<ジャズ回想 第9回> ロリンズのことを少し。
ライブで見たロリンズのあれこれ。
ソニー・ロリンズ。僕にはどうにも特別な人だ。
ジャズ聴きの記憶をたどってみると・・・テナーで一番最初に好きになったのは、ロリンズではなくコルトレーンの方だった。
それはただ単に、高1の夏に買った「モンクス・ミュージック」というレコードにジョン・コルトレーンという人が入っていたからだったのかもしれないし、ジャズ初心者にとっては、ある意味、コルトレーンの方が「判りやすい」ということもあったように思う。世代的なものかもしれないが、僕など相倉久人の本を読みまくったクチなので、「コルトレーン」を好きにならないわけにはいかなかったのだ(笑)
コルトレーンのジャズは・・・自分が安定して吹けるフレーズを吹いて安定したノリでもっていい雰囲気を出そう、というような世界とは全く異質な「修行ジャズ」の世界だ。だから・・・どのレコードでも、コルトレーンは、常に「格闘」していたのだ。ジャズを好きになったばかりの僕は、コルトレーンのあのもがくようにテナーを吹き進める、そういう求道的な姿に惹かれていたのかもしれない。そしてもちろん、コルトレーンの音色やフレーズには硬質でメカニカルな感じもあり、なんというか・・・器楽的な快感もあった。
1972年の秋からプレスティッジの1100円盤シリーズが発売されたので、そこから、コルトレーンやモンクのLPを集めるようになっていった。ロリンズが入ったレコードを最初に聴いたのは・・・あれは、モンクの「セロニアス・モンクとソニー・ロリンズ」だった。
《1954年録音のthe way you look tonightとI want to be happy収録。the way~出足のロリンズの3音にのけぞる(笑)モンクのピアノソロの後の、ロリンズ節はもう最高だあ!この1954年10月のモンク&ロリンズのセッションではもう1曲:more than you know も吹き込まれており、それは moving out というLPに収録されている。そして、このセッション3曲だけ収録のオリジナル10インチ盤がこれです。この10インチ盤は、音の鮮度もいいとのこと。うらやましい(笑)special thanks to Mr.NOTさん》
まず「テナーの音色の違い」に驚いた。コルトレーンの「輪郭が直線的な感じでぐっと引き締まった音色」に対して、ロリンズの方は・・・どちらかというと音色の輪郭が曲線的で、音像自体も「ブオ~ッ」と大きく膨らませたような感じに聞こえた。コルトレーンのテナーの音色に馴染んでいたためか、
最初のうちはロリンズのそんな音色にちょっと違和感を覚えた。つまり・・・僕は1972年の秋に「モンクとロリンズ」というレコードを聴いたわけだが、その頃はまだ「ロリンズは凄い」とは感じていなかったのだ。
1975年にジャズ研に入ってウッドベースを始めたのだが、そこでギターやピアノ、ドラム、それから管楽器にも触ることができた。楽器というものが一気に身近なものになってきた。
アルトやテナーは、マウスピースにリード(葦でできた薄い板。これが振動する)があるので、マウスピースをくわえて息を吹き込めば~音がひっくり返ったりすることはあるが~とりあえず「音」は出る。
ちなみに、トランペットやトロンボーンだと、最初は「音」が出ない。息の吹き込み方以前に、唇の当て方・締め方などに微妙なコツが要るのだ。だから「音」が出るようになるまでの努力ができなかった(笑)
そこで「テナー」である。試しに吹いてみたらすぐに音が出たので、それが楽しくて、時々お遊びで吹かせてもらうようになった。その時、自分でも驚いたのだが、はっきりと自覚できたことがある。
アルトの音よりテナーの方を、だんぜん気に入ったのである。
ごく単純に言えば、アルトよりもテナーの方が、柄が大きい分だけ、音が低めで太い。そしてなぜか音の「抜け」がいい。軽く出てくる。スカッとする。それとこれは正にフィジカルな感覚だが、テナーの低い方の「ド」や「シ♭」を吹いた時、ビリビリと身体に伝わってくる独特な振動が、これまた気持ちいいのである(笑)
実際、ドヘタでもなんでも(笑)好きな曲のメロディを吹くと・・・とても気持ちがよかった。もともと僕はいい曲のメロディが好きだった。小学校や中学の音楽の時間で聴く名曲も嫌いではなかった。そんな音楽好きとしては、メロディを唄いたかったかのだが、高い声が出ないし息が続かない。いや、それより・・・とにかく恥ずかしい(笑)
ところが「楽器」なら全然、恥ずかしくないのだ。いくらでも唄いたい。いいメロディを唄いたい。僕はそんな気持ちで楽器を始めた。だからウッドベースでも、すぐメロディを弾いてしまう(笑)
もっとも「楽器で唄う」ということは、もちろんそんなに簡単なことではない。
一生懸命に楽譜を読んで、ようやく覚えた運指を、間違えないように慎重に押さえていくだけでは、ただ「吹いている、弾いている」だけになってしまう。
楽器の本当の面白とは、正に「楽器で唄う」ことを目指すことだと思う。
ある「曲」を本当に好きになる。そうすると・・・そのメロディを、アタマの中で何度も何度も唄ってみる。それこそ、鼻歌のように口ずさんでみてもいいだろう。そのうち、そのメロディやコード進行なども、身体で覚えてしまう。「ソラ」で唄えるようになったその「感じ」を、そのまま楽器で出してみたくなる。
そんなことが「楽器で唄う」ためには、ぜひとも必要なことかもしれない。
実際、「決まっている」メロディやコードを覚えるだけでも、なかなか大変なのである。そうして、ジャズのアドリブというのは・・・テーマ(決まったメロディ)を吹いた後に、今度は「決められてない何か」を吹かなくてはならないのだ。コード進行などから、ある程度、考えておいたアルペジオだとかでも、もちろんギクシャクしてしまうものだろう。ましてや、その場でパッと思いついた何らかのフレーズを、ごく自然に「唄うように」吹く、というようなことは・・・これはもう相当に難しいことなのだろう・・・というようなことが、器楽の実感として判ってきたのだ。
そこで・・・ロリンズなのである(笑)
「器楽の実感」を味わった後に「モンク&ロリンズ」を繰り返して聴いていると・・・以前にはそれほどいいと思わなかった the way you look tonight では、ロリンズのアドリブのフレーズが、なにかこう「自然な」感じに聞こえてきたのである。どんどんと湧き出てくるフレーズが実に滑らかなのだ。ようやく僕は、ロリンズのアドリブには、そんな「自然な唄い」が溢れていることに気づいたのだ。
「ぶお~っ!」というあの大きく響く音色にも馴れてきて・・・なによりも「ロリンズの唄」が気持ちのいいものになってきたのだ!
そうなるともう、ロリンズという人をどんどん好きになってしまうのだった。
ロリンズ自身がうんと初期のインタヴューで語ったといわれる「僕は口笛を吹くようにサックスを吹きたい」という言葉は、見事にロリンズのプレイの本質を語っていると思う。「口笛のように」は・・・何を意味しているのか?
人は口笛を吹くとき、「ここのフレーズは音が飛ぶから難しいぞ」などと技法的なことを意識するだろうか? 気分がよくて思わず出るのが、口笛であり、思わず口ずさむのが鼻歌というものだろう。だからそのメロディは知っている一部だけであったとしても、とても自然なものである。「さあ、吹くぞ」という構えたスタンスになるはずもない。そんな風に、いかにも自然に湧き出てくるように「メロディ」を吹きたい。そういう自然な唄をテナーで唄いたいのだ・・・そんな意味だと僕は思う。
ロリンズのこの言葉には大いに共感してしまった。
そうして、そんなロリンズという人の演奏を好きになるということは・・・その「唄い口」の自然さに共感することだとも思う。
もともと楽器というものは、メカニカルなものだと思う。楽器の一番のおもしろさ、そして難しさは・・・そのメカニカルな性(さが)を、しっかりと自分のものとして身体に馴染ませ、そうしてそこから、いかにナチュラルな「自分自身の唄い」を紡ぎだしていくのか、というところにあると思う。そして、ロリンズという人の一番の凄みは・・・そんな「自分自身の唄い」を、本当に自然な感じでテナーサックスという楽器に唄わせていることだと思う。実際、いろんなレコードで聴いたロリンズのアドリブからは分析的なものをほとんど感じなかった。ロリンズは、テナーを自分の「ハナ唄の道具」のようにしてしまったのだ。特にスタンダード曲でのロリンズは、そんな風に聞こえる。
さて、僕はこんな風に判ったようなことを書いているが、しかし僕自身、ロリンズを本当に好きになるのまでには、まだ少々の時間がかかったのだ。
ロリンズという人は・・・テナーという楽器自体を好きな人には、堪えられない魅力のあるミュージシャンだと思う。しかしそうでない場合は・・・レコードからだけでは、案外に「判りにくい」タイプのミュージシャンかもしれない。
ロリンズは、マイルスのようにひとつのバンドを練り上げておいて、一枚のレコードの隅々にまで気を配って「完成されたレコード作品」を作り上げるタイプではない。それより、まず自分がその時、「どう吹きたいのか?」ということだけを意識しているように見える。だから・・・自分の出来はもちろん、サイドメンの出来やレベルによって、レコードの仕上がり具合にムラが出てしまうように思う。
もちろん1950年代半ばから1960年代半ばまでのレコードは、どれも素晴らしい。覇気に溢れたブロウが聴かれるアップテンポの曲や、豊かに唄い上げる渋いバラードが、どのレコードにも入っている。バックのミュージシャンもいいし、なによりロリンズ自身に「ヒラメキ」が溢れている。
それから・・・「ライブのロリンズ」が、これまた別格なのだ。1957年の「ヴィレッジ・ヴァンガードの夜」の、あの溢れ出さんばかりのあのヒラメキのフレーズと唄いっぷり! あれを聴けば、そして好きになれば・・・ロリンズという人が、「ライブの場」で、その本領を発揮するタイプのミュージシャンであることが想像できるだろう。ロリンズは、もともとスタジオで吹き込むレコードからは、その素晴らしさが伝わりにくいミュージシャンなのかもしれない。
逆に言うと、ロリンズという人は、ぜひともライブを見るべき人だと思う。 ひとたびロリンズのライブを見れば、誰しも何の抵抗もなく、ロリンズという人を好きになってしまうだろう。
《ヴィレッジ・ヴァンガードでのライブより少し後、1959年のライブ盤。左側が海賊盤のingo盤。右側は、ingo盤と同じ音源からのdragon盤。音質は共に良くないが、最初の2~3曲についてはdragon盤の方がいい。この時のライブは本当に凄い。テナー、ベース、ドラムスというトリオ編成。ベースのヘンリー・グライムスの強力なビート感が凄い。ドラムのピート・ラロカも強烈な個性を見せる。もちろんロリンズは強引なノリで彼らを巻き込んでいく! この3人はおもしろい。3者それぞれに自分を曲げない(笑) ロリンズを相当に好きになった方だけに、お勧めします(笑)》
そうして・・・僕は、ついに「ロリンズ」を見た。そしてこのことは、いくら強調してもいいのだが、本当に不思議なほど、ロリンズという人が「判って」しまったのだ!「ああ、ロリンズって・・・こうだったのか!」と何の抵抗もなく、ロリンズという人を理解してしまったのだ。いや・・・「理解」などという言葉は使いたくない。「判ってしまった」と言う方がより僕の実感に近い。
どうしてあんな風に音が揺れるのか?
どうしてあのワクワクするようなリズム感を出せるのか?
なぜドラムスとのフォーバースで「くい込みフレーズ」を吹いてしまうのか?
レコードを聴いて感じていたそんな演奏上の疑問みたいなことだけではなく、観衆を前にしたステージで、ロリンズという人間が醸し出す独特な雰囲気や彼の感性みたいなもの・・・そんなもの全てが判ってしまったのである。
音楽というものは、やはり、ある人間が意図を持って、何らかの音を発してて、初めて音楽なのだと、僕は思う。だから・・・その「音」だけでなく、その「音」をどんな表情、どんな姿勢、どんな身体のモーションを使いながら発しているのか? そんなようなことも、何かを表現しようとする姿勢として、とても大事なことなのだと思うのだ。
そうして・・・一度でもロリンズを見た人は、すぐに気づくだろう。
ロリンズという人は、素晴らしい「表現者」なのだと。
そうして、ロリンズという人は「感性の人」なのだと。
ロリンズはノッてくると・・・テナーを吹きながら、ステージを左右、前後に歩き回る。それからサックスを上へ下へ、左へ右へ揺らしながら吹きまくる。
サックスを高く持ち上げたままブロウする時などは、まるで自分の音を周りの空間に撒(ま)こうとしているかのようだ。
ロリンズは、歩き回るだけでなく本当によく身体を動かす。
そうだな・・・
ちょっと前かがみになって、両足を交互に軽くステップしてみたり、
身体を小さく左右に揺らしてみたり・・・
そんな風にして、自分が今、感じているビート感を体現しようとしているのだろう。とにもかくにも、ロリンズという人は・・・その演奏の姿を見ているだけで、こちらをワクワクさせてくれるのだ。
繰り返すが、本当にロリンズは「感性の人」だと思う。
ロリンズの演奏をレコードで聴き、ライブで見ると、つくづくそう思う。
コード進行に沿って合う音を探って分解してそれらを組み立てる・・・なんていう技術的な部分は、もうとっくに超越しているかのようだ。ロリンズのやり方というのは、おそらく・・・ロリンズの心の中でしっかりと消化した、そのスタンダードソングの持つ「唄の雰囲気・表情」みたいなもの、それだけを「きっかけ」として、あとは心の底から湧きあがってくる自分の「唄」を、その場でそのままテナーに吹き込んでいく・・・そんな感じなのだろう。
もちろん、こういうやり方は言うほど簡単ではないと思う。
つまり・・・インスピレイションがひらめいた時とそうでない時の落差がけっこう大きいと思うのだ。
《3枚ともヨーロッパでのライブ海賊盤。ジャケットには1963年:独のstuttgart録音と記されている。こちらはドン・チェリーらと共演。音質はやはり良くない》
ロリンズのライブを、静岡(1979年2月)、東京(1981年1月)、京都(1983年1月)、大阪、名古屋と5回ほど見たが、全てが最高だったわけではない。静岡、大阪ではノリにノッたが、東京と名古屋でのコンサートはあまりよくなかった。もともとロリンズは、曲の構成やらアレンジの部分で聞かせるタイプではないので、「ひらめかない」時には、ずるずるとまとまりのないフレーズを吹き流したり、それから「自分のノリ」が悪いと、すぐソロを止めてしまい、その分、サイドメンにソロを長く取らせたりする(笑)ような場面も、たびたびあったように思う。
そういえば、名古屋の時は、オールスターバンドということで、ロリンズとパット・メセニーとディジョネットのバンドだった。豪華なメンツなのだが、なぜかロリンズはあまりノッておらず、すぐにメセニーにソロを渡す場面が多く、そのメセニーのソロがかなり長くて、その後に今度はディジョネットのソロ・・・という具合で、もっともっと「ロリンズ」を聴きたかった僕は、ちょっとばかり退屈してしまった。
《左はjazz way というレーベルの盤。1985年頃発売。録音は不明だが1963年くらいだと思う。この盤、ドラムスがアート・テイラー。1959年のピート・ラロカとは演奏上、けっこうもめたらしい。多分、この「ライブ・イン・パリ」のツアーの時に、フランスの記者に話したらしいそんなインタヴューの抜粋が、植草甚一のジャズ・スクラップ・ブックに載っていたはずだ。この時のベース奏者は、Gilberto Rovereという人だ。このjazz way 盤はちゃんとした録音だったらしく、音質は海賊盤にしては案外にいい。このトリオ編成も、強力にスイングしている。ロリンズはとにかくベースに強力な人が入っていると、よくノルようだ。それにしても・・・ロリンズほど「テナー・トリオ」が似合うテナー吹きはめったにいないなあ・・・(笑)
右側は1990年発売のmoon盤。1959年:スイス録音とされている音源だ。1968年のコペンハーゲン:モンマルトルでの録音が1曲(sonny moon for two)入っている。 20分もの演奏だ。とにかくワイルドなロリンズが聴かれる。ピアノがケニー・ドリュー、ベースはペデルセンだ。》
じゃあ「ノッた時」はどうなんだ?というと・・・静岡のコンサートで、こんなシーンを見たことがある。
その時、ロリンズは明らかにノッていた。
ステージの最前列まで歩み出てきたロリンズは、テナーの低い方の音を吹きながら、徐々に身体をかがませてくる。そして前かがみになった自分の身体の右側、横後ろの方にテナーを引き寄せた。そうして次の瞬間・・・
ロリンズは、かがませた身体を一気に伸び上がらせながら、同時に引き寄せていたテナーを、ぐう~んと前方に投げ出すようなアクションをしたのである!そう、まるで・・・バケツに汲んだ水をばあ~っと前に撒き散らすような感じで! もちろんその間もテナーからは音が吹き出ている。
投げ出す時は、もちろん「ぶお~っ!」というロング・トーンだ。
これは受けた(笑)
その時のステージでは、角度を変えて2回ほどやったように記憶している。
ロリンズという人にはそんな茶目っ気もあったのだ。
ただ、あれが最初から「バケツ」をやってやろう、というような演出だったとは僕には思えない。自分の音をシャワーのように浴びせさせたい。自分の音楽をみんなのハートに届かせたい。ロリンズの中にそんな気持ちが強いからこそ、音楽の中に入り込んだ時に(ノッた時に)ぱっとひらめいた、ロリンズにとっては自然な動作だったのだろう。
それから・・・2部構成のラスト近くだったか・・・前の曲が終わり、ロリンズはステージ前方に独り立っていた。どうやら次の曲ではバックバンドを休ませるらしい。どの曲を演るのか考えていたのか・・・なにやら上を見上げようなポーズでしばし瞑想するロリンズ。
それからマウスピースを咥(くわ)えると、なにごとか「ムニャムニャ・・・」と唸るような声を発した。ほんの2~3秒だったと思う。そうしてそのまま・・・つまり唸り声を発したままテナーを吹き始めたのだ。時々、ホンカーがやるようなあれだ。その唸り声に混じってテナーが鳴り始めた。ルバート風の(一定のテンポではない自由な感じ)唄うようなフレーズだ。もちろんもう唸り声はない(笑)
ロリンズは、なにかしらラプソディックな感じのするそのフレーズを、しばし楽しんだ後、高い音域の方から低い方へ降りてくるように展開してきた。ああ・・・これは何かのスタンダードに違いないそ・・・でも聴いているこちらには、まだ何の曲かは判らない。
そうしてうんと低い方の音から、あのメロディが始まった。
ああこれは・・・My One & Only Love だ! この時、僕も含めてステージに近い何人かが「ううむ・・・」と唸った(ような気がする:笑)
テナー1本だけでこの曲のメロディを吹き始めるロリンズ。僕はもうこの瞬間、ムチャクチャに幸せな気分になってしまった。もうバンドは要らない、いつまでも独りで吹いていてくれ~!くらいに思ってしまうのであった(笑)
この時は、さすがに曲の途中、サビからバンドが入ってきたかもしれない。
《左は1974年モントルーでのライブ録音。to a wild roseという小唄風(もともとクラシックのピアノ曲らしい)が素晴らしい。この曲のエンディング前、ロリンズがバックのバンドを止めて、独りだけになる。この唄の「優しい感じ」をゆうゆうと、しかし温かく表現するロリンズ。ようやくインテンポにもっていきバンドが入ってくるところなど、もう最高だあ!観客も感極まって大拍手を送る。これこそ・・・僕がロリンズのライブで知った「もういつまでも独りで吹いていてくれ~!という気分に近い感動を味わえる1曲だ。右側は1965年録音のライブ盤。1978年頃に発表された未発表音源。オン・インパルスのライブ盤という雰囲気。ピアノがトミ・フラ。これも好きな1枚だ。》
ロリンズは、そのサービス精神からか・・・コンサートの終盤になると、よく「モリタート」や「セント・トーマス」や「アルフィーのテーマ」など、自分のヒットチューンを演る。もちろんそれも悪くないのだが、僕などは、ロリンズが演奏するこういう渋いバラードやスタンダードソングを、もっともっと聴きたい!と思ってしまう。
コンサートで「バラード」をじっくりと・・・というのもなかなか難しいのか(というより、ロリンズの考える「楽しませたい」部分にそぐわないのか)ロリンズのコンサートでは、案外「バラード」や「スタンダード」が少ないのだ。それが僕には残念でならない。
ちなみに、その後、何回かのロリンズのコンサートを含めても、My One & Only Love を聴けたのは、この静岡だけだったように思う。
「バケツ」といい、この「バラード」といい・・・やはりこの1979年2月の静岡でのロリンズは、ノッていたのだろう。
こんな風に、ロリンズという人は聴いている僕らを幸せにしてくれるのだ。
本当に得がたい個性のテナー吹きだと思う。
やっぱり僕はロリンズが好きなようだ・・・。
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コメント
MOKさん、またまたコメントをありがとうございます。
日本盤「トップランク」の事情~なるほど!欧州のレーベル経由というわけだったんですか。もともと欧州の方・・・Seven Seasなど、いろんなレーベルを複合して出しているような「総合レーベル」みたいなのが多いようですね。ロリンズのvol.2(bluenote:NYCラベル、RVG手書き、耳マーク在り)よかったみたいですね。うらやましいです。あの盤でのブレイキーのシンバル・・・やはり若干、録音の時にマイクが近すぎて入力オーバーでもしたのかもしれませんね。
そういえば、10インチ盤bluenoteのA Night At Birdlandのvol.3だったかを聴いたことがありますが、その盤でのブレイキーのシンバルは、音量はバカでかかったですが(笑)かえってそれが爽快なくらいで気持ちがよかったです。あの盤はもちろんクリフォード・ブラウンやルー・ドナルドソンも素晴らしすぎなんですが(笑)
投稿: bassclef | 2007年2月14日 (水) 23:14
bassclefさん、暖かいコメントありがとうございます。
遅くなりましてすみません(笑)。
実は昨春に引越し、現在は千葉在住でございます。
今年は暖冬で、腰も調子がいいようです(笑)。ご心配ありがとうございます。
サキコロ国内所盤、おっしゃるとおり、ゴング(のようなもの)をドッカーン!と叩いているマークでした。当時は日本ビクターが米国プレステイッジと直接の契約が出来ず、欧州のトップランクを経由して版権を取った、などと聞いたように思います。
親父は当時、友人の勧めでステレオを買って、勢いでレコードもどんどん買い集めたようですが、ほとんど全てがニアミントです(笑)。この盤も、親父に聞きましたら存在そのものを全く憶えていなかったという事ですので・・・。
でも、「流行りもの」ってそういうものかも知れませんよね。お陰で、私は国内盤の名盤の数々を若い時分から聴けたのですから。
でも、音はあまり良くないように思います。ガラス1枚隔てたような感じ。恐らく元のテープがコピーのコピーだからでしょうか?
Vol.2、私もモンクの2曲が好きなんです!特に「reflections」。おっしゃるとおり、ブレイキーの「ナイアガラ瀑布」あたりで、歪む様に思います。シンバルの高温も然りですね。管の音なんかはスバラシイのに、何故でしょうか?
ちなみにNYCラベル、RVG手書き、耳マーク在りでした。
投稿: Mok | 2007年2月13日 (火) 20:32
dukeさん、コメントをありがとうございます。いつも長くて・・・どうもすみませんです(笑)何回かに分けてまで読んでいただいて・・・感謝です!(その読み方~いいかもしれませんね。おもしろくなければ途中で止めちゃえばいいし:笑)
ロリンズ・・・4438milesさんもご覧になったという「モヒカン刈り」ロリンズという人は、一筋縄ではいきませんよね。どう考えてもあの髪形までするとは・・・。すごく温かくていい人だと思いますが、やはり何かしらエキセントリックな部分も濃く感じます。そして複雑な方だと思います。
ひとつ前のrefugeeさんへのコメントで書いた、ジム・ホールとの「橋セッション」の映像~バラードのGod Bless The Childを演る場面があるんですが、その出足・・・ルバート風にロリンズ独りが吹き始めるんですが、それが特に事前の打ち合わせもないようで、ルバートなのかインテンポなのか・・・はっきりしないような独特な間合いなんです。吹きながらサイドメンの顔を見て「まだまだ(入るなよ)」と合図しているようでもあり・・・「オレの音を聴けば判るはず」と言っているようにも見えるし・・・。ベースのクランショウは、入ったり止めたり・・・(笑)で、ジム・ホールだけが、じ~っと待ってから「ここぞ」という箇所から「ボロ~ン」とコードを弾くのです。この辺りのロリンズの様子・・・実におもしろいですよ。ロリンズは、やはり「感性の人」なんでしょう(笑)それも・・・複雑に入り組んだ独特の感性という感じがします。
投稿: bassclef | 2007年2月 8日 (木) 21:58
refugeeさん、コメント&トラックバックをどうもです。refugeeさん記事の「ロリンズ+4」あれ、実は僕の方、OJCさえも持ってなくて、ロリンズのコンピレーション2枚組などで知っているだけなのです。で、久しぶりに聴いたら・・・ロリンズはもちろんですが、クリフォード・ブラウンがむちゃくちゃによかったですね。valse hotでも、それからpent up houseでも、クリフォードブラウンのソロには、いつも「決めのフレーズ」があるんですよ。それが実に自然に流れるように「唄っている」素晴らしいトランペットですね!そうしてロリンズがそのブラウンのフレーズの「跡を継ぐように」つなげる場面などもあり、やっぱりあれはいいレコードですね。refugeeさん記事へもコメントしましたが、2ndでも3rdでも欲しいですね。それにしてもあの2nd(3rd?)の「黒の鍵盤ぽい幾何学模様」は何を表しているのでしょうか?
refugeeさん、動くロリンズ~僕はあまり映像の方には詳しくないですが、you tubeで「Sonny Roliins」を検索するといくつか出てきまして、その中では、1961年のBridgeセッション?(ギターがジム・ホール、ベースがボブ・クランショウ、ドラムスがベン・ライリー)がもうダントツに凄いです!「ロリンズの吹き方」がよく判ります。マウスピースがまだ黒い色の「ハードラバー」で、太くて丸い温かい音がしてますよ。75年くらいからのロリンズは、たぶん「メタル」のマウスピースなんで、ちょっと音色が違ってきてるので。
投稿: bassclef | 2007年2月 8日 (木) 21:46
bassclef さん、こんばんは。
ロリンズ節が爆発しましたね。あまりに長いソロなので、数フレーズずつ数回に亘り拝読しました。ロリンズはライブで本領が発揮される人ですので、音が悪い海賊盤も見逃せません。Jazz Connoisseur のソニームーンは22分を超える演奏で度肝を抜かれます。Unique Jazz はロリンズも貴重ならドルフィーのハンコックとのセッションも貴重なものでした。正規盤にはない海賊盤なりの面白さがありますね。
ロリンズといえばモヒカン刈りですが、若い頃このヘアスタイルで勤まる職業を本気で考えたものです。叶わなかったので子どもにでもと思ったのですが、女の子でした。小学校に上がるまではモヒカン刈りにしたかったのですが、さすがにカミサンに怒られましたね。あとは孫に期待するしかないか。(笑)
投稿: duke | 2007年2月 7日 (水) 21:38
bassclefさん
え~っと内容には触れないオリジナル盤記事ですが、Rollinsの記事を書いたのでTBさせていただきました。
よろしくお願いします。
RollinsのDVD、買ってみようかと思います。(^^)
投稿: Refugee | 2007年2月 7日 (水) 10:15
おおっ、konkenさん!「たまにはコメント」どうもです(笑)古くからのつきあいなんで、コメントしたりするのも、却ってわざとらしいかなあ・・・なんて感じちゃいますかね(笑)
>思い入れの何十分の一も表現出来ていないと思っているかもしれませんが~
う~ん・・・そんな感じありますねえ。ロリンズに限らず「ある音、あるフレーズ、ある展開」を言葉で表現するというのは・・・なかなか困難なことです。本当は・・・ただ「聴けば」いんですよ(笑)ブログなんかやってないで(笑)
まあ・・・でもそこのところもまた矛盾しながら苦しむ。それが楽しいということかもしれません。
それにしても名古屋でのロリンズは・・・残念でしたね(笑)あれ、たしか「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」ということで・・・チックコリアのトリオとのダブルビルというか、とにかくやたらと豪華メンバーの、そうして多分、各々のバンドの時間制限もあり・・・そんなこんなでロリンズさんとしては・・・ちょっとばかりしらけちゃったような感じかもしれませんね(笑)
投稿: bassclef | 2007年2月 6日 (火) 22:52
たまには私もこのブログの読者様への挨拶代わりに書き込みします。
この前会った時には「今度はロリンズ書こうと思ってるけど、なかなか書けない」と漏らしてましたけど開けて見れば結構長文でロリンズへの思い入れの度合いが伝わってきます。学生時代からロリンズ、モンク、ビル・エヴァンスはK氏のジャズ好きの源ですよね。
一緒に行った私にとっては唯一の名古屋の生ロリンズ体験がハズレだったのがブログを読むにつけ残念でたまりません。ロリンズがノッてなかったせいかメセニーもジョネットも別人と思うほど生彩をを欠いていたように記憶しています。
新しいジャズ(k氏は60年代後半以降を新しいジャズと言う)をあまり聞かないK氏もロリンズに限っては20世紀中は追っかけ続けていたほどの通なんで、これくらいの文章じゃ思い入れの何十分の一も表現出来ていないと思っているかもしれませんが熱い思いは十分伝わっているのはレスの通りですよ。
蛇足ですが会って話しているのと違ってK氏の文章って別人のように説得力があり共感できますよね。改めて感心!と言うか発見かも?(笑)
失礼しました、ローカルは話はメールにて・・・
投稿: konken | 2007年2月 5日 (月) 00:24
recooyajiさん、コメントをどうもです!
先週のkonkenさん宅での集まり~D35さんともども、お疲れさまでした。でも楽しかったですね。ああやって、いろいろな音楽を聴いてああだ、こうだと騒ぐのも楽しいものですね(笑)E森君も含め6名で、どちらかというと、自分たちの「ジャズ研ノリ」になってしまい、ゲストのD35さんとrecooyajiさんは、あのバカさ加減に、さぞやお疲れになったでしょう(笑)
それにしてもこの前、思ったんですが・・・D35さん、recooyajiさん、それからkonkenさん、S田さん、それに当方:bassclefと「真空管愛好者」の集いみたいでしたね(笑)
僕が印象に残ってるのは、たしかrecooyajiさんが持ち寄ったソニー・スティットのroost盤(青ラベル)~モノクロでスティットが横向きでサックス吹いてるジャケットのやつ~あれ、すっきりしたいい音でした!これまでroost盤については(ゲッツのthe soundなど)イマイチの印象だったので。
今回のロリンズ記事~肩透かし・・・sorryです(笑)僕も書いてて・・・こりゃあ「ロリンズ命!」のドミーハー記事じゃないか、と思ってました。紹介レコードについては、notさんがフォローしてくれましたが(笑)ただ単に「ライブでのロリンズ」の様子が少しでも伝わりそうなレコードを、ということで選んだら・・・どうしても海賊盤ばかりになってしまった、ということなんですよ(笑)CDも入れると、まだあと2~3タイトルあるんですが。イタリアのjokerなるレーベルが出したIsland Ladyというのも、なかなかいいライブ盤ですよ。
投稿: bassclef | 2007年2月 4日 (日) 21:55
D35さん、2005年11月のロリンズのコンサートでの様子、僕も友人から聞いたところ、やはりPA不調(ワンワンと鳴ってた)だったとのこと。それでも・・・ロリンズのあの「存在感」だけは不滅のようです。
bsさんも名古屋近郊の方のようです。むちゃくちゃジャズに詳しい、本当にジャズ好きな方です(だと思います:笑)
そのうちまた皆さんが集えるといいですね。
投稿: bassclef | 2007年2月 4日 (日) 21:35
bassclefさん、こんにちは。
近くに住んでる者のコメントが遅いなんて、やはりネットです!(妙なことに感心)
この前(一週間前)お会いした時に、「この次はRollinsにするつもり・・・」との言葉を聞いたときから、次のレコードは何かな?と考えていたのですが、見事にある部分は肩透かしをくらい、そしてそれ以上に楽しい内容に仕上がりましたね。
今回は聴くRollinsではなく、「動くRollins」ですね。
午前中にDragon盤「in Stockholm 1959」を久しぶりに聴き返しましたが、Rollinsの動きがチラつくようです(妄想か?)。
近くの場所でも、ネット上でもお付き合いの程、よろしくお願いします。
投稿: recooyaji | 2007年2月 4日 (日) 12:39
NOTさん、心優しきコメントをどうもです。いやあ・・・ロリンズのことになると・・・どうにもミーハーになってしまいまして(笑)
NOTさんにも「ロック少年」なる時期があったのですね。最初から「ジャズ」っていう感じがしちゃいますけど(笑)
海賊盤~そうですね・・・「ロリンズは生がいい!」と思い至ったら、どんな音源でも全て聴いてみたい!という気分になったことは確かですね。だからCDも入れるとあと2~3タイトルあるんですよ(笑)
あるミュージシャンに入れ込むと・・・どうしてもブートでもなんでも欲しくなるんですよね。そこにブート業者がつけ込むと・・・(笑)
ちなみに・・・NOTさんお持ちの2枚~ブートの中では、その2枚が内容もベストです!ホントですよ(笑)
投稿: bassclef | 2007年2月 3日 (土) 23:16
Refugeeさん、コメントどうもです!
今回・・・「ロリンズは見たら判る」などと・・・それじゃあ何かい?見なければ判らないのかい?と突っ込まれそうなロリンズ記事を書いてしまいました(笑)でも・・・真意はもちろん違いますよ。ロリンズという人が、どれくらい「唄いたい」と思っているか・・・そんな気持ちを強く持ってテナーを吹いているのか・・・と、そんな僕の思い込み気分をくどくどと書いたのです(笑)
レコードを聴くだけで、もちろん「ロリンズは凄い!素晴らしい!」と判る方も、もちろんいらっしゃるでしょうし、それが一番です(笑)
でも・・・嫌いじゃないんだけれど・・・いまひとつ、良さがなあ・・・というような方は、ぜひロリンズのDVDでもビデオでも、何かロリンズが動く映像を見ると・・・「ああ!」と納得がいってしまう、そんな風に思います。すでにロリンズ好きな方なら「動くロリンズ」のその吹き方に、もう即、感動してしまうとも思うのです。
>おおらかに歌うロリンズのテナーは、ホント、聴いていると幸せな気分になってきますね~
refugeeさんがおっしゃるように、こんな風な気分にさせてくれるロリンズという人は・・・本当に素晴らしい!
投稿: bassclef | 2007年2月 3日 (土) 21:15
わお~っ!4438milesさん、いきなり驚愕のコメントをありがとうございます。
>1964年のモヒカン刈りのとき~そういえば古いスイングジャーナルなどで、モヒカン刈りのロリンズ写真を見たことがあります。白いスーツにモヒカンだったり(笑)う~ん、その頃のロリンズ・・・さぞや凄かったんでしょうね。記事に挙げたような海賊盤でも、いろいろ聴いてますが、僕はやはり60年代までのロリンズの音色が好きなんです。
多分・・・70年代のロリンズは「メタル」のマウスピースになってしまって、だから音色が全然違うのです。黒い色のハードラバーのマウスピースの方が、太くて温かい音だと思います。
>私の友人はNYのクラブの最前列で聞き入り、40分のソロ演奏に感動し、演奏終了後、思わずステージに上がって抱きついたそうです~
そのご友人の気持ち~よく判ります(笑)実は僕も京都のコンサートで
開演前にちょっと忍び込んで(笑)リハーサルも聴いてしまい、その後、楽屋口でロリンズさんにサインをもらったりしました(笑)
ああ・・・ロリンズのことになると、ただのミーハーになってしまうよです(笑)
いやまあ・・・ことが「ロリンズ」なら仕方ないですよね。若かりし4438milesさんも
>大いに感動しました。高校生のときでしたが、産経ホールだけでは止まらず、地方公演にまで追っかけをしました~
というような向こう見ずな行動をとってしまったのですから(笑)
投稿: bassclef | 2007年2月 3日 (土) 20:52
Mokさん、お久しぶりです。仙台は・・・寒いんでしょうね。Mokさん、痛めたという腰はその後、大丈夫なんでしょうか(笑)
腰は、こちらも時々、ずず~ぅつと重くなります。そういう時は、わざと腰をひねり気味にして横向けで寝ると、ちょっと楽なんですよ(笑)
国内初盤のトップ・ランク盤~それは貴重ですね。あの頃の国内盤は、よくトップ・ランクという名前で出てたようですね。なにか「でっかいゴング」みたいなのを鳴らしている図柄でしたか?あれはまた別でしたかね。それにしてもその頃(1960年くらいでしょう?)から、ジャズのレコードを買っていたお父上とは!ものすごく文化的なお家だったんでしょうね。
それと・・・ロリンズのvol.2~もうお聴きになった頃ですかね(笑)あのブルーノート盤、好きなんですよ。モンクのソロも聴かれるreflections(モンク作)など最高だあ!僕の手持ちのオール青音符ラベルだと、やけにブレイキーのシンバルが「ひずみっぽく」聞こえるんですが・・・。あれ、シンバルのシズル~シンバルに鋲(びょう)を付けて響きがジュワジュワ~となるような装置~の音とは違うような気もしてるんですが・・・。Mokさんの2nd(3rd)盤では、どんなでしょうか?また教えてください。ではでは。
投稿: bassclef | 2007年2月 3日 (土) 20:40
bsさん、こんばんわ。
名古屋のコンサートでは私は一階席のステージを見て左端の前から10番目くらいでした。
だから響きすぎて大暴れの音に面食らってました(笑)。
休憩を挟んでセカンドステージは全然音が変わってましたね。
途中やたらギターの長いソロとかもあったけど、終わりの方はほんとノリノリでみんな大喜びでした。
こちらこそ、これからどうぞよろしくお願いします。
投稿: D35 | 2007年2月 3日 (土) 20:11
67camperさん、いつもコメントをどうもです!
ロリンズ~そうですね。象が「ぱお~っ」と叫びながら鼻を持ち上げているようにも見えますね(笑)
ロリンズは、もううんと昔から吹きながら歩き回ったんでしょうね。だから固定マイクだと音の位相が変わって、音が揺れるように聞こえたのでしょうね。実際、サックスを上下・左右に揺らすものだから、出てくる音の方も、やはり揺れますよね。
サックスのベルの所に付けるマイクができた時は、たぶんロリンズは大喜びだったんじゃないかな(笑)これでいくらでも歩き回っても大丈夫と! capmerさん書かれているように、コンサートでも、MCの時、ロリンズはサックスを横にしてベルの辺りに向かってしゃべってましたね。嬉しそうな顔で(笑)
ロリンズという人は子供みたいなとこもありそうですね。そういえばアメリカのどこかのライブでの様子~you tubeか何かで見たような記憶があるのですが~
ロリンズは乗りに乗って、そうして1mくらいのステージから飛び降りたらしいです。その時、足をひどく痛めて立ち上がれなくなってしまった!心配する観客・・・その時、サックスの音が聴こえてくる。見ると・・・ロリンズはステージ下に寝そべったまま、サックスを吹き始めたのです。観客は大喜び。しかし・・・ロリンズの怪我はひどくその後、しばらく歩けないほどだったということです。
なんともロリンズらしい話しですよね(笑)
投稿: bassclef | 2007年2月 2日 (金) 22:38
bsさん、さっそくのコメントをThanksです!
>本作の‘The Way You・・・’、‘I Want To・・・’の素晴らしさを思い浮かべていたんです。どうなっているんでしょうね~
いやあ・・・なにやらうれしくなるようなシンクロ現象ですね。やっぱり・・・「いいものはいい」ということでしょうか(笑)
あのthe way...今回、何度か聴いてみましたが、やっぱり・・・いい!(笑)この1954年10月のロリンズに「ひらめき」が溢れていたんでしょうね。本記事に追加でチラと書いたこの日のもう1曲~more than you know も実にいい味わいでしたね。
先日のbsさんのblue spirits記事の「バリー・ハリス」聴きかえしてみました。バリー・ハリスのpreminadoのエルヴィン・・・あのLP、ハリスの好みかラテン風のアレンジが何曲かあり、最終曲のwhat is this things called loveも急速調のラテン風テーマからそのまま4ビートへ・・・。煽る(あお)エルヴィンに対して、ジョー・ベンジャミンの「ゆったりベース」とマイ・ペースのハリス。全体に、走っていそうで走っていない不思議なビート感~でもそれがスリル満点! エルヴィンの4バースも実にいいキレしてました。あのレコード(CDなんですが:笑)を、ちょっと見直しました(笑)
投稿: bassclef | 2007年2月 2日 (金) 21:07
こんばんわ。ロリンズのライブ実体験がないので主旨から外れていると思いますが常連さんたちが大方出揃ったところで別角度からちょっと。
そのアーティストがどれ程好きかという試金石の一つにBOOTLEG(海賊盤)を持っているか、いないかというのがあると思います。まだROCK少年だった頃大好きなCSN&YやKINKSのBOOTが欲しくて欲しくて、正規盤をまだろくに聴いていないのにFM放送とかでは絶対聴けない違法で禁断の香り(笑)のするBOOTが羨望の的でした。当時最も有名だった「ブタさんマーク」の盤などは盤が赤やオレンジで余計に購入意欲を刺激してくれました。でも実際に購入して聴いてみるとライブ会場へカセットレコーダーを持ち込んで隠し採りしたものが多く最低の音質でひどいものは誰が演奏しているのかわからないようなものまでありました。
そんな訳でジャズを主に聴くようになってからはBOOTは遠ざけていたのですがLEE KONITZ=CHET BAKER=KEITH JARERET5というタイトルの誘惑に負けて購入したBOOTが以外に音が良く(ROCKに比べてです)その後エヴァンスやマリガン等大好きなアーティストのものは懲りずに手を出してしまいました。
ですから随分と控えめに書かれているようですがBOOTを7枚もお持ちのbassclefさんはホントはROLLINSのこと大大大大大・・好きなんでしょ(笑)。ちなみに私もROLLINS大好きなんですけどBOOTは「1959 STOCKHOLM」と「IN PARIS」の2枚だけです。負けました(笑)。
投稿: NOT | 2007年2月 2日 (金) 21:04
mono-monoさん、心温まるコメントをどうもです。
ジャズってのは・・・ホントに素晴らしいですね。どの時代にもいろんな個性がいっぱい光っている。そんな個性群の中から、僕の場合は・・・「どうにもロリンズ」という感じなんですが、オレはモブレイだあ!とかオレはリー・モーガンだあ!いやレスターだあ・・とか、もうどんなパターンもあるわけで・・・その辺も楽しいことですよね。
投稿: bassclef | 2007年2月 2日 (金) 20:48
D35さん、素早くコメントをThanksです。長くてどうもすみません(笑)ロリンズのことは前から書きたくて、しかしうまくまとまらず、ずるずると長くなってしまいました。これでも「京都編」をカットしてあるのですが(笑)京都では、開演前の会場に入り込んでリハーサルを見て、その後、あのロリンズにも会いました。この話しはまたの機会に・・・。
名古屋のコンサート・・・2005年秋の「ロリンズ最後のツアー」でしたが、僕は行きませんでした。でも「杜」での書き込みや、いろんなジャズのブログからですが、その「感動」を目撃しましたよ。まさに「見れば判る」ということだったように推測しております。
でも・・・レコードであれころ聴いてロリンズを好きになっていれば(という条件付きですが)・・・DVDでもyou tubeでも「動くロリンズ」は見られますし、充分にロリンズの凄さは「判る」と思います。
投稿: bassclef | 2007年2月 2日 (金) 20:41
bassclefさん
私もロリンズ大好きです。
ライブは観たことがないのですが、bassclefさんの記事を読んでいたら、情景が目に浮かぶようでした。
おっしゃることも、とてもよくわかります。
おおらかに歌うロリンズのテナーは、ホント、聴いていると幸せな気分になってきますね。
投稿: Refugee | 2007年2月 2日 (金) 19:08
bassclefさん
図らずもBLOG同士でテナー談義となりました。
まさに、BLOGのインタープレイですね。(笑)
私が最初に生のズンリロを聴いたのは1964年のモヒカン刈りのときで、「アワ・マン・イン・ジャズ」を発表した後でした。
自由自在にテナーを放り投げ、頭上で水平に・・でもマウスピースを話さずフレーズを吹き続ける・・・大いに感動しました。
高校生のときでしたが、産経ホールだけでは止まらず、地方公演にまで追っかけをしました。
音も豪快、姿も豪快、そして、楽器で歌い、語る名手ですね。
私の友人はNYのクラブの最前列で聞き入り、40分のソロ演奏に感動し、演奏終了後、思わずステージに上がって抱きついたそうです。
そしてそんな日本人の若者をハグで応えてくれたと興奮して語ってくれました。
サキコロから昨年のラスト公演まで、挫折と再生の旅を繰り返しながら、音は豪快に・・・でも自己啓発は常に怠らなかった人ですね。
数回の沈黙がそれを語っています。
そこがトレーンより人間臭いところで好きなんです。
投稿: 4438miles | 2007年2月 2日 (金) 16:02
bassclefさん、大変お久しぶりです。
今回ロリンズということで、居ても立ってもいられず(笑)お邪魔致しました。
相変わらず「オト」「音楽」を臨場感溢れる「字」に直す筆力はすばらしいですね!
私は、親父が見栄で買った国内初版の「サキ・コロ(Top-Rank)」がモダンジャズの洗礼でした。
それ以来、彼の「名盤」と言われる物は国内盤で集め、その後「オリジ」に目覚めてからは、低音の「ゴリ!」聴きたさ(感じたさ)にレコード屋を走り回るようにもなりました。やっぱりロリンズを聴く時は、「元気をもらう」聴き方です。
「口笛を吹くように」う~ん、なるほど!まさにテナーを持った口笛吹き(?)ですね。
最近レコードを買うことがあまり出来なかったのですが、一昨日、ひょんな事から、ブルーノートの1558「Vol.2」セカンドorサードプレス耳マーク付!を譲って頂き、今晩しみじみ聴く予定だったのです。
素晴らしいタイミング!
私もナマで聴いてみたい!
投稿: Mok | 2007年2月 2日 (金) 15:34
bassclefさん,来ましたね。ロリンズ。自分はジャズのライブ,初めて見たのがロリンズでした。新潟でしたね。おそらくbassclefさんと同じ79年か、もしくはその一年前か後かその辺だったと思います。覚えているのはドラムがアル・フォスターだったような・・・。記憶が間違っているかも知れません。
とにかく強烈で,ログにあるように,ロリンズは動き回り,バケツをやりました。やる時のあのドングリ目が余計に大きくなるのです。違うかも知れませんが、自分的には“ゾウの雄叫び”、サックスを前にだして、ゾウの鼻のように持ち上げていくこの姿がとても印象に残っています。どうしてロリンズはステージで動き回れるか!?、彼のサックスのベルにはピックアップが設置されています。また、これを介して,サックスを横にしてMCをやるのです。
それ以後,幾度かサックスプレーヤーのライブを見ましたが,あんだけ動き回るプレーヤーはいませんでした。70年代終わりのロリンズ,良く聴いたのはマイルストーン・ジャズ・スターズ、S.WonderのIsn't She Lovelyを収録した"Easy Living", カリプソをテーマにした"Next Album"などです。いずれもいい出来でしたね。また、ライブで聴いてみたいものですね!
投稿: 67camper | 2007年2月 2日 (金) 01:36
お久し振り?です。イヤー、吃驚しました。つい先ほど帰宅し遅い夕飯(否、酒です)をすませて、bassclefさんのブログを開いたところ、なんとモンクとロリンズではありませんか!今朝、仕事へ行く前、ふとモンクの‘SOMETHIG IN BLUE’(ロンドン録音、モンク、最後の公式盤の一枚)を想い出し、それからモンクと一番合うのは、ディビスでなければ、コルトレーンでもなく、ヤッパー、ロリンズだなぁ、と本作の‘The Way You・・・’、‘I Want To・・・’の素晴らしさを思い浮かべていたんです。どうなっているんでしょうね。もう随分前ですが、鎌倉へ転勤した友人の所へ遊びに行ったときも、ジャズ喫茶でこの盤をリクエストしましたよ。モンクとロリンズの裸の付合いというか、自然体と言うところが、最高ですね。
D35さん、始めまして。bsと申します。あのロリンズのコンサートに行かれたのですね。どこかですれ違っていたかもしれませんね。ひょっとして隣どうしであったりして(笑)。これからも宜しくお願い致します。
投稿: bs | 2007年2月 2日 (金) 00:09
いやァ、今回はしびれましたよ、bassclefさん!
ちょうど1月間更新待またされただけのことはあります。
実にロリンズ愛あふれる素晴らしい記事でした。
ウ〜ン、ジャズって楽しいなァ〜!
投稿: mono-mono | 2007年2月 2日 (金) 00:00
いや~長かった(笑)、けど一気に読みました。
自称ギター弾き(笑)の私、bassclefさんの言う事、よ~く分かります(笑)、笑いすぎですね。
ギターだと弦を押さえて爪弾けば音が出るし、指癖なんてあってとにかくテキトーにメロディーが弾けてしまう(ソレは私だけかもしれません、真面目にやっている人スミマセン)。
ベースだけでなくサックスも吹いた事のあるbassさんならではのウンチク(失礼)、読んでて面白いし妙に納得してしまいました(またまた失礼)。
ちなみに私が初めて吹いたサックスはバリトンでした。
音が出ただけで褒められました、なにせでかいから。
私は本物のロリンズを聴いたのは去年の名古屋が最初で最後。
PAはひどかったけど充分楽しませてもらいました。
家に帰ってすぐセントトーマス聴きました(笑)。
また今年も来ないかなー?
投稿: D35 | 2007年2月 1日 (木) 19:59