<やったあレコ 第10回>Tenor Saxes(Norgran:MGN-1034)
<1955年に発売されたちょっといいオムニバス盤>
ノーグランというレーベルに、Tenor Saxesというオムニバス盤がある。いろんなミュージシャンの演奏を集めたオムニバス盤というものは、一般的には、個々のミュージシャンのオリジナルアルバムより人気がないのかもしれない。しかし・・・このTenor Saxesは例外らしく、けっこうな人気があるのだ。ジャケットがストーン・マーチンであることは、もちろん大きな魅力なのだが、僕の知る限り、このレコードの音源的な価値は、まずは、スタン・ゲッツの2曲(後述)それから・・・ベン・ウエブスターのtenderly にあるように思う。
ウエブスターの「テンダリー」・・・その演奏と音の凄さに魅了された方は数知れずか(笑)
実際、僕自身も、Yoさん手持ちのこのTenor Saxesを何度か聴かせてもらって・・・tenderlyに心惹かれた一人である(笑)
そのtenderly が入ったオリジナルLP~The Consummate Artistry(norgran)・・・この貴重な盤を初めて目にしたのは、2年ほど前、2005年の春「第1回白馬 杜の会」の時だった。夜も更けてきた地下のJBLルーム・・・スピーカー間に置かれたイーゼルに、あるノーグラン盤が掲げられた。明かりを落とし気味にした部屋に、この渋い色調の~くすんだ感じのセピア・イエローとでもいうのか~ベン・ウエブスターの姿が、ぼお~っと浮かび上がった。
「おお・・・」静かなどよめき。音が出る前から・・・もの凄い存在感だ。
そして・・・思い入れたっぷりのtenderlyが流れ始めた。ジャケットも凄いが演奏も凄い。
僕はそれまであまりウエブスターを聴き込んではいなかったので、ウエブスターの強烈なヴィブラートとサブトーンのリアリティに驚いてしまった。「う~ん・・・」と唸った拍子にふと振り向くと、すぐ後ろの席にリキさんがいた。「こだわりの杜」(ニーノニーノさんのBBS)での書き込みから「クラシック好きのリキさん」・・・というイメージが強かったこともあり、僕はリキさんになんとはなしにこう言った。
「こういうの・・・苦手でしょう」
するとリキさん「いえ、好きですよ。このウエブスター・・・僕のですから(笑)」
僕はそのレコードの神秘的な佇まいが忘れられなくなり・・・しばらくしてから、ウエブスターのEP(tenderlyを含む4曲入り)を入手した。もちろん・・・ジャケットはThe Consummate Artistryと同じである(笑)
さて・・・「絵」の方はEP盤を眺めてガマンするとしても(笑)音の方は、やはりあの鮮烈なtenderlyを聴きたい・・・という想いもあり、僕は少し前に、前述のオムニバス盤~Tenor Saxesも入手してしまった。
「う~ん、やっぱりいい音だぞ・・・」などとうれしく聴きこんでいたその頃に、ちょうどYoさん宅に集まる機会ができた。Yoさんがkonkenさんに依頼したラックの増設台の取り付けの後に、どうせならレコード三昧をしようよ~という計画で、今回は、リキさん、konkenさん、recooyajiさん、bassclefの4人で、早朝からおじゃますることになったのだ。
こんな風に皆で集まる時は、いつも「何を持っていこうかな・・・」と楽しく悩むのだが、今回は、僕の方は大体の線は決まっていた。
ClefやNorgranの米オリジナル盤とUK Columbia盤(スタンパーはClef、Norgranと同じ)の聴きくらべである。ネタは、Flip Phillips のClef盤とUK盤と(こちらについてはまたの機会に!) Alto Saxes のNorgran盤とUK盤を用意した。
それからもちろん・・・ウエブスターの「テンダリー」である。
この集まりの少し前から僕が聴いていたTenor Saxes・・・どのトラックもよかったが、やはり・・・ウエブスターのtenderlyが、演奏はもちろんその音の良さで、ひときわ光っていた。自分の機械でEP盤のtenderlyと比べてみたりもしたが、やはりここは、盤による微妙な違いまでしっかりと出してくれるYoさんの装置で、そのオムニバス盤とEP盤・・・そしてできれば、Consummate Artistryも交えて聴いてみたいものだと考えていた。
だから事前にリキさんに「ウエブスターのあれ、持ってきて」とお願いしようとも思ったのだが、つい忘れてしまっていたのだ。
さて・・・Yoさん宅でいろんなレコードを聴いたあと、ウエブスターを聴いてみることになった。僕はEP盤、YoさんはTenor Saxes を出した。「Consummate があるといいんだけど・・・」と何気なく僕が言うと・・・Yoさん「あるよ」と一言。奥の部屋からすす~っと、あのセピア・イエローの盤を取り出してきた。ああ、なんとしたことか・・・Yoさんもいつのまにか、この貴重なノーグラン盤を入手していたのだ。いつものことだが・・・Yoさんは、いいレコードには本当に素早い(笑)
そんなわけで・・・tenderlyの3つの音源を、Yoさんの装置で聴き比べできることになった。オリジナルLPとオムニバスLPとEP盤というわけだ。
EP盤から聴いてみることにした。
Consummate~(norgran)EP4曲入り~EPN-16
一聴して、音にあまり元気がない。どうやら・・・カッティングレベルもだいぶ低いようだ。そのためかどうか・・・テナーの音も力感に乏しくて、12インチには感じられた「瑞々しさ」も、抜け落ちてしまったようだ。リキさんが一言「あまり魅力のない音ですね」 実は僕も自宅で聴いていてそれほどいいとは思ってなかったのだが、ちょっとは45回転の威力に期待していただけに、少々残念であった。 まあいいか・・・EP盤はジャケットさえあれば(笑)
Ben Webster/The Consummate Artistry(norgran)~
スロウなテンポで、しっとりとしたピアノのイントロが流れてくる。このピアノ、意外にもオスカー・ピーターソンである。「意外にも」と感じたのは・・・ピーターソンにはあまり「しっとり感」ないのかな、と思っていたからだ(笑) その安定したスロウなテンポに乗って、ウエブスターが最初の4音を吹くと・・・もうそこはウエブスターの世界である(笑)
程よい粘り具合で(ウエブスターとしてはややあっさり加減の)この曲の優雅な、そしてちょっと澄ましたような感じを、うまく描き出しているのだ。テーマを2回繰り返すだけの短い演奏だが、このtenderlyは傑作だと思う。
ウエブスターのテナーがくっきりした感じでいい音だ。さて、このtenderly収録のオリジナルLPは、おそらくこのCunsummate~のはずで、だから、最も鮮度感があるのが、このLPと考えるのが自然だと思う。しかし・・・そうでもないようなのだ(笑)
Tenor Saxes(norgran)~出足のピアノからして違う!ピアノの音自体がさらに瑞々しいのだ。指を残したようなタッチ感もよく出ている。そして、ウエブスターのテナーも、輪郭のよりはっきりしたキリッとした音色だ。
サブトーンの響きが広がりすぎてないのも、僕には好ましい音色に聞こえる。本当にこの音は素晴らしい!
「切れのよさ」という点で、オリジナルLP(Consummate)より勝っているように思う。ひょっとして・・・このオムニバス盤の方が発売が早かったのだろうか?
さて、今回はThe Consummate Artistryからもう1曲聴かせていただくことにした。
recooyajiさんと僕がリクエストした1曲~Danny Boyだ。僕はこの演奏、まだ聴いたことがない。さっそくかけてもらう・・・「あれ?」・・・テナーの音色がtenderlyとはちょっと違うぞ。
tenderlyのよりテナーの音の輪郭が拡がった感じがあり、その分、だいぶソフトな音色になっているようだ。この「ゆるさ感」の方に、よりベン・ウエブスターらしさを感じる方もいるかもしれない。
しかし、僕にはやはりさきほどのtederlyのテナー音色の方がうんと魅力的だ。このソフトな感じは・・・どうやらテナーにエコーをかけてあるような感じだ。あるいは録音時のセッティング~例えばテナーのベルとマイクの距離、角度などが違うためか・・・とにかく同じLPの収録曲なのに、なぜこんなに違うのか?
そんな疑問から裏ジャケットを仔細に見てみると、やはりtenderly は、1953年12月のセッション、danny boyは1953年4月のセッションだったのだ。ひょっとしたら、録音技師が変わったためかもしれないが、同じLPを創るための吹き込みなのに、曲によってこれだけ音色の様相が違ってしまうとは・・・。
tenderlyセッションの音が素晴らしいだけに、ちょっと残念ではある。
それにしても、こうしたマイクのセッティングやらミキシングの具合によって変わってくるであろう微妙な音色の違い・・・そんなものをより鮮明に浮き彫りにしてしまうYoさんの装置もとことん怖ろしい(笑)
さて、このTenor Saxes(norgran)には、7人のテナー吹きから一人2曲づつセレクトした全14曲が収録されている。
僕が気に入っているのは、これらのセレクト曲が全てスタンダードソングということだ。もちろんベン・ウエブスターだけが目玉ではない。
フリップ・フィリップスの2曲~
I didn't know what time it was,
take the A train
スタン・ゲッツの2曲~1954年1月録音。
I hadn't anyone 'till you(A面1曲目),
with the wind and the rain in you hair(B面7曲目)もなかなか素晴らしい。
フィリップスについては、そのうちに他の盤も併せて書いてみたいので、ここではゲッツの2曲について少し。
この2曲は、録音当時はゲッツのオリジナルアルバムには収録されなかったので、長いこと、Tenor Saxesでしか聴けなかったようだ。僕の知る限り、The VERVE COLLECTOR'S ITEM(日本ポリドール)という4枚組BOXで、ようやく陽の目を見たと思う。このThe VERVE COLLECTOR'S ITEMに米の元ネタがあったのか・・・それとも日本オリジナルかどうかは判らない。ちなみに、この2曲と同じセッション(1954年1月)でもう2曲 (nobody but else but me とdown by the sycamore tree) が録音されているのだが、こちらはCool Sounds(MGV-8200) というアルバムに収録されている。美女が鉢植えから溢れ出た水を浴びているcoolなジャケットのやつである。(写真は残念ながら、紙ジャケのCDです)
このセッションの4曲を、僕はたまたまCDで聴いていた。だいぶ前に入手したStan Getz PlaysのCD(独polygram)に、これら4曲がボーナス・トラックとして付いていたのだ。ピアノがジミー・ロウルズ、ドラムがマックス・ローチ、ベースがボブ・ウイットロックとなっているので、たぶんゲッツが西海岸に来た時に録音したのだろう。
この4曲はどれもいい。この頃のゲッツのテナーは・・・肌触りのいいシルクのような音色をしていて、僕にはすごく魅力的だ。それから、短いピアノソロを取るロウルズのピアノもいい。僕はなぜだかロウルズのピアノが好きなのだ。彼のピアノに絶妙なしなやかさを感じるからかもしれない。そしてその「しなやかさ」は、ゲッツのシルキーな音色にすごく合っているように思う。ドラムスの録音はややオフ気味だが、ローチはピシッと背筋が伸びたような、クリアなシンバル・レガートを叩いている。この時代としては、かなり新しい感じのビート感だろう。そういえば、1954~1955年くらいの前ハードバップ時代のレコードを聴いて「あれっ? シンバルだけ、やけにモダンだな?」と思ってクレジットをみると・・・ローチだった!ということが何度かある。あのシンバルの切れのよさはさすがだ。ただ、ローチのきっちりとしたシンバル・レガートは、ゲッツのバップ的ではない(細かく分解したようなフレーズではない)唄うようなフレージングには、あまり合わないような気もする。そういえば、スタン・ゲッツとマックス・ローチの組み合わせというのは・・・案外、少ないように思う。
さて・・・Tenor Saxesに収録の2曲・・・これもなかなかいい音だと僕は思う。さきほど「肌触りのいい」と書いたが、ゲッツ好きには堪らないあの音色・・・冷たいようでほんのり温かい~ソフトでありながら芯のしっかりした~か細いようで実は太い鳴り・・・そんな不思議なゲッツの音色がきっちりと大きめに中央から飛び出てくる。CD収録の2曲もそれほど悪くなかったが、やはりゲッツのテナーの音色の生々しさ、それからローチのシンバルの鮮度感など、ノーグラン盤の方が素晴らしいようだ。考えてみれば、1954年録音のネタを1955年に封じ込めたヴィニールの方に、より鮮度感があるのは当たり前の話しかもしれない(笑)
こうなってくると・・・僕などこの4曲の残り2曲~ゲッツの Cool Sounds(MGV-8200)のオリジナル盤も聴きたくなってきてしまう(笑)こちらの1957年発売となっている。こちらの2曲は、ノーグラン盤の2曲と比べてどうなのか・・全く同質のものなのか・・・音源は同じであっても、2年の発売年の差が多少なりとも音質に影響しているかもしれない? そんなことをつらつらと考えてしまう僕である。
ああ・・・ジャズには全く・・・興味が尽きない(笑)
《写真はAlto Saxes。ちょっとゲッツの10インチ盤 Stan Getz Playsに似ているかな》
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コメント
NOTさん、またまたコメントどうもです!いつも言ってますが、コメントは、もう何度でもどうぞ~(笑)
「With The Wind ~」なる楽曲のこと・・・タル・ファーロウだったか・・・と書いただけのそれも未確認とのこちらのつぶやきに・・・そのLPを見つけていただきました。Thanksです!そうです、そうです・・・その「タル・ファーロウ・アルバム」です。ストーン・マーチンですね、これは。(ファーロウが)前かがみでちょっとガニマタ座りしているやつですね。
先ほど取り出して聴いてみました。悪くないです(笑)と言っても、こちらの手持ちも・・・残念ながらポリドール盤なんですが(笑)オリジナル・・・欲しいですね(笑)
ノーグランには、そういえば、Tenor Saxes,Alto Saxes,それからピアノとギターにも似た趣向の盤があって、ギターのオムにバスには、ファーロウのセッションもあったですね(未入手)
With the wind ~という曲は、だいぶ古くて、1940年にBob Crosbyという人(楽団)がヒットさせた曲らしいですね。何かしら軽妙で、しかしちょっと哀愁を感じさせるメロディですかね。やはりいい曲です。
投稿: bassclef | 2007年9月 6日 (木) 00:33
dukeさん、コメントをありがとうございます!
ストーン・マーチンのジャケットは・・・ホントにヒラメキに溢れてますね。この「Tenor Saxes」では、テナーのベルのところの模様が人の顔のようにも見えてきますし、右のサックス人間がギョロ目を剥(む)いて左のサックスを見ているようにも思えてきます(笑)
Alto Saxesの方は(67camperさんへのコメントにも書きましたが)珍しくも黄色を多用して、ちょっと華やいだ雰囲気になってますね。ただ、ちょっとだけ全体に平面的というか・・・それとなぜかジャケットのタイトルには・・・ALTO SAX と単数形になってるんです(笑)・・・とここまで書いたので、後から本記事にもAlto Saxesのジャケット写真を追加しておきますね(笑)
僕の勝手な推測では・・・ストーンマーチン氏は、アルトよりテナーの方が好きだった~ということになります(笑)
デビューの「Auto~」は・・・あのオムニバス盤にしか入ってないテイクが大貴重なやつだったようですね。僕はミンガスものやポール・ブレイに興味ありまして、だいぶ後になってOJC(だったか?)で入手しました。ブレイの「サンタが街に~」は、いいですね。解説には「スタジオの時間がないので、ブレイは立ったまま弾いたとか・・・(笑)
投稿: bassclef | 2007年9月 6日 (木) 00:13
こんばんわ。しつこく、またお邪魔しました(笑)。
>>WITH THE WIND AND THE RAIN IN YOUR HAIR という曲は、僕も好きなんですよ。僕はたしか・・・タル・ファーロウだったかで気に入った記憶があります(未確認)
タル・ファーローがこんな曲、演っていたっけ?記憶に無いなぁ~と思いながらbassclefさんが指摘されていたので気になって、気になって(笑)。本日ようやく手持ちのTALのアルバム(ほとんど国内盤です)を当たってみたところ、ありました。タイトルは「THE TAL FARLOW ALBUM」。オリジナルはNORGRAN(10インチ)のようです。大半がBARRY GALBRAITHとのツイン・ギターでピアノレスのためTALのアルバムの中では異色作の感じがします。この「WITH WIND & RAIN~」は全くといって良いほど印象に残ってないです。というより、アルバム自体ほとんど聴いてなかったですから。TALの中ではかなり地味な印象をうけるアルバムなのに流石!VERVE系に強いbassclefさん!
コスタとの印象が強いため個人的にはこの地味なアルバムの良さまだちょっと・・、ポリドール盤は音も篭っているし・・・。オリジナル10インチならきっと大分印象が違ってくるかも知れませんが・・・。
それにしても「WITH THE WIND &RAIN IN YOUR HAIR」の邦訳は「雨の振る夜」!もうちょっと、なんとかならないものでしょうか(笑)
投稿: NOT | 2007年9月 5日 (水) 21:57
bassclef さん、こんばんは。
オムニバスの名盤 Tenor Saxes が登場しましたね。オムニバスで貴重なものといいますと「Jazz in Transition」がありますが、こちらもウエブスターの「テンダリー」人気で昔から高価な1枚ですね。未だ入手できずのアルバムです。
「Autobiography in Jazz」というデビュー・レコードのオムニバスがありますが、ビクターでデビュー盤発売当初、このシリーズを数枚買うと特典でいただけるアルバムでした。これ欲しさにたくさん買いました。(笑)
それにしてもストーン・マーチンのジャケットは素晴らしいですね。マネック・デーバーが編纂したアルバム・カバー集にマーチンのジャケットが並んでおりますが、音が聴こえるジャケとはこれなのでしょう。
投稿: duke | 2007年9月 5日 (水) 19:37
おおっ、メリケンさん!お久しぶりです。
JATPは音源の種類が多すぎて何がなにやら判りませんね(笑)僕の持ってる[バラード・メドレー」では、ウエブスターが2曲目に登場してsomeone to watch over meを綿々と吹いております。しかし・・・いいですね、こういういかにも「テナー吹き」という感じの語り口!
ベン・ウエブスター・・・僕もだんだんと惹かれてきたようです(笑)
メリケンさん、いつかまた機会を作って神戸へおじゃましたいと思います。その時は、エヴェレストにも登らないとね(笑)
投稿: bassclef | 2007年8月29日 (水) 21:18
Yoさん、またまたコメントをどうもです。
ジャズ聴きについては・・・こちらの方こそ、好みが偏向しております(笑)加えて、思い込みだけで聴いてしまうという特技の持ち主でもあります。時々、Yoさんやkonkenさんからいただく一言は・・・僕に「ニュートラル」の位置を、いい具合に意識させてくれます(笑)
>テーマを吹く(弾く)だけで聴く人を酔わせられる人が少なくなりましたね。テーマはおざなりアドリブはそつなく・・・本当につまらない~
出ました!Yoさんの何気ない口調のキツ~イ一言(笑)いやあ・・・でも・・・全くそうですね。一吹きで「あっ、~だ」と判る、そんな語り口、音色、そしてフレーズ・・・そういう「個性」というものが、少なくなってますね、間違いなく。やっぱり・・・バークリー(音楽院)メソードみたいな「方法論」が、優先してしまう傾向が強いようで・・・
新しいものでも、探せばいいのがあるんでしょうが。
投稿: bassclef | 2007年8月29日 (水) 21:06
ご無沙汰しています。私もベンの12インチ盤持っています。確かにテンダリーは、良いですね。ノーマン・グランツ・ジャムセッション#1のバラード・メドレーでもベンが吹いています。曲名は失念したのですが、なかなかの演奏です。他にもベンは良いバラードの曲を吹いていますよ。以前ヤフオクでプレス&ティディのARS盤見かけました。
秋の杜、私の都合で拙宅での開催出来なくなりました。お会いしたかったな~。来年はする方向で調整します。それと新しいスピーカーも今週中にはエイジング終わりそうです。
投稿: メリケン | 2007年8月29日 (水) 03:08
NOTさん、私ぜんぜん手強く無いですよ。只のジャズ好きオーディオ好きです。ジャズも好きか嫌いかだけで聴いてますので、演奏が上手いか下手かなんて二の次です。(これは謙遜ではなくホントです:笑)bassclefさんは本当にジャズを深く聴いてられるので、同じ曲を聴いても私なんかと聴き所が違うので感心しています。只唄心をとても大事にされることと音への反応が近いので気が合って友達させて貰っています。レコード評もBassclefさん、NOTさん、そして時々登場されるBSさんのブログを拝見して「う~ん、なるほど!」なんて感じ入って楽しみにさせて貰っています。またよろしくお願いします。
ARS盤・・・興味ありますね。NOTさんがアップされたCool Soundsのオークションも行ってみたいですがアップされた以上衆人環視だし(笑)シュミットさんの「それほど」というご意見と、マスタリングが同じだったらあまり期待できないかも・・・なんて思っています。しかし、ARS盤がRVG刻印有りとなるとまた違うかも・・・悩ましい!(笑)
本論に戻りますが、このBENのTenderlyなどを聴いて思うのですが、テーマを吹く(弾く)だけで聴く人を酔わせられる人が少なくなりましたね。テーマはおざなりアドリブはそつなく・・・本当につまらない。
投稿: Yo | 2007年8月28日 (火) 10:29
シュミットさん・・・ARS盤の実体験コメントをありがとうございます。タル・ファーロウ盤~音がよかったとのこと。やっぱりRVGのカッティングで、メリハリつけてるんでしょうか。
ARS盤・・・検索などしながらちょっと調べてみましたら、(僕は1枚も持ってませんけど:笑)401~448までの内、20数枚はタイトルなど確認できました。
シュミットさん、調べはついていそうですが、ベイシーで判ったのが・・・
G-402番~COUNT BASIE AND HIS BAND THAT SWINGS THE BLUES というタイトルらしいですね。
ARSはタイトルがオリジナル(この場合・・・Clef,Verveを指す:笑)とは違うようなので、どのタイトルかがよく判りませんね(笑)
ウエブスターのあの悠々たる吹きっぷりについては・・・
>テンダリー、ダニーボーイ、スターダストなんかをこの人がやったらモダン派は脱帽するしかありません~
シュミットさんと全く同感であります!(笑)やっぱり・・・その時代に合う曲、合うミュージシャンという部分は絶対にありますね。もちろん、それが「いい」とか「悪い」とかではなく。
投稿: bassclef | 2007年8月27日 (月) 23:47
今晩は、シュミットです。
ARSのことで、ちょっと。私も数年前まで、このレーベルのことはよく知らなかったんですが、tal(swinging guitar)のARS盤を聴いてすごい音にビックリした経験があります。cool soundsもARS盤なんですけど、それほどは、ちゅう感じですね。同じRVGの手書きがあるんですけど。
全部で50枚くらいあるんでじょうか。すべてRVGによるものかどうかわかりませんが、もしそうだったらとしたら、何枚かあるベイシーをこのARS盤で聴きたいと思ってます。
あっ、ベンのことも。テンダリー、ダニーボーイ、スターダストなんかをこの人がやったらモダン派は脱帽するしかありません。
投稿: シュミット | 2007年8月27日 (月) 22:09
Yoさん、またまたコメントどうもです!
Cool Soundsのセンター・ラベルはトランペッターでしたか。いいなあ(笑)
NOTさんへのコメントの方にも書きましたが、Goldmine本によれば、このVerveのCool Soundsは1957年、ARS盤のCool Soundsは1956年らしいです。先に出たものをオリジナル」とするならば、VerveのいくつかのタイトルはARSがオリジナルということになりそうですね。まあ・・・ARS盤には厚紙ジャケットはない~とのことなので、そのこと「通販」ということもあってか・・・あまり見かけないレーベルですよね。「ジャケットなし」だと全く惹かれない、という方もいるでしょうね。でも、音が全然違うと言われると・・・ちょっと興味湧きますね(笑)
それから「マスタリング」の意味・・・明快な説明をthanksです。よく判りました。
NOTさん、YOさん。”WITH THE WIND & THE RAIN IN YOUR HAIR”繋がりですね。こんな渋い曲で盛り上がるとは・・・。僕もブログやっててよかったです(笑)
もうドンドンとジャズ話し、やっちゃってくださいね(笑)
投稿: bassclef | 2007年8月27日 (月) 20:58
NOTさん、スタン・ゲッツのCool Soundsの真の元ネタ盤情報・・・コメントを二つもありがとうございます。
ARS(AMERICAN RECORDING SOCITY)という名前だけは知ってましたが、現物はおろかネットでも見たことがありません。なるほど・・・Goldmine本でCool Soundsを引いたら~
reissue of American Recording Society 407 with new name~と書いてありますね。驚きです! さらに、NOTさんのネット情報のARS盤・・・さっそく見てみました。う~ん・・・こんなラベルだったのか・・・溝の具合もいいですね(笑)ARSというのはグランツが興した通販レーベルらしいですね。このゲッツのARS盤はGoldmine本によれば1956年発売らしいですね。RVGカッティングで音がいい・・・う~んこれも興味盤になりそうです(笑)
NOTさん、YOさんの愛聴盤のシャンク10インチ盤~こりゃあ、次のNOTさんのブログが楽しみだあ(笑)
投稿: bassclef | 2007年8月27日 (月) 20:38
こんばんわ。またまたお邪魔します。
ARS(AMERICAN RECORDING SOCIETY)についてもう少し。
MAIL-ORDER(通販)専門レーベルでオーナーはノーマン・グランツ。
何枚あるのか良くわかりませんが有名どころでは「PRES &TEDDY」、TAL FARLOWの「SWINGING GUITAR」、アニタの「SINGS THE MOST」などもARSがオリジナルでVERVE盤はトランペット・レーベルでも厳密には再発となります。偶然にもヤオフクにCOOL SOUNDSのARS盤がでていますので参照下さい。やはり手書きのRVG刻印があるようです。
http://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/105277061
YOさん、はじめまして、お名前はbassclefさんのブログの中で何度も拝見させていただいています。SHANKの「WITH THE WIND&~」の収録盤を簡単に当てられて、しかも当方が取上げようと思っていた10インチを指摘されるとは!う~ん、手強そう~(笑)。お手柔らかにお願いします
投稿: NOT | 2007年8月27日 (月) 20:00
GetzのCool Soundsですが、トランペットVerveです。通常のテープの劣化による低音楽器のにじみとか膨らみが感じられないのです。どちらかと言うとGetzのテナーだけがメリハリの無い音になってしまっています。勝手な想像ですが、音調を他の曲に合わせて細工した結果ダメにしてしまったように感じます。
マスタリングとはカッティングの為のカッティングマスターテープ作りの編集を言います。この当時は2トラックテレコも無い時代だと思いますので、何本かのマイクを立てたとしてもそのミキシングは録音時にやってしまっていると思います。ですからモノのレコーディングマスターテープをカッティングマシンの特性や出来上がりのレコードの音をにらんでの音作りやリミッター設定、そして曲順編集などをしていると思います。
NOTさん、はじめまして、BUD SHANKの「WITH THE WIND & THE RAIN IN YOUR HAIR」とはBrookmeyerとやっているパシフィックの10インチ盤ですよね。シャンクの艶やかでしなやかなソロが良いですね。そして当時としてストリングスの録音も素晴らしい盤だと思っています。またブログ読ませて頂きます。
投稿: Yo | 2007年8月26日 (日) 22:25
こんばんわ。またお邪魔します。
>>これを2曲づつ分けて収録したTenor SaxesとCool Sounds~やっぱり・・・だいぶん違いましたか。同じ録音で2年違いのプレス・・
& THE COOL SOUNDS(MGV-8200)は厳密にはオリジナルではなくリアル・オリジナルはたしかARS(AMERICAN RECORDING SOCITY・・・ジャケットが無くピンクの内袋にレコードが入っている)だったように思いますが・・・。実際に持っていないので断言できないのですがARSはたしかRVG録音でVERVEの再発より音が良いと言われています。ですからARS盤なら「TENOR SAXES」と遜色ないのではないかと・・・。
BUD SHANKの「WITH THE WIND & THE RAIN IN YOUR HAIR」収録盤は次回、拙ブログで取上げることにしますのでお楽しみに。ネタを作っていただきありがとうございました(笑)。
投稿: NOT | 2007年8月26日 (日) 20:35
67camperさん、おはようさんです。早起きですね。今日はキャンプはないのかな?
僕もNOTさんコメントと同じ気持ちで、「何がなんでもオリジナル盤」とは思ってないのですが・・・時にこうした「やけに音のいい(と感じる)オムニバス盤もあるのだなあ・・・という気持ちで、今回、ノーグランのTenor Saxesを取り上げました。YoさんコメントにもあるAlto Saxes(MGN-1035)も連番でよく似たデザインのジャケットで出てまして、こちらも悪くないのですが、僕がテナー好き(アルトよりも)ということとジャケットの出来の良さ(Altoの方は、黄色が多めに使ってあり、ちょっとだけゴチャゴチャしているように思う)で、「テナーサックス集」のみをフューチャーした次第です。
有名盤はほとんど国内盤・・・これは僕も全く同じですよ(笑)ハードバップの(もちろん演奏の絶対にいいやつ)いい盤は、もう・・・bluenote、prestigeなど、どうにもこうにも・・・高すぎです(笑)でも・・・「それでも欲しい」という気持ちも充分に判ったりしますが、僕にはやはり1枚のレコードに2~3万というのは無理です(笑)
なので、もうちょっと渋いところに目線がいくのかもしれません。このごろでは「持っていたい」という思うのが・・・Norgran、Clef系になってしまいます。そうはいっても・・・ホントに少しづつ(それも運がよければ)という感じです。こうして「集めようとしている時」が一番楽しいのかもしれませんね。
the best thing is yet to comeという唄もあったわけだし(笑)
投稿: bassclef | 2007年8月26日 (日) 09:41
NOTさん、うれしいコメントをどうもです!何がうれしいかって・・・NOTさんもどうやらフリップ・フィリップスのあの2曲に何かを感じたらしいので。あの2曲・・・僕も同じように新鮮に聴けました。特にハンク・ジョーンズの巧さときたら!ベースなしのトリオなんで、ハンク・ジョーンズが、低音を巧く使うのですが、それが全く力まず、しかしピシッと見事の音楽の骨格を造っています(特に「A列車~」では)フィリップスの軽々とした「唄い」は、これまた最高です!(笑)
あのセッションの元ネタは、僕も未入手ですが、どうやら「フィリップス、リッチのトリオ」みたいなタイトルらしいですね。
WITH THE RAIN AND THE RAIN IN YOUR HAIR という曲は、僕も好きなんですよ。僕はたしか・・・タル・ファーロウだったかで気に入った記憶があります(未確認)なにかしら小粋な感じのいいメロディですね。バド・シャンクのこの曲は・・・たぶん未聴です。Bud Shank Quartet(1215)は持ってますが、この曲は入ってないようです。ということは、あれですかね?シャンクの顔がサックスの横からアップになってるやつ~でしょうか?また教えてください。
投稿: bassclef | 2007年8月26日 (日) 09:06
ああ、Yoさん、さっそくのコメントをどうもです!いやあ・・・Yoさん、ゲッツのCool Soundsもしっかり持ってましたか(笑)Verveの8200番というと・・・センターラベルはまだトランペットかな?いや、T字のVerve Inc.(long playing)でしょうか?微妙な時期かな。
僕の個人的興味のそのゲッツの54年録音の4曲~これを2曲づつ分けて収録したTenor SaxesとCool Sounds~やっぱり・・・だいぶん違いましたか。同じ録音で2年違いのプレス・・・しかしこういう微妙な音質の違いには異常に鋭い(笑)Yoさん耳では、その違いはどうやら、2枚のレコードのカッティング時(というかその前のマスタリングというのか?いや、ミキシングというのかな?この辺りの用語がイマイチよく判ってません:笑)のエンジニア氏のセンスによるものでは?という推測・・・なるほどなあ。そういえば・・・記事中に書いたその4曲収録の「ドイツCD」を聴くと、4曲とも全く「同質」に聞こえますね。
「テンダリー」のトラック幅が・・・ウエブスターのConsummate(約1.7cm)とTenor Saxes(約1cm)で、そんなに違うとは(笑)しかも狭い方のTenor Saxesの音が素晴らしい!おもしろいですね。そしてそこまでチェックしてしまうYoさんもおもしろいです(笑)素晴らしい!
僕の方、ますますこの辺のレーベルの音源(というか演奏)が好きになってきてるようです。そして、もちろん全てとは言えませんが、時にびっくりするほど「鮮度感のある生々しい音」に出会える場合もある・・・ということに気づいてしまいました(笑)これは・・・まだまだやめられませんね(笑)
投稿: bassclef | 2007年8月26日 (日) 08:54
bassclefさん,おはようございます。
やっぱりオリジがすごいんですね。
この辺りのオムニバスは、あえて無視してきた感じがあったためか自分的にはお目にかかったことがないと思います。ベンのテンダリーは当然の国内盤しか所有してないですが、これを随分前に購入していましたのでずっとこれで聴いてます。出だしから”これぞベン”と思い続けてきたのですが”音が違う”と言われるとまたしても同じ録音をオリジでさがすという愚行を敢行しなければだめかななんてコレクター心理が頭をもたげてきます。(いかんいかん)
このように有名盤はほとんど国内盤ですので、こう言う有名盤を「オリジでこうです。」と言われるのが一番気にかかってしまいますね。有名盤のオリジは凄く高価で貴重ですから国内盤で我慢です(涙)。
投稿: 67camper | 2007年8月26日 (日) 06:44
こんばんわ。私もイエロー・ノーグランの「TENOR SAXES」を持っていますので、ちょっとコメントさせてもらいます。
今日、自身のブログの更新のためRIVERSIDEやATLANTICのレコードを聴いたあとで「TENOR SAXES」のB面トップの「TENDERLY」をかけたところまず音の良さ、違いにビックリしました。2曲目のLESTER YOUNGの「THIS CAN'T LOVE」も晩年のLESTERとは思えないほど生き生きしています。へろへろ感さえ漂う国内盤とは雲泥の差ですね。別に高価なオリジナル盤を神格化するつもりはありませんがこれだけ違いをがあるとやっぱり・・・・・。
7人のテナー奏者がAB面、各1曲づつ受け持っているわけですが今日、久しぶりに聴いてとても新鮮だったのがFLIP PHILLIPS。ピアノとドラムとのベース抜きトリオの2曲はとても魅力的でした。収録されているリーダー盤を探したいと思います。
元々このアルバムを購入したのはSTAN GETSの「WITH THE RAIN AND THE RAIN IN YOUR HAIR」を聴きたかったから。BUD SHANKのPACIFIC盤で聴いてからこの曲が大好きで同じタイプのGETSの演奏に期待したんですけど・・・。GETSも悪くはないんですがSHANKのが素晴らし過ぎたため、正直やや期待外れでした(笑)。
CLEF、NORGRAN系のテナーというとブロー合戦のイメージがあるんですが本質はここに収められたようなミディアムからスローな曲にあることが理解できる素晴らしいオムニバスだと思います。
入門用にお薦めしたいんですけどオムニバスなのに昔から高いんですよね。ちなみに私のは盤は綺麗ですがジャケにテープが3箇所貼ってあり、しかもそのうち2箇所はガム・テープ!というとんでもない代物(笑)なためとても安価でした。
投稿: NOT | 2007年8月25日 (土) 22:25
bassclfさん、早速のTenor Saxes話題のアップ・・・bassclefさんはこの辺りの演奏、音源が本当に好きですね!?私も好きですが・・・(笑)
GetzのCool Sounds持ってましたので、言ってくだされば聞き比べましたのに・・・! と言う事で早速昨夜聴き比べました。はっきり言って全く別物でした。Tenor Saxesの音は仰るようにシルキータッチの柔らかさとしなやかさが絶妙の演奏で録音としてはその中にもゲッツの息遣い、サブトーンなどがリアルに聴こえます。リズムセクションも後ろに控えた感じですが、古い録音にありがちなキレのない音ではなくしっかりしたバッキングが聴こえます。Cool Soundsははっきり言って「古臭い音」ですね。同じ日の録音には思えません。
私はこのオムニバス盤はAlto Saxesから入ったのですが、原典のオリジナル盤を探そうと思わないほどの音の素晴らしさを感じます。Tenor SaxesのBenのTenderlyをオリジナルのCunsummateと再度聞き比べましたが低音のエコー感が違うような気がします。Cunsummateにはこの辺がたっぷり入っているので中高音のキレが悪く聴こえてしまう結果になっているように思います。これはテープの鮮度とか言う事ではなくオムニバス盤をマスタリングしたエンジニアの感性の勝利のような気がします。ディスクのカッティング幅を比べるとTenor Saxesでは約1cmなのにCunsummateでは1.7cmくらいあります。オムニバス盤で曲を詰め込んだ事もあるでしょうが、溝間の干渉も無くこのTenor,Alto2枚に携わったエンジニアが素晴らしかったのでしょうね。エンジニア名がクレジットされてないのが残念です。
bassclefさんの知ろうとする熱意と執念(失礼!)にはいつも脱帽です。又いろいろ教えてください。
投稿: Yo | 2007年8月25日 (土) 07:56