<ジャズ雑感 第19回>ミッシェル・ルグランのこと。
聴くたびに「ああ・・・いい曲だなあ」と、思わずつぶやいてしまう・・・そんな曲が誰の心にもあるものと思う。僕にも好きな曲がいっぱいある。そうして、そんな風に「好きだ」と感じたいくつかの曲が同じ作者によるものだった・・・と判った時のワクワク感。それはまるでいい鉱脈を発見したような気分で、そこら辺りを探っていけば、まだまだお宝がいっぱい潜んでいるぞ・・・という期待感が渦巻いて、なにやらうれしくなってしまうのだ。
2年ほど前だったか、この<夢レコ>でも取り上げた、マット・デニス(ロリンズのオン・インパルス記事)やジョニー・マンデル(ビル・パーキンス記事)という作曲者の存在に気付いた時は、正にそんな気分だった。
ジャズを長いこと聴いてきて・・・どうやら僕の好きな曲には、2つの流れがあるようだ。僕はモンクやランディ・ウエストン、それからフレディ・レッドの創る曲が好きである。それらは例えば・・・reflections や pretty strange、それからtime to smile であったりするのだが、あのちょっとゴツゴツしたような感じのメロディ・・・しかしメランコリックな雰囲気のある曲調・・・そんな感じの曲が、僕の好みになっているようだ。
そしてもうひとつの流れ・・・「ゴツゴツ曲」とは、だいぶん肌合いが違うのだが、例えばマット・デニスの創る everything happens to me というような曲にも大いに惹かれてしまうのだ。大げさな感じではなく、ふと自然に流れてきたかのような素敵なメロディとモダンなハーモニーを持つ洒落(しゃれ)た曲・・・そんな曲も好みのようだ。
僕はクラシックをほとんど聴かないが、いわゆるクラシックの名曲というものは、どれも素晴らしいと思う。チャイコフスキーの「花のワルツ」やドヴォルザークの「家路」などは大好きである。4~5年ほど前に「惑星」の中のメロディ(木星だったかな)をそのまま使ったポップ曲が流行ったが、あれはやはり・・・本当にいいメロディは、いつ誰が聴いても「いい!」と感じる~ということなのだろう。
そして今回は、そんな「いいメロディ」を創る作曲家・・・ミシェル・ルグランのことを書きたい。
そう・・・「シェルブールの雨傘」のルグランである。それから「風のささやき」のルグランである。こんな風に映画音楽のヒットメイカーというイメージが強いフランスの作曲家ではあるが、ジャズ好きは知っている。
ルグランが「ジャズ者」であるということを(笑)
ルグランが大ヒットメイカーになる前(1958年6月)に、アレンジャーとして「ジャズ」のレコードを吹き込んでいる。マイルスやコルトレーン、それからビル・エヴァンスらが参加しいる、あの有名なレコードだ。
Michel Legrand meets Milese Davis(mercury) このレコードは何度も日本でも再発されたはずで、このMeets Miles Davisは、「ルグラン・ジャズ」というタイトルでも出ていたと思う。この写真の盤は、1973年~1974年頃だったか・・・日本フォノグラムが発売した「直輸入盤」だ。右上に貼ってあるシールのセリフがおもしろい。<世界でも売っていない貴重な名盤です。第4期 米マーキュリー社 特別製作盤> このシリーズは、オリジナルの仕様と関係なく、全て「赤ラベル」だったと思う。たしか、クインシー・ジョーンズ記事の時に、この「赤ラベル盤」を載せたように記憶している。僕はルグランにはそれほどの興味もなかったが、「1958年のコルトレーンやビル・エヴァンスが聴ける」という理由で、この盤を入手した。
3つのセッションに分かれていて、どれもオーソドクスなアレンジの下、豪華なメンツのソロが楽しめる、とてもいい内容だと思う。但し、このレコード・・・ルグランはアレンジャー専任なので、ルグランの曲はひとつも聴けない。
わりと早い時期にジャズメンに取り上げられた、ルグランの曲をひとつ挙げよう。
<once upon a summer time>~1962年のマイルスのCBS盤~Quiet Nights のA面2曲目に収録されている。あのチャーミングなメロディをギル・エヴァンスとマイルスが哀愁たっぷりに描き上げているが・・・このonce upon a summer time には・・・いまひとつ馴染めない。重く立ち込めたような雰囲気を醸し出すのはギル・エヴァンス得意のやり方だが、曲の中ほどで壮大に鳴るブラス群も唐突な感じだし、全体に重々しくなりすぎてしまい・・・私見では、このルグラン曲の持つ「可憐さ」みたいな雰囲気に欠けるように思う。
余談だが、この曲・・・有名なわりには、案外にインスト・ヴァージョンが少ないようなので、(マイルスが吹き込んだからかもしれない:笑) ヴォーカル・ヴァージョンを3つ、紹介しよう。
トニー・ベネットの I'll Be Around(columbia 1963年)
ビル・エヴァンスが伴奏したモニカ・ゼッタランドのレコード~Waltz For Debby(phillips 1964年)にも入っていたはずだ。
それからもちろん、ブロッサム・ディアリーの once upon a summer time(verve 1958年) だ。
どれも、しっとりとした可憐な雰囲気がよく出ていて、いい出来だと思う。
ここで、ルグラン自身がピアノを弾くインスト盤をいくつか紹介したい。
Michel Legrand/At Shelly's Manne-Hole(verve) シェリーズ・マン・ホール1968年シェリーズ・マンホールでのライブ録音。
このレコードは、ルグランのピアノ、レイ・ブラウンのベース、シェリーマンのドラムスというトリオでライブでのピアノトリオが楽しめるのだが・・・実は、ルグランのピアノはあまり印象に残らない(笑)
ルグランのピアノ・・・もちろん充分に巧い。巧いのだが、速いパッセージをわりとパラパラと弾くだけで、ぐぐ~っと突き詰めていくようなsomething に欠けているように思う。「軽い」と言ってもいいかもしれない。でもしかし、僕はこのレコードを好きなのである。
というのは、このレコードではなんといってもレイ・ブラウンが素晴らしいからなのである。レイ・ブラウンの演奏はいつでも凄いと思うが、このレコードでは、特に録音が素晴らしいのだ!engineerは Wally Heiderなる人である。
私見だが、このWally氏・・・ベース録音の名手に違いない。おそらくかなりのオンマイク・セッティングだろうが、弦を引っ張る・弾く時のタッチ感と、響いた後の音色の拡がり~このバランスが実に巧い具合なので、豊かな鳴りでありながらべーシストのタッチ感もよく出ている・・・そんな印象のベース音である。
verveの録音ディレクターは、一般には Val Valentine の場合が多いが ライブ録音では別の人が担当することあるようだ。そういえば「西海岸のライブ録音」で、僕が素晴らしいと思ったレコードをもう1枚、知っている。
Cal Tjader の Saturday Night/Sunday Night At The Blackhawk(verve)というレコードである。
このレコードにも、やはりベースが凄い音で入っている。べーシストは、Freddy Schreiberという他では聞いたことがない名だが、プレイ自体も巧いし、とにかくそのぶっといベース音に痺れたレコードである。
そしてこのAt The Blackhawk のengineerが、これまたWally Heiderとクレジットされているのだ! これは、もう偶然ではないだろう。ベース録音の名手(と、勝手に決め付けた:笑)であるこのWally氏の録音レコード・・・他にもご存知の方、ぜひ教えて下さい。
さて、演奏の方~B面1曲目の my funny valentine に僕はぶっ飛んだ。
ルグランのピアノとスキャットが中央やや左、そしてレイ・ブラウンの・・・本当に芯のある太っとい(ここは「ブットイ」と読んでください:笑)ベース音が、中央やや右寄りから弾き飛んでくる!
この有名な曲・・・ルグランはテーマから全てスキャットである。ルグランのスキャットは・・・う~ん・・・あまり聴かないようにしながら(笑) 右側のレイ・ブラウンのベースに集中する・・・凄い音圧である。一音一音を強くきっちりと弾き込みながら、なおかつルグラウンの繰り出すバロック風アドリブ・スキャットに、余裕の唄いっぷりで対抗してくる。この晩のブラウンはノリノリだったようで、どの曲でも安定感と適度なワイルドさを兼ね備えたバッキングとソロの連発で、どうにも素晴らしいウッドベースを聴かせてくれる。この写真でお判りのように、この「シェリーズマンホール」はバリバリの国内盤である。国内盤で、この音なら、オリジナルならさぞや・・・と想像せざるを得ない僕である(笑)
1968年盤ならラベルはMGM-Verveだろうし、それほどの貴重盤とは思えないのだが、なぜかあまり見かけないような気がする。
ああ・・・ルグランの曲について書いているうちに、レイ・ブラウンの話しになってしまった(笑)
ミシェル・ルグランは、やはりジャズ好きなのだろう。前述の「meets Miles Davis」だけでなく、その後にも、自分の曲をアレンジしてジャズの名手に吹かせたジャズのレコードがいくつかある。
Bud Shank/Windmills Of Your Mind(world pacific ST20157) arranged by Michel Legrand
録音は・・・ジャケットにスティーブ・マックイーンの顔が入っていることから、たぶん1968~1969年くらいだと思う。ちなみにこのレコードのタイトル:Windmillos Of~は、邦題「風のささやき」で、映画「華麗なる賭け」に使われた曲だったはずだ。
さて・・・このレコードは好きな1枚なのだ。
バド・シャンクの艶やかなアルトの音色が、実にいい録音で入っている。曲によって入るストリングスには少々シラけるが、ブラス陣にもアーニー・ワッツやコンテ・カンドリなど名手を揃えており、そしてベースがレイ・ブラウン、ドラムスはシェリー・マンだ。アレンジは全てルグランだが、どの曲でもブラス群はわりと控えめに鳴っており、それを背景にしたシャンクのアルトにスポットが当たるので、気持ちのいいアルトの音色を堪能できる。
<The Windmills Of Your Mind>や<Watch What Happens>
<I'll Wait For You>(シェルブールの雨傘)
それから・・・さきほどインスト・ヴァージョンが少ないと言ったばかりだが
<Once Upon A Summrtime>を、この盤でも演っていた。さすがに作曲者自身のアレンジはいい感じだ。バックの音を控えめにして、この曲のチャーミングなメロディを美しく映えるように工夫している。
それにしてもバド・シャンクは・・・音は豊かで太いしピッチも正確だし・・・何を吹いても、むちゃくちゃ巧いぞ。
もう1枚、アルトの名手~フィル・ウッズをフューチャーしたレコードがある。
ルグランはアルトが好きなのかな。
Michel Legrand/Live At Jimmy's(RCAビクター) 1973年録音~
このアルバムもやはりライブ録音である。ベースはロン・カーター、ギターにジョージ・デイヴィス、ドラムスはグラディ・テイト。サックスなしのカルテットでbrian's songやI'll wait for youを演っているが、やはりウッズの入った watch what happens や you must believe in spring の方が楽しめるようだ。you must~でルグランがエレピを弾いているのがちょっと残念だ。
もう1枚、CDを紹介しよう。こちらはだいぶ新しい1993年録音のCDである。
バド・シャンク、バディ・コレット、ビル・ワトラスらをフューチャーした中編成コンボで、ベースはブライアン・ブロンバーグ、ドラムスはピーター・アースキン。自作曲ばかりをコンパクトにアレンジしたすっきりした演奏ばかりで、しかしどの曲もメロディがいいので、楽しめる1枚だと思う。僕はCDを全編通して聴くことはめったにないのだが、このCDはたまにかけると・・・たいてい1枚通して聴いてしまう。
さて、ここでもう一度、ビル・エヴァンスを登場させないわけにはいかない。
思うに・・・エヴァンスは、ルグランの曲を相当に好きだったようだ。モニカ盤でも once upon a summer time をしっとりと実にいい感じで伴奏していたし、自分のリーダーアルバム~Montrex Ⅲ(fantasy 1975年)でも前述の<The Summer Knows>をベースのエディ・ゴメスとのデュオで演奏している。
この<The Summer Knows>は「おもいでの夏」という邦訳にもなっている。
この曲は・・・本当にルグランの傑作だ!
囁くように始まるメロディ・・・どことなく寂しいような雰囲気が漂う。海辺の空が暗い雲で覆われているような感じだ。そしてその同じメロディがしばし続くと・・・空気感が微妙に変化する。曇り空の切れ目から光りが差してきたような・・・まさにそんな感じなのだ。(実はこの時、全く巧妙にハーモニーが「短調から長調」へと、すり変わっているのだが、ルグランの凄いところは、そういう手法が技巧だけに終わっていないことだと思う)
そしてメロディは徐々に盛り上がる・・・とはいっても大げさに盛り上がるわけでもなく、抑制感をもって徐々に高まってくる・・・しかしその静けさの内側には、溢れんばかりの情熱が感じられる・・・そんな気配を感じる素晴らしいメロディの展開なのだ!
そんなエヴァンスが、大好きだったであろうルグラン曲がある。
<You Must Believe In Spring>である。
これも寂しげな気配の曲で、なにか人生の黄昏(たそがれ)みたいな・・・しかしそこにはしみじみとした情感が溢れている・・・そんな雰囲気を感じてしまうのは僕だけだろうか。
エヴァンスは、リーダーアルバム~You Must Believe In Spring(warner 1977年)を残しているが、実はこの曲・・・1年ほど前にトニー・ベネットとの共演で吹き込んでいるのだ。たぶん・・・エヴァンスはこのルグラン曲を、ベネットとの吹き込みで、気に入ったのだろう。
Tony Bennette & Bill Evans/Together Again(improv)1976年録音
このTogether Again・・・どの曲も素晴らしいが、特にこのYou Must Believe Springは絶品だと思う。このデュオは・・・心に沁みる。どちらかというと声を張り上げ歌いこむ・・・というイメージのベネットだが、このルグランの名曲では、意外なほど声量を抑えている。ぐぐ~っと力を込めて声を抑え込んだような~ただ力を抜くのではなく、全身全霊を持って声量をコントロールしているようなピアニシモ~そんな囁(ささや)くような歌い方で、この曲の繊細なメロディを浮き彫りにしている。そのベネットの気迫に、エヴァンスも一歩も引かない。短いがこれまた気迫のこもったソロでベネットに応える。だいぶ前の<夢レコ>にもチラッと書いたが、このエヴァンスとベネットのデュオは、本当に素晴らしい。一流の腕を持った2人の武士が、間合いを計りながら静かに対峙しているような・・・そんな風情を感じさせる格調の高いヴォーカル盤である。僕はこのレコードで「ヴォーカル」というものに開眼したとも言える。そのくらい「唄心」というものを感じるレコードだ。
ルグランのメロディには、いつもちょっと寂しげな感じと、しかしそこはかとなく流れる温かみ・・・そんな感じがあり、どの曲も情感に溢れている。ヨーロッパの香りというか・・・クラシック的ロマンティシズムというか・・・とにかく、メロディがキレイなのである。そしてそのメロディを支えるハーモニー(和音)の進行が、これまた見事なのである。
他にもルグラン曲にはいいものがあるので、以下に記事中の曲も含めて、曲名だけ挙げておく。
<what are you doing the rest of your life?>
<how do you keep the music playing?>
<Brian's song>
<once upon a summer time>
<the windmilles of your mind>(風のささやき)
<the summer knows>(おもいでの夏)
<you must believe in spring>
<I'll wait for you>(シェルブールの雨傘)
・・・今回、僕はたまたまミシェル・ルグランを挙げたが、「好きだ」と感じるメロディやハーモニーは、もちろん人それぞれだろうし、全くそれでいいのだと思う。
だから・・・世評だけに囚(とら)われるのではなく、自分自身が聴いてみて「好きだな」と感じとることのできた作曲家やミュージシャンが少しづつ増えていくこと・・・それは、音楽を聴いていく上でとても大きな楽しみなのだと、強く思うのだ。
そういえば・・・「シェリーズ・マンホール」で触れた、Wally Heiderという 録音engineer氏のことも、僕なりの「新発見」かもしれない。だから・・・ちょっとうれしい(笑)
| 固定リンク | 0
« <やったあレコ 第9回> Virgil Gonsalves(nocturne) と Jazz On The Bounce(bel canto) | トップページ | <やったあレコ 第10回>Tenor Saxes(Norgran:MGN-1034) »
コメント
ああ、4438milesさん、ルグラン情報コメントをありがとうです!
>ルグランの妹~
なるほど・・・そうだったんですね。そういえば・・・なにかそんな記事を大昔に読んだような気がします。
「おもいでの夏」という曲についてのmilesさんのコメントで
<好きを通りこして・・・>という表現がありましたね(笑)あれ・・・いいですね。僕も最初に譜面を見ながら、メロディとコードをなぞってみた時・・・あまりの展開の見事さに「畏怖」(いふ)とでもいうべき気持ちになりました。
ああそだったのか!・・・ルグランのことを天才と呼ぶのは正しいのだ!と力んだりしましたよ(笑)
今、ギターの友人とこの曲にトライしております。文字通りの「トライ」でありまして(笑)全く、曲に負けておりまして・・・でも、この夏が終わる前に、なんとか格好付けたいな・・・と思っております(笑)
投稿: bassclef | 2007年8月13日 (月) 17:57
あの、****シンガーズの中には、ルグランの妹も入って歌っていたから・・・だから知り合いで抜擢しやすかったというか、ルグランとは直ぐに繋がったのではと思います。
投稿: 4438miles | 2007年8月13日 (月) 13:34
ああ・・・ダニエル・リカーリでしたか!
dukeさん、さっそくお答えコメントをどうもです。
そのダニエル・リカーリは「~シンガーズ?」みたいな名前の有名な4人くらいのグループの人でしたかね。そういえば、ひところのフランス映画では、よく「ダバダ~ッ!」みたいな格調高いスキャット風音楽がはやったような記憶があります。「ダバダ~ッ」というとインスタントコーヒーを思い出す人が、多いでしょうね(笑)
アグネス・ラム~充分知ってますよ(笑)1975年くらいに流行りましたね(笑)
投稿: bassclef | 2007年8月 2日 (木) 23:24
bassclef さん、こんばんは。
>こういうことは、dukeさんが詳しそうですね
いやぁ、読まれておりますね。(笑)
ドヌーヴの吹き替えは、ダニエル・リカーリです。スキャットの女王とも呼ばれておりますが、当然エラとは別世界です。テレビでもたまに女性タレントの出演シーンに使われているようです。古くはアグネス・ラム(bassclef さんは知らないだろうなぁ)、最近ではイエローキャブ(こちらもご存知ないか)、叶姉妹(ご存知ですよね)が登場するときに流れます。共通項は・・・アハハ・・・ですね。(笑)
投稿: duke | 2007年8月 1日 (水) 23:19
おおっ、4438milesさん、うれしいコメントをありがとうございます。
milesさんもThe Summer Knowsを相当にお好きなようで・・・いやあ・・・よく判ります。記事中でも少し書きましたが、あの曲は、本当にメロディの展開が自然で、なんというかもう「奇跡」といっていいほどの傑作だあ!・・・と僕も思ってます。そのメロディを支えるコード進行がまたチャーミングで(ある意味、すごく論理的なんだが・・・全くメカニカルではない!)僕など、ドヘタなピアノで和音を押さえたりするんですが、あのコード進行の滑らかさに唸ってます(笑)
「シェルブールの雨傘」のカトリーヌ・ドヌーヴは、とにかく・・・キレイでしたね(笑)
そういえば、何かで読んだような記憶があるのですが、あの映画・・・ドヌーヴの歌う場面は「吹き替え」だったそうですね。
こういうことは、dukeさんが詳しそうですね(笑)
投稿: bassclef | 2007年7月30日 (月) 23:03
もう出尽くしたころに、お邪魔します。
ルグランジャズね、いいですね・・・ルグランジャズと言われた50年代、60年代はそれなりに、フランスを代表するジャズのインテリジェンスと考えていました。
まあ、演奏もそこそこで、本業はやはり作曲・・・なんと言っても「THE SUMMER KNOWS」は大好きを通り越しています。
それも、あのアート・ファーマーとシダー・ヲルトン・・曲の出だしでもうダメです・・のめり込んでしまいます。
シェルブールはドヌーブ狂いとしては見逃せない映画なのですが、音楽がイコール科白というのがイマイチで・・・
ストーリーも好き、音楽も好き、セリフは普通にして欲しかった。
でも、このシェルブールの雨傘をマッコイ・タイナーが快適にスイングさせているのを聴いて完全納得です。
快適にスイングしながらも、あの映画の哀愁を見事に言いえているソロなのです。
ラストシーンが・・・浮き出てきます。
ドヌーブももう子供がデビューする歳になってしまったのですね。
投稿: 4438miles | 2007年7月30日 (月) 10:30
dukeさん、UA盤~Bill Pottsのこと、ご丁寧にお知らせコメントをありがとうございます。もうじゃんじゃん、お使いください(笑)こちらもいろんなところからヒントを頂いておりますから(笑)
dukeさんの記事・コメントでもbassclefの拙ブログの紹介、いつもありがとうございます。「サマータイム」のベスト3・・・また後ほどそちらにもおじゃまします。サマータイム・・・難しいなあ、たくさんありそうだし。
ルグランが歌う・・・森山良子絡みの話しも実に興味深いですね。ルグランって、やっぱり・・・そうなんだ(笑)すぐに「唄」が出てきてしまうんでしょうね。もうねっからの音楽人間って感じですね。
投稿: bassclef | 2007年7月29日 (日) 11:34
シュミットさん、今回もコメント、ありがとうございます。
<「シェリーズ・マンホール」ではルグランはお客さん>・・・う~ん、なるほど(笑)お客の顔を立てて「好きなようにどうぞ~」かあ・・・そんな感じありますね。
問題のmy funny valentine~僕も最初に聴いた時は「う~む・・・ここまでやっていいのかしらん」と、やや否定気味に聴いていたのですが・・・サビあたりから、どうやら・・・レイ・ブラウンが異常にノッてくるのですよ(そう感じる)あれは・・・おそらく「よ~し、よ~し、そっちがそこまでやるなら、こっちもいっちょうやったるか(笑)」というジャズ先達者としての余裕と風格と圧倒的な技術でもって「悪乗り寸前スキャットルグラン風ジャズスキャット」に対抗した・・・そんな感じだったかもしれませんね。だから・・・聴いていて、もうスリル満点で・・・僕はルグランのスキャットを許してしまいました(笑)この曲が終わると(たぶん演奏者達の)「グヘヘヘ・・・」 こういうのは、演奏がホントにうまくいった時にだけ出る「ぐへへへ」だと思います。実にいい(笑)
シュミットさんの言われる「レイ・ブラウンのペターン」は最高です!(笑)ブラウンのビートがいったん「はまると」・・・これはもうテコでも動きません(笑)ビート感というのは・・・私見では、ベース奏者の4分音符の、前の音符と次の音符のつなぎ目のなめらかさとか長さの微妙な長短~みたいなので決まってくると思うのですが、レイ・ブラウンのこの音符同士の粘着力は尋常ではありません。だから・・・その粘り抜いたしかも聴いていて心地よいあのレイ・ブラウンのビート感を「餅つきのペターン」に例えたように思いますよ。
う~ん・・・素晴らしい!そして、そのきめ細かく付いたであろう「餅」も食べたくなりますね(笑)
投稿: bassclef | 2007年7月29日 (日) 10:56
bassclef さん、おはようございます。
>「唄ゴコロ」に留まらず、文字通り「歌って」しまう場面が多いようですね(笑)
ブルーノートでマイケル・ブレッカーと共演したこともある森山良子さんは、芸能生活30周年記念でカーネギーホールを皮切りにツアーをおこないました。この時にオーケストラの編成や指揮、音楽の総てをミシェル・ルグランに任せました。ルグランは自分のコンサートのように歌っていたそうです。(笑)
>僕はあのちょっと高めの声質だけは、ちょっと・・・(笑)
森山良子さんの声質も高めですね。ジャズには不向きかと・・・(笑)
拙ブログでこちらから「The Jazz Soul Of Porgy & Bess」ネタを拝借しました。カネもネタもないだけに助かります。(笑)
投稿: duke | 2007年7月29日 (日) 07:06
今晩は、シュミットです。
「マンホール」のライヴでは、ルグランは「お客さん」扱いですよね(別に悪い意味じゃなくて)。なにせ、相手はレイ・ブラウンとシェリー・マンですから。そこで、ルグランは好きなようにやらせてもらったんでしょうね。ルグランのジャズ・ピアニストとしての技量はともかく、このメンツであんなスキャットを好きなようにやれるのは、凡人の仕業とは思えません。最初はあのスキャットが出てくると「ちょっとカンベン」と思ってたんですけどね。これがルグランという「ジャズ者」のジャズ・フィーリングなんでしょう。
それとここでのレイ・ブラウン、おっしゃるとうり最高です。餅つきで餅がかなりこなれてきたときに出る「ペターン(ペッターンじゃなく)」っていう音を連想してしまうんですけど(へんな例えですいません)、これもWally Heiderなる人の仕業でしょうかね。
投稿: シュミット | 2007年7月28日 (土) 21:33
ああ、D35さん、いつもコメントをどうもです!どうやら今回のルグラン・・・D35さんの「おもいでの夏(or 秋?)」を甦らせてしまったようですね(笑)
D35さんが彼女に貸したというレコードは、たぶん・・・「ルグラン・ジャズ」のことだと思いますが、実際、ビル・エヴァンスなどは、アレンジされた譜面をガチガチに(忠実に)弾いてるように思える箇所もあり(ジャンゴとかジタバッグ・ワルツ)ジャズ度が薄いかな・・・という感じもありますね。
まあその辺りのアレンジ部分を、突き抜けるようなコルトレーンがまたいいのですが(笑)このレコード、「マイルス/コルトレーン/エヴァンス」セッションだけが注目されたみたいですが、アート・ファーマーやらフィル・ウッズの入ったグループ、それからベン・ウエブスターが活躍するグループのセッションもあり、楽しめますね。
投稿: bassclef | 2007年7月27日 (金) 22:33
久しぶりに新ネタを見つけたけど、ルグランはしばらく聴いてなかったので先ほど探して聴きました。
思い出しました、これを聴いていた二十歳の頃を、若かったなー(笑)。
アレンジされているのがなんとも気に入らなくて「これはジャズじゃない!」なんて勝手に思っていました。
今聴くと面白いですね、ホント勝手なもんです(笑)。
そういえば「ジャズっておもしろい?」と聞かれた彼女にとっつきやすいだろうと思って貸したのがこのレコードでした。
ホント勝手なもんです、反省!
投稿: D35 | 2007年7月26日 (木) 23:41
おおっ、dukeさん、コメントありがとうございます!dukeさんの「デューク・アドリブ帖」今回の「ミシェル・ペトルチアーニ」、そういえば、ミシェルつながりですね(笑)ペトルチアーニ、1枚もないので・・・sorryです。
「ルグランは現代のモーツァルト」~巧いこと言い表す方がいるのですね。ルグランはもちろん「天才」と称されてますが(もちろん異存ないのですが)ルグランの一番凄いところは・・・その「唄ゴコロ」の豊かさだとも思います。もう「唄いたくて唄いたくて」・・・そしてそういう気持ちが、ああしたニュアンスのあるメロディの端々(はしばし)に息づいてくる~そんな感じを受けます。そういう「気持ち」と「(音楽的な)技術」が絶妙バランスで溶け合っている・・・そんな素晴らしいsongwriterですね。
そんなルグランだから、ジャズ(コンボ)のレコードでは、「唄ゴコロ」に留まらず、文字通り「歌って」しまう場面が多いようですね(笑)僕はあのちょっと高めの声質だけは、ちょっと・・・(笑)
投稿: bassclef | 2007年7月26日 (木) 10:20
mono-monoさん、またまたどうもです~!
いやあ・・・映画「ロシュフォール~」にも興味が湧いてきました。レコードのジャケット本で「サウンドトラック・パラダイス」(ヨーロッパ編)というのを持ってるんですが、サントラ盤というのも・・・実にいいですね。特に古いサントラ盤のジャケットから放たれる雰囲気というか・・・匂いというか(笑)今、久しぶりに見たら「ロシュフォール~」のジャケも載ってまして、皆が楽器を吹いてるジャケです。そういえば、あれにはカトリーヌ・ドヌーヴも出ていたような・・・私見ですが、ドヌーヴには「楽器」というものが似合いませんね(笑)
「シェルブールの雨傘」は、大昔・・・1971年ころだったか?・・・NHKが字幕放送をした時、きっちりと見ました。「全編がミュージカル」という(セリフまでもが、メロディ付き!)怖ろしいやり方の映画でした(笑)ところが・・・見始めのうちは、その「不自然さ」に笑ったりしてましたが、慣れてくるとそれほどの違和感もなく、
セリフの時のオペラ風のメロディ(特徴がない感じ)から、「決め」のメロディ(シェルブールの雨傘)になってくると・・・けっこう感動したりしてました(笑)
記事中に掲げた「シェルブールの雨傘」の写真は、2LPでたくさんの曲(メロディ付きセリフ)と、その「フランス語歌詞」のブックレットも付いてます。ちょっと通して聴くと・・・ちょっと厭きますが、フランス語の勉強にも役立ちそうです(笑)
投稿: bassclef | 2007年7月26日 (木) 09:42
Shuffle Boilさん、コメントをありがとうございます。ラウズ記事の時、Boilさんのハンドルネイムを見て・・・これは!と思いましたよ(笑)savoyのジジ・グライス/モンク共演盤にたしかこの曲名があったはずですね。う~ん・・・渋いHNです。
You Must Believe In Springについての情報、Thanksです!
>原題の"マクサンスの歌 Chanson de Maxence"~
なるほど・・・「ロシュフォール~」では、別タイトルで使っていたのですね。そういえば・・・何かのルグラン記事で読んだのですが、ルグランの奥さんが「作詞」をしていろんな曲を創ったとのこと。映画での”マクサンス”とは、歌詞も変えたのでしょうね。
Shuffle Boilさん、またいつでもどうぞ~。
投稿: bassclef | 2007年7月26日 (木) 09:27
bassclef さん、こんばんは。
パリ・オペラ座のハープソリスト、カトリーヌ・ミシェルは、「ルグランは現代のモーツァルト」と評しております。「シェルブールの雨傘」の雨に溶けるようなメロディ、感傷を誘う「おもいでの夏」、バーブラ・ストライザンドの鼻が気になる「愛のイエントル」、そして嗚呼「Lady Sings the Blues」ミシェルの言葉に頷きます。
最近の写真を見るとあの「風のささやき」という類稀な美しい曲を書いた人とは思えないのですが・・・「髪のささやき」かなと。失礼しました。
投稿: duke | 2007年7月25日 (水) 22:39
Shuffle Boilさん、「ロシュフォールの恋人達」話に乗っていただきありがとうございます。
補足コメントも感謝です。
吹き替えしているスウィングル・シンガーズのメンバーって、クリスチャンヌ・ルグラン、つまりミシェルの妹ですね。
でもって、ミシェル・ルグランはこの秋来日予定。
しかも、クリスチャンヌも一緒だそうです。
そうそう「シェルブールの雨傘オリジナル・サウンドトラック完全盤」が出てるんですよ。
ほしいなァ。
「ロシュフォールの恋人達完全版」は間違いなしのお薦め盤です。
フィル・ウッズの「マクサンスの歌」なんてのもはいってます。
よろしければどうぞ。
投稿: mono-mono | 2007年7月25日 (水) 20:22
今晩は。
ラウズの回にお邪魔した者です。
「ロシュフォールの恋人達」良いですね。私も大好きな映画です。
この映画のサウンドトラック盤には、ボーナスとして"Live at Jimmy's"からYou Must Believe In Springが収録されていますが、曲名は原題の"マクサンスの歌 Chanson de Maxence"となっています。
映画では、登場人物の一人マクサンスという水兵が歌う曲なんですが、「まだ見ぬ恋人を求めて、僕は世界中を巡った。今もまだ探している...」といった感じの、ちょいと気恥ずかしくなるような歌詞がついています。
あ、それからこの映画の歌の吹き替えには、MJQの”ヴァンドーム”でおなじみ、スウィングル・シンガーズのメンバーが参加しています。
ジャズの話じゃなくて失礼しました。おやすみなさい。
投稿: Shuffle Boil | 2007年7月24日 (火) 01:48
mono-monoさん、映画コメントをThanksです(笑)
いや、しかし「ロシュフォールの恋人達」とは! さすがにmono-monoさんですね。というのは・・・驚くべきことに、記事中にも書いた「ビル・エヴァンスが大好きであろうルグラン曲」そして「ベネットとのデュオでの素晴らしい唄と演奏」ということで紹介した曲~You Must Believe In Spring・・・あの曲が、実はその「ロシュフォールの恋人達」に使われた曲だったらしいのです!
(僕はその映画を未見ですので、実際にどういう風に使われたのかは聴いてないのです)
mono-monoさん、知ってか知らずか(いや、知ってらっしゃるんだろうなあ・・・笑)さらりと「ロシュフォールの~」と出してくるとは・・・「う~ん」ですよ。
チャンスがあったら見てみたい映画です。というのも、僕も「ミュージカル」にはなんの偏見もございませんので。ベスト1は常に「サウンド・オブ・ミュージック」ですから(笑)
投稿: bassclef | 2007年7月23日 (月) 23:05
ああ、NOTさん、コメントどうもです!ルグランものは持ってないからコメントできないなどと言いながら・・・フィル・ウッズのMUSIQUE DU BOIS の話しにいくとは(笑)実は、この有名なレコードも持ってないんですよ(だからThe Summer Knowsの演奏としてはビル・エヴァンスのモントルーⅢしか紹介できなかった・・・トホホ)ただ、NOTさんご推察のとおり、何度かジャズ喫茶で聴いたような記憶はあります。The Summer Knowsを思い入れたっぷりに吹いていたような・・・。
ルグラン楽団との共演(images)とどちらが先なのかな?
「70年代以降のウッドベースの音」については、これまでも折りに触れ<小話題>にしてきました。端的に言うと「ベースの音が軽い感じでペンペンしたような音に聞こえる」ということだと理解してます。その理由については・・・「録音のやり方」だけのせいではないようです。ベース奏者自体の変化が~アタッチメントという小型マイクを駒に貼り付けるようになったこと~あの音色の変化の大きな要因だと思います。その小型マイクの効果で(というよりデメリットかも?)音が楽に拾えるようになり、そのため・・・ベース奏者全般の「駒の高さ」が低くなっていった・・・と推測しております。低くなると・・・(一般論ですが)音が小さく弱くなり、張りのある強い音は出にくくなるのです。具体的にはあの頃の「エディ・ゴメスの音」というと、だいたいの感じ・・・お判りいただけるかと思います。そういうが1970~1985年くらいに、ほとんど一般的になったはずです。その後は、再び「貼り付けマイクなしの生の音色」で勝負するべーシストが増えてきたようです。一人だけ挙げれば・・・クリスチャン・マクブライドの音色は「強くて張りのある音」だと思います。
「ベースの音色の好み」については・・・僕も全く同感なんですが、それほど気にならない方も多いようです。
ああ、そういえば・・・先ほどの「ウッドベースの変遷時期」においても、独りだけそれらに全く影響されずに「強い音」を出し続けたべーシストがいます。ご存知・・・レイ・ブラウンです!(笑)
投稿: bassclef | 2007年7月23日 (月) 22:56
ピカテントロプスさん、はじめまして!bassclefと申します。初のコメントをありがとうございます。
>That's The Way It Is (impulse AS-9189)~おおっ、あのレコードもHeider録音でしたか!やっぱり「ライブもの」ですね。残念ながら僕の手持ちはCDです(笑)
あのライブ盤もノリノリでいい演奏ばっかりですね。レイ・ブラウンがベースでテーマを弾くやつとか(日本人べーシストのダイヨシアキラという人も何かのレコードで、あの曲を演ってました)here' that rainy dayとか・・・。
ピテカントロプスさんもブログを始められたのですね。チャンスがあったら、またそちらにもおじゃまします。
投稿: bassclef | 2007年7月23日 (月) 22:18
ルグランは私にとってはコンポーザーって印象が圧倒的で、プレイヤとしては…全然わかりません、すいせません(笑)
で、そうなると「ロシュフォールの恋人達」です。
この手の、ある意味「たわいのない」ミュージカルが大好きなんですね。
まさに! 総天然色のめくるめくドラマ。
文字通り色彩が素晴らしい!!
なにしろこの映画のためにロシュフォールの町を塗り替えてしまったそうです。
しかし、そうなると「ロシュフォールの恋人達」が映画として好きということで、ルグランとか音楽うんぬんでは必ずしもなくなってしまいますね。
という訳で、話は本題からどんどんずれていってしまいますゥ(笑)
という訳で、よろしければ「ロシュフォールの恋人達」なんていかがでしょうか。
投稿: mono-mono | 2007年7月23日 (月) 22:04
こんばんわ。ルグランは全く持っていないんで、重箱の隅のことでも(笑)
>>フィル・ウッズ名義でもう1枚~「イメージズ」というのがあるのですが(メルヘン調のイラストで女性のジャケット)実は、あのLP、未聴なんです。あれで、The Summer Knows を演ってるはずなんですが。
あのピンクのジャケのですね。たしかルグラン・オーケストラがバックだったと思います。でもウッズのTHE SUMMER KNOWSと言えばそちらではなく「MUSIQUE DU BOIS / MUSE 5037 」が即、脳裏に浮かびます。大学1年か2年の頃、当時入り浸っていたジャズ喫茶(あのマイルスです)に新譜で入ってきた黒いジャケのウッズのアルバムでB面(THE SUMMER~が入っている面)はそれこそ毎日のようにかかっておりました。B-1のTHE LAST PAGEという曲も感傷的なんですが続くTHE SUMMER KNOWSときたらもう・・・・。当時は完全に耳タコアルバムでその後すっかり忘れていましたが何年か前にふと思い出しオリジナル盤(オリジナルといってもMUSEなんかは2000円もしません)を入手して手元にあります。
同年代のbassclefさんも絶対当時何度かはこのアルバム聴いていると思いますよ。
それと「THE SUMMER KNOWS」というともう1枚思い出すアルバムがあります。ART FARMERの同名タイトルであの国産レーベルの「EAST WIND」で作成されたもの。麦藁帽子が写ったグリーン基調のジャケが素敵です。「THE SUMMER~」目当てに購入しました。
久しぶりに両アルバムとも聴いてみましたがなかなか良いですね。でも70年代以降のものはどうにもベースの音が気に入らんのですよ。録音もしかり。
投稿: NOT | 2007年7月23日 (月) 19:46
おおっ、bsさん、コメントどうもです!bsさんもお好きだという、ルグランの「ライブ・アット・ジミーズ」・・・相当にジミですよね(笑)
bsさんは、うんと前に取り上げておられたのですね。bsさんも書かれているように、あのアルバムは、ジャケットが冴えないので(笑)実は僕も最初はあまり期待せずに聴いたのですが・・・フィル・ウッズの吹く<You Must Believe In Spring>で「おっ!」となりました。ウッズが、抑えた感じであまり吹きすぎずに「唄う」あのテーマは、本当に素晴らしいですね。ただ、記事中にも書きましたが、ウッズ抜きの曲では、ちょっと軽い感じを受けました。LP全体としては「ロンカーター」(ジミーズ)と「レイ・ブラウン」(シェリーズ・マンホール)の差が出たかな・・・という気もします。まあレイ・ブラウンと比べたら、誰であろうとね・・・(笑)
フィル・ウッズ名義でもう1枚~「イメージズ」というのがあるのですが(メルヘン調のイラストで女性のジャケット)実は、あのLP、未聴なんです。あれで、The Summer Knows を演ってるはずなんですが。
それにしても、ルグランさん・・・テナーをフューチャーした盤があまりないようですね。アルトの繊細な感じの方が、ルグラン・メロディには合うのかな?
投稿: bassclef | 2007年7月22日 (日) 23:41
sugarさん、お久しぶりです。sugarさんの「ちょっとお寄りなさいよ」http://blog.goo.ne.jp/sugar-s310
読んでます。僕がコメントでおじゃましたのは・・・たしか「ビル・エヴァンスのエクスプロレイションズ」だったですね。あのレコードでのラファロのベース音の「肌合いの違い」みたいなことを、sugarさんが書かれていたので、思わず(同感の思いで)コメントしたように記憶しております。
(ところで、sugarさんのブログ~「ビル・エヴァンス検索」では、うまくあの記事が出てこないのですが、あの記事はどの日付でしたでしょうか?)
ハイダー氏のこと~「移動録音車」とは!なるほど・・・それで「西海岸でのライブ録音」にheiderの名前がよく出てくるわけですね(と言っても、僕が意識したのは記事中の2枚だけでしたが)
サンタナにもハイダー録音ありとのこと。素晴らしい情報をthanksです。初期のサンタナ・・・嫌いじゃないんですよ(笑)ちょうど、ニーノニーノさんの<こだわりの杜>に、ちらっとサンタナのことを書いたばかりです。
投稿: bassclef | 2007年7月22日 (日) 20:35
67camperさん、コメントありがとうです。「マンホール」お持ちですか・・・それはうれしい!僕も最初にこのmy funny valentineを聴いた時、ルグランのスキャットの「ちょっと甲高い声」に・・・動揺しました(笑)しかしながら・・・ルグランはノリにノってアイディア溢れる歌いっぷりですね。何度か聴いてたら・・・馴れてきて、それほど違和感がなくなりました。それにしても、この時のライブでの、レイ・ブラウンは素晴らしいですね。思うに、レイ・ブラウンという人・・・うんと若い時期からのプロ中のプロで、こういう洒落たライブで、「聴衆を楽しませる」という場面では、凄い技術と適度なエンタテイナーぶりを発揮し・・・本当に楽しませてくれます。
投稿: bassclef | 2007年7月22日 (日) 20:17
はじめましてピカテントロプスです。
レイ・ブラウンすごくいいですね。Wally Heiderの録音もいいですね。Wally Heiderのレイ・ブラウンの録音、他にもあります。同じシェリーズ・マン・ホール1969年ライブ録音で Milt Jackson Quintet featuring Ray Brown / That's The Way It Is (impulse AS-9189) です。音はMichel Legrand/At Shelly's Manne-Hole(verve) より悪いとおもいますが、ライヴの雰囲気がよくでています。昨年1000円盤でCDがユニバーサル・ミュージックから発売されました。国内盤LPを持っているのですが、CDも買ってしまいました。MJQ / Live at The Lighthouse (Atlantic SD1486)もWally Heiderの録音でした。ほかにもありそうですね。
投稿: picathenthropus | 2007年7月22日 (日) 17:36
首を洗って、否、長くして待っていました(笑)、bassclefさん。
ルグランとは、少々驚きましたが、忘れずに(笑)、‘live at jimmy's’もUPして頂き、ありがとうございます。この作品、大好きな一枚で、特に‘You Must Believe In Spring’でのウッズのas、奇跡としか表現できないプレイを聴く度に酔い痴れています。
でも、ルグランの凄さをここまで掘り下げるbassclefさんも凄いお方ですね。
投稿: bs | 2007年7月22日 (日) 13:59
ハイダーはスタジオ持ちのエンジニアですが、実は、モービルすなわち移動録音車を持っており、クラブなどでの録音には彼は引っ張りだこの存在でした。ゆえにライブ・アルバムには彼の名前がクレジットされることが多いです。なお、ファシリティだけ貸してエンジニアは別などという盤があった記憶も。
そして瀬谷さんが書かれているように、ロックの名盤アルバムが無数に彼のスタジオから生み出されます。たとえば、サンタナの盤などは彼のスタジオで録音されたものです。
http://blog.goo.ne.jp/sugar-s310/e/b0da0fa15dcd220e0867ebf49670cdc4
こんなことも拙ブログで書いています。
投稿: Sugar | 2007年7月21日 (土) 21:27
bassclefさん,来ましたね。ルグランですか。
ログは素早く見つけましたが,とてもコメントできるほど聴いてないんですよ。
自分もマンホールのルグラン、国内盤ですよ。
ちょっと異様な・・・スキャットかこれは?と思わせる"HIS FUNNY VOCAL"が聴けるアルバムですよね。
ブラウンの録音,御指摘のように素晴らしいですよね。イントロからしびれまくりです。あのスキャットの後に出る,ルグランの叩き付けるようなブロックコードも良いですね。またマンのブルースでのドラミングがルグランを煽る煽る!!
有名な割に,あまり話題にならない盤ですが結構聴かせます。
全曲でソロをとるブラウンの名盤のひとつですね。
投稿: 67camper | 2007年7月21日 (土) 08:18
おお、refugeeさん!お久しぶりです。こちらもようやく(6月13日以来)・・・更新しましたよ。たまの休みにはレコードをたっぷり聴きたいし、そうすると気持ちよくて昼寝しちゃうし・・・ブログなんかやってるヒマないですよね(笑)まあ・・・ボチボチいきましょう。
ビル・エヴァンスのYou Must Believe In Spring(warner)~これもいいレコードですね。後期エヴァンスの中ではよく聴く1枚です。後期のエヴァンス・・・何か独特な香り~沈んだような・・・諦観というか~に包まれているように感じます。そんなエヴァンスの感性に、ルグランのこの曲は、ピタリとはまっているように思えます。
エヴァンスは・・・他にもルグラン曲を演っているかもしれませんね。
投稿: bassclef | 2007年7月20日 (金) 23:37
瀬谷さん、約1ヶ月(超)ぶりの更新記事に、素早いコメントをありがとうございます!この60年代後半の頃には、どうやら西海岸の録音技師だったらしい・・・「Wally Heider氏」に、さっそく反応して頂いてうれしいです。記事中にも書きましたが、レイ・ブラウンの真価というのは・・・やはりあの一音、一音に込められた力感であり、粒立ちのいい音色であり、そしてあの揺るぎようのないビート感にあると思います。そしてそれらがピシッと捉えられた録音というのが、案外少ない・・・とも思ってます。このWally Heider録音のレイ・ブラウンの音は、私的にはNO.1!だと感じるくらい、1968年の素晴らしいブラウンを実感させてくれます。
いやあ・・・それにしても、僕自身、これまで(あまり勉強してませんが:笑)全く名前を聞いたことのない「録音技師」のことを、瀬谷さんは、すでに何十年も前(笑)に意識されていたとは・・・瀬谷さんがアメリカン・ロックを聴いておられたこと以上に・・・驚きです(笑)
投稿: bassclef | 2007年7月20日 (金) 23:24
bassclefさん、お久しぶりです。
You Must Believe In Spring、いいですねぇ。
同タイトルのエバンスのアルバムでしか知りませんが、小粋な感じがして好きです。
ベネットとのデュオ盤もそのうち聴いてみます。
投稿: Refugee | 2007年7月20日 (金) 15:48
Wally Heider(1922-1989)、懐かしいです。
私がアメリカン・ロックを聴いていた10代後半頃、気に入ったLP の裏を見ると大抵がWally Heider Studio で録音されたものでした。
投稿: 瀬谷 | 2007年7月20日 (金) 08:53