<思いレコ 第11回> ソニーロリンズ/ヴィレッジヴァンガードの夜
ウイルバー・ウエアのこと(その1)
だいぶ前の<夢見るレコード>(ヘンリー・グライムス編)で、「こだわりのベーシスト」という内容でシリーズにしていくつもりだ・・・と書いた。<夢見るレコード>は、ジャズそのものの内容についてはもちろんだが、やはりそのミュージシャンなり曲に関わるようなオリジナル盤も交えながら、いろんなジャズ話しをしたい~そんな造りでやってきた。好きなミュージシャンや好きな曲は、それこそいっぱいあるのだが、いつも都合よく関わりのオリジナル盤が手元にあるわけではない(笑) 想うばかりでなかなか記事にできなかったりもする(笑) だから・・・これからは「オリジナル盤」に拘りすぎるのは、やめようと思う。拘りすぎはしないが、記事の内容につながりがあって、ちょっと思いついた盤があれば気楽にとりあげたいし、そしてそれがオリジナル盤であれば、なお都合がいいと思う(笑)
そんな訳で・・・いろいろとこだわりの多い僕としては、このベーシストについて、そろそろ書かねばなるまい。
ウイルバー・ウエアである。
僕が最初にウイルバー・ウエアを聴いたのは「モンクス・ミュージック」だ。1972年の「ネムジャズイン」の帰り名古屋で買ったABC riversideの茶色ラベルの盤だ。すぐに好きになった。思わず「ニヤッ」としてしまうようなユーモラスなソロ。普通でないバッキングでのランニング(4ビートの時の音選び)。そして、その太っい鳴りのサウンドにも痺れた。聴いていて・・・とにかくおもしろかったのである。
ウエアはリヴァーサイドの専属みたいだったらしく、ケニー・ドリュー、アーニーヘンリーらと相当な枚数を録音している。そしてそのほとんどは、OJCのLPでも発売されたと思う。僕もウエアのリヴァーサイドのものは、ほとんどはOJCで聴くことができた。OJC以前では、1972年にビクターがriversideの復刻シリーズが重宝した。第1回発売の何枚かにアーニー・ヘンリーのPresenting が含まれていたし、ウエアのリーダーアルバムの「シカゴ・サウンド」が発売された時は、嬉しくてすぐに入手した。
《写真の盤は、ビクター盤。緑色のマイルストーンレーベルが哀しい:笑》
リヴァーサイドでのウエア参加作はかなり多いので、次回に「リヴァーサイド編」としてまとめたい。
今回「その1」では、他レーベルでのウエア参加作からとりあげてみたい。
ウイルバー・ウエア。まず連想するのは、やはりあの盤だろう。ソニーロリンズがサングラスをしているジャケットのA Night At The Village Vanguard だ。僕はこの有名な盤をジャズ喫茶で何度も聴いてはいたが、買ったのはかなり遅く、1980年くらいだった。うんと安いオール青の音符ラベルだ。その前にマイケル・カスクーナ監修の未発表2枚組は入手して聴いていたが、この2枚組には、ジャズ喫茶で何度も聴いて気に入っていた sonny moon for two や I can’t get started が入ってなかったのだ。
前回の<夢レコ> (1975年の日比谷屋音)では、渋谷のヤマハ楽器でパーカーの The Happy Bird を買ったことも書いたが、あの時・・・迷ったのが、このロリンズのVillage Vanguard である。紫色のジャケットがカッコよかった。時期的におそらくブルーノートの「直輸入盤」だったはずで、たしか2200円もした。あの頃、普通の輸入盤なら1500円前後で買えたので、ブルーノートはかなり高かった。だから渋谷ヤマハではパーカーのライブ盤にしたのだろう。
そのVillage Vanguard でのウエア。これはもう全くユニイクなプレイで、誰が聴いても「おもしろいベースだなあ」と思うだろう。その「おもしろい」を好意的に捉えるかそうでないかが、分かれ目である(笑)
softly as in a morning sunrise という曲がある。この曲・・・最初に聴いたのは、多分、コルトレーンのLive At The Village Vanguard だった。コルトレーンヴァージョンでは、マッコイの正統派モード風の長いソロが印象的なsoftlyであったが、このロリンズヴァージョンでは、ユーモラスでたくましい感じのSoftlyに仕上がっている。
Wilbur Ware on bass, we'd like to feature Wilbur, right now というロリンズの紹介の後、ウエアが短いイントロを弾き始める。このイントロ~ベースでイントロというと、4ビート(1小節に4分音符4回)でランニングするか、あるいは2ビート(1小節に2分音符2回)でテンポをキープすることが多いのだが~ウエアは、いきなり8分音符多用してのベースソロみたいな感じで始め、ビートの裏を強調した「ッタ・ッタ・ッタ・ッタ」というフレーズを交えながら、強力なリズム感でテンポはがっちりキープしてくる。ビート感も最高だ。おもしろい!もうここからウエア節炸裂である(笑)
そのイントロの後、テーマをロリンズが吹き始めるのだが、その吹き方もおもしろい。この曲のアタマのメロディは「ドー・ソー」(キーがCmの場合)で、普通は最初のドの音を2分音符で伸ばすのだが、ロリンズは、4分音符(8分音符+8分休符)を2回吹くのだ。「ドッ・ドッ・ソー」・・・これで、このSoftlyの運命は決まったのだ。ユーモラスでたくましいsoftlyになるように。
思うにロリンズも・・・イントロでこんなにもユニイクな個性のベースを聴いて、ジャズ魂が湧き上がってしまったのかもしれない。ロリンズのテーマの吹き方にも、何かワクワクするようなうれしそうな気配を感じる(笑) そのうれしそうなロリンズのソロが終わり・・・ウエアのベースソロが始まる。ウエアも、ロリンズのアイディアを弾き継ぎ、やはり最初のメロディを「ドッ・ドッ・ソー」と弾く。それもやたらブッチギリのアクセントをつけて(笑)普通は(コルトレーンヴァージョンも)ドの前に休符を入れたり、あるいは次のソをシンコペにしたりするのだが、この曲でのこの部分のウエアの弾き方は・・・もう思い切りのオンビートなのだ。すごく泥臭いのである(笑)
しかしそれは、「あえて演出した泥臭さ」でもある。ベースがメロディを弾く・・・その特殊な状態を逆手にとって自分の個性を生かすための「オン・ビート」なのだ。ウエアの場合は、もちろんただ「オン・ビート」な訳ではない。ウイルバー・ウエアという人は、弦を引っ張る右手の「引っ張り力」が
相当に強いような感じがする。ウエアはその強い「引っ張り力」で、一音一音を圧倒的に「太っい鳴り」で強烈に弾き込んでおり、そしてあの弦の独特な響き方~輪郭の丸い大きな響きたぶんガット弦を使っている~そんなものが一体となったユニイクな個性があるからこそ・・・この曲でのウエアの「ドッ・ドッ・ソ~」は、説得力があるのだ。ウエアという人の「唄い」がもう直接に「ブウ~ン・ブウ~ン」と響いてくるのだ。こんなにたくましい個性のベーシストはめったにいないぞ。
ちなみにウエアのソロ、エルヴィンのソロが終わった後、最後のテーマをロリンズが吹くのだが、ここではロリンズは「ドッ・ドッ・ソ~」と吹かない(笑)
たぶん・・・あえて同じようには吹かなかったのだ。ロリンズらしい「捻り」じゃないですか(笑)
になみに「未発表2枚組」にもsoftly が入っている。こちらのテイクでもロリンズは「ドッ・ドッ・ソ~」と吹いてない。裏解説に during the evening performance on Sunday,November 3, 1957 と明記してあるので、つまり「未発表」のsoftly の方が先(夕方)で、「サングラス」の方が後(夜)の演奏ということになる。そうして夕方の softly は、もちろん悪くはないが、あの夜の出足から気合の入りまくった演奏に比べると、かなり生気に乏しい。推測するに・・・昼間の演奏の時にはまだ湧いてなかったインスピレイションが、夜のセットで3人がノッてきて、ロリンズならではの「ひらめき」が一気に湧いてきたのではないだろうか。あるいはあの曲でのウエアの跳ねるような感じのベースソロに、ロリンズがヒントを得ていたのかもしれない。
ちなみに、このレコードには、もうひとつ凄い演奏がある。B面1曲目の sonny moon for tow である。
このブルースは12小節で、アタマ(4小節)・オナカ(4小節)・オシリ(4小節)でできているのだが、それぞれの4小節に、全く同じメロディを3回繰り返すブルースだ。超シンプルだが、ロリンズらしさが横溢したこのブルースを、僕は昔から大好きだった。そういえば、ジャズ研(学生時代のバンド)では、何かというとすぐこの曲をやり、一度始めるとなかなか止まらない・・・それでも「気分」だけはいつもノッていた(笑)
このロリンズ/ウエア/エルヴィンのsonny moon for two 全編素晴らしいのはもちろんだが、僕が特に印象に残っている場面がある。
ロリンズ、ウエアとソロが終わると、エルヴィンとロリンズとで、4bars change(4小節交換)というのをやる。
ブルース(1コーラス=12小節)での4bars change は、アタマ(4小節)、オナカ(4小節)、オシリ(4小節)という感じで
順番にソロを回していく。このsonny moon は1コーラスが12小節なので~まずロリンズ・エルヴィン・ロリンズで1コーラス、次のコーラスは、
エルヴィン・ロリンズ・エルヴィンという順番になるわけだ。
だから2コーラス単位でいかないと、ロリンズがアタマ(最後のテーマを吹くときの)に戻らない。
僕が聴くたびに唸ってしまう場面は・・・最後の2コーラスでの4bars changeの所で飛び出てくる。
前のコーラスのオシリをエルヴィンが長いロールで締めくくった後~普通ならここでテーマに戻りそうな感じだが、ロリンズはあえて(たぶん:笑)戻らない。そのアタマの4小節のロリンズが凄い!
3連の連続から崩していくような「雪崩れフレーズ」を吹き始めると、その自分のアイディアに乗ってきたロリンズが(たぶん:笑)・・・
次の4小節(エルヴィンの番)に入っても・・・止まらないのだ(笑) エルヴィンも自分の順番なのでソロを取り始めようと思ったら・・・
ロリンズがまだ吹いている。そこでエルヴィンは、あまりオカズを入れずにバスドラを4拍アタマで踏み続ける。しかしまだロリンズは止まらない(笑)オナカの部分をすでに2小節くらい割り込んでいる(笑) エルヴィンのバスドラが「ドン・ドン・ドン・ドン」・・・するとロリンズは、そのエルヴィンの4拍アタマ打ちに合わせるかのように、「フゥ~・フゥ~・フゥ・フッ」とサックスを鳴らすのだ。いや、最後の方は息が切れて「鳴ってない」かもしれない。だがしかし・・・そのサックスの「圧力」を、確かにその場から感じるのだ!エルヴィンは「ここぞっ!」とばかりに、バスドラをクレシェンドで強く踏み始める。ウエアもすかさずクレシェンドに合わせて弦を弾く!(はじく) 音楽の圧力が一気に高まる!もうたまら~ん!これがジャズだあ!・・・このsonny moon for two も本当に素晴らしい・・・。
ロリンズ、ウエア、そしてエルヴィン・・・この3人の個性がぶつかりあい、絡み合い、そして溶け合い・・・これこそがジャズだあ!と叫びたくなる(笑)
すごくおおらかでジャズの図太さが溢れる、真の意味での「ジャズっぽい」演奏だと僕は思う。・・・どうやら僕は、このロリンズの A Night At The Village Vanguard をムチャクチャに好きなようだ(笑) そうして、こんな素晴らしい瞬間を生み出したジャズという音楽に・・・僕は感謝したい。
| 固定リンク | 0
コメント
zawinul さん、初めまして。うんと昔のロリンズ記事にコメントいただき、ありがとうございます。
zawinulさんのブログもちらっと拝見しました。ホントにジャズが好きだ、と感じられてとても嬉しいです。私のブログの方はここ何年かは更新は1年に1回という怖ろしいペースになってますが、また古い記事にも何か思うところがあればコメントいつでもどうぞ。コメントがあると知らせが入りますので、必ずレスポンスします。
投稿: bassclef | 2021年5月21日 (金) 18:57
初めまして、zawinulと申します。
このアルバムで検索しておりましたら、出会うことができました。いやあ、素晴らしいサイトですね。
非常に拘りの掘り下げたご紹介が非常に勉強に成りました。エルビンのグループも凄いけど、ウェアーのベースにも焦点を当てて聴き直してみたいと思います。
リンクを貼らせてください。
https://zawinul.hatenablog.com/entry/2021/05/16/184413
投稿: zawinul | 2021年5月20日 (木) 17:29
あばちゃんさん、『<思いレコ 第11回> ソニーロリンズ/ヴィレッジヴァンガード』記事へもコメントをどうもです。
あのレコードのジャケット裏の写真(ウイルバー・ウエアの弾いているウッドベースの胴体がやけに厚く見える)については、このコメント欄にもみなさんのご意見が集まりました。
僕も気分的には・・・ウエアのあの太っとい音とこのベース胴体の厚みが、うまいこと結びつくのですが・・・冷静に考えると、やはり上不三雄さんのコメント(2006年10月18日≪ウィルバー・ウエアのベースが大きいとの記述がありますが私の意見はこうです。1)ベース自体は大きくともせいぜいフルサイズまで。2)ウエア本人が比較的小柄な人だった?。3)フランシス・ウルフの使用したカメラのせい。以上三つの要素で大きく見えるのでは??特に重要なのは3)だと思います。ウルフの使っていたカメラはローライフレックスのテッサー75ミリレンズ付き、私のものは同じくローライフレックスのプラナー80ミリレンズ付きで、80ミリレンズの私のローライでも、下、あるいは下斜めから撮るとかなり歪みが生じますから、ウルフ使用の75ミリレンズでは余計に歪んで大きく写ったはずです≫)というご意見に説得力があるように思われます。
マチネー(昼公演)の1曲(a night in Tunisia)でのベース奏者のクレジット名~ドナルド・ベイリー・・・これもまったく判りませんね。レナード・フェザーによるジャケ裏解説でもこのベース奏者には一言も触れてませんし、実際、このドナルド・ベイリーという名前を他のレコードで聴いたことがないということですね。まさか・・・あのドラム奏者がベースも弾いたという話しも聞いたことないし(笑)
今一度、その a night in Tunisiaをしっかりと聴いてみました。
この1曲・・・ついピート・ラロッカの方に耳が行ってしまうんですが、ベースの方もしっかりした音で力強くビートを出しています。充分に一流のプロ奏者・・・という感じがします。かと言ってこのバッキングだけでは「誰それ」です・・・とも判りません。ウエアと似たようなサウンドも出す場面もあるし、ちょっと面白いベース奏者です。
ひょっとしたら、シカゴ出身でウエアの弟子みたいなベース弾きが、この日、ヴィレッジ・ヴァンガードに来ていて、そしてその「ドナルド・ベイリー」という名前のベース奏者に花を持たせるために(ウエアがロリンズに頼んで)1曲、弾かせた・・・というストーリーかもしれませんね(笑)
投稿: bassclef | 2011年3月21日 (月) 10:35
ジャケット裏の写真のウェアのベースやたら分厚いな
と思ってました。やはり彼は小柄なんでしょうね?
左腕の長さが黒人らしくないですね?ベースの角度と
頭の位置もちょっと低いですね?
後ろに写ってるベース弦も太い!
タイコのドナルドベイリーは有名ですが、ベースのベイリーとは何者なんでしょう?
ウェアが拾う音はちょっと不思議な選択しますが
違和感は感じません。リチャードデイビスの方が
違和感感じます。
私はレコード1972年に1700円で買ったのですが、
解説は油井氏でこんなこと書いてます。
『このレコードが製作された当時ロリンズはヴィレッジ
ヴァンガードと契約しドナルドバードを含むクインテットで出演した。ピアニストもいたが出入りが激しく、
一週間後にはドナルドも去ってしまい、このレコードのようなトリオになってしまった。『とうとう気に入った
ピアニストにはめぐりあえなかった』とロリンズは当時
語っている。
スコットラファロのベース音はでかくはないと思います。
あのソロするにはでかい音を出すタイプは無理!
弦が高いと左手であのフレーズ難しいでしょうね?
投稿: あばちゃん | 2011年3月 9日 (水) 21:57
ウィルバー・ウェアーについてBILL CROWが書いた研究を掲載した1959年12月号のJAZZ REVIEW誌を漸く見つけました。コピーしてお送りしますので、お名前とご住所を今一度お送りください。
投稿: 上不三雄(マシュマロレコード) | 2008年7月14日 (月) 09:57
上不さん、再びのコメントありがとうございます。
「ウイルバー・ウエア・トリオ」としてですか!う~ん・・それは凄い。べーシストの名前をリーダーに持ってくることは、それほどないでしょうから、やはり相当の話題性を持ったシカゴからのnew comerだったんでしょうね。「朝日のようにさわやかに」とかも、あのヴァンガードでのスタイルで演ったんでしょう(笑)
ベースの弦~はっきりとは判りませんが、ガット弦の方が、音色の輪郭自体が「太くて丸くて大きい」ような感じがします。ミンガスやウエアだけでなく、もう少しだけ前の時代のミルト・ヒントンとかトミー・ポッターも、音は大きそうですし。「ボムン・ボムン」と弾(はず)む感じか。
スチール弦は、音色の輪郭が締まって「ツウ~ン・ツウ~ン」とよく伸びる代わりに・・・たぶん音量は小さい感じでしょうか。
一般的には、60年代中期(かもう少し前かも?)からはスチール弦が主流になったと思われますが・・・レコードで聴く限り、ロン・カーターの62~63年頃かな?あの辺りの音色は「スチール弦」のように聞こえますね。
それからラファロの音色は59年くらいのレコードからスチールに聞こえます。(自信なし:笑)
投稿: bassclef | 2007年3月 6日 (火) 21:26
ウィントン・ケリー トリオでなくウィルバー・ウェアー トリオとして出演していました。好きなベーシストにヴィンテージ楽器を持ってもらいという気持ちはわかりますが、当時の、一介のジャズベーシストがお宝楽器を持っているということは考えにくく、中にはにはベニア張りの楽器で演奏していた人も多かったと想像しています。またご存知かもしれませんが、スチール弦をベーシストが多く使い出したのは1960年代中期からで、それまではガット弦が一般だったそうです(著名ベーシストの話)。いずれにしてもベースの音は録音によってかなり変わってくる(音量、音質とも)ということも心に留めていたほうがよいでしょう。当時のマイクはコンデンサー型も使われていたでしょうが、RCAなどのリボン式マイクで録音すると、我々ベースオタクが望んでいる音質になったのでしょう。
投稿: 上不三雄 | 2007年3月 6日 (火) 00:24
ああ、上不さん、ウイルバー・ウエアの貴重な情報コメントを、わざわざありがとうございます!1958年というと・・・ウエアがriversideのほとんどハウスリズムセクションみたいな感じで多くのセッションに参加してましたね。モンクとのウエアも、もちろん最高でしたが、グリフィンとのWay Out!などは、もう絶好調のウエア節が炸裂!という感じで、大好きな1枚です。58年1月に「ウイルバー・ウエア・トリオ」(あるいはウイントン・ケリー・トリオだったかも?)としてライブハウスに出演していたようですね。ということは、やはりその頃には、ウイルバー・ウエアというべーシストが相当な話題性をもって認知されていたんでしょうね。ウエアこそ・・・生で聴いても「バカでかい音」してたんでしょうね(笑)
投稿: bassclef | 2007年3月 5日 (月) 22:49
昨日徒然なるがままに1958年のスウェーデンのジャズ誌ORKESTER
JOUNARLENの1958年4月号を見ていましたら、NY駐在のCLAUS DAHLGREN氏のリポート中、ウィルバー・ウェアーのトリオがカフェ・ボヘミアに出演したとの記事が載っていました。多分1958年の1月あるいは2月の事でしょう。因みにメンバーはウェアーの他はウィントン・ケリーのピアノ、ジー・ティー・ホーガン(G.T.Hogan)のドラムスでした。ご参考までに、、、。
投稿: 上不三雄 | 2007年3月 5日 (月) 21:43
上不さん、またまたコメントをありがとうございます。ラファロの生の音量が意外に小さい~そういえば、僕が最初にこの話しを読んだのは、たしかジャズ批評誌の何かの記事だったか・・・そしてそれがたぶん、上不さんとどなたかの対談だったように記憶しております。レッド・ミッチェルのベースは、自然な「唄い」が素晴らしく(この頃、ようやくミッチェルの本当の巧さ・凄さが判ってきました)そのミッチェルが回想するラファロ話しにはリアリティがあります。記事では確かスタン・ゲッツがラファロの生音は小さい~と言ったそうですが、僕も上布さんと同じ意見で、ラファロの音は、ミルト・ヒントンやミンガスやレイ・ブラウンみたいな名手の生み出す、いわゆる「図太いサウンドのベース音の大きさ」とは違ったかもしれません。しかしながら・・・上不さんも仰るように「よく通る音質」・・・たぶん「すう~っ」と音が伸びる伸びやかなビート感、という全くそれまでとは違うウッドベースの質感が、ラファロのベースにはあったように思います。だから一聴してすぐラファロと判る!
ビル・クロウのウエア記事~これは!とても興味がありますね。クロウ氏も、おそらくロリンズのvanguardのライブを見たんでしょうね(笑)それでもって、あの超絶個性に圧倒された・・・という(笑)
ペデルセンの64~66年、僕もペデルセンについては・・・上不さんがおっしゃるとおりの「懐の狭さ」でもって、長い間、誤解しておりました(笑)しかし、5年ほど前だったか、シハブのCDを聴いてぶっ飛び!テテ・モントリューの初期盤を聴いてびっくり!あれだけ「ぎゅうッと締まったベース音」はめったに聴けるもんじゃありませんね。そんな初期のペデルセンの荒々しさを知ってから聴く、後年のリラックスしたフィリップ・カテリーン(g)と演るスタンダードなんかはとてもいい感じでした。
ベース話しは・・・尽きませんね(笑)またいつでも拙ブログにお立ち寄り下さい。
投稿: bassclef | 2006年10月20日 (金) 22:37
私は楽器は何もたしなみませんが、ベースという楽器、あるいはベーシストには特に興味を持っています。昔、確か1958年に出たアメリカの雑誌に(Jazz ???)ベーシストのビル・クロウがウェアーのプレイについて、長い詳細な記事を採譜入りで紹介していました。我が家のどこかに未だあるはずなので、出てきましたらコピーしてお送りします。あるいはもう既にお持ちですか?又、スコット・ラファロの音量については、ミッチェルの意見を尊重していますが、ただ私としては、小さい音量としても、鋭く、よく通る音質だったのでは(Solid?)と思います。ラファロは映像で見る限り体をかなり左右に動かし演奏する人でとても雰囲気のある人です。ペデルセンに関しては、私は64年ごろから66年ごろにかけて、急激に巨人化した人と思っています。67年夏、チヴォリコンサートホールで、グリフィン、デクスターと共演したコンサートで、テテ・モントリウのトリオで聞いたIsraelのウォーキングベースによるイントロの凄さは未だに忘れる事ができません。サヒブ・シハブの作品を彷彿させるようなイントロでした。その時のテープを持っていますが、ご希望でしたらCD-Rにしてお送りしても良いですよ。勿論費用はご心配なく。アレックス・リールも60年代のペデルセンが好きだと語っていました。ただ後年のペデルセンが超テクと録音の多さで日本で時に非難する人もいますが、ジックリその音楽性の高さを理解できれば、いかにこのような意見をいう人達の懐の狭さ(ある種の日本人特有の)が御理解頂けるはずです。但し私も60年代のペデルセンが好きですが、、、。
投稿: 上不三雄 | 2006年10月19日 (木) 23:24
上不さん、初めまして。鋭くも大変に考察的なコメントを、ありがとうございました。上不さんのマシュマロレコードHPの「ジャズつれづれ草」は素晴らしいですね。特に、ラファロやピーター・インドの項など興味深い話しが満載で、ベース好きにはもう最高でした!
ウエアの写真~>ウルフの使っていたカメラはローライフレックスのテッサー75ミリレンズ~
う~ん、なるほど!こういう事実を知ると・・・あの尋常ではないコントラバスの「横幅の厚さ」は、やはりレンズの錯覚的映像だったように思えてきますね。心情的にはウエアが、特別なサイズのvintage楽器か何かを使っていた・・・と思いたい部分もありますが(笑)
またいろんなジャズメンの真実話し~期待しております。ありがとうございました。
投稿: bassclef | 2006年10月19日 (木) 22:48
ウィルバー・ウエアのベースが大きいとの記述がありますが私の意見はこうです。1)ベース自体は大きくともせいぜいフルサイズまで。2)ウエア本人が比較的小柄な人だった?。3)フランシス・ウルフの使用したカメラのせい。以上三つの要素で大きく見えるのでは??特に重要なのは3)だと思います。ウルフの使っていたカメラはローライフレックスのテッサー75ミリレンズ付き、私のものは同じくローライフレックスのプラナー80ミリレンズ付きで、80ミリレンズの私のローライでも、下、あるいは下斜めから撮るとかなり歪みが生じますから、ウルフ使用の75ミリレンズでは余計に歪んで大きく写ったはずです。
投稿: 上不三雄 | 2006年10月18日 (水) 23:55
D35さん、またまたどうもです!
ブルーノートの「J.R.Monterose」僕も聴きましたよ。やっぱりいい!A面1曲目のwee jay~ちょっとモンクっぽいノリでモンテローズの飛び跳ねるような「うねり」がよく出ているいい曲です。
M54さんがコメントで書いておられたように、フィリージョーとウエアのソロの掛け合い・・・なんというか・・・「音楽が太い」と言う感じ。これこそジャズだ!という感じで最高ですね。
ちなみに僕はこの盤、てっきりキング盤を持っている、と思い込んでましたが・・・東芝盤でした(ちょっと残念:笑。なぜだか僕はブルーノートならキング盤の方が好きなので)
投稿: bassclef | 2006年9月20日 (水) 22:44
bassclefさんお奨めのJRモンテローズ、探し出してきて聴きました、久しぶりに。
あらためて聴くと、今まで自分がいかにいい加減に聴いていたかと思います。
ま、音楽ですから楽しめばいいんでしょうが、レコードをやたら集める事に満足して、本来の聴いて楽しむ事をしてなかったみたいです。
「ひょっとして俺はJAZZなんか好きじゃないんじゃないか?」と時々思っていましたが、bassさんのおかげでちゃんと向き合って聴く事ができるようになってきた気がします。
今度の大阪行き、またまた行きたくなってきましたが、まだ情勢が悪いので結論が出せません。
投稿: D35 | 2006年9月20日 (水) 05:53
recooyajiさん、改装前の「グロッタ」は、薄暗くて全くどこかの穴倉のようで(グロッタというのは、どこか外国の単語で「洞穴」のことを言うらしい・・・とマスターに聞いたことがあります)しかし、やけに居心地がいい空間でしたね。だからみんな、ジャズ聴いて、漫画よんで、そのうち居眠り(笑)そりゃあ、商売になりませんよね(笑)オーディオはどうだったんだろう? とにかく大きなスピーカーにでかい音の店でした。
投稿: bassclef | 2006年9月19日 (火) 10:22
NOTさん、興味深い情報をありがとうございます!
>ロリンズの希望でピアノレスのトリオになったよう~これは・・・う~ん、と唸るような話しですね。ケリーやD.バードを入れたサウンドよりも・・・ドラムやベースとの絡みを生かしながら、なお自分のテナーで「うねり」みたいな感じを出したかった~そういうサウンドが生まれつつあった・・・という雰囲気になっていたのかもしれませんね。こういう裏話しも、実に「ロリンズならでは」という感じしますね(笑)
ウエアのウッドベース~やはり厚みのある、でっかい形(なり)のようですね。「写真のズレ」でないとなると・・・ますます嬉しくなってきますよ(笑)あの「でかさ」は、絶対に本人が意図して「でかい音」をだそうとしたに違いないです(笑)高校の頃に読んだナベサダの「僕自身のためのジャズ」の中に、ミンガスとセッションになった件があり・・・ミンガスの生音のでかさに驚いた~というナベサダの述懐がありましたよ。昔のベーシストには、まず「音が大きいこと」が要求された、とレイ・ブラウンも言っていたようです。それにしても・・・ウエアの生音の響き具合ってのは、もう想像を絶するくらいの・・・(笑)
投稿: bassclef | 2006年9月18日 (月) 22:29
>recooyajiさん、そうですね。同じ地元ですから、ぜひお会いしたいですね。
bassclefさん、私の身勝手な申し出に興味を示していただいて、ありがとうございます。
>グロッタというお店(ジャズ喫茶)はご存知だと思います。recooyajiさんは、あの店に出入りした時期は、あったのでしょうか?
最初に行ったのは高校生の時です。まだJazzについてもよくわからず、むしろ大人の世界を垣間見たいという好奇心からだったように思います。その時期に数回訪れ、その後豊橋を離れたものですから、疎遠になってしまいました。
豊橋に戻ってきたときには、改装された後で、どちらかと言えば、改装前のあの薄暗い雰囲気が好きだったものですから、今はほとんど行くことはありません。
しかし、待ち合わせ場所はグロッタで、と言う事でしたら私は構いませんので、日時の都合を付けていただいたなら幸いと存じます。
では宜しくお願いします。
投稿: recooyaji | 2006年9月18日 (月) 05:20
5年前くらいに購入した「V.V.の夜」の完全版CD(2枚組)があることを思い出し引っ張り出してきました。このライナーに面白いことが書いてありました。2週間の契約のうち最初の一週間はD.バード、W.ケリー、ベイリー、ラロッカのクインテットで出ていて2週目はモンク、ウェア、エルビンのカルテットになり最後の日だけロリンズの希望でピアノレスのトリオになったようです。でもアルフレッド・ライオンは不安があったようで客席にD.バードとケリーを座らせていたそうです。凄いですね、急にピアノレス・トリオにしてこんな演奏が出来るなんて。ところでマチネーと夜とは別のリズムセクションと思ってましたけど「SOFTLY~」のベースは別テイクも明らかにウェアのものですからマチネーの途中でウェア=エルビン組に替わったというのが正解じゃないでしょうか?1ステージで同じ曲は奏りませんものね。余談ですがこのCDには何枚かの鮮明な写真が付いていてウェアの写真もあります。確かに太くでかいベースです。「写真のズレ」ではないですね。
投稿: NOT | 2006年9月17日 (日) 23:38
ああ、notさん、再登場のコメント大歓迎ですよ!エヴァンスがライブの出演期間中に、ドラマーやベーシストを何人も入れ替えた(自己のトリオを、ラファロとモチアンに固めるまでいろいろとテストした)~そんな話しを読んだことがあります。ロリンズも(ヴァンガードにはたぶん長期で出演だったので)マチネー(昼公演)とナイトで入れ替えてたんですかね。ベーシストという人種はたぶん・・・(意固地な性格のため:笑)他人の楽器は使いたがらないです(笑)というより、ブリッジ(駒)の高さや弦の張り具合の強い・弱いとかの違いが大きくて、人の楽器だと、うまく弾けないのですよ。いや、弾けても・・・音色が違う!とかガマンならないのかもしれません。もっともこれは・・・ベースに限らないでしょうが。
てな訳で、あのもう1台の斜めに立てかけてあるベースは、マチネーのベーシストのものだろう・・・と思います。ただ・・・マチネー、ナイトとか分けていても、実際には、2~3曲ごとに入れ替えてたかもしれませんね。余談ですが、ピート・ラ・ロカのドラムも、相当にいいですよね(笑)
投稿: bassclef | 2006年9月17日 (日) 22:30
こんばんわ、またお邪魔します。長年聴いていると固定概念が出来上がってしまいこのアルバムは「SONNYMOON~」の入っているB面ばかり聴いていました。bassclefさんの文章を見ながら特にBASSに焦点を当てて「SOFTLY~」を聴いてみると実に新鮮でこれは当分楽しめますねぇ~。それとウェアのベースのでかさが話題になってますけど裏ジャケにはもう一台の小さめの?ベースが見えますがこんな嵩張る楽器2台も持ち込むものですか?それともマチネーのDONALD BAILEYのもの?
投稿: NOT | 2006年9月17日 (日) 22:06
67camperさん、こんばんわ。嬉しくなるようなコメントをどうもです!
camperさんが挙げられた、同じテナー・トリオ(ベース、ドラムピアノなし)の名盤「Way Out West」~camperさんが、おっしゃるように、同じフォーマットでも、だいぶん「肌合い」が違いますね。ロリンズのテナーの音色に関しては・・・本当に生のテナーの響きというのは・・・コンポラ盤の方でしょうね。「ヴァンガードの夜」のあの、過剰なまでの臨場感というのは・・・元の演奏がド迫力であったことは間違いないですが「録音の感じ」~テナーのエコーやらエルヴィンのシンバルが渦巻くような音、ウエアのかなりオンマイクっぽい音の塊り!
つまり・・・僕らは結局は・・・そういう「ライブの臨場感」を演出しようとしたライオンの狙いに「はまった」ということかもしれませんね(笑)それでもいいや。いいジャズがそこに残ったんだから・・・(笑)
投稿: bassclef | 2006年9月17日 (日) 20:37
おおっ、rollins1581 さん!素晴らしいコメントをありがとうです!
>全体的にウェアのベースが飛び跳ねていないというか、終始単調に引いているだけ~
>どうしてこれほど違うのか? 午後のステージと夜のステージとの間に何があったのか?~
全く同感なんですよ。僕も大体、rollins1581さんと同じようなことを考えていました(笑)休憩中にウエアが楽屋にベースを持ち込んで(ヴィレッジ・ヴァンガードの楽屋は、厨房の隅で、ムチャクチャ狭かったと何かで読みましたが:笑)そしてあの曲のアドリブをあれこれと練っていた・・・それを聴いたロリンズが「おおっ!それをイントロにしうよぜ!」と(笑)
いずれにしても・・・ロリンズのこのブルーノート盤、ジャケットの印象がやたら強いし、充分に知名度があるので、「よく知ってるような」気がしちゃいますが、案外に聴きこんでなかったりするんですよ。実際、僕自身がそうだったのだから(笑)記事にも書いたように、もし未発表2LPだけしか持ってない方がおられたら・・・もうぜひ、この本家盤を入手すべきです!(笑)rollins1581さん、それにしても、ロリンズという人は・・・全く「ジャズ魂」の人ですね。素晴らしい!
投稿: bassclef | 2006年9月17日 (日) 20:14
recooyajiさん、どうもです!学生時代に、先輩に「ウイルバー・ウエアが好き」と言ったとき、困ったような顔になった先輩(トランペット)は・・・「ああ、あのロリンズのレコードの・・・変なベースかあ・・・」と言いました(笑)確かに「変」~ユニイクな個性~には違いないですね。
recooyajiさん、そうですね。同じ地元ですから、ぜひお会いしたいですね。グロッタというお店(ジャズ喫茶)はご存知だと思います。recooyajiさんは、あの店に出入りした時期は、あったのでしょうか?
投稿: bassclef | 2006年9月17日 (日) 20:04
bassclefさん、こんにちは。久々の更新と思ったら、気がついたらコメントがもう20も入ってて・・・。貴ブログの考察が実に面白い視点から切り込んでいるせいだと思います。ビレッジバンガードのロリンズ、最初のころは“ピアノレスのロリンズ”があまり好きでなかった事もあり、真剣に聞いてなかったのですが、こう言う解説を拝見するとなるほどと感心しきりですね。確かにピアノいらないですね。コンポラのウェイアウトウエストの方が、自分のターンテーブルにあがる事が断然多かったのですがライブの臨場感があるこのアルバムもさすがです。久々に聞いてみてグッと引き込まれました。
このアルバムでは、1.ロリンズ、2.エルヴィン,3.ウェアと聴くのが一般的なんでしょうが、ウェアを中心に切り込むなんて手法はbassclefさんならではです。SoftlyもSonnymoonも両面の目玉ですよね。自分もこのsonnymoonはロリンズの紹介も格好良く以前から愛聴しています。エルヴィンとの掛け合いの素晴らしさはbassclefさんのおっしゃる通りですね。
70年代中期に、ロリンズのライブ見た事があるのですがサックスのベルに付けたマイクで喋り、ゾウのように高くサックスを掲げて吹奏する姿が印象的でしたね。
投稿: 67camper | 2006年9月17日 (日) 07:47
こんばんは、bassclefさん! ご無沙汰しております。
私にとってこのアルバムは…何といえばいいんでしょう?(笑)いつ何度聴いても興奮させられるアルバムであり、私をジャズの世界へ誘ってくれたアルバムでもあります。
私も今まで何度も聴いてきたのですが感覚的に聴いてきただけだったので、bassclefさんのレビューを読んで思いを新たにして 「ヴァンガードの夜」を、特に "Softly..." を再聴しております。ウェルバー・ウェアのベースを軸に聴いてみるということはしていなかったので、新たな発見がいくつもありました。
"Softly"は未発表バージョンと公式バージョンとでは雲泥の差ですね。それは一聴しただけで(要するに雰囲気で)わかるのですが、bassclefさんの文章で「ああ、そうか、雰囲気が全然違うのはベース・ラインが全然違うからなんだ」と思いました。未発表の方は、出だしもそうですが、全体的にウェアのベースが飛び跳ねていないというか、終始単調に引いているだけで、気のせいか音的にもあまり「ぶっとい」感じがしませんね。どうしてこれほど違うのか? 午後のステージと夜のステージとの間に何があったのか? 興味が湧いてきます。bassclefさんも書いていらっしゃるように、夜のステージではロリンズはわざわざ「we'd like to feature Wilbur, right now」というアナウンスを演奏前にしているので、オフ・ステージの間にウェアがイントロのベースライン考案して、それをもとにロリンズ達が演奏のアイディアを練ってあのような迫力ある演奏になったのではないか……などと邪推しております(笑)
"Old Devil Moon"でのウェアのベース・ラインも格好良くて大好きです。他のアルバムでのウェアの演奏も是非聴いてみようと思います(J.R.モンテローズのアルバムを持っていたはずなのですが、出てこないのです(泣))
長々と書いてしまってすみません。ヴァンガードについては書いているとキリがないのでこの辺でおいとまします(笑)おやすみなさい……
投稿: rollins1581 | 2006年9月17日 (日) 01:28
こんばんは。
私もこのSonny Rollins/A Night At The Village Vanguardは好きな盤なのですが、この思い入れたっぷりのbassclefさんの文章には脱帽です。
先ほども聴いていましたが、「なるほど、こんな風にも聴けるのか」と思ってしまいましたね。また楽しませてください。
ところで、同じ豊橋在住の身、どこかでお会いできないものでしょうか?案外どこかでお見かけしたような?なんてことになりはしないかと・・・。
それでは。
投稿: recooyaji | 2006年9月16日 (土) 20:10
4438milesさん、またまたのコメント、ありがとうございます。リンクの紹介コメントをリクエストなど・・・とんでもないです!さきほど4438milesさんの<Fのブルース>での<夢レコ>紹介を確認しました・・・誉めていただきすぎで、こちらこそ恐縮至極です(笑)
milesさんは1961年からジャズ漬けですか(笑)やっぱり僕よりちょうど10年先輩ですね。60年代~その時には案外、実感なくても、やはり・・・凄い時代だった(ジャズだけでなくカルチャーみたいなもの全てが)と思います。僕ももう10年早く生まれたかった・・・といつも思ってました(笑)ただもしそうだったとしたら・・・案外、ジャズなんかには惹かれず、九重祐美子とかのファンになってたかもしれませんね(笑)また60年代の話し、<Fのブルース>でお願いします。
投稿: bassclef | 2006年9月14日 (木) 22:35
mono-monoさん、お久しぶりです。そして嬉しいコメントをありがとうございます。mono-monoさんもプリントアウトとは!
光栄です(笑)ただ・・・僕は記事をアップした後、わりと、言い回しをちょっと変えたり、「てにをは」を修正したりと・・・少しづつ直したりすることありますので、その点、ご容赦を(笑)
>おいしいところを私は聞き流してしまっているか!~
いやいや、そんなことはないはずですよ。ジャズだけでなく音楽というのは「そこに流れている」わけで、このロリンズのソニー・ムーンを好きになった方なら、絶対にその「流れている音~音楽」から、こちらのハートに響いてくる何かを感じ取っているはずです、絶対に。僕はそれを、その演奏の一部分を無茶を承知で「文章」にしようとしているだけで(笑)本当は・・・ただ「聴けば」いいのだと思います。
まあでも・・・皆さんが、読んだ後、そのレコードを聴きたくなる・・・と言ってくれるのは、本当にうれしいことです。
>「オリジナル盤」に拘りすぎるのは、やめようと思う~
と書きました。「~すぎるのは」という表現でお判りのように、やはり「拘って」はいるのです(笑)ただ<夢レコ>に何か書く時に、その盤がオリジナル盤じゃなくても気にしない~というスタンスでいくということを宣言させてもらいました(笑)別にそんなに力むようなことではないのにね(笑) これからもよろしくお願いします。
投稿: bassclef | 2006年9月14日 (木) 22:20
いやあ・・・さすがM54さんですね。挙げられた2枚とも、こちらの愛聴盤ですよ(笑)僕がJRモンテローズを好きになったのは、そのブルーノート盤なんです。地元のジャズ喫茶(グロッタ)でよくかかりました。その頃、僕がロリンズやウイルバー・ウエアに夢中になっていたのをマスターが知っていて、それでかけてくれたのです。途中のベースソロで「あっ、このべース・・・」と言うとマスターは「ニヤッ」とするのでした。そのうち今度はテナーのひしゃげたような音色が気になって・・・すぐにモンテローズを好きになったのです。
ウイルバー・ウエア~riversideにはたぶん20枚くらいは参加してそうですが・・・特に印象的なのはグリフィンのWay Outですかね。急速調のCherokeeが・・・こんな速いテンポでもしっかりと重い音で弾きこむウエアの実力がわかります。この曲でのグリフィンも凄いです!
もう1枚~マシュージーのJazz by Gee!~これはたぶんご存知でしょうね。だいぶ前にWAVEシリーズで復刻されて、このユニイクなボントロにもぶっ飛びましたが、ウエアの強烈なソロも何曲かに入ってます・・・ああっ、次回のウエアのネタが・・・(笑)
投稿: bassclef | 2006年9月14日 (木) 22:08
bassclefさん、リンクありがとうございます。紹介文が身に余る光栄というか、気恥ずかしくなるような、美文で、もうなんと言ってよいか・・・・恥ずかしい限りです。
私は60年代にこだわっている訳ではないのです、1961年1月にのめり込んでいらい、70年代、80年代90年代、21世紀ともう46年間聞き続けているのですが、何故か60年代の話が多くなるのです。やはりインパクトの多いイヴェントがあったのと、多感なハイティーンから大学時代をJAZZと共に過ごしたせいでしょうか。
これから貴殿のサイトへのリンクを張る作業をします。紹介文でリクエストがあれば反映しますので、遠慮なくお申し出を。今後とも宜しくお願いします。
投稿: 4438miles | 2006年9月14日 (木) 11:00
bassclefさん、どうもです。
いつもながら、こんなにも素晴らしいレコードのおいしいところを私は聞き流してしまっているか! と痛感させられるお話でした。
そしてプリントアウトして読んでいるのが私だけでないことが分かってなんだか嬉しかったです。シュミットさん!
>>だから・・・これからは「オリジナル盤」に拘りすぎるのは、やめようと思う。
これは私も勇気づけられるお言葉でした。
こういうこだわりって楽しいのですが、時として音楽の楽しさから外れていってしまいがちですよね。
投稿: mono-mono | 2006年9月13日 (水) 23:07
こんばんは。 チョイ、ご無沙汰してます。
遂に出ましたね~ウエアー!(笑) この大名盤をこんな切り口で語られる事が今まで有ったでしょうか! 面白いです、本当に聴きたくなってしまいます。 そしてウイルバー・ウエアーをもっと知りたーいと思ってしまうのは僕だけでしょうか?
JR・モンテローズのBN1536のAー3のBOBBIE PIN での短いけどズ~ンと重たいソロ、シルバー、フィリージョーとの相性もぴったしなウエアー。
セブンスタンダーズ&ア・ブルース のB-3ヘンリーのオリジナル曲 SPECIFIC GRAVITY はイントロからズンズンと重たいベースでもうたまりませんねー! 曲が短すぎる!もっと聴きたいよ~って思ってしまいます。
ウエアー関連のレコード、いくつかお勧めを教えてください。あーこれもか~なんて有りそうですが・・
投稿: M54 | 2006年9月13日 (水) 22:18
D35さん、いつもコメントをどうもです。エルヴィンの唸り声・・・おっしゃるように、他の盤よりこの盤ではいっそう大きく入ってます。エルヴィンが大きな声をだしていたのか・・・はたまた録音マイクの位置がちょうど唸り声をたくさん拾う位置だったのか?このライブ盤~録音にちょっとクセがあるようで、エルヴィンのドラムは、シンバルなどやや入力オーバー気配で全体にドラムスがハイ上がり気味だと思います。キレがいいとも言えますが、やや線が細いような感じもある。シンバルの音をしっかり録ろうとして、エルヴィンの口からやや上方辺りの角度にマイクを置いたのかもしれませんね。
いずれにしても「演奏」は、もう・・・素晴らしい!の一言。
D35さん、ウエアにはまると・・・モンクもグリフィンもドンドン好きになっちゃいますよ(笑)
投稿: bassclef | 2006年9月13日 (水) 21:20
シュミットさん、お久しぶりです・・・といってもこちらが1ヶ月も更新してないのだから(笑)わざわざプリントアウトして読んでいただいたとのこと、なぜだか凄くうれしいのです。僕などは、こうしてブログなどしていても、やはり「読む」という行為は「紙」でないと・・・という人間ですから(笑)
エルヴィンの「えへっ!えへっ!」は・・・たしかに嬉しくなっちゃうくらい「ジャズのノリ」という感じを表出してますね。この頃(1957年)だと、エルヴィンも若かったのか、なおいっそう、あの唸り声が大きいみたいですね(笑)シュミットさん、これからも、好きな演奏・好きな曲関わりなら、オリジナル盤に拘らず(持っていなくても)感じたことなど書いていきますよ。よろしくお願いします。
投稿: bassclef | 2006年9月13日 (水) 21:13
bassさん、おはようさん。
昨夜やっと、ビレッジバンガードのソフトリー~を聴きました。
以前聴いた時は「オッ、ベースのイントロかっこいい~」くらいにしか思ってなかったと思います。
bassさんの解説を読んだ後で聴くと、なるほど、と唸ってました(笑)。
この頃のロリンズはピアノレスでたくさん吹き込んでるみたいですね。
それにしても唸り声のうるさいレコードでした。
おそらくPLの分解能が増して、余計に目立つ様になったようです。
ベース弾きとしては、ウエアの頑張りがけなげで、ほほえましかったです。
しばらくインストも聴くようにします。
投稿: D35 | 2006年9月13日 (水) 07:10
今晩は、シュミットです。
でましたね、ウィルバー・ウェア。ペーパーにおとしてA4で4枚、たっぷり読ませてもらいました。「softly....」のロリンズがウィルバー・ウェアの武骨で個性的なイントロに刺戟されて燃え上がった、なんていうbassclefさんのフレーズはいかにもジャズ的で、ワクワクしてきます。
私はノッてきたエルヴィンが「エヘッ エヘッ」って唸り声をあげはじめるとタマランちゅう感じにいつもなるんですが、もうひとつタマランが増えそうです。
それと『これからは「オリジナル盤」に拘りすぎるのは....』
とお書きになってますが、賛成です。またぐっと面白くなりそうで楽しみにしています。
投稿: シュミット | 2006年9月12日 (火) 23:18
4438milesさん、ベーシストやドラマーの、ある意味「意固地さ」みたいな感性、そういうものが意図せずとも溢れてきてしまう・・・そういう演奏って、ジャズ好きには堪えられんですよね(笑)4438milesさん、いや、ゼンさんのいつもの語りを読むと・・・ゼンさんは、もう本当に「ジャズ」というものを好きなんだなあ、と思い知らされますよ。そんなジャズの大先輩、ゼンさんから、こんな嬉しくなるようなコメントをいただいて、ややコーフン状態であります(笑)
リンクのこと、ぜひお願いします。こちらもすぐリンクさせてくださいね。「紹介コメント」に異論があればまたお知らせください。すぐ直します(笑)
投稿: bassclef | 2006年9月12日 (火) 22:04
bassclefさん
ロリンズ書いてくれましたね、SONNY MOON FOR TWOは最高ですよね、ここでの表現上手いです。音が聞こえる文章になっていますね。
SOFTLY・・は確かに印象的なテーマの解釈ですね。あまり、朝日のように爽やかではない、かなりゴツイ朝日という印象があります。
でもその様な印象を与える根底にはウルバー・ウエアーの極太のベースがあるからなのですよね。
そこに焦点を当てたBASSCLEFさんの感性は鋭いとみました。演奏のできは、ベースにありと言っても過言でないでしょう。特にプレイヤーにとっては、ベースがシッカリしてくれないと・・・ということがありますよね。
それにしてもこのサイトは面白いサイトですね。リンクしても良いですか?
当方の「Fのブルース」にもまたお出でください。乱文御免
投稿: 4438miles | 2006年9月12日 (火) 11:08
Refugeeさん、先日はそちらのBBSにおせっかい書き込みをしてしまいました(笑)でも復活後のRefugeeさん、また凄い勢いで更新・書き込みが始まったようでうれしいですよ(笑)
ウイルバー・ウエアの音色~あの「太っとさ」は、一体何なんでしょうね?(笑)あのレコードの裏ジャケにウエアがベースを弾いている写真が載ってますが、そのベースの胴体の横幅がやけに「厚い」んですよ。「写真のズレ」かもしれませんが、ベース自体が大きい楽器だった可能性は高いですね。それと記事中にも書きましたが、あの音色の秘密は「ガット弦」かもしれません。いろんなレコードを聴いた感じでは、ミンガス、ミルト・ヒントン、ジョージ・デュビュビエ、そしてウエアらは、どうやらある時期までは「ガット弦」を使っているように思います(全く確証なし:笑)響きの輪郭が丸くて大きくて、音がでかい~これがガット弦の特徴かなあ・・・と推測しております。現代ではもうガット弦、誰も使ってないだろうなあ・・・。
投稿: bassclef | 2006年9月11日 (月) 22:17
NOTさん、どうもです!全く久しぶりの更新にもかかわらず、早速コメント、ありがたいです。
そうでしたね。あのカスクーナの2LP~コルトレーンのは、 High Step なるタイトルで、transitionとJazz Westの音源も入ってましたね。後で判ってきたことですが、bluenoteやUA系だけでなく、Pacific系やペッパーの未発表(アラジン音源)なども、続々と発売されてたわけで、なかなか渋いシリーズでしたね。あのベージュ地のデザインもシンプルで好きだったです。
>REVELATIONというマリガン=コニッツのパシフィック音源もの~
それにしてもNOTさん、あの時代にマリガン=コニッツを選ぶとは・・・やはり一筋縄ではいかない選球眼ですね(笑)
投稿: bassclef | 2006年9月11日 (月) 21:57
Sugarさん、1ヶ月ぶりの更新なのに、素早いコメントをありがとうございます。
>無性に聴きたくなってしまった~いやあ・・・これこそ最高にうれしい言葉ですよ!また聴いてみての感想などもぜひコメント下さい。こちらも思い込みで聴いてしまうタイプなので、
ロリンズの「割り込み4bars change」・・・ありゃあ単なるミスじゃないか、とか(笑
ロリンズの「割り込み」は、もうクセみたいなもので、ライブでも、しょっちゅうやってましたよ(笑)
投稿: bassclef | 2006年9月11日 (月) 21:44
bassclefさん
このロリンズのヴァンガードは文句なしの名盤ですね~
ウィルバー・ウエアのぶっといベースには、私もぐぅのねも出ません。
演奏も素晴らしいですが録音も素晴らしいですよね。
私の手持ちは、66年のリリースのLibertyレーベル盤で、直輸入盤だったらしく油井さんの解説ライナー付なんですが、Run-offにはRVGスタンプもあって、かなりオリジナルに近い音なんじゃないかと思います。
(でも、オリジナルはもっと凄いらしいですが 笑)
sonny moon for two、bassclefさんのおっしゃる場面で唸ったことはないのですが、あらためて聴いてみると、なるほどと思いました。さすが聴き所が違いますね。
投稿: Refugee | 2006年9月11日 (月) 12:56
こんばんわ。久しぶりの更新ですね、楽しみにしていました。カスクーナの2枚組は当時話題になりましたよね。ロリンズのこれもそうですけどコルトレーンやセシル・テイラーのトランジション音源(未発表含む)の人気はもっと凄かったように思います。当時私は秋葉原の石丸電気のジャズコーナーでいつも欲しい~と指をくわえて見つめていました。でもまだ他に買いたい国内盤が山ほどあったためこの2枚組みは結局後回し、結局買ったのはREVELATIONというマリガン=コニッツのパシフィック音源もの1枚(1組)だけでした。未発表ものはあまり蒐集の対象としていないんですがさすがにこれは必携でのちにキングから出た黄色と青の2集、3集しっかり持っています。
投稿: NOT | 2006年9月10日 (日) 21:52
ヤバイ。無性に聴きたくなってしまった。
今から聴いてきます。
投稿: Sugar | 2006年9月10日 (日) 20:52