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2008年10月10日 (金)

<ジャズ雑感 第26回>パーカー再び!

音色・・・その音圧感、存在感からくる説得力みたいなもの。

ジャズ聴きも長くなると、こんなことを言ったりする・・・「この人のサックスは重いね」 「う~ん・・・なんか軽いなあ」
楽器から発された音を聴いた時、聴き手はなぜ「重い」あるいは「軽い」と感じるのか? いや、感じられるのか? 
それはおそらく・・・そのミュージシャンの「音色」からだけでなく、その「ビート感」から生じてくるのでは・・・と考えている。ここでいう「ビート感」とは・・・(僕の解釈では)「リズムに対してのノリ方」という意味合いである。

004April In Paris(Verve)MGV-8004 ~I'll Remember Aprilが好きだ。パーカーのなにやら白痴美的な音色に、しみじみした情感を感じる》

話しを判りやすくしよう。同じ楽器~例えば、アルトサックス・・・チャーリー・パーカーとリッチー・コールを比べてみると、どうだろうか?
どう考えても(聴いても)・・・やはり、パーカーの方が「重い」だろう。もちろんそれは純粋に感覚的なものである。だがしかし、そういう感じ方~「パーカーは重くて、コールは軽い」~は、ある程度ジャズを聴き込んだ人には、無理なく共通した感覚だとも思う。
ひょっとしたら、リッチー・コールという人のイメージ(ちょっとしたお笑い的なノリを見せるタイプ)が、「音も軽い」と感じさせてしまう部分も多少はあるかもしれないが、2人の「音」には、やはり相当な違いがあることは確かだろう。コールがパーカーと同じようなフレーズを楽々と吹いたとしても、当たり前の話しだが、受ける肌合い・質感・・・それはだいぶ違う。では、いったい何が違うのだろうか?
どうやら・・・この辺りの話しを突き詰めていけば・・・今回、僕が言わんとする「音色とビート感~それら全体から醸し出されるグルーヴ感」みたいなことの核心に、少しでも近づけるかもしれない。
この辺の話は、もちろん「好み」とは別である。だから「オレは重々しいパーカーより、軽やかなコールの方が好きだ」という方が存在していても何の不思議もない。ただ、ジャズを好きになって、そしてアルトやテナー~いろいろなサックス吹きのレコードを聴いてくると・・・どうしても、チャーリー・パーカーという人の凄さ~そうして、そういうミュージシャンがあの時代に存在していたということの凄さ~みたいなものを感じずにはいられない。ジャズ好きなら、たぶん・・・そうなるしかないのだ(笑)

皆がパーカーは凄い、凄いというが、いったい何が凄いのか? と、そう思ってる方も、案外に多いのでは・・・と推測している。おそらく・・・パーカーって、何やらパラパラ吹いているだけでよう判らん・・・音も悪いし(笑)という感じだと思う(笑) 好きで聴いているジャズ(音楽)なのだから、自分の感性にズバッと入り込んで来ないタイプのジャズを無理して聴くことはない・・・とも思う。しかし、パーカーだけはある意味、理屈抜きで「感じとって」ほしいという、少々、啓蒙的な気持ちもないわけではないので・・・僕は今こうして、とても難しいことにチャレンジしようとしているのである(笑)
「パーカーの凄さ」をヒトコトで言うと・・・「音色の凄さ」なのである!あの「太くて重い音色」。そして~なにやら白日夢を見ているかのような呆(ほう)けたような(これは僕の思い込みでしょう:笑)しかし~「力感のある音色」・・・この辺のことは、<夢レコ>の前の記事「エリック・ドルフィという人」にも少し記したかもしれないが、重ねて言えば・・・ジャズという世界では、こうしたある種の濃厚さは絶対的な勲章なのだ。

当たり前の話しだが、楽器を始めて最初の内は、たぶん音はヘロヘロである(笑)(管楽器の場合)ブレスや唇のコントロールができないから、安定した音量が出ないし、音程も定まらない。つまり楽器の初心者の音は、誰が聴いても「ヘタ」なのである(笑)しかしその初心者も、徐々に「巧く」なってくる。ある程度の音量も出てくるようになって、ピッチ(音程)もそこそこ安定してくる。
そして何よりも運指がスムースになり、ちょっと難しいフレーズもこなせるようになる。こうなると、嬉しい(笑) 管楽器というのは・・・(たぶん)曲のテーマを吹くこと自体が楽しい楽器なのである(もちろんアドリブも含めてだが)だから、どんどんと曲をこなしていく。速いテンポも軽々とこなせるようになる。とても巧い。そしてそういう「巧さ」にまで達したミュージシャンは、器楽の高みを目指す者として素晴らしいと思う。
しかし、そうしたタイプにわりとあるのだが、~テーマやアドリブをいくら「巧く」吹きこなしても、なぜだかこちらの心に訴えるものが薄い。そうして全体から受ける印象が、妙に「軽い」のである。
あえて分析的に言えば・・・おそらく「音色に(自覚的な)個性がない」「フレーズが方法論的」そして「ビートにタメがない」~そんなタイプが多くなっているように思う。50年代のジャズマンのそれぞれに個性のある吹きっぷりを知ってしまった身としては・・・そんなタイプのジャズ(ミュージシャン)には、どうしてもある種の「物足りなさ」を感じてしまうようだ。
そうしてそんなある時、パーカーを聴くと・・・これはもうぶっ飛ぶのである(笑)
パーカーは・・・まず音が大きい。バリバリと大きく響く。ひょっとしたらアルトのあの拡がったホーン全体がビリビリと歪んでいるのでは・・・と思うほど鳴っている・・・ように聞こえる。それから「ノリ」がまた凄い。判りやすく言えば「タメ」がある・・・ということだと思うのだが、その「タメ」とは具体的にはどういうことなのだろうか。それを僕なりに解釈すれば・・・例えば8分音符で長いフレーズを吹く時なども、たっぷりとテヌートの効かせて(一音一音を粘るように伸ばす感じのこと)うねるようにその長いフレーズを吹き倒す。だから「タメ」があり、どんなフレーズにも粘りながらキレがある・・・そんな感じなのだ。そうしてこれこそが・・・「ジャズ(っぽさ)の秘密」なのだと、僕は信じている。そんな吹き方をする(しようとしている)パーカーと、巧いだけのアルト(速いテンポも軽々とこなせる~テーマやアドリブをいくら「巧く」吹きこなしても~全体から受ける印象が、妙に「軽い」)とでは、その根底のところで大きな違いがあるのだ。
パーカーの凄さは「粘る8分音符」だけではない。アドリブが乗ってくると、時にパーカーが見せるあの16分音符! あの「倍テン」こそ、それまではおそらく誰もやらなかった・・・いや、やろうとしなかったパーカー独特のアドリブだと思う。そしてその「閃き」に満ちた16分音符でさえ・・・充分に重い(笑)
ハード・バップ調4ビートにおけるジャズのアドリブは、普通の場合、8分音符中心になるので、16分音符でのアドリブ展開になると、それを「倍テン」と呼んだりする。1小節4拍に乗っかって「パッパ・パッパ・パーラ・パーラ」と吹くのが普通の8分音符フレーズだとすると、パーカーは時にこう吹く~「パラパラ・パラパラ・パラパラ・パララ~」と。しかもそのフレーズの「閃き」ときたら・・・いったいパーカーという人のアタマの中はどうなってるんだ~!(笑)果たしてどんな具合で、彼のアタマにあんな宇宙的とも言えるフレーズが(それまでのジャズ言語には存在しなかった)浮かんできたのか? やはり・・・パーカーは凄いのだ。

そういえば、今回の記事~冒頭に僕はこんなことを書いた。
(音色が重いか軽いか・・・それは)《そのミュージシャンの「音色」からだけでなく、その「ビート感」から生じてくるのでは・・・と考えている。ここでいう「ビート感」とは・・・(僕の解釈では)「リズムに対してのノリ方」という意味合いである》
パーカーを聴いて感じる、その「重さ」の秘密。僕なりの答えは・・・こうだ。
《パーカーはその音色も重いが、それ以上に、「タメ」(テヌート)を効かした粘りのあるフレーズと、それら全体から表出されるビート感そのものが重い》 
ごくごく単純に考えれば~パーカーはおそらく・・・たくさん息を吸い込み、それを強く長く吹き込みつつ・・・鋭いタンギングと柔軟なフィンガリングも交えつつ・・・閃(ひらめ)いたフレーズを自由自在に表出している~そんな風に言えるのかもしれないが・・・それがいかに大変なことか(笑)
パーカーが死んでから50年以上も経っているわけだが、パーカーのあの「太くて重くて速くて、しかもキレがある」感じに、最も迫ったのは・・・僕は、ドルフィだけだったと思う。

そんな風に、太くて重い音色で吹きまくるパーカー・・・それは聴く側にとっても、ある種の快感なのである。一番上の写真~April In Parisの紹介で「白痴美的」という表現をしたが、パーカーのちょっと切羽詰ったような濃厚なアルト音を聴くと、何やらこちらの脳髄が麻痺してくるような・・・そんな種類の快感であるような気もする。そんなことを含めて・・・パーカーの凄さは「器楽的な快感」をも含んだ凄さであり、だから・・・ひょっとしたら、楽器(器楽)そのものに興味を持っている方の方が、なんというか・・・直感的に、いや、肉体的にその凄さを感じ取りやすいかもしれない。
そうしてそんなパーカーの「純・器楽的」とも言える特質のことも考え合わせれば、あなたの「好み」のアンテナに、チャーリー・パーカーという人が引っかかるかとは限らないことも、充分に理解はできる。
でもしかし・・・敢えて啓蒙的に言わせてもらえば、パーカーだけはちょっとガマンしても聴いてほしい(笑)
LPでもCDでもなんでもいいので、ちょっとでも「いいな」と感じたテーマの曲を~それは「スクラップル・フロム・ジ・アップル」や「コンファメイション」、あるいはスタンダードソングの「アイ・リメンバー・エイプリル」や「ゼアリズ・ア・スモールホテル」かもしれない~何回か聴いてほしい。
それからその同じ曲の入った別の音源があれば、それらもぜひ聴いてみてほしいと思うのだ。003
いくつかのパーカーのレコードを紹介しよう。
Night and Day(Verve)MGV-8003~写真左。この黒trumpeterラベルは2ndで、12インチのオリジナルはClef 5003。残念である(笑)

April In Paris(Verve)MGV-8004~写真、一番上の右。

Midnight Jazz at Carnegie Hall(Verve)MGV-8189-2(2LP)~写真左下。この2枚組の音は凄い。

僕はパーカーのストリングスもの・ビッグバンドものを嫌いではないので、自然にこの辺が集まった(笑)どれも12インチ盤のトランペッターのセンターラベルである。日本盤「ウイズ・ストリングス」は、おそらくこの3枚からの編集ものなので、同じ「ストリングスもの」でも、いろんなセッションが混じっているようだ。そんなことよりも僕が驚いたのは、音の違いである。「音の鮮度感」が、国内盤やCDとはだいぶ違ったのである。005
パッと聴いて・・・黒トランペット盤には、パーカーの音色に「輝き」があるのだ。アルトの音色~その張り具合、ギュッと締まった響き具合。ストリングスの音の間を縫うように、倍テンで吹き抜けるパーカー・・・その音色が圧倒的に「重い」のである。
「重い」というのは・・・凡百のアルト奏者に比べて相対的に「重い」のはもちろんなのだが・・・僕が思うに、パーカーの「重さ」というのは、ある種の「絶対」かもしれない。006
これらのレコードの音を聴いて体感できるサックスの音色についての違い・・・それは国内盤とは確かに違うと思う。
ただ、僕は「国内盤ではパーカーは判らない」などとは言いたくはない。実際、僕は国内盤やCDでパーカーを聴いてきて、理解して(そのつもりだが:笑)そうして、もちろんパーカーを好きになってきたのだから。008
ただ僕自身のそうした経験の後でも(いや、後だからこそ・・・かも)これらのVerve12インチ盤を聴いて「改めてパーカーの音色の凄さに驚いた」ということも確かにあるのだ。
ジャズを聴き込んだ方で、パーカーは今ひとつ判らない・・・と感じている方が、これらの音盤を聴いて、そうした「音色の凄さ」を体感することになれば・・・あるいは一気に「パーカー開眼」となるかもしれない。
ただ、何をどう言っても・・・最後には「パーカーはパーカーだ」としか言いようがない・・・そんな感じの「絶対パーカー論」になってしまいそうだ(笑)
こういう話しになると・・・言葉は本当に無力だ(笑)ええい!もうめんどくさい!とにもかくにも、パーカーのあの音を聴いておくれ!パーカーという人については・・・それが僕の本音なのかもしれない(笑)
しかし、ここは《夢見るレコード》である。その無力な言葉であっても、そこにも拘りたい(笑)だから・・・実際に僕がパーカーのどういう部分に惹かれているのか~を少し話したい。
さきほど挙げた3枚のVerve盤は12インチとしてはオリジナルだが、その前に、本当のオリジナル音源として、10インチ盤があり、そしてSP盤があったわけで、パーカーの音そのものの鮮度感の違いを想うと・・・それらに拘りたい気持ちもあるのだが、誰もが10インチ盤(ダイアル10インチ盤については、以前にPapaさんの手持ちを聴かせていただいた。やはりひと味違うアルトの音色、その存在感だった)やSP盤まで入手できるわけではない。
だが、そのSP盤の良さ~音色の太さ・力強さみたいな感じ~を味わえる(想像し得る)国内盤レコードが実はあったのだ。

前回の「レッド・ミッチェル」でも触れたが、8月の終わりに3人会をやった。yositakaさんとsigeさんとは1975年からの付き合いだ。sigeさんとはジャズ研仲間で、彼はアルト、僕はベースで・・・2人とも我の強さでは良い勝負だったが、ここに2年先輩のドラム~yutaka氏が加わって、そうなるとなかなか面白いサックストリオになり・・・あの頃、僕らはジャズ研で本当に燃えていた(笑)
そうして、sigeさんは、高校でのブラスバンドの指導やエモリ氏らとのバンド活動も含めて、今でも管楽器を吹いている。
ここにsigeさんからの手紙がある。彼は何かの折には、メールではなく、筆書きの封書を送ってくるのだ。3人会の時、僕の古い機械で掛けたいくつかの古いレコード、それから自分が持ってきたパーカーの「ダイレクト・フロム・SP」の2枚(savoy編vol.1&2)などを、食い入るように聴いていた・・・それらの印象を書いてきてくれた手紙である。何事に付け思い込みの深いsigeさんならではの「熱さ」もあったりしますが~その点、僕も似たようなところはある(笑)~同時にまた、管楽器全般に造詣の深い、そして今でも楽器に触っているsigeさんならではの、唸ってしまうような表現もあったので・・・その一節をここで紹介したい。
《レコードによっては、奏者の管の鳴り具合、弦と胴の鳴り具合、場合によっては、吐く息、継ぐ息のリアリティさも体感できました。レコード総体に込められたジャズの空気と、大げさな言い方ですが、ジャズマンの体の中の瞬間的な構造や思惑さえ体感できたような思いになりました》

この「SP起こし盤」~パーカーの「ダイレクト・フロム・SP」の2枚(savoy編vol.1&2)・・・確かにひと味違う。011まず、パーカーのアルトの音色が太い!音色そのものが分厚い感じか。だから・・・パーカーという人が元々「大きな音」で吹いていた、その音圧感がリアルに飛び出してくる。この「大きい音」という感じられる~ということは、再生音楽を聴く場合、ある意味、なかなか重要な要素だと僕は思う。録音バランスで調整した「大きい・小さい」ではなく、生の人間が吹いたその時、その空気中に拡がった音・・・そこにはその「ミュージシャンの真実」が響いているわけで、その「大きさ感覚」は・・・やはり、その真実の大事な一端だと思う。この「SP盤起こし」盤・・・アルトだけでなく他の楽器も、なにかこう「音が近い」感じで、強いて言えば、ブルーノートのヴァン・ゲルダー録音のような味わいかな。全体として、とにかく「強烈」・・・そのひと言である。
(この「厚い」「太い」という感覚は、savoy編~「サヴォイ・レコーディングス/マスターテイクス」(Arista/フォノグラム2LP)と、同じテイクを聴き比べした際の、僕の個人的印象です。

ダイアル音源については、以前の夢レコでも少し触れたが、パーカーのダイアル音源を耳にすることができる唯一のレコードが「バード・シンボルズ」だった時代が長かったと認識している。そしてその「バード・シンボルズ」の音ときたら・・・(笑)
「最悪」とはあの音のことかもしれない(笑) 僕は「パーカーは判らない」という方のほとんどは、あの「シンボルズ」の最悪音にやられたのでは・・・と邪推している。あれは、それくらいショボイ音だった。だから・・・英spotlightの「オン・ダイアル」と、その後に出た国内盤でも充分に「いい音」だったのです(笑)
この「ダイアル音源」関わりで、ひとつ面白い日本盤を紹介しよう。2008年3月にパーカーのオリジナル盤(Dialの10インチ盤)を聴く機会があった。その独特の鮮度感・生々しさに圧倒された僕は、そうした音色からパーカーの本当の凄さをより感じ取れたような気がした。アタマの中がしばらく「パーカー」で一杯になっていたその頃、たまたま地元の中古レコード店で「おや?」と思うレコードを発見した。それが「チャーリー・パーカー・オールスター・セクステット(ビクターRET-5021)である。 010
これ、ペラジャケの具合からみて、たぶん1964~1965年頃の日本盤だと思うのだが、マイルス、JJ.ジョンソンを含む6重奏団と収録曲目から「ダイアル音源」であることはすぐに判ったのだが、ジャケット右上のROOST SERIESが腑に落ちない。ROOST(ROULETTE)から、パーカーのダイアル音源のLPが出ていたのだろうか? どうも記憶にない。しかしこの日本ビクター盤のラベルは、ちゃんとした米Roost仕様じゃないか。そんな興味から、また日本盤ペラジャケにも惹かれるものがあり、とりあえず購入したのだが・・・いやあ、音を聴いて驚いた!パーカーの音が太いのである。鮮度感も「バードシンボルズ」とは比べ物にならない。spotlight盤よりも明らかにいい。日本盤でも時代が若い分だけ、鮮度の高いマスターやスタンパーに当たっていたのかもしれない。もう一度、じっくりとセンターラベル廻りを見てみると・・・ランオフ部分の刻印が目に飛び込んできた。
《Roost 2210A,2210B》となっているじゃないか!これは、Roostのスタンパーを使っていたことになる。いろいろ調べてみると・・・ありました!Roostのチャーリー・パーカー盤が。それはCharlie Parker/All Star Sextet(roost 2210)というやつで、そういえば・・・ガハッと笑っているパーカーのジャケット写真に見覚えがあった。あれが・・・ダイアル音源集だったのか。そしてその米Roost盤を受けての日本盤が、このビクター盤だったのだ。おそらく「ダイアル音源」が英spotlightから復刻されるまでは、「バード・シンボルズ」と、この「オールスター・セクステット」だけが市販されていたパーカーのダイアル音源だったのだろう。僕はこの日本盤の「パーカーの太い音圧感を感じる音色」で聴いた、パーカーのバラードの良さを改めて見直したのだ。特にDon't Blame Me、それからOut Of Nowhereである。(もちろんEmbraceable Youもいいのですが)特にOut Of Nowhereは素晴らしい!この曲がスロー(バラード)で演奏されるのは、ちょっとばかり意外な感もあり、しかしその意外性だけではなく、この曲の全体に流れるなんとも言えないような「寂しさ感」そんなものに僕は感動してしまった。正直に言えば、それまで聴いていたダイアル音源では、スピード感溢れるパーカーのスリルは感じ取っていたものの、スローものではそこまでのパーカーの「唄い」は感じることができなかった。パーカーの音色も含めて全体のショボイ音質に「負けて」いたのかもしれない(笑)
この日本ビクター盤の鮮度の良さに驚いた僕は、米Roost盤も入手することになった。日本盤でこれなら、米盤なら・・・というスケベ根性である(笑)009スタンパーが同じなら、音も同じだろうって? それがですね・・・やっぱり(この12インチ盤としては)オリジナルの米Roost盤の方が、そうだなあ・・・もう少し、もう1枚、ヴェールを剥(はが)したようなヌケの良さがある・・・ように聴きました。この辺りはチャンスがあれば、またちゃんとした機器で聴き比べをしてみたいものです。
ただRoost盤というのは、(たぶん)もともとがそれほどいわゆる音のいいレーベルではないだろうし、この「鮮度感の高さ」は、あくまで、パーカーの他のダイアル音源LPよりも・・・という意味合いです。

さて、キングの意欲盤「ダイレクト・フロム・SP」そのsavoy編vol.1~なんと言ってもKokoが凄い!この曲のコード進行は「チェロキー」と同じで「チェロキー」がそうであるように、やはり急速調で演奏されているのだが、聴くたびに僕が「むむむ~っ」と思う場面がある。それはパーカーのソロの終盤に現れるのだが、そこでパーカーは実に不思議なフレーズを吹く。フレーズというより不思議なリズム(ノリ)なのだ。それは・・・チェロキーで言うと「サビ」に当たる曲調がちょっと変わる場面の最初の4小節の箇所だ。
(補記~このKokoは、サヴォイに残した1945年11月の最初のテイクです。CD(コンプリート8枚組)で聴くと2分20秒辺りからの4秒ほどの場面。ただし、この2分20秒は、冒頭約40秒の失敗テイクも含む)
この箇所を聴くたびに僕のアタマはクラクラしてしまう。
そのフレーズをなんとか音で表すと・・・「(ウン)・パラ・パラ・パラ/パラ・パラ・パラ・パラ/パラ・パラ・パラ・パラ/パラ・ラ~~~」という感じの8分音符の連続フレーズなのだが、なにせかなりの急速調での8分音符だ。そして、その連続する8分音符が、どうにも普通の「ノリ」には聞こえないのだ。普通に2拍・4拍の切れ目ではなくて、どうやら3拍のフィーリングで刻みながら吹いているように聞こえるのだ。しかしそれは単に変則ノリということではなく、そのノリが見事にコントロールされているので、パーカーのこのフレーズは・・・まるで川の急流を浮いたり跳ねたりしながらも乗り切っていくラダーボートのようじゃないか!
これは・・・凄い! これこそパーカーだっ!と僕は叫びたくなる(笑) 
僕はほとんどの場合、音楽を分析的に聞こうとは思ってないが、パーカーのこの一節には猛烈に興味が湧いてしまった。その「3拍フィーリング」の正体を暴いてみたくもなった。だから何度もレコードのその場面に針を落とした。20回以上は聴いてみた・・・どうしてもうまく聴き取れない(笑)それでも僕なりの解釈を書いてみよう。
パーカーはどうやら、この時、4小節の16拍を<(1拍休符)+3拍/3拍+1拍/3拍+1拍/1拍+3拍>という具合に分割して捉えたのではないだろうか。少々、強引だが、計算はこれで合う(笑)そういうリズム譜を図に書いてから聴くと、こんな風に聞こえないこともない。《(ウン)パラ・パラ・パラ/パラ・パラ・パラ+パラ/パラ・パラ・パラ+パラ/パラ+ラ~・~~・~~》という感じかと思う。
他の刻み方パターンも考えていろいろと試し聞きしてみたのだが、タイムをこんな風に刻んでみた時が(自分としては)最もパーカーのフレーズのノレたのだ。思うに、パーカーという人は、普通に8分音符中心に2拍・4拍で割ってリズムだけには飽き足らず、こういうちょっと変則な拍数の分割を、いつも考えていたのだと思う。例えば2小節8拍を「3・3・2」で乗る、わりとよくあるパターンだけでなく、もう少し長い単位での変則パターンを。そうしてそんな意識があった、そこへいつものパーカーの閃(ひらめ)きが加わり・・・アッと驚くこの「連続8分音符による3拍フレーズ乱れ打ち」が生まれたのだ・・・というような妄想を僕は描いてしまうのだ(笑)
(ちゃんとした「パーカーのアドリブ採譜」をお持ちの方は、ぜひチェックしてみてくださいね)

ただ・・・実はそんな後付の分析など、本当はどうでもいいことで・・・僕らはパーカーのその時のフレーズ~それを吹いている時のパーカーの意識みたいなもの~を、ただ聴けば(味わえば)いいのだ!その音色の全てを浴びればいいのだ!その圧倒的なうねり具合こそが「パーカーの快感」であると思う。
いろいろ理屈をこねてしまったが・・・つまるところ、パーカーはアルトのサウンドそのものに快楽がある!と言ってしまってもいいだろう。だからこそ・・・パーカーはパーカーなのだ! ううう・・・ジャズっ!(笑)

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コメント

こんばんわ。私のブログにもコメントをいただきありがとう!あの気分はまさにアナログならではの感興ですね。少ない収録なので余計大事に聞けるのもよいところです。
ジャクリーヌ・デュ・プレのドヴォルザークも購入されたとのこと。
本当にすばらしい名盤です。そのよさを友人と共有する気分は格別ですね。
活動期間が短かったために、彼女の録音は少ないのですが、一つ一つが命を削って奏でられたというべきか、ルーティンワークはひとつとしてありません。
中学生のとき、彼女が脚光を浴びだしてから引退までをリアルタイムで経験したこともあり、愛着は深いものがあります。来日もしながら、病状悪化により演奏会は全てキャンセルとなったと思います。
パーカーやブラウニーと同じく、人生は生きた時間ではないということを感じさせてくれる遺産です。

投稿: yositaka | 2008年11月18日 (火) 22:59

おお、yositakaさん!コメントをthanksです!
名古屋の「ジャズ・シンジケート」~だいぶ前にはよく行きました。同じビルの「サン・オブ・スリーサンズ」(だったかな?)もなかなかいいお店でした。それはそうと・・・パーカーの「ダイレクト・フロム・オリジナルSP Vol 1」入手とのこと。
わくわくしながらそのレコードを掛ける君の姿が浮かんでくるようです(笑)
やっぱり「いい音」でしたか!SP(起こしであっても)の音って・・・なにか独特の鮮度感みたいなのがあるようで、特にテナーとかアルトのサックスには捨てがたい味がありそうですね。僕もいつか・・・SPにまで走ってしまうのでは?という畏れを(自分のことなのに)感じております(笑)
それはそうと、yositakaさんが「パーカー」を入手したのと、裏返しみたいなんですが、こちらは、デュプレのCD(teldec)を入手しました。先日、聴かせてもらった、あのドヴォルザークがどうにもアタマに残ってしまって(笑)
あの演奏でのデュプレのチェロは・・・荒々しさ一歩手前くらいの「鮮烈」そのもので、もう何度も聴いてますが・・・厭きません。僕のクラシック経験では、これは異例のことです(笑)いいレコード(CD)を教えてもらいました。
Thanks!

投稿: bassclef | 2008年11月17日 (月) 21:43

bassclef君、こんばんわ。
昨日名古屋のジャズシンジケートに久々に出かけ、キング製作の「ダイレクト・フロム・オリジナルSP Vol 1」を入手しました。いやあ、自宅の機材で聴いても、すばらしい音質です。針音は気にならず、パーカー一党の演奏がスピーカーから鮮明に飛び出してくる。
こういうのを聴くと三分間の制約も気にならず、安心して音楽に身を任せることができますね。Vol 2もぜひ入手したい…というのが危険なマニア道への入り口か。くわばらくわばら。
ところで、これを製作したエンジニア高波氏、プロデューサー高和氏は、キングレコードで高音質の製品を多く世に送り出した名コンビです。80年代の朝比奈隆指揮 大阪フィルハーモニーのシリーズ(ファイアーバードレーベル)は全てこの二人が手がけたもの。ジャズのパドル・ホイール・レーベルもそうだったのではないでしょうか。例の『ベース・クラブ』も同じスタッフです。売れない分野、少ないスタッフで、よい仕事を残したものです。このようなこだわりの製品が出せる日本盤の底力も捨てたものではありません。

投稿: yositaka | 2008年11月16日 (日) 22:25

三式さん、再びのコメントをどうも!
パーカーのSavoy:SP盤を聴かれたのですね。キング製作の「ダイレクト・フロム・オリジナルSP盤」からであっても、その音色の太さ、生々しさの一端に触れられたような気もしています。もともと録音の素性のいい(と思っている)Savoyの方のオリジナル音源(SP盤)であれば、さぞかし・・・(笑)
<アルトの音が痛い><体を刺すような・・・>
う~ん・・・それもぜひ聴いてみたいものです。

投稿: bassclef | 2008年11月 7日 (金) 22:54

どうも!
話題にのぼっているパーカーのDIAL=12インチ盤ていうのは2色刷りのイラストのヤツですか?・・・
そうだとしたら僕も一度どこかのサイトで見たことあります。

DIALパーカーのオリジナルの音は10インチ、12インチを問わず聴いた経験がないので想像の域を出ないのですが、
SAVOYのパーカー・SP盤を以前知り合いのジャズ・レコード店で聴かせてもらったことがありまして・・・、
その時の衝撃は今でも脳内のどこかに残っております。

残念ながらSAVOYは国内盤しか持っていない僕には少々刺激が強すぎました。
パーカーのアルトの音が痛い!!って表現したらいいのでしょうか?・・・
体を刺すような・・・、とにかく上手く表現できませんが・・音が立ってましたね! 
おそらくLPとはイコライジングの違いがあるとはいえ、
SPとLPで聴くパーカーの音の次元の違いを突きつけられる思いでした。
それまで経験したことのないパーカー・ジャズを聴けたのは間違いないです。

投稿: 三式 | 2008年11月 6日 (木) 01:06

おお、dukeさん!ジャズ喫茶での体験的証言コメントをthanksです! パーカー・・・やはりあまり掛けられなかったようですね。僕が地元のジャズ喫茶で聴いた数少ないパーカーのレコード経験は・・・たしかあれは、僕のアタマの中では、パーカーのラスト作と言われるPlays Cole Porterだった・・・ような記憶になってます。パウエルの晩年と似たような、微妙にプレイがヨレたようなそんな感じのレコードですが・・・妙に印象に残りますね。

>Charlie Parker/ dial DLP-1~
う~ん・・・それは・・・僕も一度だけネット(米オークション)で見かけたことあります。「あれ?ダイアルなのに(10インチではなくて)なんで12インチなんだ?」と思いましたよ(笑)そしたら・・・むちゃくちゃ高い値になっていきました。数字は大きすぎて・・・忘れました(笑)
もしそのダイアル12インチ盤が、10インチ盤より鮮烈な音だったりしたら・・・(笑)ウ~ン・・・と唸る方がまた何人かいらっしゃるんでしょうね(笑)まあ・・・同時期、同プレスなら・・・同じ感じでしょうね。
dukeさん情報によると、その12インチは75では誰も手を出さなかったらしいので、それは・・・正しい市場判断でしょう(笑)次の出品でどこまで下がるか~全く関与ないスタンスですから・・・ある意味、楽しみです(笑)

投稿: bassclef | 2008年11月 5日 (水) 23:43

bassclef さん、こんばんは。

圧倒的なパーカー論畏れ入ります。いみじくも三式さんは、ジャズ喫茶でパーカーを聴いたという記憶が全くないと仰っておりますが、サラ回しの経験からいうと確かにかかる率は少なかったようです。多分に70年代のジャズ喫茶はオーディオ志向でしたので、敢えて録音が悪いレコードを選択しなかったことによるものでしょう。その店のトイレに落書きがありました。パーカーに今の技術で録音させたい・・・と。

先だってヤフオクに、Charlie Parker/ dial DLP-1 が出品されておりました。Ross Russellが約3週間だけ通信販売で発売したコレクターズ・アイテムでして、世界最初の33 1/3rpm12インチLP Jazzレコードです。因みにスタート価格は75万円でした。入札はありませんでしたが、持っている人がいるのが驚きです。おそらく販売枚数は100枚以下、ジョージ・ルイスのオハイオ・ユニオンと並ぶ枚数の少なさでしょう。

投稿: duke | 2008年11月 4日 (火) 23:52

三式さん、いつもジャズへの心情溢れるコメントをどうもです。<パーカーはジャズ喫茶でかからない>~これ・・・当たってると思います。その理由は・・・たぶんジャズ喫茶のオーディオ志向みたいなものと大いに関係していたのでしょう。パーカーの国内盤・・・普通に言っても「いい音」とは程遠いものばかりだったでしょうし、(そんな「レコードの音質」としても「ジャズのスタイル」としても、いわゆる「ジャズ喫茶」に一番似合うのは、どうしたってパーカーよりちょっと後の「ハードバップもの」であったから・・・と推測してます。当時のジャズ喫茶のオヤジも(お客も)みなそんな感覚だったように思います。
それと、いみじくも三式さんも<パーカーの愛聴盤は残念ながらウィズ・ストリングスだけです>と、おっしゃてるように、なにかしら・・・パーカーという人には「僕の好きな1枚のレコード」という雰囲気には馴染まない感じもありますね。そういう僕の方も、拙ブログ4月記事でちらっと書いたのですが、http://bassclef.air-nifty.com/monk/2008/04/17/index.html
やはり「パーカー:この1枚」みたいなものがないのですよ。ライブ録音のパーカーを嫌いではない、と言っても、やはり「ハッピー・バード」を好きな1枚・・・とは言えないのですよ(笑)
強いて言えば・・・僕もやはりスタンダードソングを中心に演奏している「ウイズ・ストリングス」か「Night & Day」になります。
三式さん言うところの「パーカーの鼻歌」・・・
昨晩、Night & Day収録の「言い出しかねて」を聴きながら・・・またまた圧倒されてしまったbassclefであります。まったくパーカーときたら、そんなよくある「小唄」の端々にも、ググッと切れ味鋭いフレーズを(これまた何気なく)散りばめながら、悠々と吹き倒していくのだから(笑)

投稿: bassclef | 2008年11月 4日 (火) 23:12

どうも!bassclefさん、三式です。長文に及ぶC.パーカー分析、相変わらず素晴らしいですね。これだけの文章、相当パーカーとの関わりを経験しないと書けるものではありません。それにしてもbassclefさんやお仲間の方はジャズを聴き始めとほぼ同時期にパーカーの存在を意識されてたようですね?羨ましい限りです!・・ところで「パーカー・ウィズ・ストリングス」また登場ですね・・(笑)。皆さん絶賛されてる「ミッドナイト・ジャズ・アット・カーネギー・ホール」、確かに僕も素晴らしい演奏だと思いますね!ただ、僕の場合このオリジナル盤の音は聴いたことがないのですが・・・是非聴いてみたいです。僕がいつも聴いている〈チャーリー・パーカー・ウィズ・ストリングス〉はCDなんで・・・、そのCDでカーネギーのライブ5曲も聴けるのですが。
ほんとにこのCDは1万円払ってもいいぐらい聴き倒してますからね(笑)。
初めに戻りますがbassclefさんもお仲間の方もジャズを聴き始めた頃からパーカーに接しているとパーカーの愛聴盤も多いんでしょうね?僕の場合パーカーの愛聴盤は残念ながらウィズ・ストリングスだけです。
レコードはそこそこ持ってはいるのですが、お世辞にもパーカーを聴いているなんて言えたもんじゃないです。
なぜそうなったか?理由は色々あるでしょうが僕がジャズを聴き始めたころはちょうどジャズ喫茶全盛の頃で僕はジャズ喫茶で育ったようなものでして・・もう入り浸りでしたからね・・。しかし今思い返してみるとジャズ喫茶でパーカーを聴いたという記憶が全くないのです。何かパーカーを聴いているどころじゃない雰囲気が充満してましたね。だからその頃ジャズ喫茶に入り浸ってた連中はほとんどパーカーは聴いてないじゃないかなと思うわけです。つまり僕もその中のひとりなのです。
楽器から入った人、とタダ聴くだけから入った人とは若干違うかもしれませんが当時僕の周りにいたジャズ仲間の間でパーカーのことを話題にする人も皆無でしたし、もっぱらコルトレーンやドルフィー、B.エヴァンスでしたから。
僕がパーカーを聴いてみる気になったのはスーパー・サックスのレコードが米キャピトルから出るようになった1973~4年ごろです。このレコードが僕のパーカー・アレルギーを若干ですけど緩和してくれました。それでも未だにパーカーを聴くとなると何となく身構えてしまいますね。特に英スポットライトのダイアル・セッションなんか百科事典を紐解くような気分に・・・(笑)。

ではなぜ「ウィズ・ストリングス」は聴けるのか?・・・・それは多分、パーカーが鼻歌でウタッテくれてるからでしょう(笑)!

投稿: 三式 | 2008年11月 3日 (月) 21:10

いやあ、Musashi no papaさん、コメントどうもです!

>パーカーってちょっとスローではピッチがはずれ気味でそこがまた良いんですけれど~
いやあ・・・偶然ですね!今日(25日:土)、このブログ本記事中にも登場しているsigeさん、yositakaさんとまた3人会をやったのですが、その時「パーカーって微妙なピッチだよね」てな会話をしていたのですよ。ちょうどPaPaさんがこのコメントを出してくれた14時頃だったような気もします。僕ら3人のパーカー話しの熱気が、パーカー電波となって愛知から神戸まで飛んでたんですかね(笑)

そういえば先日の藤井寺での集まりでも、ちょっとだけパーカーがかかりましたね。あれ・・・意外なほど「端正なパーカー」と僕は聴きました。
「ジャム・セッション1」のバラードメドレー・・・パーカーの出番は dearly beloved という地味な曲。テーマをあまり崩さずに、丁寧に吹くパーカー。この曲では不思議にピッチもすごくいい(ように聞こえました)僕はあれ・・・「オレにだってこういう風に(正統派っぽく)吹けるんだぜ(ニヤッ)」というパーカーならではの「かっこつけ」的なバラード演奏ではないかな・・・と思ってます。いつもの手癖フレーズをなるべく吹かないようにしている・・・そんな気配を感じたのですよ。でもテーマだけを吹く最後の方で、出てしまうんです。パーカーフレーズが!(笑)それは「ソ」の音か何かを吹いた後、息を吹き込みながら、そのまますぐに右手をパラパラと連続的に(低い音の方に)フィンガリングさせるテクニック~だと僕は想像している・・・グリッサンドというのかな?~の実に小粋な吹き方なんですよ。パーカーがやる、あれ・・・好きだな(笑)

>パーカーのレコードを数えてみたら12インチ35枚10インチ34枚7インチ9枚、モザイクのベネディチィ10枚を入れると合計88枚~
PaPaさん、ブッカーアービンとかジャボンジャクソンとかのちょっと異端路線が好みなのは特に異常とは思いませんが・・・その「パーカーLP」(それもオリジナル盤だけで!)集中所有は・・・明らかに異常です!(笑)

投稿: bassclef | 2008年10月25日 (土) 21:08

せんりくん、いつもコメントをどうもです!
パーカーという人の「馬力」・・・これはまったくその通りだと思います。1500cc~2000ccくらいのクルマを普通とすると・・・パーカーだけは軽く5000ccはあるでしょうね(笑)
>チャーリー・パーカー音楽とは、そうした身体的特性、テクニックを云々するだけだではやはりどこか勿体無い。聴き、浴びることで、何より、そこから滲み出す濃厚なサムシングを感じ取ることにその本当の意味がある~

う~ん・・・いいですね。このフレーズ!せんりくん節ですよ、これは。「濃厚なサムシング」・・・まったくパーカーという人の音を聴けば聴くほど、そんな「気配」を感じますね。だからこそ・・・そのパーカーが吹いた音の型だけを後付で理論で分析するなど・・・本当はまったく無意味なことに違いないのに・・・。でも僕も含めて、あのアイディアアのあまりの新鮮さに、器楽興味もあって、つい・・・(笑)

なににしても・・・僕らは信じたいですね。パーカーの音色を浴びてそれがためにジャズ中毒になったとしても・・・それは幸せなことなのだと(笑)

投稿: bassclef | 2008年10月25日 (土) 20:49

bassclefさんこんにちわ。
パーカーの皆さんの分析を拝見するとなるほどと頷く私です。今日手持ちのパーカーのレコードを数えてみたら12インチ35枚10インチ34枚7インチ9枚、モザイクのベネディチィ10枚を入れると合計88枚あるのですけど、その中でもパーカーの演奏はカーネギーのウイズ、ストリングスがやっぱりいいなあといつも思います。同感なんです。このときはパーカー様まじめだしホント古さも気になりませんよね。SAVOY, CLEF、ROOSTにも良い演奏はあるけれど1番はこれかも。パーカーってちょっとスローではピッチがはずれ気味でそこがまた良いんですけれど。わざとそうしているのかは分からないけれど、薬のせいで出来不出来とゆうか、いわゆるムラがあるような感じ。けれどはまって乗ってきた時のパーカーはもうSAX界の王様、あの音のハリ、あの音の艶やかさ、あの色気、あの音の強さ、あのスピード、あのアドリブ。言葉になんかなりません。誰でも俺にかかってこい。俺より巧い奴はいないぜ、って気迫を感じます。僕はちょっとはずれ気味が好きなので、例えばブッカーアービンとかジャボンジャクソンとか。やっぱり異常でしょうか(笑)。でもあの乗っていく時のパーカーってもう誰にも止められない感じ。めくるめく音楽の波に乗りまくる。大きな波でもパイプラインでもかかってこいの乗り。実際パーカーの演奏を聴いていると存在感はあまりにもパーカーが大きすぎて、他の奏者よりひときわ際立って聞こえてくるのは私だけでしょうか。珍しいところではOKIDOKE RECORDのRAREBIRDというメジャー未発売録音のレコードのB面にバードのインタビュがあり結構長い録音で、バードの声が聞けます。黒人英語そのもので結構雰囲気あります。映画バードの主役声とはちょっと違いますが。しあわれ声でなんとも言えませんよ。

投稿: Musashi no papa | 2008年10月25日 (土) 14:02

bassclefさん、こんばんは、せんりくんです。
チャーリー・パーカー、ほとんど日本盤を聞いての想像をやたらいっぱい膨らませての文字どおりの雑感となりますが。
ぼくのパーカー初の邂逅は映画「バード」でありました。冒頭パーカーのソロがいきなりうなりをを上げる“Lester Leaps In”(でありましたか)のかってない暴力的な刺激に全身鳥肌が立ってからというもの(鳥肌だけに)すっかりバード熱に冒されています。(笑)
実に陳腐な表現になりますが、まず、パーカー何よりも誰よりも“馬力”を感じさせる。
山道をグングンどこまでも登ってゆく感じでしょうか。夏プールに誘われて行ってその水底にかなり長い時間、潜っていられたという逸話もありますし、彼のそんな肺機能は常人を超えた何かが確かにあったのかも知れません。
排気量(肺気量)の差を見せつけるような馬力。神業というより、むしろ現実的このうえなく正確でメカニカル的とも言えるテクニック。チャーリー・パーカーが機械的だと言われる由縁はそんなところにあるような気がします。
とはいえ、チャーリー・パーカー音楽とは、そうした身体的特性、テクニックを云々するだけだではやはりどこか勿体無い。聴き、浴びることで、何より、そこから滲み出す濃厚なサムシングを感じ取ることにその本当の意味があるんですよね。
チャーリー・パーカーその強烈にスイングする快楽の中に、イーストウッドの映画にそれが必然であるように暴力的な匂いを感じる。都市の闇の中で生き延びる為に備わった暴力性、生き延びたが故に備わった暴力性といったものでしょうか。だがその衝動が作られたものではないリアルな息吹きとなって迫ってくる。そして、即興演奏のそのピークに覗かせる狂気。それは、同じ時代人気のあったマルクス兄弟の映画でギャグの連鎖が膨れ上がってシュールな事態を生む狂気を思い起こさせます。
暴力、狂気、そうかと思うと、取って返したようにヤンチャ坊主なピュアな感性を伴った優しさを覗かせるのですが。
そして、これらをひっくるめてチャーリー・パーカー音楽、それには強い毒を含んでいると言いたい。つまり、我々はその毒にシビレ、今尚、中毒症状をおこしている。(笑)

投稿: せんりくん | 2008年10月24日 (金) 23:04

やあ、yositakaさん!コメントをthanksです!パーカーのCDを色々と聴きまくったようですね。すみません・・・修行のようなことをさせてしまったようです(笑)でも・・・本当に凄い腕をもった「音楽家の音」を続けて浴びる~という経験は、僕らの脳髄になんらかの(たぶんいい意味の)刺激を与えてくれそうですよね。つい先日も音楽好きの集まりで「いいクラシック」をいくつか聴かせてもらったのですが、
「巧い奏者の磨きぬかれた音」というのは、ジャンルの好みなど超越して、やはり気持ちのいいものでした。

>カーネギー・ホールでのライヴがすばらしい。会場の雰囲気~気迫が違う。ストリングスの編曲も古めかしさが気にならない~

いやあ・・・全くその通りです。パーカーの「ストリングスもの」~僕もあの時に掛けた2枚組エディション(Midnight at Carnegie Hall)のサイド3を通して聴いた時、まさにそのコンサートで、パーカーの音の気迫が、弦楽奏者たちにもある種のノリ(グルーヴ感)となって乗り移ってしまった!という風に聞こえました。拍手の音まで生々しい(笑)sigeさんもあの場面で「鳥肌」してました(笑)そんな意味では・・・一度はその音を聴いて(CDでも国内LPでもなんでも)知っている方が、「より鮮度のいい」(かもしれない)盤を聴くと・・・ひょっとしたら、一気にパーカー心底的開眼・・・てなことになることもあるのでは・・・と夢想してしまいます(笑)
まあ・・・もちろんどんな音源でもいいんですよ。今そこで響いている音楽をジジ~ッと聴けば、必ずやそのミュージシャンの心の奥底にまで触れることもできるはずですよね。ああ・・・ちょっと熱くなったようです。まるでsigeさんの言いそうなことを言ってますね(笑)

投稿: bassclef | 2008年10月20日 (月) 20:52

baseclef君、こんばんわ。
チャーリー・パーカーは私にはまだ縁遠い人。君のすばらしいレビューを読ませてもらった機会に、手持ちの古いCDを探し出しました。
あったのは、
『オン・サヴォイ・マスターテイクス』『バード・アンド・ディズ』『ウィズ・ストリングス』その他コンピ盤に含まれていた数曲。その中で『サヴォイ』『ストリングス』を何度か繰り返して聴きました。

<太くて重い音色で吹きまくるパーカー・・・それは聴く側にとっても、ある種の快感なのである。…パーカーのちょっと切羽詰ったような濃厚なアルト音を聴くと、何やらこちらの脳髄が麻痺してくるような・・・そんな種類の快感であるような気もする。>

思えばsige君と柴田荘で聴いた異常に切迫した、都会の孤独のようなアルトサックスの響きに驚嘆して以来、これほど真剣に聴くのは久しぶりでしょう。結果は、脳髄が麻痺、には至らぬものの、彼の演奏に関しては、すごさがだんだんとリアルに感じられてきました。ことに『サヴォイ』は確かにすごい。「巨人の音楽」の名にふさわしいものです。しかし、難なのがSP録音の3分枠と、音塊をぶつけてくるような音の質感(分離と距離感があまりない)です。途中で切れていたり、途中から始まっている感じのトラックもある。万難を排してひたすら音楽を聴け!と迫ってくる、まさに『ジャズ道場』です。あと二分、イや一分でも長ければ!!例外的に三分を超えている『ナウズ・ザ・タイム』は、それだけで余裕と完成度があるのでは。同じく三分以上のバラード『ミアンダリング』は途中で切れている。残念!
しかし、上質のLPなら違うんでしょうね…。
中では『ウィズ・ストリングス』の中の、カーネギー・ホールでのライヴがすばらしい。会場の雰囲気のためか、セッション録音に比べて全開の演奏というか、気迫が違う。ストリングスの編曲も古めかしさが気にならないのも不思議です。

投稿: yositaka | 2008年10月19日 (日) 18:41

おおっ、sigeさん!コメントをThanksです!
考えてみればsigeさんとyositakaさんとは1975年以来のつきあいで・・・もう33年も経っているわけですね(笑)konkenさんも交えてつい10日ほど前にも顔を合わせているわけで、そうした仲間内だと、このようにブログでのコメントやりとりというのも、却ってやりにくいものがあるんでしょうね・・・まあでもそれも「パーカー」に免じて・・・たまには、ちょっとクールになっての文章でのセッションというのも良いじゃないですか(笑)昔の話しですが、2人で演奏するといつも熱くなって(というより力みかえって)しまいましたからね(笑)

さて、パーカーです。
パーカー、パーカー、パーカー・・・ホントにジャズの神様はなんというミュージシャンを生み出してしまったのか・・・。
つい先日、ジャズ研(現役の学生君たちだから19才とか20才かな)の演奏を聴く機会があったのですが、彼らはブルース曲をやっていて、サックスの女の子がアドリブの出足に、パーカーの有名なフレーズ(Now's The Timeだったかの)を吹くんですよ。それが・・・いかにも覚えたてという感じで、まあその子はまだサックスの初心者風だったので、そのこと自体は勉強中ということで許すとして(笑)僕はでも(ジャズを勉強する~というスタンスの時)未だに「パーカー」ということに、驚きました。ジャズのアドリブなのにそんな習ったようなフレーズを吹いててどうするんだ!という気分もありましたが、その反面、こんな若い子がまだパーカーを意識している・・・ということが少々うれしいような気分でもありました。
まあでもごく単純に言っても(少なくともハードバップ的ジャズをジャズと呼ぶのなら)ジャズはパーカーからは逃れられない・・・とも思うのですよ。
だったら・・・ジャズ言葉の覚え始めは「パーカー」でもしょうがないじゃないか・・・という、弁護的な気持ちにもなったわけです。
もちろんその「ジャズ言語」を一通り覚えたら、今度はそのスピリッツみたいなものを根底に持ちながら、手法をなぞるだけ・・・という感じには終わらずに、ヘタでもなんでも「自己主張」してほしい・・・ですよね(笑)
まあ「器楽の現実」としては、もちろんその「パーカーを一通り」まで行かないんですが(笑)

パーカー以後のジャズの動き・・・もちろんそんなものにはパーカー自身にはなんの責任もないわけで、僕らは「パーカーという人がいた」ということと、その人が残してくれた「音」を味わい尽くせばいいのでしょう。

レコードに残った音のことであまり限定条件みたいなことを言うつもりはないのですが、パーカーをある程度聴いてきて少しでも「何かしら心に引っかかる」ものを感じている方は・・・本記事中にも書きましたが、sigeさんがパーカーを再発見したという「ダイレクト・フロム・オリジナルSP」を、一度、耳にしてみると・・・ホント、いいかもしれませんね。
実はそんなことを言ってる僕自身が、先日、sigeさんが持ってきてくれた、その「ダイレクト・フロム・オリジナルSP」のパーカー音色を聴いて、再度・・・本当に改めてパーカーの凄さを味わえたような気がしております。
Thanks! Mr.sigeさん!Keep playing Jazz!

投稿: bassclef | 2008年10月15日 (水) 21:04

sigeと申します。今後ともどうぞよろしく。baseclefさんのパーカーへの分析、ほんとうに熱くなる思いで読みました。ジャズってなんだろう、スィングするってなんだろうって迷ったとき、この文章のゆるぎない答えが、明快な道標を与えてくれると思います。
私事で恐縮ですが、高校1年生の10月、友人の家で「バードオブシンボル」をオープンテープにダビングしてもらったのがパーカーへの始まりでした。。録勉テレコでしたので音はしょぼいのですが、かえってハイファイに程遠いスピーカーでのパーカーの音は逆に聞きやすかったです。特に「オーニソロジー」のソロを聞いていると、夕焼け空のわびしさのイメージが湧いてきて、うっとりしていました。そこへ「チュニジアの夜」の超絶ブリッジ。当時はすげえってな感じで思っていました。しかし、パーカーが本当に体の中に入ってきたのは26歳のころでした。当時、きれいだとばかり思っていたモーツァルトの「プラハ」が、目くるめく音楽世界、息もつかせぬうちにどんどん曲中のカラーや鼓動が変わっていくイメージを聞き取ることができたのです。ちょうど3D画像をじっと見ているとそのうち、もやもやの向こうにはっきりした統一感ある世界が見えますよね。あんな感じです。そこで、パーカーのメロディラインを丁寧に追随して聞くのではなく、3D画像を見るようにボーッとパーカーのアドリブフレーズを聞いたのです。そしたらピタッと焦点が合ったのです。うごめくパーカー、夢見るパーカー、色を描くパーカー。次々と絵のように、動画のように見えてきたのです。ああ、これがパーカー体験かと。3度目の体験は、30歳過ぎて。今回baseclefさんが取り上げている「ダイレクフロムSP」音源でした。太い。ぶ厚い。粘っこい。あーこれがパーカーの音なんだと。で、なんかの番組でSP専用蓄音機を見た時、パーカーを聞くのはこの子供の身の丈ほどの蓄音機でSPを聞くのが一番良いんじゃないかと思うようになりました。まだ実現していません。しかし、今年8月24日、bassclefさんの家で「ウィズストリングス」の音を聞き、自然と鳥肌を立ててパーカーの音に興奮し、酔うことができました。瞬時に感じたものを自分のアドリブの中に織り込み、それでいて瞬時に全体像を構築するパーカー。その目くるめくアドリブの凄さはよく言われますが、やはりその根底には、bassclefさんが言い表した「音の太さ、重さ」があるのだとつくづく思います。

投稿: sige | 2008年10月15日 (水) 00:58

Papaさん、再コメントをどうもです。

>バードのソロだけだし、途中でやめるテークが一杯ありますし、録音もブツブツ切れだけれどパーカーを愛したアルト奏者の怨念を感じて~

う~ん・・・ディーン・ベネディッティという人が、当時の携帯レコーダーで(たしか・・・ワイアー録音とのこと)録音しまくっって、パーカーの幻の音源と言われていたのが、(これ、けっこうドラマティックな話しとして語り継がれたらしく、ものの本では~その音源は郷里イタリアに帰ったベネディッティが、ワイアーそのまま持ち帰った・・・というような話しになってましたね。ところがやはりアメリカに残っていた~というような話しで・・・)
そのモザイク・コレクションとしてついに発売された・・・そこまでは知ってたのですが、あまりに膨大なセットで高価だったこともあり、未だに未入手なんです。

そのベネディッティ音源・・・僕は「パーカーのソロ」だけを聴きとおす根性はないと思いますが(笑)、何かのディスコグラフィに、1曲だけ(well you needn'tだったか)パーカー+モンクの演奏があるのを知り、実はそれだけは聴いてみたいわけです(笑)

投稿: bassclef | 2008年10月13日 (月) 10:50

bassclefさん、ご無沙汰しております。
おっしゃる通りバードは生きているは良い本でした。同感です。ただクリントイーストウッド監督作品の”BIRD”はいま一つでしたね。パーカーのレコードは最近メジャーものに針を落としてはおらず、ベネデクティのモザイク盤ばかりなんです。バリーウラノフあたりの古い録音を聴くとモダンジャズファンは確かに引くかも知れませんが、でもこの盤はいいんですよ。でひ機会があれば聴いてくださいね。バードのソロだけだし、途中でやめるテークが一杯ありますし、録音もブツブツ切れだけれどパーカーを愛したアルト奏者の怨念を感じてそこがまたとっても熱いジャズ魂らしく、なまなましい雰囲気を感じます。私は異常なんでしょうか(笑)。

投稿: Musashi no papa | 2008年10月12日 (日) 21:32

67camperさん、いつもコメントをThanksです!
いやあ・・・camperさん、もちろん「音の鮮度感」のある音色で聴くパーカーの方が、より説得力はあるだろう・・・という思いもあって、今回の記事を書きましたが、それでもまあ、好きになる・ならない~は、やっぱりそれだけではないかもしれません。やはり「音色への好みの違い」は絶対にありますから・・・ジャズ好きが皆が皆、パーカー信者である必要もありませんし(笑)
(すみません・・・本記事中では「ジャズ好きならそうなるしかない~」とか書いてましたね。あれは・・・まあ勢いということで(笑)」

Now's The Timeのトランペット盤・・・それは羨ましい(笑)というのは、僕もパーカーを好きになっていったキッカケは、やはりダイアルやサヴォイからではなくVerve音源でした。Bob Porterという人がVerve音源を2LPに編集したシリーズをいくつか集めて、徐々にパーカーに惹かれていったのです。その2LPシリーズには、JATPものもVerveのリーダー作も入っていたので、僕の聴いた「Now's The Time」はその米再発2LPです。
でもVerve期になると、それまでのパーカー音源から比べたら、かなりしっかりとした音ですよね(比較の問題ですが)
よくだから・・・岩波洋三氏とかは(音の悪い初期のパーカー音源を聴いて、好きにならないよりかは)パーカーはVerveから聴け!とか書いてましたね(笑)でもあれにも(啓蒙的意味では)一理あるな・・・と今は思っているbassclefです

投稿: bassclef | 2008年10月12日 (日) 18:05

Musashi no papaさん、ちょいヒサでした!
チャーリー・パーカーのことについて何かを書くというのは、いつもチャレンジングなことで・・・最後には、あの「音」を聴くしかない~という取り様によってはとても無責任な話しになってしまいそうです(笑)もともと「音」というものは、言葉ではないわけで、「音」を聴いて何かを感じるというのは、「絵」を見て何かを感じることと同じように、純粋に感覚的なものかもしれません。
サックスの音色の軽重のことを少し書きましたが、それも含めて、「音色」というものについては、「人の声」に対するのと同じように理屈ではなく、だからそれぞれの方に様々な「好み」があると思います。
Papaさんはもう絶対的に「パーカー命症候群」なんですね(笑)
僕もこの頃、パーカーの音色を浴びていて・・・どうも最初の頃は(本記事の最後の方にも書いてあるように)いささか分析的に聴こうとしていたも部分もあったのですが、そのうちに・・・なんというか、「白痴美」という表現をしてみたのですが~ちょっとだけピッチ(音程)が合ってないような(笑)しかし、そのまま濃厚な何かをひねり出してくるような~あの独特なパーカーの音色そのものに、改めて、自分の脳細胞の組織をかき回されてしまったような・・・不思議な感触を得ました。
そのキッカケとなったのが、Verve盤2LPのMidnight At Carnegie Hallです。あのコンサートのライブの雰囲気がそのまま詰まったような鮮度感ある音に参ってしまったのです。もちろんその前、春頃に聴かせてもらったPapaさん手持ちの「パーカーのダイアル10インチ盤」あの音にも充分に刺激を受けましたよ(笑)それで「ダイアルのパーカー」の本当の質感はいったい・・・?という見直し気分にもなったのです。それで本記事に書いたRoost盤(All Star Sextet)でガマンしてます(笑)
まあ・・・今回も性懲りもなくいろいろ書き連ねましたが・・・パーカーについては・・・読んだ方がそれですぐに納得いくような表現は、やはりできそうにありません。
そういえば、世の中にもなかなかパーカーもので面白い本がないようにも思うのですが、僕がこれまで読んだ中で一番面白かったのは「バードは生きている」(草思社)です。ロス・ラッセルが書いた本でして、ダイアル関わりの張本人の見たパーカーだから・・・そりゃ生々しいパーカーの姿が浮かんできましたよ。
もしもこのブログを読んで、パーカーにもうちょっとだけ興味を持ってくれた方は、あの「バードは生きている」をお勧めしたいですね。音楽的な何か~というよりも、パーカーの生き様みたいなものが鮮明に伝わってきて、そうすると・・・その音まで聴きたくなってくるんですよ(笑)


投稿: bassclef | 2008年10月12日 (日) 17:26

bassclefさん、相変わらず凄い分析ですね。文中にあったように自分は「音が悪い」からdigしていない一人です。所有盤は殆どが国内盤だし、トランぺッター盤はNOW'S THE TIMEだけなんですよ。やっぱり鮮度の高いアルバムで聴かないと開眼できないのかも・・・。パーカーのあのプレージングが最もでるのがスティットとフィル・ウッズだと思います。固有の翳りは勿論ないですけどね。また楽器を慣らしきるという点ではbassclefさんの言うドルフィと個人的には音色的に似ていると感じているキャノンボールですね。パーカーについてはこのログで随分啓蒙されました。瑞々しい音でのパーカーを改めてDIGしないと駄目ですね。

投稿: 67camper | 2008年10月11日 (土) 20:42

パーカーと聞いて思わす書き込みをしてしまいました。
いつもbaseclefさんの文章にはただ感服するばかりです。ジャズの音って僕的には2種類に分かれていて、
一方は生まれながらのブルージーなタイプ。もう一方は頭でジャズを作ってゆくタイプ。パーカーって生れながらに頭の中にブルースコードを持っていたタイプ。こういうタイプに僕は惹かれます。逆にマイルスは苦手なんです(黒人なのにね、生理的なので自分でもよくわかりません)。いろんなジャズの音もがありますがCベースも好きでコレクション対象にはなるけれど、やはり大好きなのはアルトなのでやっぱりパーカー大好き人間なんです。パーカーの音は速くて(リズミカルで)重くて切れがある。横隔膜が強靭なのかも。だからあんなに大きくて深い音と切れ目のない音が出るのでしょうか。管楽器の音ってピース(エボナイトやメタル)とかの材質やリードの硬さ、メーカーの組み合わせによって音色は変わるし、メーカーのよっても差があるしベルが大きくなればまた変わるけれど、そういう領域ではなくパーカーのスピードと切れのあるあの音は常人にはなしえない世界ですね。楽器にはまれば嵌るほどパーカーの素晴らしさが分かるのではないのでしょうか。16歳の頃にはバラードをダブルテンポで演奏していたといいます。恐るべしパーカーですね。タンギングだって常人にはなしえない舌の使いかたですからね。まあ天才なのでしょう。そう思うとそれ以降のアルト吹きは気の毒かな。みんなポスト パーカーと言われながら超えることが出来なかった。ステットもアダレイも。ましてや僕がパーカーの次に好きなクリスやクロフォードですら。でも目標が出来て、お手本になって逆によかったのかも知れない。言い換えればテナーや他を吹かなくて後のテナーマンには良かったのではないかと(44年のマイルスのリーダーセッションにテナーで参加とあるけれど)。でもそんなパーカーだってハイスクールの頃に音楽理論を学び、バスタースミスを師と仰ぎレスターヤングを研究しつくしたそうだから一夜にして出来たわけではないけれど17や18歳ですでにおおよそ完成されていたわけですから、ウーンやっぱり天才です。パーカーを聴くと共に、是非バスタースミスやレスターを聞いてほしいものです。そこにこそパーカーの原点があると私は勝手に考えてこの二人のレコードをよく聴いています。パーカーの気持ちになって。一度でいいから生でパーカーを聴いてみたい。パーカーファンの夢ですね。

投稿: Musashi no papa | 2008年10月11日 (土) 15:43

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