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2007年12月20日 (木)

<思いレコ 第14回>ペッパーのGoing Home

クラシックの曲をジャズ風に演ったものをいくつか。

002_3《ソニー・ロリンズ・クインテット(everest)  これは日本コロンビア盤。最初(1972年)に出した1100円盤ではなく、1979年に発売した1500円盤。それでも、ラベルがperiod仕様になっているところが、なんとも意地らしいじゃないか(笑)》

いやあ・・・ロリンズのこのレコード、本当に久しぶりに聴いたなあ。なんとなく「原曲がクラシック曲のジャズ演奏」というようなテーマを思い付いて、最初に浮かんできたのがこのレコードだったのだ。このロリンズ・・・なんと、チャイコフスキーの「悲愴」のテーマを使ったバラード風の演奏(Theme from Pathetique Symphony)をしているのである。今、改めてレナード・フェザーの裏解説を読んでみたら・・・ちょっと面白いことが書いてあった。
<この「悲愴のテーマ」は”the story of a starry night”というタイトルで、ちょっと前にラジオでよくかかった曲で、ロリンズは、ヴィレッジ・ヴァンガード出演中に、たびたびこの曲のテーマを吹いていた>(Sonny featured prominetly during his booking at the Village Vanguard)ということなのだ。あのヴィレッジ・ヴァンガードで「悲愴のテーマ」かあ(笑)おそらく・・・ロリンズは、ハードな演奏の合間に、この曲のテーマだけを、独りで吹いていたのだろう・・・と、僕は勝手な想像をしてしまう(笑)
このeverest盤の録音日は、1957年11月4日であり・・・ということは、あのヴィレッジ・ヴァンガードの翌日なのである。さすがのロリンズも、前夜のあの素晴らしい「ノリ」に酔っていたのだろう・・・この3曲だけのセッションでも、イの一番に"Sonny Moon For Two"も演っている(笑)リズム・セクションが手堅すぎて、前夜のドラムス、ベースから成るサックス・トリオの豪快のグルーヴ感には及ばないが、ロリンズのアドリブでは、アイディアに溢れたフレーズが飛び出してきて、やはりこのSonny Moonも素晴らしい。
ああ・・・それより「悲愴のテーマ」のことだった。1拍待ってから始まるあの有名なメロディを、ロリンズはちょっと抑えたような音色~輪郭が拡がり過ぎないような感じ~と音量で、しかし充分にゆったりと吹き始める。繰り返しの2回目では、ジミー・クリーヴランドのボントロにちょっと対位的なメロディを吹かせている。
こうして聴いてみると・・・やっぱりこの曲のメロディがロリンズの好み~ちょっと古風なラプソディックな雰囲気もあり~だったんだろうなと思えてくる。ロリンズはスタンダード曲を吹くとき、たいていはその曲をあまり捻(ひね)らない。「捻らない」というのは、そのスタンダードの持つ「雰囲気」をそのまま唄うだけなのだが・・・しかしそれがロリンズ流の唄いになってしまうのである(笑)
この演奏でも、ロリンズは「テーマの唄い」に気持ちを集中させているようで、テーマ提示が終わった次のコーラス(いわゆるアドリブ部分)からは、ちょっと変化をつけるためだろうか・・・ベースとドラムスが4ビート(1小節に4分音符を4回打つ。テーマの部分では2ビート~1小節に2分音符を2回~だった)になる。それでも、ロリンズはあまり「アドリブ」という感じで吹いてはいないようだ。テーマからの軽い崩しを混ぜて、ロリンズ流のラプソディを演出している・・・という感じかもしれない。だから・・・この「悲愴」が特に素晴らしい・・・とは僕も思わない(笑)ただふとした時に「(ウン)・パー・パー・パー/パー・パー・パー・パー/パーパ・パー~~」と聴こえたりする妙に印象に残っているメロディである。さすがにチャイコフスキーだ(笑)それにしてもこの「悲愴のテーマ」をジャズ・バラード風で演ってしまおう・・・と考えるミュージシャンも、まあロリンズくらいだろうなあ(笑)003

《右写真:Tenor Madness~ラベルは青・イカリなので、2ndか3rd盤であろう》

そういえば、ロリンズにはもうひとつ、同じ趣向の曲があった。あの「テナー・マッドネス」に入っているmy reverieである。こちらはけっこう有名だと思うが、あれ、ドビュッシーの(何だったかな・・・? Reverie「夢」あるいは「夢想」と呼ばれる)曲が原曲なのである。<azuminoさん、Yoさんの情報により判明しました>
my reverieというタイトルとしては、1930年代にラリー・クリントンという人が「作曲」したということになっており、グレン・ミラー楽団でもヒットしたらしい。こちらの方は1956年5月録音で「悲愴」よりも1年半も前の録音なのだが、ロリンズはやはり「バラード風」に吹いており、この素敵なメロディから「優しさ」みたいな雰囲気が漂ってくる。ガーランドやチェンバースが巧いこともあり、バンド全体の演奏としては「悲愴」よりもだいぶんこなれているように思う。ドビュッシーの原曲そのものがジャズっぽいアレンジにも合う曲調だったのかもしれない。002
そのためかどうか、ジャズ・ヴァージョンもたくさんあるようで、ロリンズの他にも、ハンク・モブレイ(curtain call)、バーニー・ケッセル(music to listen to Burney Kessel by)、そしてトニー・ベネット(cloud 7)などがある。もともと僕はこの曲のメロディが好きなので、どれもいい感じに聴ける。特に若い頃のトニー・ベネットのやや高めの声には、なんとも言えない色気を感じる。
《上写真:ベネットのCloud 7~そのmy reverieは、なんとA面1曲である。当時のcolumbiaのこの曲に対する意気込みが窺(うかが)われる》

そしてもうひとり・・・アート・ペッパー絡み(がらみ)のレコードについても少し書いてみたい。
ペッパー絡みといっても、リーダーはショーティー・ロジャーズで、ペッパーはほんの少し(A面5曲目のsnowballで短いクラリネットのソロ?)出てくるだけだ(笑)001 あまり知られてないレコードかもしれない。

Shorty Rogers/The Swingin' Nutcracker(RCA Victor)
LSP-2110




《アル・シュミットのメリハリあるステレオ録音だ。ひょっとしたら僕がこのレコードを気に入ったのは・・・この素晴らしい録音のためだったかもしれない(笑)》

どうやら、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」のメロディ素材を「スイングしている」ようにアレンジしたレコードのようである。僕はクラシックをほとんど聴かない。どの曲も長すぎてなかなか集中できないのだ(笑)
でも・・・名曲と言われるものは、やはり素晴らしい。クラシックの作曲家が、おそらくウンウンと唸りながら造りだしたメロディとハーモニーには、絶対的な魅力が溢れている。そうしてせっかちな僕は、そういう「魅力ある素晴らしいメロディ」の箇所だけ、聴きたいのである。「そこ」に至るまでの段取りが長いとガマンが効かないのだ。
そんなクラシック素人の僕は、どうやらチャイコフスキーが好きなようである。「くるみ割り人形」は、中学の頃、好きになった。当時、日本コロムビアが古い音源のものを「1000円LP」として発売した時、兄と小遣いを分け合い、何枚か入手したのだ。「アルルの女」とか「カルメン」とか・・・まあそんな「判りやすい」クラシック曲を、いくつか聴いていたのだ。そして今でも「判りやすい」クラシック曲だけ好きである(笑)001_3
《右写真は、ガラクタ屋で入手した古い25cm盤(日本コロムビア) 音は・・・よろしくない(笑)》

「くるみ割り人形」~「胡桃割り人形」と書いた方が感じが出る~は、組曲で、1曲1曲がわりと短めなのもよかったし、チャーミングなメロディの曲が多くて、すぐに気に入ってしまった。チェレスタを使った「こんぺいとうの踊り」や、フルートが奏でる「あし笛の踊り」、それから終曲の「花のワルツ」が特に好きだった。
そんな「馴染み」があったせいか、このショーティー・ロジャーズのLPを聴いた時・・・「あれ?このメロディ・・・聴いたことあるぞ」てな感じで、わりと抵抗なく、この「クラシック曲のジャズ化」音楽に入り込めたようだ。
それと、クラシックの曲を忠実に(「目玉のメロディ」の前後までそのまま)ジャズ(風)にしても、おそらく長々として堅苦しくなるだけだが、このロジャーズのアレンジでは、その辺りを思い切りよく「端折っって(はしょって)いるところが、僕は気に入っている。おいしいメロディの箇所だけを生かして、残りはそのアイディアをアレンジして巧いこと繋げているようなのだ。例えば「花のワルツ」をモチーフに使ったB面2曲目(Flowers For The Cats)は、なんと4拍子になっていたりする。タイトルが「スイングする胡桃割り人形」なので、仕方ない(笑)だから厳密に言うと、このレコードは「くるみ割り人形のジャズ化」ではないだろう。そういえばこのLP・・・ジャケットにわざわざ「Like Nutty」とも書いてあるのだが、それは「くるみが好き」というのと「くるみ割り人形的な」という意味合いも持たせたのかもしれない。002_5
《録音だけでなく、メンツもいい!ビル・パーキンス、コンテ・カンドリ、リーチー・カムーカ、フロンク・ロソリーノなどは、この手のセッションの常連だと思うが、ハロルド・ランドの名にちょっと驚く。短いがとてもいいランドのソロが随所に出てくる》

最後に、もう1枚。
僕はペッパーを大好きなのだが、よく聴くのは、ほとんどcontemporary期までのレコードで、彼の70年代以降のレコードを普段はあまり聴かない。ところが後期ものの中で1枚だけ愛聴しているレコードがある。それがGoin' Home(galaxy)である。004_2
《これも日本盤。近年録音のものだと、外盤と日本盤にそれほど音質の差はないように思う》

「家路」・・・ドヴォルザークの『新世界より』のいいところのメロディだけ抽出して「家路」と呼んでいるのだが、この曲のメロディ・・・知らない方はいないだろう。小学校の頃、放課後に校庭で遊んでいて、ふと気づくと辺りが薄暗くなっていて、友達の姿もぼんやりとした影のようになってくる。そんな時・・・この「家路」が鳴ったりする。
「ああ・・・みんな、もう家に帰らなくちゃ・・・」下校時間=「家路」という、実に短絡的な発想ではあるが(笑)僕は、このメロディを素朴な気持ちから「いいなあ」と思うのだった。
そういえば・・・中学の時、音楽の授業で(レコード鑑賞)いつもクールな女性の教師が「この本当に美しいメロディを聴いてください」と、やけに熱心にコメントしてから、この『新世界より』をかけたこともあった。
このレコードを、本当によく聴く。ジョージ・ケイブルスのピアノとのデュオなのだが、この形態によくある「丁々発止のフレーズやりとり」みたいな感じではなく、とても内省的な演奏になっている。ドラムスもベースもいない・・・だから、2人が2人だけの呼吸で、お互いの「間合い」を測りながら、寄り添ったり、あるいはちょっと突っ込んでみたり、しかし・・・全体に流れる空気には絶妙な「信頼」がある・・・そんな感じのデュオなのだ。
ペッパーが吹くクラリネットの音色・・・これがまたなんとも素晴らしい!
なにか「音」をストレートに出さずに、一度、口の中に含んで溜めたようなニュアンスが感じられる。ぺッパーは、その溜めた「息」を小出しに出しながら、実に抑えた感じの音色を~ベニー・グッドマンとは対極の音色だ~生み出しているのだ。そんな「押し殺した」ようなクラリネットの音色がなんとも言えず凄い。そして、その音色でドヴォルザークの「家路」のメロディを淡々と吹く。この曲、ペッパーはテーマを吹くだけである。いわゆるアドリブは全くない。ポピュラー風に言えば、最初のコーラスでは、ペッパーがテーマを吹き、サビの部分をピアノにまかせる。そして、2コーラス目はピアノがソロを弾き、ペッパーはサビから入り、そのまま最後のテーマを淡々と吹き進めて、この曲は終わってしまう。それでも、随所で情念の閃き(ひらめき)を見せるペッパー・・・僕はやはりペッパーが好きだ。それにしても、このデュオは、本当に素晴らしい。聴いているといつも・・・「原曲がクラシック」という外面的なことは全く忘れてしまう。ただただ、この2人が表出する音だけに集中してしまうのだ。ジャズを聴いている・・・という意識すら消えているかもしれない。
なにかしらちょっと滅入っている時などに聴くと・・・どうにも心に染み入ってくる。どこまでもしみじみとした、でも温かい気持ちにさせてくれる大好きなレコードだ。こういうレコードがあるから・・・ジャズはやめられない。

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コメント

ワガママおやじさん、明けましておめでとうございます。大晦日の深夜コメントをthanksです!その大晦日に永年の探求盤をゲットとのこと・・・それとニーノさん杜の22222番も併せて、こりゃあ最高ですね(笑)日ごろからお仕事の方もばっちりやられてるワガママオヤジさんへの、神様プレゼントでしょう。
レコード盤探索・・・このところ古い米EP盤(もちろんpicture sleeve付き)に惹かれております。こちらもボチボチやってきます。
今年もよろしくお願いします。

投稿: bassclef | 2008年1月 1日 (火) 10:54

bassclefさん明けましておめでとうございます。

いつもコメントありがとうございます。
つい一時間前に以前より探していた盤
ヤフオクで落札しました。
ただもしかしたら2ndかもて気がしてます。
またもステレオ盤・・・

ペッパーの家路聞きたくなりました。
シュミットさん投稿でハスリンとソウル・サンバに家路あると知りました。
てか家のそのアルバムなら有るんだけど聞いた記憶が無い
この頃物忘れが多いからなぁー

それはともかく
今年もよろしくお願いしますね
それでは風呂入って寝ます(-.-)Zzzzz‥

投稿: ワガママおやじ | 2008年1月 1日 (火) 00:32

bsさん、ご挨拶のコメントをありがとうございます。こちらの方こそ、いつもbsさんのBLUE SPIRITSには触発されまくっております。いろいろと読ませていただくうちに・・・bsさんの「トランペット好き」もだんだんと判ってきました(笑)cadetだったかargoだったかのジーン・ショウなどの渋いやつまでしっかりと押さえていたり・・・それと60年代、70年代まで、ちゃんといいレコードを聴いてらっしゃることも素晴らしいですね。
実は・・・僕の方、60年代中期以降のレコードになると・・・極端に弱いのです(笑)その辺りはまたbsさんのHPで勉強させてもらいますね。
来年もよろしくお願いします!

投稿: bassclef | 2007年12月30日 (日) 23:55

こんばんは、bsです。今年も残り僅かになりました。
ピリオドのロリンズから始まってペッパーのGoin' Homeまででの展開、相変わらず鮮やかですね。コメントを入れるスキ、否、隙間がありませんでした(笑)。
来年の弊HPの頭はペッパーにしようかな、なんて漠然と考えています。

今年、一年、いろいろ楽しませて頂き、ありがとうございました。
良い年をお迎えくださいませ。


投稿: bs | 2007年12月30日 (日) 22:35

dukeさん、わざわざのご挨拶コメントをありがとうございます。こちらの方こそ、貴ブログ「デュークのアドリブ帖」には、本当に楽しませて頂いております。本記事もさることながら、集まるコメントとそれに対するdukeさんの返しがこれまた絶妙で・・・その辺りが楽しいのですよ(笑)またコメントされる方々が、単なるベスト3に終わらず、いろんな薀蓄も語られて・・・そういう場をdukeさんが見事に造り上げた・・・そんな素晴らしいブログですね!
ブログ間の交流は僕にとってもうれしいことです。dukeさん、今後とも、お互いにガンガンとジャズの楽しさを表していきましょう!
みなさん・・・よいお年を!来年も、もっとジャズを!(笑)

投稿: bassclef | 2007年12月30日 (日) 22:00

bassclef さん、今年も1年間お付き合いありがとうございました。

WALLY HEIDER、フリップ・フィリップスの Clef 盤、T字VERVEラベルの Light Groove (笑)等々、大変参考になり、楽しめました。ブログの編集方針は違えどジャズが三度の飯より好きなのは同じこと、ブログ間の交流は嬉しいですね。

また、来年もよろしくお願い致します。

それでは、よいお年を!
そして楽しい Jazz Life を!

投稿: duke | 2007年12月30日 (日) 08:53

dukeさん、コメントをいつもThanksです!
今回の拙記事・・・最終的には、やはり「ペッパーの家路」のことを書きたかったので、それで「クラシック元歌」繋がりで、ロリンズからペッパーへ強引に持っていった展開だったのですが・・・dukeさんには、その辺りのこちらの気持ちを読まれてしまったようですね(笑)
とはいえ・・・今回、自分でも書いていて気がついたのが、ロリンズやペッパーの「歌心」は、決してクラシックのメロディ(や曲自身の構造的な部分)だけに「頼らない」というか・・・僕自身の思い込みもあるかと思いますが、その曲(メロディやハーモニー)の持つ「何らかの雰囲気・イメージ」というものを、自身のサックスで表そうとしている(自分の個性を消すことなく)のだろうな・・・ということです。だからこそ・・・記事に挙げた演奏は素材が何であれ「個性的」なのだ!という確信みたいなものです。
名曲自体の持つ存在感(エネルギー)と、それを解釈するミュージシャンの個性(存在感、エネルギー)・・・つまりそこにエネルギーのぶつかり合い(というか変換)みたいなものが生まれると・・・(僕にとっては)「いい演奏」ということになるのかもしれません。もちろん、そういう演奏はそうたくさんはないでしょうね。そんなわけでazuminoさんの仰る
>クラシックの名曲のテーマは素晴らしいメロディで知られているものが多く、これを用い、かつハーモニーも考えて面白いアドリブをするのは容易ではなくて、よいものはロリンズなどビッグ・ネームにしか作れないのではなかったのかと思います~
というコメントにも「なるほど・・・そうだったのか」という納得した次第です。
「ゴールデン・イアリング」の元メロディが「チゴイネル・ワイゼン」というのは、知りませんでした。そういえば、あれ、いいメロディですね。

投稿: bassclef | 2007年12月25日 (火) 23:24

bassclef さん、こんばんは。

連日の宴会続きですっかり出遅れてしまいました。
クラシックとは驚きましたが、ロリンズの悲愴からペッパー「家路」の展開お見事です。先日の拙ブログにお寄せいただいたコメントで「家路」への愛着は存じておりましたので頷けます。

凡そ皆さんからクラシック関連は挙がりましたので目新しいものはありませんが、「ゴールデン・イヤリングス」もこの類かもしれません。サラサーテのチゴイネルワイゼンをアダプトしたと言えば聞こえはいいですが、俗に言うパクリですね。まぁ、レイ・ノーブルがチェロキー族に伝わる恋の歌を拝借して、「チェロキー」を作ったようなものでしょうか。

シュミットさんが挙げられていたラロ・シフリンの怖いジャケ「魔屡奇怒娑奴」は、バロックジャズという趣きで楽しめます。NOT さんがおっしゃっておりましたが、こちらも楽しく聴けるのはせいぜい1~2曲でして、両面続けて聴きとやはり飽きますね。退屈したら長いタイトルでも眺めてください。寿限無といい勝負です。(笑)

投稿: duke | 2007年12月25日 (火) 18:41

azuminoさん、初めまして。azuminoさんのお名前は、67camperさんとdukeさんのブログの方でお見かけしました。貴ブログ「お気楽ジャズ・ファンの雑記帳」
http://jazzvo.blog.ocn.ne.jp/blog/
も拝見しました。さりげなく渋い盤が出てくる趣味のいいブログですね。プリシラ・パリスのレコードは僕も好きなんです(笑)
ロリンズが演奏したmy reverieの原曲・・・ドビュッシーのReverie(夢想)という曲とのこと、azuminoさんお知らせ頂き、ありがとうございます。Yoさんからも(my が付いてないreverie・・・という)ヒントを頂いていたのですが、知識不足で未確認でした。そういえば・・・ドビュッシーの「夢」というタイトルでも知られた曲があったですね。あれだったのですね。さっそく本文記事中にも、正しい情報を入れときます。
マッセイホールでのガレスピー~というと・・・パーカーバド・パウエルらと演ってるあれですよね。ガレスピーが引用する「カルメンの中のハバネラ」・・・「カルメン」もキャッチーなメロディが多くて好きな曲なんですが、そのガレスピーには全く気が付いておりません(笑)またレコード聴いてみますね。
azuminoさん、またお気楽にコメントをどうぞ。よろしくお願いします。

投稿: bassclef | 2007年12月24日 (月) 21:18

はじめましてazuminoといいます。今回のテーマの一例として「My reverie」を取り上げているので、興味をもちコメントさせていただきました。

原曲のドビュッシーのピアノ曲「Reverie」(夢想)は、ヘ長調で、メロディはまさに夢想というにふさわしいエレガントなものです。この曲は、転調を重ねていきます。フラットさん1つから、シャープさんが4つとかになります。というわけで、旋法(モード)的な感じがし、調性に拘りたくなかったのかどうかは知る由はありませんが、原曲自体がアドリブに向いているような気がします。

ジャケットが掲げられているトニー・ベネットの「Cloud7」はいいですね。「My Reverie」はじめ、ベネットはこういう抑え気味のものが好きです。

クラシックの名曲のテーマは素晴らしいメロディで知られているものが多く、これを用い、かつハーモニーも考えて面白いアドリブをするのは容易ではなくて、よいものはロリンズなどビッグ・ネームにしか作れないのではなかったのかと思います。

クラシックのジャズ化として、アドリブの一部に引用することもジャズらしい自由さがうかがえて醍醐味だと思ってきました。マッセイホール・コンサートにおいてディジー・ガレスピーがビゼーのオペラ「カルメン」の「ハバネラ」のメロディを引用するあたりには興奮しっぱなしでした。

長く書かせていただいたわりにはまとまりません。今後ともどうぞよろしくお願いします。

投稿: azumino | 2007年12月23日 (日) 23:48

67camperさん、いつもコメントをありがとうございます。「出遅れ」なんてことないですよ(笑)僕の場合、ブログ更新は、一ヶ月ごとですから、更新翌日だと、素早いコメントなんです(笑)
camperさんもタレンティンの「ハスリング」ですか。みなさん、ほんとに幅広く聴かれてますね。

LA4が演った「亡き王女~」よかったですね。あの曲はラベルでしたか。本当にきれいなメロディですね。「亡き王女~」を最初に聴いたのは、デオダートのCTIのレコードでした。それもよかったですね。

ジョン・ルイスをそれほど好んでいませんが、ミルト・ジャクソンは好きです(笑)それとcamperさんもお好きだというローリンド・アルメイダのガットギターは好きなので、なぜかMJQのこの「アランファス」(atlantic)は持ってます。(アルメイダのギターを聴こうと思って入手した記憶あり)それを久々に聴いてみました。
・・・う~ん、つまらん(笑)アルメイダのギターそのものは、もちろん悪くなかったのですが・・・あまりにも端正なクラシックそのまま的な演奏で、僕にとっての「面白くないMJQ(いや、ジョン・ルイスかな)」そのものでした。ミルト・ジャクソンの出番がほとんどなく・・・腕組しながらギョロ目でジョン・ルイスを睨んでいるジャクソンの姿が浮かんでくるようでした(笑)

僕は、まだまだMJQを楽しめる境地には至らないようですね。

投稿: bassclef | 2007年12月22日 (土) 00:05

シュミットさん、こんばんわ。いつもコメントをThanksです!そろそろかな・・・と思ってました(笑)
>S.タレンティン/ハスリンとI.ケベック/ソウル・サンバ
の「家路」~うわあっ、両方とも・・・未聴なんです(笑)
僕の場合、けっこうこの辺(bluenoteの4000番台とも言えるかな)弱点ですね。
それにしても、この2人とも管奏者・・・それにたしか・・・ユゼフ・ラティーフも「家路」演ってるレコード(riverside盤だかjazzland盤)があったはずです。(うう・・これも未聴だ!)
どうやら・・・「テナー吹きはドヴォルザークが好き」なんですかね?(笑)
ペッパーばかり誉めあげて、他のサックス吹きの「家路」を聴いてないというのも・・・それはいかんですね(笑)まずはケベックあたりから探したいと思います。
ラロ・シフリンの「丸木土砂土」~これも未入手です。あのちょっと怖いジャケットのやつですね(笑)
シフリン・・・この人、後年は映画音楽のヒットメイカーですね。たしか・・・「燃えよドラゴン」もこの人でしたかね。シングル盤持ってます(笑)

投稿: bassclef | 2007年12月21日 (金) 23:48

bassclefさん、こんばんわ。今回は、完全に出遅れてしまいました。このブログのコメント欄は猛者ぞろいで、少しひいてしまうのが正直なところです。気の利いたコメントは期待しないでくださいね。

さて、クラシック曲のジャズ料理で思いつくのはやっぱり皆さんが書いているようなドヴォルザークの家路とロドリーゴのアランフェスですね。前者はbassclefさんと同じく、全国的に小学校で使われていたのでしょうね。自分も、放課後を思いだします。ジャズではシュミットさんと同じくHUSLIN'とケベック盤ですね。以前に下記にアップし、ちょっとだけ触れていますよ。
http://blog.goo.ne.jp/67camper/e/8169a154cdc5a2d9dc5776222e797590
次にアランフェスです。マイルス、ジム・ホールが定番ですが、自分はローリンド・アルメイダの下記も好きですね。
http://blog.goo.ne.jp/67camper/e/31b2f5e0eb7011def81c4cdabd14c878

そしてここでは触れられてないですが、ラヴェルの「なき王女のためのパヴァーヌ」をやったLA4の演奏もいいですね。これもアルメイダですが、ここでの新しめの録音によるバド・シャンクの突っ込み加減のアルトプレイが好きです。彼らのアランフェスももちろんいい!アルメイダのガットは、チャーリー・バードと双璧ですね。

投稿: 67camper | 2007年12月21日 (金) 23:03

Shuffle Boilさん、お久しぶりです。コメントをどうもです。
アイラーの「家路」・・・う~ん、それも聴いてみたいですね。あの深いヴィブラートであのメロディかあ・・・。
アイラーと言えば・・・根っこのところで近いものを感じるテナーの高木元輝氏(2002年に亡くなった)も、(1995年頃だったかな?)この「家路」を吹いてました。高木氏の場合はテーマを吹き終わると、静かな佇まいを維持しながらも、アヴァンギャルドな音世界に突入していきました。
私見ですが、高木氏は(たぶんアイラーも)ジャズとかクラシックとかのいわゆる音楽技法など概念的なこととは全く関係ないところで、純粋な感性から出てくる「音楽」を演ってる感じで・・・だから「音色」が全て・・・みたいな感じで、その出てくる「乾いたような音色」には凄(すさ)まじい「切れ味」「存在感」みたいなものがあり・・・横で聴いていてもあのテナーの音は快感でしたね。
カークのI say a little prayer~バカラックの曲ですかね。それも未聴です。持ってたかもしれませんので探してみますね。

投稿: bassclef | 2007年12月21日 (金) 21:41

今晩は、シュミットです。

「家路」といえばブルーノートの「ハスリン」でS・タレンタインがやってましたね。けっこうよく聴きます。同じブルーノートでⅠ・ケベックもやったりしていて(「ソウル・サンバ」)、これもなかなかいけます。どちらのアルバムにもK・バレルが入ってまして、これが効いてる感じです。後者はリストの「愛の夢」もボッサでやってまして、これまたいい感じです。
この曲好きなんで、ペッパーの「心に染み入る」クラもぜひ聴いてみたいもんですね。

それと私のクラシック絡みの好みはヴァーヴから出ているL・シフリンの「マルキ・ド・サド」なんですが、こういうのはいかがでしょうか。

投稿: シュミット | 2007年12月21日 (金) 21:26

bassclefさん、無沙汰しております。
"Going Home"、ウチにもなんかあったよなーと思って、探してみましたら出てきました。アルバート・アイラー『Swing Low Sweet Spiritual』のA面1曲目。あのヴィブラートかけまくりの奏法で、『家路」のメロディを吹いています(アドリブ無し)。このアルバム、アイラーとしては駄盤なので(と個人的には思っています)、お奨めはしませんが、機会があれば話の種に聴いてみてください。
ショパンだと、ローランド・カークが"I Say a Little Prayer"(『Volunteered Slavery』所収)で、”英雄ポロネーズ"の一節を引用しているのが、とても印象的でしたね。

投稿: Shuffle Boil | 2007年12月21日 (金) 15:58

NOTさん、いつも素早いコメントをどうもです!
>アルバムにそれらのクラシックっぽい曲が1~2曲入っているから良いのであって~
これは全く同感ですね(笑)そのPaul Hornの片面全てクラシック名曲・・・ジャズ好きには、やはり飽きそうですね(笑)後期のworld pacificだと、一種のムード・ミュージックみたいに売りたかったかもしれませんね。
まあ、今回の思いつきテーマは、もちろん「大袈裟」なものではなく、(たいていは面白くないものが多い)ジャズ風に演るクラシック曲の中では(僕としては)ジャズとしても個性的な味わいのあるもの(ロリンズ、ペッパー)、そして自然に違和感なく聴ける(ロジャーズ)と思ったものを取り上げました。
ですので「ジョン・ルイス」のクラシック趣味は・・・思い浮かぶことさえなかったです(笑)
ひとつ迷ったのは・・・マイルス(アランフェス)です。マイルス自身の個性は素晴らしいし、嫌いなレコードではないのですが、今回、中途半端に取り上げるのはムリな感じがして・・・やめときました。
みなさんの「アランフェス」への印象・感想なども聞いてみたいものです。

投稿: bassclef | 2007年12月20日 (木) 23:05

おおっ、Yoさん、さっそくのコメントをどうもです!僕自身、いわゆる「クラシック曲のジャズ化」というのは、ほとんど好まないのに、こんな思いつきのテーマで書いてしまいました(笑)
>たぶん元曲第2楽章の(イングリッシュ?)ホルンのテーマの素晴らしさに追いついてないように~
クラシックもよく聴かれるYoさんですから、当然、そんな感じはあるでしょうね。このドヴォルザーク(一説には「ドヴォルジャーク」と呼ぶのが正しいとのことですね:笑)だけでなく、オーケストラで鳴るハーモニーというのは、やっぱり素晴らしいですからね。
なにせこのGoing Homeは2人だけの演奏ですから、ハーモニー的には薄いですね(笑)まあその辺は気にせず聴いてます(笑)もともと僕はソロ・ピアノやらデュオやら、人数が少ないジャズも好きなんですよ。なにかしら、その「人間」の中身が否応なく表出されてしまう~そんな感じがして。

>マリガンのNight LightsのPrelude in E minor(ショパンのピアノ曲前奏曲ホ短調~
ああ、あれは実にいいですね!まずメロディがきれいだし(そういえば、ショパンもメロディがきれいな曲が多いですね。「別れの曲」とか?)、どのソロにも品があって、しかもジャズっぽいリラクゼイションもあるし。ああした演奏には、マリガンのさらっとした趣味の良さが活きますね。もしあの曲で、サージ・チャロフのバリサクとリー・モーガンのペットが飛び出てきたら・・・(笑)

投稿: bassclef | 2007年12月20日 (木) 22:42

こんばんわ。

ジャズとクラシックの融合という程の大袈裟なものではないのでしょうが、なんとも難解なテーマを取上げられたものです。でもJOHN LEWISの名前が全く出てこないのがなんともbassclefさんらしいところですね(笑)。ROLLINSの2曲はたしかに素晴らしいと思いますしあまり聴いた記憶のない他の曲も原曲のメロディの良さでそれなりに聞かせてくれるのだと思います。でもどうでしょう、アルバムにそれらのクラシックっぽい曲が1~2曲入っているから良いのであって全曲そんな感じでやられたら・・・・ちょっと敬遠ですね。

JAZZ→ROCKへのアプローチよりJAZZ→CLASSICへのアプローチの方がずっと良いなと思ってCLASSICの名曲を取上げることは大歓迎だったのですがPAUL HORNの「IMPRESSIONS!・・・・WORLD PACIFIC1266」を聴いてから考えが変わりました。そこではDEBUSSY2曲、RAVEL3曲、STRAVINSKY1曲と片面をクラシックの曲で埋めているんです。最初の1~2曲は平気なんですが4~5曲くらいになると「もう、勘弁して~」となってきます。B面に入っても室内楽調の「GREEN SLEEVES」から始まるのですが、だんだんと曲が進むにつれJAZZらしくなり「GOOD BAIT」が出て来るあたりで「やっぱりJAZZはいいなぁ~」と思ってしまいます。だからクラシック調が楽しく聴けるのはせいぜい1~2曲が限界ではないかと・・・・。

ところで胡桃割り人形(NUTCRACKER)ですけど思い出すのはELP(EMERSON、LAKE&PARMER)の「展覧会の絵」の最後に入っていたNUTROCKERです。クラシックへの挑戦はJAZZよりROCKのアーティストの方が上手かったですね。

投稿: NOT | 2007年12月20日 (木) 20:49

ご無沙汰です。前回のフリップネタは重くて書き込めませんでした。・・・で、今回はと言うとあっと驚くクラシックネタですね。bassclefさんからこのネタが飛び出すとは思っても見ませんでした。くるみ割り人形は私も小学生の頃25cm盤で何度も聴いて、これも同じ「こんぺい糖の踊り」はとても素敵で今でも頭に刷り込まれています(笑)
ところで紹介されたレコードの中で私はTenor MadnessとGoin' Homeしか知りません。Tenor MadnessのMy Reverieはとても良い曲ですね。ですが元曲(ピアノ小曲と聞いています)を知らない事と「My」が付く事でラリー・クリントンの曲になっているようですから元々曲ということになるのでしょうか?クラシックの匂いはもう無いですね。
Goin' Homeは、残念ながらあまりピンと来ないのですよ。私もペッパー好きで、復帰後も大好きにもかかわらずです。どうしてでしょうか?たぶん元曲第2楽章の(イングリッシュ?)ホルンのテーマの素晴らしさに追いついてないように思うからかもしれません。
では、クラシックの元曲を超えるジャズはあるか?と言われると私としてはあれです。マリガンのNight LightsのPrelude in E minor(ショパンのピアノ曲前奏曲ホ短調:どういうわけかクラシックの曲は邦題の方が似合いますね。日本の音楽教育の弊害でしょうか?:笑)です。マリガン、ファーマー、ブルックマイヤーがテーマを繋ぎ、ベイリーが淡々とリズムを刻んで盛り上げる・・・好きだから思うのかも知れませんが元曲より素敵だと思っています。
・・・すみません。たまに書き込んで言いたい放題で・・・(笑)

投稿: Yo | 2007年12月20日 (木) 17:09

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