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2006年12月21日 (木)

<思いレコ 第13回>Miles Davis/Someday My Prince Will Come(columbia)

「いつか王子様が」~ウイントン・ケリー、3拍子の切れ味。

Dscn1526_3 ふとした時にアタマの中に聞こえてくる「音」というものがある。いつだったか、この<夢レコ>でも書いたように、僕の場合はマイルスのものにそんな「音」が多い。マイルスのLPはどれも好きで何度も聴いたものだが、とりわけ好きなのが、このSomeday My Prince Will Comeだ。実際・・・僕はこの「Someday~」を、いったい何回くらい聴いてきたのだろうか。何度、聴いてもそのたびに「う~ん・・・いいなあ」という想いでいっぱいになってしまい、A面が終わると、1曲目のSomeday~だけもう1回聴いたりするのだった(笑)
そんな風だから、どうやら細胞のどこかにこの「音」が染み込んでいるらしく、ふとした時にアタマの中にあのベースの音~
bom,bom,bom/bom,bom,bom/bom,bom,bom/bom,bom,bom~が聞こえたりする。そうなると・・・もういけない(笑)その後のケリーのブロックコードやら、マイルスがテーマを吹く時のミュートの響き具合やらが、どんどんとアタマの中にあの曲が流れてきてしまうのだ。

bom,bom,bom/bom,bom,bom/bom,bom,bom/bom,bom,bom・・・最初、そんな風にチェンバースがウッドベースの1弦のF(ファ)の音だけを弾き始める。これはウッドベースではけっこう高い方の音程で、ギターのフレットで言うと3弦の10フレットの位置になる。この「ボン・ボン・ボン」(1小節に3回)を4小節(12回)続けると・・・ケリーのピアノが入ってくる。モダンな響きの感じのするコード(和音)だけでまず16小節。次にケリーは、右手のシングルトーンで軽くアドリブを入れてくる。アドリブといっても、まだ曲のテーマが出る前のイントロ部分なので、軽くいこうぜ、という予告編くらいの感じだ。しかし・・・この予告編でのケリーはいい。3拍子の「ノリ」が素晴らしいのだ!
チェンバースがきっちりと(どちらかというとやや無表情なくらい)3拍づつ刻むF音にのっかって、ケリーは、キレのいい右手で飛び跳ねる。アイディアに満ちたフレーズを、全く力まずに、軽く、そしてしなやかに弾き込んでいる。ワルツというリズムに独特の躍動感みたいなもの~まさに鮎が水面に飛び跳ねているような~そんな感じが、うまく現れているのだ。ケリーの3拍子は全く素晴らしい!
そんなわくわくさせるようなケリーのアドリブ予告編が16小節続くのだが・・・まだ「いつか王子さまが」のメロディは出てこない。これっぽちも出てこない。おそらく「出してはいけなかった」のだろう。この辺り・・・全てはマイルスの指示のはずだ。「絶対に主メロディは弾くなよ」と、あの声で言ったに違いない(笑) そう確信できるのは、やはりさきほどの「チェンバースのF音連打」なのである。チェンバースは、出足のベースだけの部分から1弦Fの音を続けている。マイルスが入ってくるまで、本当に同じ音だけを延々と弾き続けているのだ。試みにちょっと小節数をカウントしてみた。1小節に3回のF音を弾く計算だ。
ベースのみ部分4小節(12回)
ケリー/和音部分16小節(48回)
ケリー/アドリブ部分16小節(48回)・・・都合、108回のF音のみ連打である。ああ、そういえば、さっきチェンバースがF音を弾き続けるのは「マイルスが入るまで」と書いたが、実はもうちょっとオマケがあった。マイルスがテーマを吹き始めての8小節は・・・やはりF音を続けているのだ。だからそれも足すと・・・108回+24回=132回だ。ただでさえベースのランニング音をメロディックに変化させることを好むチェンバースが、自分のチョイスとしてこれだけ同じノート(音程)を続けられるだろうか? やはり・・・マイルスの指示だと思う。それにしてもいくらマイルスの指示でも、チェンバースもいい加減、厭きただろうなあ・・・(笑)
でも、ここでぐぐっとガマンするから・・・いよいよ入ってくる「いつか王子様が」のメロディが生きてくるのだと思う。こんな具合にさんざんじらしておいて・・・いよいよマイルスがテーマのメロディをミュートで吹き始める。
そりゃあ、マイルスは気持ちいいだろうなあ・・・そんなマイルスが小憎らしいけれど・・・聴いている方も、本当に気持ちよくなってしまうのだ。そういえば・・・小さい頃、TVの相撲中継を親父と見ていたのだが、千秋楽の大一番だというのに、なかなか始まらない。仕切り前の儀式めいた段取りがやけに長いので、僕が「早くやればいいのに」と言うと、親父は「バカッ!これがいいんだ!」と力むのであった。あれと同じ理屈かもしれない(笑)

マイルスのこんなやり方は、たぶん当時1960年では珍しかったと思うのだが、今でいう「ペダル」(曲が進行してコードが変わっていっても低音部だけは同じ音程を維持していくような手法)とよく似ている。ただ「ペダル」というのは、たいていは低い音域でやるのに、この曲では高域F連打なので、言わば「逆ペダル」だ。
ちなみに、このチェンバースのF音連打のパターンは、ソロとソロの間つなぐブリッジの部分でも、それから曲のエンディングの部分でも出てくる。それらが実に効果的なのだ。そしてそれに乗っかるケリーのアドリブがまたかっこいい。それにしても・・・ディズニー映画のかわいらしいワルツ曲に、こんな演出を加えて、しかもそれがムチャクチャ効果的になっている~そんなマイルスの構成力というのは、本当に素晴らしい。Dscn1570_1

《columbia:PC8456》1977年頃の米再発。センターラベルは・・・うんと安っぽいので、あまりお見せしたくない(笑) 60年代に入った頃のcolumbiaのステレオ録音は、ベースやピアノ、そして管の音も、意外に厚めの音で、しっとりとした味わいがある。好きなステレオ録音だ。6つ目のステレオ盤(CS8456)が欲しいなあ(笑)~先日、このレコードの1961年のオリジナル盤で「いつか王子様が」を聴き比べる機会があった。想像していたとおり・・・モノラル盤(recooyajiさん)、ステレオ盤(konkenさん)ともに、やはり素晴らしい音だった。「モノラル」での各楽器の厚みや豊かさも凄い。ステレオだと、もう少し全体に軽みがでてきて優しい味わいになってくる。いつもおとなしめにシンバルを鳴らすジミー・コブのシンバルのライトな味わいには「ステレオ」の方が似合うように感じた。もともと僕は、ベースやドラムスがちょっと離れて聞こえた方が好みなので~もちろんリアルステレオでそれぞれの楽器の音圧(実体感みたいなものという意味合い)がしっかりと録られていることが前提だが~「ステレオ録音」の方がより好みだった。そういえば、ニイノニーノの新納さんは、以前からHPでも「VictorやColumbiaなど大手はステレオ録音の方が優れている」と書いておられたが、僕なども、ヘンリー・マンシーニのあのゴージャスなサウンド(「ハタリ」や「ピンク・パンサーなど)をステレオ盤で味わうと、その意見には大きく頷いてしまうのである。
【追記】NOT(ブログ~These Music Suit Me Well)さんが、さっそくこのSomeday My Prince Will Comeの1961年オリジナルの6つ目:ステレオ盤/モノラル盤のセンターラベルの詳しい記事をアップしてくれました。う~ん・・・ラベルの世界も深い(笑)

ジャケット話しでひとつ。カヴァーの女性はフランさんという当時のマイルスの奥さんだったとのことだが、ステレオ盤とモノラル盤には、些細な(いや、しかしけっこう大きなとも言える)違いがある。ジャケットの一番下の方~フランさんの胸元の「青い布切れ」の見える分量がだいぶん違うのである。ステレオ盤だとほんの少し。モノラル盤だと1cm以上は見える。この辺りの「ステレオ盤/モノラル盤についてのジャケットの謎」については、拙ブログにリンクしてあるmono-monoさんの記事に詳しい。おもしろいですよ。

さて・・・もうひとつ、ケリーのピアノのことを。
マイルスがテーマの出足、8小節を吹いている時~チェンバースはまだ高音F音を続けているのだが~この時、どうにも印象的なケリーのバッキングがある。ケリーがとても切れ味の鋭いコンピング(バッキングの時、主にコード(和音)を弾くこと・・・かな?)を、ワルツの3拍子の普通には入れないようなどうにも微妙な位置に、すごく短く「スッ!」「スッ!」と・・・そう、まるで豆腐に包丁を沈めるような感じで、差し入れてくるのだ。この曲を何度も聴いてきたが、特に分析的に聴いたわけでもなく、だから僕には、なかなかその「スッ!」のリズム~タイミングが判らなかった。ただ「かっこいい!」と感じていたのだ(笑)
3拍子でのアクセントの付け方というものに絶対の決まりがあるわけではないと思うが、例えばドラムスのハイハットについて言えば・・・1956年頃からマックス・ローチがやったのは・・・少なくともテーマの部分のバッキングでは「1、2、3」の2拍目と3拍目にハイ・ハットを踏むやり方だったと思う。あるいは2拍目だけにハイハットという場合もあったかもしれない。1、2、3とノル場合、普通に考えても、これなら自然にノレる。だから・・・その後も、このローチ方式がたぶん一般的になっていったように思う。
余談だが、初期の3拍子ジャズを聴いたなかで、どうにも違和感を覚えたプレイがあった。もちろんローチのではなく、誰のレコードだったか忘れてしまったが、そのドラマーは、3拍子の曲にも関わらず、全く普通に4拍子の場合と同じように、ウラ打ち(2拍目と4拍目にハイハットを踏むこと)をしていたのである。たしか最後までそのやり方で踏み続けていたので、確信犯だったとは思う(笑)
そういう踏み方をすると・・・どういう風に聞こえるのか?文字ではなかなか説明しづらいのだが・・・3拍子が2小節で「1、2、3/4、5、6」と6拍分のカウントとなる。この6拍をひとつの単位として捉えた場合、ハイハットの2拍・4拍打ちをそのまま機械的にあてはめれば「1、、3/、5、」の最初の小節の2拍目(2番)と、2小節目の1拍目(4番)と3拍目(6番)の位置にアクセントがくることになる。口で言うと・・・「ウ・チャ・ウ/チャ・ン・チャ」(チャがアクセント部分)てな感じか。3拍子を2小節単位でくくれば、こういうアクセントの入れ方も全くOKなわけで、ちょっと聴くのに慣れさえすれば・・・自然なノリに聴けると思う。ただ、僕が聞いたレコードでのその「3拍子ウラ打ち死守」違和感を覚えたのは・・・聴いていて、どうにも「ノッて」なかったからである。おそろしく不自然な感じがした。
おおまかに言えばアクセントの位置自体は、この2、4、6の位置でも合っているとは言えるのだが、それは・・・6拍単位のウラ打ちでも数字上の辻褄は合う~というだけのことのように思う。音楽は「辻褄合わせ」だけでは面白くないのだ。

そうしてこの間、なにげなく「いつか王子様が」を聴いていたら・・・「ぽっ」とアタマの中に電気が点いた(笑)  そうだっ!ケリーは、正にこの6拍単位での2、4、6の位置にあの「スッ!」「スッ!」を入れていたのである。ただし・・・先ほど「面白くない例」として挙げた機械的な6拍のウラ打ちではなく・・・「スッ!」が、実に微妙なタイミングで差し込まれているのだ。
3拍子でノッている以上、やはり1、2、3、1、2、3というカウントの中での生き生きしたノリが必要なのだと思う。その「ノリ」とは・・・微妙なシンコペーションであると考えている。この6拍ウラ打ちで3拍子特有の揺れるような感じを出すには・・・2小節目の1拍目・3拍目(つまり4番目と6番目)の位置に、わずかに「突っ込むような感じ」が必要なように思う。そうして、ケリーは・・・このサジ加減が実に絶妙で、一瞬、大丈夫かな?と感じてしまうほど突っ込み具合が「切れて」いるのだ。素晴らしいセンスだと思う。
この辺りのことは、本当に微妙なタイミングのことなので、とても文字では言い表せない。興味がある方は・・・ぜひ、このマイルスの「いつか王子様が」を、マイルスがテーマを吹き始めた際のケリーのバッキングを、ぜひ聴いてみてください。

みなさんもたぶん大好きであろうこの曲~マイルスが練りに練って構成したであろう「いつか王子様が」。
マイルス、モブレイ、コルトレーンの素晴らしいソロが聴き所であることはもちろんだが・・・ケリーならではのムチャクチャに鋭いセンスがあったからこそ、あのチャーミングなテーマを持つ3拍子が、本当に生き生きとしたものになったように思う。Dscn1569

さあ・・・マイルスがテーマを吹き終わった後に、再び始まるチェンバースのF音連打・・・そして再びケリーの見せ場。ケリーのピアノがぐうんと冴えてくる。このままいつまでも続けていけそうないいアドリブだ。
だがしかし・・・マイルスの鋭い構成力がそれを許さない。ケリーがシングルトーンを弾いている途中で、全体の音量を少し下げさせた後に、今度はクレシェンドをかけさせる~この辺り、チェンバースに向かって手のひらを上に向けて「上げろ」と指示しているマイルスが見えるようだ~チェンバースの音量が俄かに上がってくる。そのクレシェンドに反応したケリーがブロックコードのバッキングに戻してくる。ああ・・・これで終わるのだなあ・・・誰もがそう思ったそのとおりに・・・ケリーの終止感の薄い不思議な和音で「すう~っ」と、この曲は終わるのだ。見事なエンディング!
そうしてそのケリーの最後の音が伸び切ったその時「ッポン!」という音が聞こえる。あの「ポン!」の意味するものは・・・マイルスの会心の「OK!」のように、僕には思えてしまうのだ。
それにしても・・・あれはいったい何の音なんだろう?(笑)

【追記】 bsさん、貴HPの戯言日記にて当記事を話題のこと、ありがとうございます。リンクしてあるbsさんのHP(blue spirits)には、もうだいぶ前からこのマイルスのSomeday記事が載っております。僕の記憶の中では「恐るべき傑作」というようなbsさんのコメントが印象に残っていた。拙ブログをアップしてから再読しました(先に読むと影響されてしまいそうで:笑) マイルスの曲順に至るまで練りに練ったやり口を「悪魔の仕業」とまで激賞されております。全く異論ございません(笑) 

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コメント

さっそくの再コメント、thanksです。
あばちゃんさん、そうなんですよ。タイトルを挙げた責任上、こちらも、ウイントン・ケリーのリーダー作 Undiluted(verve)を聴いてみました。(以下私見ですが)ヴァン・ゲルダーの録音の良し悪し以前の問題として、このベース音には、チェンバースらしさ~ゴンゴンとした強さのある張りのある音色~が感じられません。
なにやらピッチ(音程)がだいぶ悪いし(たぶん調弦自体が良くない)ビート感も出てない(4ビートのピチカットが、ほんのわずかづつ遅めにズレているように聞こえる)そしてベース音そのものに切れがない。う~ん・・・これがあのチェンバースか・・・という気持ちになります。
1965年というと、まだ亡くなる4年前ですから、この時点でそれほど衰えてしまっているとは・・・思いたくないのですが、実際にこの「音」を聴いてしまうと・・・。
何かで読んだ話しでは1967~1968年頃の日本公演(ワールドジャズフェスティバルという呼称だったか?)で、ウイントン・ケリー・トリオとして出演した時・・・すでに「チェンバースは覇気のないプレーに終始した」と書かれた記事があったとのこと。

思うに・・・チェンバースは、これはもう・・・若い頃からその素晴らしい才能を発揮して、「ジャズ」を弾きすぎて、ジャズのレコーディングもやりすぎて・・そうして体を悪くして(肺血種というような病名だったらしいですね)体力衰えれば気力も衰えるだろうから、「ジャズ」という音楽そのものへの情熱も失ってしまった・・・そうして、1965年くらいからの晩年には、音程をキープする左手の正確さも、力強い右手のピチカットも、それから、音楽を生き生きとさせるあのビート感も・・・それらが衰えてしまっていたのかもしれませんね。
でも・・・だからと言って、そういう晩年の衰えが、その人のそれまでの美点を否定するものでないわけで。ただ、そういうレコードもある・・・ということでいいのでしょう。

この辺まで書いてきて思うのは、ベース弾きとして最晩年まで衰えを感じさせなかった、レイ・ブラウンとミルト・ヒントンは・・・これはもう例外中の例外ということです。
ミルト・ヒントンには、晩年の傑作がいくつもあるようですが、僕が聴いたレコードで、その「気力に溢れたベース音」にびっくりしたのが~ブランフォード・マルサリスの Jeepy(columbia)2LP です。単にベテランが若手を支える・・・というようなレベルではなく、一緒に「その場の音楽」を演ってます。

僕がこんなことを書いているのは~
もちろんチェンバース(の衰え)を責めているわけではなく・・・つまり、ジャズという音楽での「ベース」という楽器の重要性を言いたいわけです。(いや、もちろん「べース」だけでなくどの楽器も重要に決まってますが)
同じポール・チェンバースというベース弾きが出す音~ベースのピチカット音、ウオーキングライン(音使い)~にも、時期によっては<これだけの「質の違い」がある>ということなんです。つまり・・・ベースもドラムスも、ただバックで、無難にリーダーの伴奏だけをしているわけではない・・・ということなんです。

ドラム奏者やベース弾きの「音」に注意してその動きを感じ取る・・・そんな観点でジャズを聴くと・・・これはまた面白いですよね。

投稿: bassclef | 2011年4月 3日 (日) 10:34

さっそく Undiluted を出して聴きました(CDですが)バンゲルダーの録音ですがほんとに情けない音ですね?
スローの曲もただ音を拾ってるだけですね?
ケリーのお馴染みの If You Could See Me Now も
スカスカのラインですね?

投稿: あばちゃん | 2011年4月 2日 (土) 22:45

あばちゃんさん、コメントどうもです!
マイルスの「いつか王子様が」~これはもうとんでもない傑作で、およそジャズを好きの方であのレコードが嫌いなんて方がいるはずがない・・・と思えるくらい僕は好きな作品です。
チェンバースのあのF音(ファの音)連打のベースパターン・・・そうですね、やっぱり親分マイルスの指示でしょう。「ポーチェン(チェンバース)の魂」は・・・よかったですね(笑)
チェンバースのことを「ポーチェン」と呼ぶのは・・・相当に年季の入ったジャズマニアの証拠でしょう(笑)
そうですね・・・「魂」が入ってない・・・と言えばそうも感じますが、まあ・・・チェンバースも「うん、これは・・・変な感じだな・・・でもちょっと面白いぞ」くらいの雰囲気でしょう。もともとチェンバースは4ビート権化のようなベース弾きですから、ランニングのノートを聴くと3拍子自体にもあまり慣れてないような気もします。その辺を見抜いたマイルスが、テーマの部分で、チェンバースにああした思い切ったone note(ひとつだけの音程)を指示して、その効果として、ちょっと新しいモーダル(モード的)な感じを出したかったのかもしれませんね。
このone noteペダル音が、元々、誰のアイディアであったかは・・・判りませんね。この曲、ピアノはW.ケリーですが、僕は・・・B.エヴァンスか、あるいは G.エヴァンス辺りのアイディアじゃないかな?と妄想してますが(笑)

something elseの「枯葉」~あのイントロのバターンは・・・あれは・・・出自がはっきりしてます。あれは夢レコ「アーマド・ジャマル記事」でも書きましたが、ジャマルの(マイルスより古い)レコードに、同じパターンが出てきます。マイルス述懐本にも「ライブで何度もジャマルを見て聴いて気に入っていた」というような記述がありましたので、「枯葉のイントロは、ジャマルからのパクリ」で間違いないでしょう。但し、リズムだけはちょいと違います。ジャマルはラテンっぽい8ビートの感じですが、マイルスは4ビート乗りのようです。
なお、ジャマルのその元ネタレコードは~
The Ahmad Jamal Trio(epic LN3212)A面4曲目です。薄暗い影になった女の横顔のジャケットです。

続けてのコメントにも感謝です。
チェンバースのウッドベース・・・あの女神の彫刻、かっこいいですよね。そのCDの「写真」は見たことがないです。チェンバースの「女神」が一番、よく写ってるのは・・・たぶんあれ、transition原盤?だったかの、しかしlibertyから再発された、コルトレーンやC.フラーらが加わったレコードのジャケットでしょうか。
ウッドベースで4本の弦を逆に張ることは・・・ないと思います。例外としては・・・「左利きのベーシスト」の場合は(ギターと同じように)たまに「逆張り」のベース弾きが存在します。
(僕は35年ほど前に、愛知県の岡崎市のパブで、その「左利きベース弾き」を目撃しました。「遊んでってよ」(ちょっと弾いていってよという意味)と言われても、あれだと・・・普通のベース弾きにはとても弾けません(笑))
チェンバースのその「逆」は、写真の逆焼きでしょうね。

チェンバースは1956年くらいのレコードから、それはもう・・・数多(あまた)のセッションに参加して、誰も数えたことがないでしょうけど(笑)ざっと見て、700~800作品くらいは参加してるのではないでしょうか。最初の7~8年が1年に100としても15年くらいは活躍してるので(晩年は参加作品減少)(数字の根拠・・・まったくありません:笑)
で・・・何が言いたいのかというと、その偉大なチェンバースも、晩年のいくつかの作品では・・・まったく精彩を欠いた音色とノートで、これがあのチェンバースなのか・・・と思えるくらいの衰えた感じのベースになってるようです。
思うに・・・(まったくの私見ですが)サックスやピアノだと、晩年の衰えも・・・そのプレイにある種の味みたいなものが出てくる場合も多いのですが・・・ベース、それとドラム~この辺のリズムを支える楽器になると・・・衰えたプレイだと、どうもやっぱり聴いててもそのジャズが生き生きしないというか・・・魅力がなくなってしまいますね。
1969年に亡くなった時、スイングジャーナル誌でも扱いが少なかったとのこと・・・残念ですが、たぶん、1965年くらいからは主だったジャズシーンには登場してこなかったのかな・・・SJ誌は、いつもその時代の流行(はやり)にしか興味がない雑誌でしたから。

まったくの余談ですが・・・今で言ういわゆるfusionという音楽スタイルが流行り出したころ、その音楽スタイルを紹介する特集で、少し前には「クロスオーバー」と連呼していたはずなのに、SJ誌(あるいは他の雑誌もかな?)そのスタイルを表す当時の最新の用語fusionを「フュージョン」でなく「ヒュージョン」と表記してました(笑)もちろんその表記が悪いということではなく・・・新しい何かが登場した時、外国からの情報に頼って、齷齪(あくせく)していたんだろうな・・・ということが想像されて・・・その何年か後には「やっぱりフュージョンなんてジャズの本線ではない。ハードバップこそジャズだ!」みたいな乗りになって・・・まあとにかく、しらけるわけです(笑)
いやあ・・・長い余談でした。

ちなみに僕が思う「衰えたチェンバース」のレコードは・・・W.ケリーの Undiluted(verve)1965年 です。お持ちならまた聴いてみてください。弦が緩んでしまったような覇気のないベース音です。ちなみに僕が一番好きなチェンバースの「音」は・・・1957年頃のレコードです。
Sonny Rollins のvol.2(bluenote)
Kenny Drew Trio(riverside)
など、もうブッチンブッチンの重いベースサウンドとアイディア溢れるベースソロで・・・もう最高です!チェンバースもやっぱり凄いベース弾きですね。

投稿: bassclef | 2011年4月 2日 (土) 10:52

このCDを出してきて写真に写ってるポールのベース
見てびっくり!
お馴染み女神のネックのベースの弦、普通と逆に張っているのです!それとも逆に写真をやいたのでしょうか?1969年1月に亡くなったので当時のスイングジャーナル3月号に死亡記事が出ているので見ましたが、あの偉大な
ベースの神様の割には特集なんかありませんでした。
もう既に古いタイプのベーシストになりさがったんでしょうね?寂しい!! 

投稿: あばちゃん | 2011年3月27日 (日) 14:14

サムデイでのポーチェンのあのベースパターン苦手でした。ポーチェンのアイデアでなく、どうせ親分がやらせたんだろうと思ってました。音にポーチェンの魂が感じられなかったのです。
2弦の通常の位置でない音の選択はポーチェンの意地か親分の指図か?どちらなんでしょう?
しかしbassclefさんの分析にはまいりました!!
キャノンボールの例の枯葉(サムシンエルス)のサムジョーンズのベースもマイルスの指示でしょうか?
あのベースパターンも苦手なんです。

投稿: あばちゃん | 2011年3月26日 (土) 23:17

recooyajiさん、あけましておめでとうございます。いやあ・・・昨日はこちらも楽しかったです。ヴォーカルから始めてパーカーやペッパー、エディ・ロック・ジョーやらベイシー・・・いろいろ聴きましたね。一番印象に残っているのは・・・コルトレーンのGiant Steps(atlantic)です。あのモノラル盤(ブルズ・アイ)は・・・いい音だった。たしかにベース、ドラム、そしてテナー、全てが太く厚みのある音色で入ってましたね。ちょっとこちらの思ってるatlanticの音とは違うイメージでした。
ピーターソンの定評盤~We Get Requests(verve)のステレオ盤・・・あれもさすがの音してました。右チャンネルからレイ・ブラウンの張りのある重量感のあるウッドベースの音色が、膨らみすぎずにキッチリと鳴ってましたね。ありゃあやっぱりいい録音です!いつものVal ValentineではなくBob Simpsonなる名前が入ってましたね。このBobさん、ハリー・べらフォンテのVictorの2LP(ライブ盤)のengineerだったと思います。他のVerveのピーターソンより一味違う
「タッチの強弱」がよく表われたいい録音だなあ・・・と改めて判りましたよ。
モノラル派、ステレオ派・・・考えて見たら・・・別にどちらかへ100%集中してジャズを聴いているわけではないですよね。当方ももちろんClefやらの古いモノラル録音も大好きなわけだし(笑)
まあ盤によって、モノ/ステに多少の好みはある・・・くらいのことですね(笑)
マイルスのブラック・ホーク~あれ、けっこう録音もよさそうですよ。僕はうんと安いPC~で聴いてますが、ドラムのバスドラの音圧などリアリティあります。ぜひ6つ目、いってください。モノ/ステ どちらでも(笑)

投稿: bassclef | 2007年1月 1日 (月) 12:37

明けましておめでとうございます。

昨日は本当に楽しかったですね。あっという間の5時間でした。まだまだ聴きたいもの、語りつくしたいこともあり、とても名残惜しかったですよ。

bassclefさんより「Mono派」の烙印を押されてしまった僕ですが、確かに昨日愛聴盤や大事にしているレコードはMono盤が多いですね。再認識した次第です。
でも、既にMonoで持っている「Someday~」はともかく、なぜか買いそびれていた「Miles in Person」については6eyesのStereo盤を狙ってみようと思っています。一応ColumbiaのStereo盤の良さは判っているつもりですので。
と、それより、これでまた集まる(konkenさん、S氏も共に)口実ができたと内心喜んでいる僕です。

今年もよろしくお願いします。

投稿: recooyaji | 2007年1月 1日 (月) 05:43

dukeさん、こんな年の瀬に、わざわざご挨拶のコメントをいただき、ありがとうございます。
>ジャズが三度の飯より好きなことは同じです~
全くです(笑)当方は、本日31日の大晦日だというのに、近くのジャズ仲間のrecooyajiさんとpm1~6時までジャズ聴き会でしたよ(笑)いやあ・・・楽しかった。
dukeさんの「デューク・アドリブ帖」毎回、楽しみにしております。
また明日の元日にでも「サッチモ記事」へコメントを入れますね。ではでは。よいお年を!ああ・・・もう12時だあ・・・。

投稿: bassclef | 2006年12月31日 (日) 23:57

bassclef さん、こんにちは。

今年 4438miles さんのブログで知り合い、今では相互リンク頂く嬉しいご縁がありました。このご縁を来年は更に大きく大切にしたいですね。
どのサイトも切り口が違いますが、ジャズが三度の飯より好きなことは同じです。展開する誌上ジャムセッションは楽しいですね。私の場合はギャグで展開するジャズ井戸端会議ですが・・・(笑)
ありがとうございました。
来年も宜しくお願い致します。

よいお年をお迎えください。
そして楽しい Jazz Life を!

投稿: duke | 2006年12月31日 (日) 08:55

Refugeeさん、ナイスなトラックバック、Thanksです!先ほど、refugeeさん記事、拝見しました。あのフォンテッサ(atlantic)のブルズ・アイ~渦巻きみたいなやつ。ブルってのは牛のことだったですかね?牛の目玉は渦巻いてるのでしょうか?(笑)~あれ、ちょっといいですね。けっこう珍しいセンターラベルのような気もしますね。

>モノラルのほうが聴いてて引き込まれるんですよねぇ~
なるほど・・・ステレオの方がハイファイであっても(そういえばnotさんも、音はステレオの方がいいのだがモノラルの方が好き、と書いてらっしゃいましたね)それでもなお、モノラルの方が~ということなんですね。そういうしっかりとした自分の認識があっての「モノラル派」というのは、気持ちいいですね(笑)

投稿: bassclef | 2006年12月27日 (水) 00:21

bsさん、コメントをどうもです!
マイルスの「いつか王子様が」~notさん、bsさんには、がっくりの肩透かしだったと思います(笑)それにしても、こういうあまりにも有名なアルバムを取り上げるのは・・・なかなか難しいものですね。bsさんが1年も前にblue spiritsでピックアップされた時も、そんな気分を感じさせる書き出しでしたね(笑)
ただ・・・bsさんと同じく、やはり「いいものはいい!」ということですよね(笑)

それと・・・bsさんの「戯言日記」運良く・・・見てしまいましたよ(笑)なので記事中で勝手にリンクしてしまいました。それにしても
bsさんの「Someday~」記事は・・・ジャズの中身だけでなく曲順、ジャケットも含めてトータルに「ひとつの世界」を造り上げてしまったマイルスという男に対しての賞賛・・・みたいな趣旨で、素晴らしい内容だと思います。
僕の方は、もう単に「音」の仕組み・構成だけへのマイルスの支配力・・・みたいな話しになってしまいました。僕の方は・・・音のことだけにしか目が(耳が:笑)いかず、良くも悪くも、物事をうんと狭い角度でしか捉えられないようです(笑)
まあでも、やっぱりあるレコードを取り上げようとする時、bsさんのページを事前に読んだりしなくてよかったです。読めば・・・どうしても影響されてしまいますから(笑)
いや、しかし・・・1年前に読んだ時の「マイルスは凄い」という一点が、やはり・・・僕の脳髄のどこかに残っていたのかもしれませんね。だとしても・・・bsさん、どうかお許しを~(笑)

投稿: bassclef | 2006年12月27日 (水) 00:04

おお、Yoさん、ちょいヒサでした。わざわざの励ましコメントをどうもです(笑)そういえば、このマイルスのアルバムは、第1回の白馬の時のYoさんの持ち込み盤でしたね。ただなぜか白馬でもYoさん宅でもこの
盤を聴いた記憶がありません。あまりにも有名な盤なのでつい後回しになり、結局、かける時間がなくなってしまうようですね(笑)次回チャンスにはぜひ!

>コロムビアは音自体の力感も十分でその上空間感や音の広がりも自然な形で録音されていると思います~
いやあ・・・columbiaのステレオ録音のいい部分として僕が何となく感じていたことを、実に巧く表現していただいたようです。ポイントは・・・ステレオだろうとモノラルだろうと「楽器の実体感」ですかね。まあ、それもこれも・・・最後は、みなさんが後からおっしゃってくれているように「好み」でしょうね(笑)

ただひとつ言えるのはモノラルだろうとステレオだろうと・・・「(演奏はもちろん)もともとの録音がいいか悪いかが全て」ということだと思います。

投稿: bassclef | 2006年12月26日 (火) 23:41

ああ、遼さん!マイルス・・・時にどうにも聴きたくなる人ですよね(笑)僕のブログ記事でそんな気持ちになっていただいとは、うれしいことです。こちらも4438さんや遼さんから「ブラックホーク」(In Person)の名前が出たので、今、久しぶりにMiles Davie In Person~Friday Nightを聴きましたよ。う~ん・・・よかったあ!ケリーという人は、自分のソロはもちろんですが、バッキングでのいろんなやり口が、実に巧いですね。モブレイのソロがなんとなく長い感じの時、パリッとした「造りフレーズ」を入れてきて、モブレイをコブするような~あっ!dukeさん、すんません!)場面など実にいい感じでした。このライブ録音も自然な感じの音で、ジミー・コブのシンバルなど、いい感じで中央やや左から鳴っておりました。やっぱりマイルスは・・・何を聴いても・・・いいなあ(笑)
遼さん、またいつでもどうぞ~。

投稿: bassclef | 2006年12月26日 (火) 23:29

bassclefさん

私も、ステレオかモノラルかは、個人の好みだと思いますよ。
コロンビアは、だいたいステレオのほうがハイファイですが、モノラルのほうが聴いてて引き込まれるんですよねぇ。
これは、聴いてる装置によるのかもしれません。

ところで、内容のない記事ですが、ちょっと関連の記事を書いたのでTBさせていただきました。
よろしくお願いします。

投稿: Refugee | 2006年12月26日 (火) 19:13

すっかりご無沙汰しております。NOTさんではありませんが、見事に一本「技あり」を決められた後遺症(笑)と皆さんの電光石火のリアクションにタイミングを失し、やむなく自分のHPで本作について触れました。そこを運悪く(笑)、bassclefさんに見つかり、戯言にもかかわらず追記としてupして頂き、誠に恐縮する次第です。それにしても、皆さんのディープな考察、インパクトありますね(すいません!)。チェンバースではなくbassclefさんのbon bon bon ・・・・・・・に魅せられたのでしょう。
NOTさんのレーベル検証、イヤー、参りました。それに「音を聴くならSTEREO盤、音楽を聴きたいならMONO盤」、ううーん、深い!これは悪魔のセリフですね。また一人、・・・・・・・・・・(ウフフ)。

投稿: bs | 2006年12月26日 (火) 12:19

bassclefさんも、というより皆さんSameday~がお好きなようで嬉しいですね。親しみやすさではNo1でしょうか?私もクッキンと共に最も良く聴くアルバムです。(最近スティーミンを見直しましたが・・・笑)只皆さんMonoがお好きなようで・・・bassclefさんの肩を持つわけではないですが、私はStereo派です。BNの初期のようにモノ盤に比べて音のエネルギー感が落ちるステレオ盤と違い、コロムビアは音自体の力感も十分でその上空間感や音の広がりも自然な形で録音されていると思います。同じ所から別の楽器が飛び出す違和感が好きでない私はステレオ盤派です。

投稿: Yo | 2006年12月25日 (月) 13:58

こんばんは~。
この記事を拝見してからCDを聴きたくて聴きたくてウズウズしてたんですが、今日やっと聴くことができました。
チェンバースのイントロ、モードの曲でよくある手法なので、まったく気にも留めていなかったのですが、bassclefさんのおっしゃるとおりかもしれませんね。
それと、ケリーのピアノ、ぼくはあんまりいいと思ったことはないのですが(笑)、この曲とあと、『IN PERSON』の金曜日の「Bye Bye Black Bird」は大好きですね。
あ、『CANNONBALL IN CHICAGO』も好きですよ^^

投稿: 遼(Parlophone) | 2006年12月25日 (月) 01:02

dukeさん、貴ブログ<デューク・アドリブ帖>、毎週の日曜にきっちりと更新されててすごいですね。それから思わず書き込みたくなってしまう「あなたの選ぶ~のベスト3」すごく楽しいです。また25-25さん、KAMIさん、しんじさん、それから4438milesさん~みなさんの書き込みがまた実に興味深い。もっとおもしろいのは、書き込みの具合を見ながら・・・次に書き込む方がまた微妙にアレンジしていく・・・というまさに「アドリブ帖」の真骨頂ですね(笑)
さきほど「クリスマス曲べスト3」に参加書き込みさせていただきました。とにもかくにも・・・「シナトラ」でいきましたが、まだまだ少しづつ何度でも書き込みしたくなってますよ(笑)
それではdukeさん、今後ともよろしくお願いします~。メリー・クリスマスです!

投稿: bassclef | 2006年12月24日 (日) 23:43

おおっ、refugeeさん、コメントをどうもです!カインド・オブ・ブルーのステレオ盤聴いても・・・「モノラル」ですかあ(笑)notさんブログの方でもちらっと書きましたが、どうやら「モノラル派」の方が優勢ですね(この辺り、ちょっとグチッぽい自分です:笑)
notさんが、ステレオ/モノラルなんて個人の好みなんでどうでもいいんですよ~とおっしゃってくれたので・・・ちょっと救われてます(笑)そうですね、考えてみれば、columbiaのこの頃のステレオ録音は「3チャンネルマルチ」とのこと~僕などはColumbiaの録音は(ステレオ/モノラル関係なく)ベースがちょっと遠いというか輪郭が甘すぎかもしれませんが、全体的に「丸みがあってみずみずしい感じ」が好みなんですよ。この辺りも好みによっては、ちょっと「おとなしすぎる」音と言えるかもしれませんね。
全く、音とその好みのこと~十人十色で興味が尽きませんね。
メリー・クリスマスです~!

投稿: bassclef | 2006年12月24日 (日) 23:00

sugarさん、興味深いコメントをありがとうございます。sugarさん・・・杉並の方で何やらクラシック&ジャズ聴きイヴェントを敢行されたようで、長時間のイヴェント、お疲れさまでした~。
この「いつか王子様が」のコルトレーン抜きテイクを最近、聞いたのですが・・・やはりあの曲は、最後にコルトレーンが出てくるところまで含めてあの「いつか王子様が」なんですね(笑)僕などモブレイは特に悪いわけではない、と思ってる方なんですが・・・やはり「いつか~」には、コルトレーンの「ハードだけど何かしらロマンティズム」みたいな、あのソロがあって、どうしようもなくあの「いつか王子様が」になっているようです。
モブレイという人は・・・マイルス志向のモードっぽいやり方ではなく、普通のやり方で唄モノをじっくり吹くと、もっとゆったり味わいのある人だと思います。bluenoteのfalling in love with loveなんて最高!ですよね。

投稿: bassclef | 2006年12月24日 (日) 22:51

bassclef さん、早速のリンクありがとうございます。

これを機にお互いのサイトご覧頂いている方の交流が増えるといいですね。
また、過分な正体がばれるような紹介文恐縮です。

>「Fのブルース」さんとは、まるでパーカーとガレスピーのような兄弟杯

4438milesさんはパーカーのような兄貴分ですが、私ごときではガレスピーにはなれませんね。パーカーの後を追いかけるレッド・ロドニーみたいなものです。4438milesさんのブログの下で安心しました。私が上ですと、ついていけないフレーズでいじめられそうです。(笑)

投稿: duke | 2006年12月23日 (土) 19:31

bassclefさん

いやぁ、素晴らしい分析ですね。
私も、この盤は大好きで、マイルスもいいんですが、ケリーのピアノがいいなぁと思っていたんですよ。
bassclefさんの分析で、自分がゾクゾクしてた理由がよくわかりました(^^)

私もMONO派です。
とはいえ、STEREOはオリジナルを聴いたことないんですが(^^;
ちなみに、Kind of Blueも、MONOが断然好きでした。(これは友人に、MONOとSTEREOのオリジナル(どちらもWLP)を聴かせてもらって、そう思いました。)

投稿: Refugee | 2006年12月23日 (土) 15:23

僕もこの盤大好きです。昨日もかけたばかり。
さてこのレコーディングは、3chマルチ(左右とセンター)録音がオリジナル(マスター)です。で、モノミックスとステレオミックスのサブ・マスターが制作されています。「マイルス・アヘッド」「マイルストーンズ」「カインド・オブ・ブルー」も同様の3chです。
さて、この<いつか王子様が>でのハンク・モブレーのソロなんですが、実はハサミが入っていまして、彼のソロは、NGテイクが大量にあり、その中でどうにかこうにか使えるテイクを挿入しています。
コルトレーンは1発でした(本テイク)。
トークバックのやりとりを聴くと、もうほとんどイジメの世界です。ですのでモブレーのソロ、やっぱりおかしなソロですね。今聴いても。
なお、マイルスは、ケリーに出来るだけブロックコードを弾かないように指示を出しています。ケリーの良さをマイルスはしっかり把握しているんだなぁと思いました。(ガーランドに似ないようにということだと僕は理解しています)
思わず嬉しくなってカキコしてしまいました。では。

投稿: Sugar | 2006年12月23日 (土) 09:42

<デューク・アドリブ帖>のdukeさん、リンクのこと、さっそくありがとうございました。貴ブログ<デューク・アドリブ帖>は、本当に大人のジャズ好きが集う「社交場」(古いですね:笑)になってると思います。だから、こちらの方こそ、まだまだ遠慮がちに・・・という感じですよ(笑)
でもこの相互リンクをきっかけに、いろんなジャズ好きのコミュニティが、なんとなくクロスしていったりするのも楽しいですよね。とにもかくにも「みんなジャズが大好き!」なんだから(笑)多少の好みの違いは当然あったりしますけど(笑)
さきほど貴ブログ<デューク・アドリブ帖>をリンクしました。このページの右側~下の方になります。
dukeさんのブログと4438milesさんのブログが並んでおります。よかったです(笑)

投稿: bassclef | 2006年12月23日 (土) 00:36

ああ、67camperさん、コメント&トラックバック、ありがとうございます!いやあ・・・そうでしたね。今、トラックバックのcamperさん記事を再読しました。あの記事、4月だったのですね。もう8ヶ月も経っている(笑)
どうも僕の方、記事になってみると・・・「分析」ばっかりしてるようで・・・ココロ苦しいです(笑)もちろん聴いていて「かっこいい!」「いいなあ・・・」と感じてるんですけど・・・ちょっと何かに拘るとつい・・・(笑)まあ皆さん、あの「いつか王子様が」を本当に好きなのは、間違いないですね。
それにしてもあのcamperさんのSomeday~手持ち盤もモノラル・オリジナル・・・ジャケットの魅力は、やはりあの「下に1cm見える青い生地」絶大ですね。notさん、camperさん、それからrecooyajiさん、どうやら・・・「モノラル派」の方が優勢のようですね(笑)

投稿: bassclef | 2006年12月23日 (土) 00:07

いやあ・・・4438milesさん、どうやらmilesさんのツボを2つも押してしまったようですね(笑)凄まじく力(リキ)の入ったコメント、ありがとうございます。
マイルスと演る時のケリーは特別との話し~なんとなくそういう感じありますね。実を言うと、僕はそれほどケリーの大ファンということでもないのですが、時々、「あれ、ケリーってこんな新しい音、してたかな?」と思うことがあり、それはたいていマイルスと演ってる時のテイクだったりします。たしかにマイルスと演ってる時のケリーは、意図的にノリの量を抑えている(ノリすぎないようにしている)ような感じもありますね。
ちなみに・・・僕がケリーで一番好きなソロは・・・(マイルス抜きですが)キャノンボールとコルトレーンの共演盤(limelightかmercury)のStars Fell On Alabamaでのソロです。あれは・・・いい!数あるケリーの「倍テンのソロ」の中でも、なんというか、思わず倍になっていった・・・という感じがしてワクワクしますね(笑)もちろん、ケリーはほとんどどのソロでも、ノッているのですが(笑)
ブレイキーの3拍子ノリ~そういえば・・・ひとつおもしろいのがありました。ランディ・ウエストンとのトリオのものでPam's Waltzというやつ。1、2、3の1拍を、ブレイキーはそれぞれ倍でとってる。だから「チーン・チーン・チーン」ではなく「チンチキ・チンチキ・チンチキ」と鳴らしている(笑)刻みが細かくなる分、けっこうせわしないのですが、それが見事に端正に抑えた感じでノッてます。ブレイキーってこんなに繊細だったのか・・・と驚いた記憶があります。
milesさん、またいろいろと教えてくださいね。貴ブログにもまたおじゃまします。

投稿: bassclef | 2006年12月22日 (金) 23:52

mono-monoさん、さっそくのコメント、ありがとうございます。あの時、67camperさんのこの「Someday~」記事に応える型で、mono-monoさんがあの「ジャケットの秘密」記事を出されたのでしたね。誰もがボンヤリと疑問だったことを、明快な写真と説明でもってズバリと表していただきました。僕などあの記事は全てのジャズ好きに読んでもらいたいですよ(笑)
>ここ、不思議なステップのダンスみたいで美しいですよね。どこかモダンバレエを思わせるような~
う~ん・・・詩的ないい表現ですね。しかもそのステップは、切れのいい足裁きでピシッと背筋の伸びた・・・そんな感じがします。ケリーのあの差し込むような和音の佇まいを、mono-monoさんが確実に掴み取っていることがよく判ります。みんなジャズが好きだなあ・・・(笑)

投稿: bassclef | 2006年12月22日 (金) 23:15

bassclef さん、こんばんは。

拙ブログ「デューク・アドリブ帖」とリンクのお誘い頂きましてありがとうございます。ジャズには一家言ある方ばかりがお集まりのこちらのサイトと繋がるのは光栄です。早速、拙ブログにご紹介させて頂きました。今後ともご指導ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。

いつもながらの鋭い分析には脱帽します。さんざんじらすイントロは、王子様を待っているフランシスの心情を表現しているのでしょうか。そこに颯爽と登場するのが俺だよと言わんばかりのミュートで吹き始めるマイルス。さすが自信家。恐らくテーマへの導入部は何度も練り直し細かくメンバーに指示を出していたのでしょうね。完全主義の親分に付き合う子分も大変です。

アポロ劇場から楽器をケースにしまわないで駆けつけたコルトレーン 「肩がコル」
モブレイ 「ハやク、モドレと彼女がうるさいんだよね」
チェンバース 「俺はチェーンのように仕事が数珠繋がりでねぇ」
コブ 「親分を鼓舞したけれど地味だったかい」
そしてケリー 「さっさとケリつけて帰ろうぜ」

以上、スタジオから生の声でした。

バカなことばかり書いている「デューク・アドリブ帖」ですが、これに懲りずに皆さん是非お立ち寄りください。

投稿: duke | 2006年12月22日 (金) 21:43

bassclefさん、相変わらずの的確なプレーヤー的分析ですね。他の方の分析も凄くって、コメントを躊躇してしまいそうですね。フランの服を取り上げたのは自分がモノラル盤をたまたま入手したところで始まったのですが、それにmono-monoさんから“ああ、なるほど”と思われるコメントをいただいた訳です。

「Someday〜」のマイルスの強烈な支配力を見せた構成が垣間見え、思わずうんうんと唸っています。ケリー、チェンバースのイントロ、カッコイイエンディングどれをとっても一級品ですね。TBいれさせてくださいね。

投稿: 67camper | 2006年12月22日 (金) 20:30

bassclefさん、やりましたね。
お見事な分析力ですね、感心しました。(拍手!)
マイルスとケリーをこうして取り上げて・・もう感激です。
というところで、参加させてください。

>>今から54年前の本日頃、マイルスはジャマールに傾倒していました、楽器は違いますが、音楽の表現方法にです。
そう、「間」の研究です。
ソロイストはどうすれば、かっこいいか、良い表現ができるか・・それはバックとソロの関係だと。
管楽器からみれば、リズムセクションがシッカリと土台をつくり、その上で最小限の音で的を得た表現をする・・・これが最高だとマイルスが考えたのだと。

だから、サムデイ・・・の出だしで、ベースが先ず繰りかえしのFを弾く、ケリーがその上にシンコペーション的に加わる。
3拍子(実際は8分の6拍子)はとてもスイングしやすいリズムなのです。
結構単純なリズム構成ですよね、チェンバースがFの単音、ケリーはF7を有効に・・・でもどの拍にアクセントをおくか!
BASSCLEFさんはここの解説が見事だと思うのです。
8分の6拍子は、言葉言うと、「ブン、チャチャ、ブン、チャチャ」(ブン:8分音符、チャ:16分音符)
これに、ケリーは、BASSCLEFさん流にいうと、「スー、ザッ、スー、スー、ザッ、スー」とアクセントをつけるのですね。

(因みにブレイキーが叩くと、ハイハットは2,3拍目、シンバルレガートは、ツーン、チャチャ、左手のオカズが、ちゃかちゃ、チャかチャ、ちゃかちゃ、ウンちゃちゃ、・・・・併せると、ブン、チャチャ、ブン、チャチャ、ブン、ちゃかちゃ、ちゃかちゃ、ちゃかちゃ、ウン、ちゃちゃ、で二小節となる)

ケリーはコンピングやフィルインが巧みだと・・解説されている。
私もよく、マイルス盤をかけながら、ピアノを弾きます。
ケリーはマイスルとやるとき、かなり真剣に狙っています。
単純にリズムに乗せてたり、シンコペーションを意識しているのではなく、微妙なタイミングを狙って打っているのです。
それはマイルスの音にどれだけすばやく、反射神経的に応答できるかという・・・凄い世界です。
マイルスの60年代の盤で共演すると、先ずはマイルスの音に如何に反応するか、この狙いに全神経を集中します。
単純な音楽理論だけでは、合いません、狙うとケリーと合う回数が増えます。
このケリーと一致したときは快感です。
そして、実はケリーは彼の持ち味、三連符を目立たないように上手く使っていることに気がつきます。
これが、隠しスイング味です。
コードの構成音は結構単純です。これはマイルスの趣味だと思います。
やがてモード手法へと展開する予兆がそして、ハンコックへと繋がってゆくのだと思います。この転換は1964年頃だと思うのですが。

この「サムデイ・・」のアルバムはスタジオ盤ですから、かなり抑制された世界で表現されていますが・・・独りコルトレーンだけは言いたいことを言っているように思います。モブレイは遠慮しているのかな?
それとも、トレーンがこの様な状況下でも、バリバリやったので、タマゲテ、ツマッテしまったか・・・という解説もあるようです。

この「サムデイ・・・」の分析で取り上げられた、先ずリズムセクションが土台を作って、それにソロが載せるという手法・・・これが後世、発展して、コルトレーン4のフォーマットになったのだと思います。
雰囲気は違いますが、タイナー、ギャルソン、エルビンの三人がパターンをつくり、やおら御大が出てくるというフォーマットです。

一方、マイルスは、「イン・ヨーロッパ」の「ジョシュア」にあるように、凄いスピードでロン・カーターに単純パターンを弾かせ、それを軸にピアノとドラムがのり、マイルスがテーマを載せてくる・・・やはり導入から展開、そして帰結まで、マイスルには一貫として追い求めた美学があったのではと・・・その典型的オリジナルが「サムデイ・・」の出だしに集約されているのではと思うのです。
因みに、エンディングのケリーのコードは確か9THのテンション・ノートで母音に安定的にもってゆかずに、まだ期待感を残したテンションへ、そして、チェンバースが締めのボンじゃなかったですか?

ジャケットのことはよいわかりませんが、私の持っているのはコロンビアのオリジナル盤です。
奥さんのダンサー、フランシスが表紙ですが、この盤には「フランダンス」という彼女に贈った曲や、「テオ」というテオ・マセロに贈った曲がありますね。
彼女との出会いは彼の自叙伝に書いてありますが、彼女が彼にほれたとか・・・
分かれたあとでフランシスが再婚した相手が一時日本人だった・・これは私のブログかな・・書いた覚えがあります。

自叙伝によると、ジャマールに影響を受けた第一作が、「バッグス・グルーブ」で、だからモンクに間を開けてくれと、言った、「弾くな」なんて言ってないと・・言っています。
従って、ベースとシンバルレガートだけの空白が続くところがあるのですね。そしての間つくりに耐えられる、ベースとドラムが当時はヒースとクラークしかいないとマイルスは考えたと言っています。

次に、ガーランドとやり、ケリーになって一応の完成をみたのではと考える次第であります。

いや、それにしても、マイルスとやるケリーはいい最高ですね。
もうちょっとやってよ・・・言いたいところで、止める・・・
「マイルス・イン・パーソン」も聴いてください。

いやあ、長文で失礼しました。

投稿: 4438miles | 2006年12月22日 (金) 11:52

いやいや、凄いのがきましたね。
>>最初、そんな風にチェンバースがウッドベースの1弦のF(ファ)の音だけを弾き始める。
イントロのチェンバースの無機質にしてクールなイントロ。
このかっこよさはなんなのでしょう?
スリイングで謎めいていて、極上の探偵小説というか。
完璧です。
>>マイルスがテーマの出足、8小節を吹いている時~チェンバースはまだ高音F音を続けているのだが~この時、どうにも印象的なケリーのバッキングがある。
ここ、不思議なステップのダンスみたいで美しいですよね。
どこかモダンバレエを思わせるような。

とりあえず、さっと読ませていただきましたところで嬉しくてコメントいたします。
が、またじっくりと読ませていただきます。
この盤、私もホント好きです。

私の拙ブログがでてきてビックリいたしました。
おもしろい、なんていっていただき恐縮です(汗)

投稿: mono-mono | 2006年12月21日 (木) 23:52

おおっ,notさん!さっそくのコメントをありがとうございます。いやあ・・・今回、大有名盤で・・・恐縮です(笑)自分でもちょっとなあ、と思ったんですが、このところ続けざまにこのレコードのオリジナル盤6つ目を聴く機会があって、どうにもこのレコードの素晴らしさを改めて思い知らされたので。
6つ目オリジナルをモノラル/ステレオ、両方ともお持ちなんですね。いいなあ(笑)そのnotさんが「モノラル盤」お勧め・・・説得力ありますね(笑)
>でもなんとなく許せないんです~真ん中はマイルス様の場所だという感じが~
わっはっは!それはなんとなく判ります。「ステレオ録音」での楽器配置の好みで言うと・・・ドラムスが極端に片寄ってるのは、僕もあまり好きではないですね。ドラムスが中央後ろかやや横、ベースとピアノがやや左右、そしてサックスなりペットなり主役が真ん中付近~そんなのがいいですね。コンテンポラリーなんかのステレオ録音だと、わりと左右に拡がらない「モノラル的ステレオ録音」ありますよね。
僕の「ステレオ録音好み」は、うんと低レベルでの好みですから・・・例えばビッグバンド系だと、やはりちょっと広めの音像でゴージャスに聴きたいという気持ちもあったりするので、大編成ものは「ステレオ録音」の方が好みです。
それはそうと、こういう「ステレオ」「モノラル」での、好みの違いというのには・・・とても興味深いものがあります。単にレーベルで分けるだけでなく、楽器編成、ジャズのスタイル、いろんな場合での「好み」があろうかと思います。よろしければ、みなさんのいろいろな好み・拘りをお聞かせ下さい(笑)

ジャケットについては~これは僕の方も絶対にモノラル盤が好みです。一瞬、裸かな?と見えるよりも・・・フランさんのあの青い生地が見えた方が・・・よりチャーミングですよね(笑)

投稿: bassclef | 2006年12月21日 (木) 23:51

こんばんわ。bsさんと二人で「次も渋いのを是非」というようなことをお願いしたような気がするんですけど出てきたのはビックリするくらい大甘なのが・・(笑)。でも「SOMEDAY~」は大好きで6EYEのMONOとSTEREO盤両方所有しています。近年は特にSTEREO盤に人気が集中しているようですがそのことにちょっと違和感を覚えます。たしかにSTEREO盤の録音のよさは特筆モノでMONOと比べケリーのピアノもコブのドラムスもずっと鮮やかで細部までわかります。でもなんとなく許せないんです。ケリーは左チャンネル、コブは右でモブレーも右、コルトレーンは左で真ん中はマイルス様の場所だという感じが。この名演を決定付けているケリーは中央に位置して欲しいしドラムもあまり片チャンネルによって欲しくないですね。2本のテナーが左右に分かれるのは当然でしょうけど。録音が良いのはSTEREO盤ですけど音楽的には断然MONO盤を推薦します。長いことCBSソニーの国内盤(STEREO)盤を持っていましたので初めてMONO盤を見たときはビックリしました。「なんだ、服着てるんだ~(笑)」ジャケットもモノラルの方がオリジナルの構図でしょうしこの盤に関しては私は断然モノラル派ですね。

投稿: NOT | 2006年12月21日 (木) 22:23

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