できれば一応ひとかどのプレイヤーとして評価された証だとよく言われます。拙ブログでもBen Webster, Getz, Griffin等サックスプレイヤー中心にアップしています。ギターのJohnny Smithのものもアップしていますがカバーの良さはこれが抜群です。ストリングスアルバムの中でもこのブラウニーの一枚は出色の出来で、彼のサウンドを楽しめる爽快感溢れる仕上がりですよね。

投稿: 67camper | 2009年3月25日 (水) 03:56

こんばんわ。

>>この頃の僕はなんとなく疲れ気味で、そのためか、このレコードを聴きたい・・・

疲れている時はとにかく聴いていて心地よくなる音楽に限りますね。そういう意味でこの盤はうってつけかもしれません。ただしイージー・リスニングだと思ったらとんでもない話で、特にブルーラベル、銀枠、大ドラマー、YMGスタンパーのオリジナル盤は強烈です。私はいつも出だしの「シュシュシュシュー」と切り込んでくるSTRINGSが聴きたくてB面から聴くんですがSTRINGSに対するイメージが変わります。Y0さんもご推薦のPACIFICの10インチ「BUD SHANK&BOB BROOKMEYER」とともにWITH STRINGSでは双璧ですね。

ただ私も敬愛する評論家の粟村政昭氏が名著「ジャズ・レコード・ブック」の中で「僕はCLIFFORD BROWNの大ファンであり彼が残したレコードはストリングスと共演した愚盤を除いてはあまさず蒐集の価値がある・・・・」という記述に影響され長いこと国内盤も入手しませんでした。でもオリジナルを聴いてみると驚くとともに「聴かず嫌い」であったことを随分と後悔もしました。ROCKを聴いていた時もTHE BYRDSの「バード・マニア」をNMM誌で中村とうよう氏が30点をつけて酷評していたため、長いこと購入をためらっていました。でも実際聴いたら素晴らしくてすっかり愛聴盤になったこともありました。今のように試聴が簡単にできる時代じゃないので特定の評論家のことはついつい信じてしまったのですが、やっぱり自分の耳で聴いて確かめなければ・・・。

投稿: NOT | 2009年3月24日 (火) 20:54

こんにちは
お久しぶりのコメント訪問になります♪

その昔、この『WITH STRINGS』は世評が低くエマーシーの廉価盤シリーズのなかでは入手時期が一番遅くなった記憶があります。当時の評論家諸氏の芳しくない評価は、ご指摘のように「アレンジが古くさい」、またほとんどアドリブが楽しめないことによるものだったのかと推測しています。
僕自身も正直言って、このスタンダード曲をストレートに歌い上げるブラウニーを楽しめるようになるには時間がかかりました。しかし一度この味を占めると実にいいんですね、このブラウニー。歌心あふれるアドリブを繰り出すブラウニーと同列で語られる作品でなく、もっと違った楽しみ方ができるアルバムといったらいいのでしょうか…。

トランペットの音色を存分に楽しむ…、
ジャケ写がこの作品の楽しみ方を象徴しているような気もします(笑)。

投稿: bob | 2009年3月24日 (火) 10:58

山中さん、当方のブログへコメントをありがとうございます。山中さんのブログ~<とりあえずaltoサックス>http://lestorian.exblog.jp/
には、いつも楽しませてもらってます。いつも渋いレコードとジャズミュージシャンに対する愛情あふれる記事が素敵だと思います。
リー・コニッツのstoryville 10インチ盤話題の時、ちょうど見つけた貴ブログにぶしつけな質問コメントをした際にも、丁寧な回答を頂き、そのおかげで、storyilleの10インチのセンターラベルが2種あることが判りました。

>Mercuryの良い状態のもの~
今回、僕の方でアップしたクリフォード・ブラウンのレコード~ジャケットばかり見て、つい<2ndか3rdのemarcy盤>と書いてしまいましたが・・・ああっホントだ!よく見たら・・・(当たり前の話しですが)mercuryラベルでしたね(笑)
だからemarcyの3rdとかではなく<ジャケがemarcyでラベルはmercuryの盤>ということですかね。
音は・・・私的には「かなりいい!」と思ってます。まあ音の好みは色々ですから・・・あくまで(bassclefの場合)ということで、またmercuryラベル盤を探してみてください。
「音」「音色」を表すのは・・・本当に難しい。でもなんとか表したい・・・という気持ちで好きなレコードを取り上げるのです。けっこう無謀ですけど(笑)
クリフォード・ブラウンの「音色」について~少し「追記」しようと思います。またご意見などよろしくどうぞ。

山中さんブログにも、またおじゃましますね。

投稿: bassclef | 2009年3月23日 (月) 21:06

bassclefさん初めておジャマします。リー・コニッツのStoryvilleの件でお問い合わせいただきました(とりあえずaltoサックス)の山中と申します。ブラウニーの音って本当に素晴らしいと思います。ボクはこの盤はCDでしか持っていませんが、それでもたまに無性に聴きたくなります。
いい状態の大ドラマーのオリジナル盤を欲しい、とかねがね思っています。でもまず殆ど出てはきませんし、仮に出てきても高すぎてなかなか予算もつかない状況です。夢のまた夢・・・
持っている人にお聞きした話では、やはりかなりカッティング・レベルは2nd/3rdと比べ相当高いらしいです。Emarcyのものはコーティング剤が良くなく、厚紙のジャケットを透過して盤面まで傷めているものも多い、とのことです。なので、実はボクもMercuryの良い状態のものが現在のベストな選択ではないか、と考えてもいます。

投稿: 山中一雄 | 2009年3月23日 (月) 00:06

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« <ジャズ回想 第19回>溢れ出るレコード達をどうしようか・・・。 | トップページ | <ジャズ雑感 第28回> ジェリー・マリガンという人  »