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2006年5月 4日 (木)

<思いレコ 第10回> ビル・エヴァンス/ポートレイト・イン・ジャズ

when I fall in love ~エヴァンスのあの水晶のようなA♭・・・。

このレコードをとても好きだ。ビル・エヴァンスという人がスコット・ラファロというベーシストと出合って、その喜びの中で両者が生き生きと飛び跳ねている・・・そしてお互いがお互いのサウンドを聴きながら、嬉々として音楽を創っている・・・そんなジャズの理想郷のようなレコードだと思う。そしてよく言われる「インタープレイ」などという言葉に囚われなくても、ピアニストとしてのエヴァンスの本領~「尖がったピアノ表現」とでも言うべきか~が最もよく出ているレコードだと思う。だから内容には・・・全く文句ない。
そんな文句ない名演であるがゆえに・・・わずかなキズに気付いてしまうのかもしれない(笑)

ビクター国内盤(SMJ-6144:1976年)を何度も聴いてきたのだが、以前から「気になるポイント」が何箇所かあった。

1.ベースやピアノの音が急に揺れるようにクリップする(音揺れ箇所)
  A面1曲目:come rain or come shine:
  最初のテーマの途中~この曲のメロディは前半と後半が同じパターンなのだが、後半のテーマに入って5~6小節目のところで、一瞬だが、ピアノ・ベース共にはっきりと揺れる。
  B面1曲目:what is this things called love:
  エヴァンスのソロが終わり、ベースがソロをとっているバックでピアノが「合わせ」を入れてくる辺り~ここでは明らかにベースの音が「揺れて音圧も減衰」してしまう箇所が何度もある。ピアノよりも特にベース音が揺れているようだ。
  B面2曲目:spring is here:テーマの終わりに近い部分~上昇するメロディにピアノとベースが4分音符で合わせる箇所~ここで、ラファロのベースの音がかなり「揺らぐ」。この「合わせる箇所」は、この曲の最もいいところなので、聴くたびに、この「揺れ」にはがっくりしていたのだ。
  
2.バラードの静かな場面で、わずかだが「キ~ン」というような高周波っぽい音が、継続的に聞こえる。
  B面2曲目 spring is here:この曲にも気になるポイントがあった。まず全体にわずかにだが聞こえる「キ~ン(あるいはシ~ン)」というようなノイズ。バラード(一般的に静かにスロウに演奏される)なので余計に目立つのかもしれないが、このノイズは、最初に日本盤を聴いた時から感じていた。同じバラードのA面 when I fall in love でもわずかに同様の「キ~ン」があるようだ。
*他のレコードでも、例えば静かなバラードの時、プチ・パチというノイズは聞こえたとしても・・・この類のノイズはあまり記憶にない。
  
3.この when I fall in love~僕はこの曲を大好きなのだ。エヴァンスはこの曲で素晴らしいインスピレイションを見せてくれる。(後述)
  しかし・・・以前から「気になる箇所」がある。レコードを聴いてると、わりとよくある現象~演奏中のフレーズが、実際に弾かれたタイミングよりちょっと先に、小さな音でエコーのように聞こえてくる現象~「前ゴースト」(テレビの電波が2重になって映ることをゴーストというらしいので、その呼び名をマネしてみた)が目立つのだ。この曲もテーマが前半・後半と同パターンなのだが、後半テーマに入って3~4小節目の辺りで、エヴァンスが「今、弾いてるタイミング」とは関係なく、高音のトリル風フレーズが「エコー」のように聞こえるのだ。そお後半テーマの最後の辺り(13~14小節)でも同じような「エコー」が聞こえる。高い方の音域で細く小さく、しかしはっきりと聞こえるのだが、それが「どの箇所」で弾いたフレーズなのかはよく判らない。

僕は、1.の「ベース音が揺れる感じ」は、もうすでに「録音された段階」での不具合だと思っている。多分・・・リヴァサイドのスタジオのテープレコーダーの調子が悪かったのか・・・あるいは録音スタジオの電源供給が不安定だったりしたんじゃないか? それくらい何か根本的な要因があったのでは・・・と思えるほど、いくつもの箇所で「クリップ」する。例えば、キャピトルやマーキュリーでこんな場面は耳にした記憶がない。もちろん「録音段階での不具合」などではなく、保存したマスターテープの管理が悪かったために、「クリップ」したのかもしれない。だとしたら・・・早い段階でのマスターテープを使った初期プレス盤なら、あるいは「揺れない」かもしれないぞ・・・というのが僕の希望的観測だった(笑)

そんなわけで~つまりそんないろんな「疑問点」が日本盤だけの不具合なのかどうかを確かめたくて~<欧州リヴァーサイド盤>(モノラル・青ラベル) を入手したのだ。もちろん米オリジナルの「ステレオ」や「モノラル」が欲しいのだが、それらは・・・とても高い(笑) だからちょっと、いや・・・かなりの妥協をしてのプレス時期が古そうな<欧州リヴァーサイド盤>なのだ。 

 

_005_3                       

《上の写真:左側が<米オリジナル・モノ盤> 右側が<欧州リヴァーサイド盤>~表ジャケットの写真・デザインは全く同じだが、このINTERDISC盤は、米オリジナルモノラル盤(左側)よりもコントラストをやや弱めにしたようで、全体の色合いが、明るくてやや薄めになっている。だからエヴァンスのメガネの奥の右目が、米オリジナル盤よりよく見えるようだ》

 

3_001《裏ジャケも米オリジナルとほとんど同じだが、左下に秘密があった(笑) distributed in Europe by INTERDISCと表記してある。もしセンターラベルを見られない場合は、この裏ジャケットの左下に注目すればいいかもしれない(笑)》 (写真左)

3_003_1写真右:《欧州盤のセンターラベル。外周に文字が入ったり、タテ字のMICROGROOVEやLONG PLAYINGの文字がない。ラベル下部にあるはずのBILL GRAUER PRODUCTIONS NEW YORK CITYという表記もない》 

 

 

 

この「欧州リヴァーサイド盤」~期待を込めて聴いたのだが・・・上記の「気になるポイント」の1・2・3、そのいずれもが「同じ箇所」で「同じようなレベル」で聞えてきたのだ。特に1.の「ベース音の揺れ」は、全体のベース音が迫力あるだけに、その「揺れ」は却ってひどく聞えるようでもあった。「古そうなプレスの盤」だったので、あるいは・・・と期待したのだが・・・非常に残念だ(笑)

さて・・・「欧州リヴァーサイド」のラベルのことで「こだわりの杜」(ニーノニーノさんHPのBBS)のお仲間:Yoさんとメールやりとりした際(さきほどの「前ゴースト」という言葉は、Yo氏のネイミング)、そんな僕の「個人的興味」を知ったYoさんが、お手持ちの2枚の「ポートレイト・イン・ジャズ」を、「それじゃあ、いろいろと聞き比べてみてよ」と電光石火の早業で(笑)送ってくださったのだ。
  その2枚とは・・・
  <米オリジナル・モノラル盤(青・小ラベル)> と
  <オルフェイム・ステレオ盤(緑ラベル)>だ。
  この2種と、僕の手持ち・・・
  <欧州リヴァーサイド・モノラル盤(INTERDISC・青ラベル)> と
  <ビクター国内盤(SMJ-6144)1976年>の2種を加えて、
  計4種の「ポートレイト・イン・ジャズ」の「音質」と・・・それから問題の「クリップ箇所」の有無などを聴き比べてみた。

それでは「音質」の印象を少し。
<ビクター国内盤(SMJ-6144)1976年>~
一聴して全体の歪み感が少なく・・・スッキリしている。案外に悪くない。
ピアノの音自体にも安定感があるので、とても聴きやすいように思う。ラファロのベースは、この「ポートレイト」では「右側」から聞こえる。ヴァンガードのライブでは「左側」だったはずだ。ベースの音は・・・ややレベルが低めで、音自体もやや薄いようだ。僕はもう少し強めにベースを聞きたい。「鳴り」「音圧」「気高さ」「艶」など、ヴァンガードでのラファロの音と比べると、少しづつだが劣っているように感じる。ちなみに「音圧」については、この日本盤には絶好の「比べポイント」がある。「枯葉」の「ステレオテイク」と「モノラルテイク」が、A面2曲目と3曲目に続けて入っているのだ。3曲目になると・・・右側から聞こえていたラファロのベースが中央に寄ってくる。そして「分厚いベース音」に豹変するのだ。モノラルに圧縮された分、全ての楽器の密度が濃くなったようだ。ベースの「音圧」に限れば、この「モノラルテイク」の方がはるかにいい。これくらいの音圧で、ベースが全体を押し出していく感じが、本来のラファロの持ち味だと思う。但し・・・今度は「艶」が薄くなった。「艶」というより「響きの具合」という感じのことだが、ラファロのあの「後鳴りするような響き」が、うまく録られていないのだ。僕はステレオ録音が嫌いではない。ギュッとしまったモノラルもいいが、ベースの響きの余韻をうまく取り込んだ「ステレオ録音」には「鳴りかた」に「色気」があるように思う。
その好例が あの Waltz For Debby と Sunday At The Village Vanguard の2枚なのだ。(このライブ盤については・・・いずれまた)

<オルフェイム・ステレオ盤(緑ラベル)>写真右側~_001_7
                 

プレスや盤質自体の問題だと思うが、ちょっとヴォリュームを大きめにした時の「シュ~」というノイズが、やや大きいようだ。
一聴して、ピアノの音の芯が弱く、ドラムシンバルなど全体的に、(ビクター国内盤と比べても)やや鮮度感がやや薄いように感じた。
但し、右チャンネルから聞こえるラファロのベースに関しては・・・ビクター盤よりも入力レベルが高く、より前に出てくるような感じ。
ラファロのベース音のあの生気ある感じは、オルフェイム盤の方がよく出ている。

<欧州リヴァーサイド・モノラル盤(INTERDISC・青ラベル)>~
モノラルの「詰まった」感じの音に一瞬たじろぐが・・・ちょっと聴き進めばすぐに慣れる。モノラルになった分、ベースやピアノは明らかに厚い音になった。ラファロのベース音も「厚くなって大きめな音」に聞えるので、より迫力が出てきた。荒々しくなったとも言えそうだ。

<米オリジナル・モノラル盤(青・小ラベル)>上写真の左側~
B面からかけてみる。1曲目 what is this things called love の出だしの「ダッダ~ン・ダ~アダッ!」から力強さが段違いだった。
ピアノの音に強さと粘りがあるし、ベースの音色にも1本芯が通ったような力強さがある。それにベースの音像の輪郭が、欧州リヴァーサイド盤よりもぐっとクッキリしてきたようだ。全ての楽器に音圧がしっかり感じられるのだ。強く弾いたピアノの音が、よく伸びその力感が落ちない。音に「馬力」があると言ってもいい。この米オリジナル盤をこうして聴くまでは、実は、欧州盤もなかなかのものかもなあ・・・と密かに期待していたのだが、やはり米オリジナル盤はモノが違うようだ。

A面:when I fall in love~音圧、ピアノのタッチの力感が充分に感じられる。エヴァンスのタッチは弱い、と思われているようだがそんなことはない。エヴァンスは、このバラード曲の出だしのメロディ3音目(A♭の音)を、ぐっとためて「ッポ~ン」と投げ出すようなタッチで、このA♭のシングルトーンをたっぷりと伸ばすように弾いている。この辺りに、エヴァンスの「美学」がよく表れているように感じる。そしてこのA♭は・・・相当に強いタッチだと思う。和音でゴンゴン押してくるようなタイプの強さではないが、パッと見では線は細いが実は「鋼のような硬質さ」という質のタッチの強さを、ビル・エヴァンスは持っているのだ。
米オリジナルモノラル盤をこうして聴いていると・・・そのピアノの音が生き生きしているので、エヴァンスのピアノ表現に~特徴的な長いフレーズ、その中のタッチの強弱、張り詰めた感じ~とても素直に入りこめる。トータルとしての「鮮度感」が一番高いことは間違いないようだ。
どう聴いても・・・やはり4種の中ではダントツに素晴らしい!さすがは米オリジナルモノラル盤だ。今、再び「米・オリジナル・モノラル盤」を聴いている。そして・・・この「A♭音」だ・・・。「ッポ~ン」と思い切り伸ばしたそのピアノの音が・・・水晶のような音に感じられる。「タッチの芯」がしっかりと感じられる。素晴らしい!
それからさきほど「エヴァンスはこの曲で素晴らしいインスピレイションを見せてくれる」と書いたが、その素晴らしい「インスピレイション」(と僕が感じる箇所)は・・・2コーラス目の前半(いわゆるアドリブでのソロはこの16小節のみ。この曲は2コーラスのみで終わるのだ))前半・後半のテーマが終わって、次の前半部分の8小節目辺りから突如、現れる。長いフレーズを~そのフレーズは細かい「譜割り」のもので、どう考えても、この場でいきなり浮かんできたようにしか思えない~実に不思議なタイミングで弾くエヴァンスなのだ。あるフレーズを弾き始めたかと思うと「グッと」停めてしまう。そうしてすぐ後には、長いフレーズを「溢れる」ように弾き込んだかと思うと、また停め。そしてまた次のフレーズへ・・・という感じなのだ。この辺りの展開はまるで・・・通常の1・2・3・4という「タイム感」を超越してしまったかのようだ。エヴァンスが「ぐぐ~うっ」と堪えてフレーズを停めている2~3秒の凄まじい緊張感。このわずかな「間(ま)」が永遠にも感じられる。そうしてその「スピード感」は凄まじい。スロウなテンポで展開しているだけに、「間」と「流れ」での落差を、よけいに感じるのだ。そんなようなことを、エヴァンスは、この4小節の中で展開してしまったのだ!「エヴァンスの音楽」が、文字通り、溢れ出てきたようなすさまじい展開に・・・おそらくラファロとモチアンも目を見張ったはずだ。そうして・・・あの「間」を、2人もまた強靭な集中力で「耐えた」のだろう。この when I fall in love・・・ビル・エヴァンス・トリオのこのバラードを、僕は本当に素晴らしいと思う。

さて、こんな風に素晴らしい音質の<米オリジナル・モノラル盤(青・小ラベル)>なのだが、このオリジナル盤での「気になるポイント」1.については・・・
A面1曲目~come rain or come shine ~
日本盤ではあれほどハッキリと揺れた、あの5~6小節目での「音揺れ」が、この米・オリジナルモノ盤ではほとんどないようだ。よく聴いてみても・・・ほんのわずかにピアノが揺れるようにも聞えるかな?という程度だった。日本盤でも同様だったが、ベースに関してはA面はだいたい安定していい音のように思う。
ところが残念ながら、前述したB面1曲目の what is this things called love でのベースの「揺れ感」は・・・やはり感じられたのだ。
特に後半のテーマに入る前あたり、ラファロがビートをぐいぐいと押し出してくるのだが、その「音圧」のもの凄さに、ひょっとしてマイク入力段階で「歪んだ」のだろうか?
A面では、どの曲でもあれほど安定して力強いベースサウンドだったのだが・・・。B面の他の曲では、これほどベースの音色に「揺れ」はないようだ。
この曲に限り・・・なぜかピアノよりもベースに集中してクリップするようだ。
それから、B面2曲目の spring is here の「上昇メロディ」の箇所での「音揺れ」も、やはり全く同じ箇所で、同じぐらいのレベルで「揺れて」聞えた。

「気になるポイント」の2.~あの「キ~ン」についてはどうだったのか?
こちらも残念ながら・・・日本盤、オルフェイム盤、欧州盤、米オリジナル・モノラル盤・・・どの盤でも聞こえるように思う。そのレベルもほとんど同じだった。ただ、この「キ~ン」はごくごく小レベルで鳴っているだけなので、演奏がピアニシモになった場面以外では、それほど気にならない。

「気になるポイント」3.のA面のwhen I fall in loveでの「前ゴースト現象」についてはどうだったのか・・・?
結論から言うと・・・この米オリジナル盤にもゴースト音は認められた。4種ともに多少のレベル差はあるのだが、全ての盤の同じ箇所に「ゴースト音」はあったのだ。ただ、この4種の中では、「米オリジナルモノ盤」と意外にも「日本ビクター盤」が、このエコーのレベルは、わずかに低いように聞こえた。

こうやって、4種の「ポートレイト・イン・ジャズ」を聞き比べてみた。その結果、僕の気になる「ベース音の揺れ」や「ゴースト現象」は~「米オリジナル・モノ」「米オルフェイム・ステレオ」「欧州・モノ」「日本ビクター・ステレオ」~全ての盤で、聞えたのである。ということは・・・「ラファロの音圧で歪んだ」は冗談にしても・・・やはり「録音段階」での何らかの歪みなのだろうか? それとも最初期の「マスター・テープ自体の不良」あるいは「ラッカー盤」製作段階での何らかの不具合があったのかもしれない。判らない・・・とにかく演奏が本当に素晴らしいだけに、やや残念なことではある。先に書いたように、これらの「音揺れ」が録音段階、「ゴースト」が最初のマスター段階からあったとすれば、全てのプレス盤でも同じ結果になるはずだ。
だが・・・ひょっとしてこれらの盤へのマスターテープの保存状態が悪かったために~テープ転写や劣化で、「音揺れ」「クリップ」「ゴースト」が発生した可能性もなくはない。だから残るは・・・まだ見ぬ「米オリジナル・ステレオ盤」だ。ひょっとして「黒・ステレオ」のみは、ごくごく初期のマスターを使っていて~つまりベース音の揺れやゴースト音の一切ない状態~というようなことはないだろうか。そうしてその盤から飛び出てくるのが・・・まったくベース音の揺れない spring is here だったら・・・そんなことを無想する僕である。

 

<補足 1>~先日、たまたま昔の音楽仲間4人<konken氏(b)emori氏(b)Yシゲ氏(as)Sマサ氏(ds)>と僕:bassclefが、konken氏宅へ集まる機会があった。その場で、この「ポートレイト・イン・ジャズ」の「音揺れ」についてチラッと話したところ・・・即座にemori氏が「ああ、あれねっ!そうそう、揺れる揺れる」と反応してきた。他の3氏は特に思い当たるフシはないようだったので、(できるだけ先入観を与えないように)「ラファロのベースの音でまずいところがある」とだけ伝えてから、上記3曲を、まずCD-R(konken氏が spring leaves(milestone:1976年くらいの米・2枚組)から焼いたもの)で聴いてみた。
やはりA面1曲目~come rain or come shine ~日本ビクター盤と同じ箇所で「ピアノとベースの音の揺れ」~オープンリールのテープがほんの一瞬だが、回転ムラを起こしたような感じの揺れ~を5人が確認した。下記の「気になるポイント2の「キ~ン音」も、emori氏は「気になる」とのコメント。
次に「ポートレイトインジャズ欧州盤」のA面1曲目、B面1、2曲目をかけたところ・・・特に[B面2曲目の spring is here の「上昇メロディ」の箇所]では・・・4人が揃って「ああ、揺れてる」という声を上げた。
そんなわけで・・・「ポートレイト・イン・ジャズ」には、やはり「ある種の歪み音」があることを確認した。もっとも、emori氏も相当なラファロ愛好家で、僕と同じようにラファロのベースラインを集中して聴き込んだ経験があるわけで、そんな風に「ベースの音色」に注目して、それを連続して聴いていくと・・・こういうちょっとした「音の揺れ・音像の乱れ」は、いやでも目(いや、耳に:笑)につくだけのことかもしれない。

<補足 2>上記集まりの10日後、emori氏から「ポートレイト~」再検証の情報(ビクターのCD3種)をいただいた。使用したマスターの情報もあり、なによりも僕が比較したのはLPのみだったので、以下にemori氏のメール(部分)を転載したい。

[以下、青い文字の部分]

~私も注意深く聴いてみました。そしたら、なんと、まだあるんですねぇ~。まぁ、(bassclef) さんも確認している部分かもしれませんが。私は、CDからですが…。書いておきます。音はヘッドフォンで聴いています。
■検証に使った音源
1:1985年に発売された(と思われる)ビクター音楽産業(株)発売元の「Portrait In Jazz」のCD。“VGJ-1506”

※このCDに使用した音源:
下記の事がCDに記されています。
『本CDマスターには、ファンタジー本社(米、バークレー)の保有するオリジナル・アナログ・マスター・テープをロスアンジェルスにある、JVCカッティング・センターに空輸し、ジョー・ガストワートによりJVC/DAS-900デジタル・オーディオ・マスタリング・システムでデジタル・トランスファーされたものを使用しております。』と。

2:2005年に発売された(と思われる)ビクター(日本)発売元の「The Complete Riverside Recordings」のCD。“VICJ-61292”と“VICJ-61292”の二枚。このCDは、「20bit K2/Super Coding」だそうです。

※このCDに使用した音源:
下記の事がCDに記されています。
From A Master Recordings owned by Fantasy INC. USA

=== 私が見つけた“あら”===

A : 「When I Fall In Love」
この曲の出だしのテーマ(サビ部)にノイズが入ります。左チャンネルに。
で、何気なく、1)のCDのライナーノーツをめくったら、下記の事が書いてありました。
『●お断り
本CDは、1950年代のオリジナル・アナログ音源からタイレクトにデジタル・トランスファーされたマスターを使用しております。その為、テープ・ヒス・ノイズ、歪み、アナログ・ドロップアウト(音の欠落)といったオリジナル・アナログ・マスター・テープの瑕を含んでおります。これらは、録音レベルの低い部分、及び音が消えかかる部分に顕著ですが、本シリーズは現在入手しうる最も質の高いオリジナル・マスター・テープからのCD化であり、又その歴史的音楽性の高さを鑑みてリリースされたものであることを御了承下さい。尚、本CD「When I Fall In Love」の左チャンネル(ヒス音とさわめき)中にガサ・ノイズがあります。』
と日本語で書いてあり、英文もありましたので書いておきます。

NOISE INFORMATION
This recording is taken from the original analog 1950"s source material, and therefore contains inherent tape flaws, such as hiss, distortion, and analog dropouts.  These tape flaws become more evident on low level passages and on most fades.  There are clicks in left channel (hiss and buzz) on 「When I Fall In Love」

B : 「What Is This Thing Called Love?」
1 : この曲の出だし:音が詰まっての出だし。特に、左チャンネル。
2 : 2分35秒から36秒の間の一瞬、ベース音が揺れる。(これは、私にはそう聴こえます)
この曲のベース音は、最初から最後まで、微妙に揺れているように聴こえます。特に後半部分。

C : 「Come Rain Or Come Shine」
出だしのテーマ後、ピアノソロに突入時に、ノイズ。これも左チャンネルのはず。

D : 「Peri's Scope」
1分37秒から38秒の間の一瞬、ベース音が揺れる。

E : 「ピー」という継続ノイズ音
これは、いろいろな曲の至る所で聴こえます。特に静かな曲「Spring Is Here」そして、静かになる部分。とくにベースソロ部、例えば「Witchcraft」

特に、2)のコンプリ盤は、「20bit K2/Super Coding」仕様のせいか、1)のCDより、上記の“あら”は一層はっきりと聴く事ができます。「Spring Is Here」のピー音は、でかいこと!そして、合わせの揺れも、1)が小波なら、2)は大波って感じです

[以上、青字の部分がemori氏の情報]

・・・最後に強調しておきたいことがひとつ。
「いい演奏ならば、どんな盤(モノラル、ステレオ、オリジナル、日本盤・・・)で聴いても~演奏された音楽に集中さえすれば~絶対に楽しめる」ということだ。この盤が大好きだったので、だからその中のいくつかの気になる点について、こんな「比較検証」みたいな話しになりはした。だけど・・・もちろんのことだが、あるレコードを聴くのに「~盤でなくてはダメだ」とは思わない。今回は、この「ポートレイト」の同一曲を、いろんな盤で何度も聞き比べてみた。その際、どの盤で聞いていても(冷静に検証的に)・・・知らず知らずの内に、 その「演奏」に聴き入ってしまい、例えば2曲目だけを検証しようと聞いていたつもりでも・・・つい最後まで聴いてしまうのだった(笑)
そんなだから、「盤」による違いを検証しつつも・・・その一方では「演奏」を聴いていけば(その音楽の中に入り込んでしまえば)どんな盤でも構わないじゃないか!
・・・そんな気持ちにもなった。そのことを再確認できたことも、だから・・・うれしかったのだ。
その音楽を好きで、聴いていれば、その音楽からは絶対に「何か」は伝わってくるはずなのだ。
ただし、もっと突っ込んだ拘りを持ってその音楽に接したい時に、その拘りの強さに応じた「いい音の盤」というものは・・・やはりあると思う。
例えばあなたが・・・エヴァンスの「水晶のタッチ」をどうしても味わいたい・・・というような場合には(笑)

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コメント

あばちゃんさん、コメントありがとうございます。
ビル・エヴァンスの「ポートレイト・イン・ジャズ」・・・まったく素晴らしい作品だと思います。
あばちゃんさんはジャズ歴のうんと長い方だと思いますが、1968年時点で「オープンリール」に録音・・・そういえば、あの頃、オープンリール(TEACとか)憧れの機器でしたね(笑)僕などはもうちょい後、「カセットデッキ」がようやく広まってきた頃にステレオ録音もできる~というのが売りのSONYのP&D(ポータブル&デッキの意味)というのを中2の時、買いまして・・・それでFMからジャズ録音開始!という時代でした。

本記事に書いた「ポートレイト・イン・ジャズ」の「揺れ」「ピー音」「ゴースト」のこと・・・1968年の国内盤にもどうやらこれらの異音は存在したようですね。1968年のRiverside系列の発売元は・・・たぶん「日本グラモフォン」かな?

米オリジナル盤(モノラル)を聴いても、やはり同じような現象が認められたので・・・やはり、マスターの段階での何らかのミスということでしょうね。今更ながら・・・それを残念に思う僕です(笑)

投稿: bassclef | 2011年1月 9日 (日) 10:13

1976年ビクター国内盤をもってますが、
1968年友達からこれをオープンリールテープに
録音しましたが(記憶では国内盤)やっぱりゴースト
ありました。
Spring is Here はタウンホールのレコードでの
演奏が特に好きです。

投稿: あばちゃん | 2011年1月 7日 (金) 21:43

Sugarさん、律儀にコメントをありがとうございます。それに・・・わざわざ日曜日に「ポートレイト~」を聴き倒していただいたみたいで恐縮です(笑)僕も「ポートレイト~」この記事を書く時、相当に聴き続けたので・・・しばらくいろんな曲からのいろんな場面(音)が、アタマの中で突然に鳴ったりして・・・困りましたよ(笑)
キーン音(高周波っぽい?)は確かに気になりますが、まあ一度、演奏の流れの中に入ってしまえば・・・大丈夫です(笑)
Sugarさん、それから67camperさんのブログでのexplorations記事・・・とても興味深いです。僕ももちろんexplorations、嫌いじゃないのです(笑)またあの盤についてもとりあげてみたいと思います。

投稿: bassclef | 2006年7月16日 (日) 20:00

朝から『ポートレイト・イン・ジャズ』三昧です。
1)音揺れについては、20ビットK2の紙ジャケ盤で試聴。
正直分かりませんでした。タイミングがどこなのかが分から
ないので集中して何度も聴きましたが、分からず。残念。
2)プリ・エコーは、テープの転写によるものだと思います。
確かにプリ・エコーがシッカリ聴き取れますね。これはテープ
転写で間違いないです。なお、針が拾うものも確かにあります。
3)キーン問題。これは盛大にしますね。今まで気にしてなか
った。これはもう録音時点でのノイズですね。気にしだしたら
ノンストップ・パワー・プレイで、気持ち悪くなりました。
(これからS&Gも聴いてみます)
注釈にあるノイズはもう本当にすばらしくノイズです!!
アナログ聴いていたらごみかと思っちゃいますが、それに
してもこれは、機械的な(物理的な)ノイズですね。

というわけで、重鎮の皆様の後追いフォローになっちゃいま
した。
この盤はアナログで聞いていた時代は、聴いても楽しくない盤
でした。あまりに名盤なのに自宅ではほとんど聴かない盤とな
っています。うちにも2種類のアナログ(両方とも国内盤)あ
りますが、残念ながらもう聴いてないです。ハイ。

投稿: Sugar | 2006年7月16日 (日) 17:09

>あらためてこの部分を聴くと、確かに、「『エヴァンスの音楽』が、文字通り、溢れ出てきたようなすさまじい展開に・・・おそらくラファロとモチアンも目を見張ったはずだ。」という感覚を、私も実感いたしました~

refugeeさん・・・本当にうれしいコメントをありがとうございます。実は・・・僕は今回のこの記事を、まずい内容にしてしまったなあ、と反省してたのですよ(笑)こんなにも素晴らしい「音楽の中身」があるのに(もちろんそれを判っていたつもりですが)「音揺れ」などという、元々の演奏とは本来は関係ないキズのことを記事の最初に持ってきたりして、これじゃあ・・・ちっとも中身の素晴らしさを強調できてませんよね(笑)
でも・・・refugeeさんは、「音楽の中身」のところもしっかりと読んでくれた。ありがたいです!
全くあのwhen I fall in loveでの展開は・・・事前のアレンジなどで思いつく類ではないですよ。「何か」がパッと、エヴァンスのアタマに閃いて(ヒラメいて)一気にあの流れが湧いてきてしまった・・・という感じですよね・・・。ジャズでは、ほんのたまに・・・凄いことが起きるんですね(笑)
refugeeさん、ご精読、ありがとうございましたっ!

投稿: bassclef | 2006年5月 8日 (月) 18:40

bassclefさん

ヘッドフォンで聴いたのは夜中だったからです(笑)
ベースの揺らぎですが、普通にスピーカーから音を出して聴くと、オリジナル・モノ盤(青マイク小レーベル)では、ほとんどわかりませんねぇ。
B1のベースソロがはじまってすぐのところと、B2の上昇ピアノにベースが合わせるところ(これは後半のじゃなくて中間部のほう)にそれぞれ一箇所づつ、かすかに揺らいでる感じがするところはあるんですが、これだとbassclefさんご指摘のと違うかもしれませんね。
うちのオリジナルは、若干プレスが悪くて、小さな凹みがけっこうあるんですよ。これが音に出てるのかもしれません。
う~発見できないってことは、私の耳がよくないんでしょうか・・・
それともブックシェルフ・スピーカーのバスレフ増幅の低域では、もともとよくわからない性質のものなのか・・・

って、そんなことより、「水晶のタッチ」ですね。
いやぁ、これは素晴らしい形容だと思います。
それから、「奇跡の4小節」。私、あんまり気にしたことがなかったのですが、あらためてこの部分を聴くと、確かに、「『エヴァンスの音楽』が、文字通り、溢れ出てきたようなすさまじい展開に・・・おそらくラファロとモチアンも目を見張ったはずだ。」という感覚を、私も実感いたしました。
やはり、長くジャズを聴いてこられた方の聴き所のご指摘は、とても参考になります。ありがとうございました。

投稿: Refugee | 2006年5月 8日 (月) 14:30

ああ、M54さん!いつもコメントをどうもっ!いろいろ聴いていただいたみたいで恐縮です(笑)
>エバンスのピアノの高域の歪みは気にならないですしノイズもないようですが、ラファロのベースが少し重すぎて切れがないようです~
「ポートレイト~」と「エクスプラレイションズ」では、54さんがおっしゃるとおり、だいぶん「録音の感じ」が違いますね。ラファロのベースの低い方の「響き」は「エクス~」の方がよく入ってるのですが、それを強調しすぎというか、響きの余韻が残りすぎというか・・・54さんがおっしゃる「切れがない」感じしますね。そのベースの音色も含めて、僕は「エクス~」があまり好みではないようです。「音楽」自体も、どうも”インタープレイ”という方向を意識しすぎたような感があり、59年のストレートにベースラインを(4ビートで)弾くラファロの方が好みなんです。同じリバーサイドでもvillage vanguardのライブ録音は・・・ラファロの音色、いいんですよ!こぼれ話しによると・・・当日のライブ録音は、
いつものレイ・フォーラー氏ではなく、デビッド・ベイカーという2チャンネル録音の名手(とか読んだ記憶あり)が、代役でライブ録音したそうですね。
*《訂正~この録音名手の名前は、デビッド・ベイカー氏ではなく、デビッド・ジョーンズ氏でした》
この人の録音でよかったな!
と僕などは思うわけです(笑)あのライブ盤2枚については・・・いずれまた(本当に心底・・・好きなレコードです)

投稿: bassclef | 2006年5月 7日 (日) 10:56

おはようございます、bassclefさん。  今日はD35さん宅でのオフ会ですね、楽しんできてください。
いやー皆さんと同じでこのブログのおかげで久しぶりに『ポートレート~』をじっくり聴きました。  ベースの揺らぎはそれほど気になりませんでしたが、A-5とB-2での高周波ノイズは凄く気になりました。 実は現在の我家のシステムでこのレコードを聴くのは初めてだったのですが(以前はミニコンポで聴いていたのでたぶん5年ぶりぐらい?)思った以上に耳につきました。 それと全体的にエバンスのピアノ音、特に高域が歪んで(割れているような音)いるような感じます。 上手くいえませんが全体的に録音の重心が高い(このような表現があるのかどうか?)ように思います。 僕の手持ちもビクター日本盤です。 
同じく4部作の一枚『エクスプロレイションズ』も聴いてみました(こちらも日本盤です)個人的にはこのレコードがエバンスのベストだと思っています。 ポートレートが59年、後者は61年ですからかなりの時間差がありますので比べる事は出来ないのでしょうが・・こちらのほうはエバンスのピアノの高域の歪みは気にならないですしノイズもないようですが、ラファロのベースが少し重すぎて切れがないようです。 こちらは録音レベルの重心が低めのように感じます。
音のことばかり気にして聴くのは本来の音楽の楽しみ方ではないと思いますが、エバンスのようなリリカルでタッチの強いピアノを楽しむためにはある程度の録音レベル(オリジナル盤がベストなのでしょうが、しかし全てのオリジナルが良い音ではない)とシステムが必要なのではとも感じます。 オリジナルが欲しいですね(笑)
僕も女性を誘ってジャズ喫茶に行ったとすると(現在ではありえませんが・笑) 格好つけてビル・エバンスをリクエストするかな~と思います(笑) 

投稿: M54 | 2006年5月 7日 (日) 10:12

swanさん、いつも「なるほど」と思えるコメントをありがとうございます。
>ここでのエヴァンズのp・・ストイックな程硬質で聴いてると神経が研ぎ澄まされていくような感覚~
全く同じような気持ちで、このレコードを捉えております。そうして、その「研ぎ澄まされた感覚」は、正しくこの時のビル・エヴァンスの感覚そのものなんだと思います。このイメージでの極致が・・・記事で書いた<when I fall in love>での「奇跡の4小節」だと、自分では思いこんでおります(笑)
こういうストイックな音楽。デートの時には・・・あまりそぐわないでしょうね(笑)僕も、ちょっと気になる女性をジャズ喫茶に連れてって、ジャズを聴かせたことが、一度だけあります。その時の盤は「ロリンズ・ミーツ・ホウキンス」(RCA)です。
僕:「このベースのグライムスがねえ・・・」
女性「・・・・・」
でしたよ(笑)

投稿: bassclef | 2006年5月 7日 (日) 09:34

refugeeさん、丁寧な反応コメントをありがとうございます。わざわざヘッドフォンで確認していただいた、とのこと恐縮です。refugeeさんのコメントからも、やはり「何らかの乱れ」はあるようですね。
>ゴーストは、リマスターの際にデジタル処理で消された可能性もありますが(よくわかりませんが、可能ならやるでしょう)~
記事中のYoさんからも、CDでは「聞き取れなかった」とのことです。CDの場合、多少の「揺れ」もデジタル技術的?に相殺処理できそうですよね。デジタルカメラのCMで「ぶれない」とかありますが、あれって、要は「ぶれた分量」と反対方向への「ぶれ」を発生させて、結果として「ぶれないように見せかける」仕組みでしょう(多分)エコーなら、そこに何らかのホワイトノイズでもぶつけて・・・(笑)ひょっとしたら
「音揺れ」の場合でも、その「乱れ分」に相当するニセ信号でも当てはめれば、聴感上、気にならないレベルには改善できるのかもしれませんね。まあそれが悪いとも思いませんが、そういう類の修正があると思うと、なんとなく・・・イヤですね(笑)

投稿: bassclef | 2006年5月 7日 (日) 09:21

おはようございます。
一読して・・“うーん、深い”と唸りました。bassclefさんはじめ皆さんの耳のよさに圧倒されております(笑)
ポートレイト私もエヴァンズで初めて買ったLP(ビクター盤新譜でした)です。なので4部作中一番愛着ありますね。
ここでのエヴァンズのp・・ストイックな程硬質で聴いてると神経が研ぎ澄まされていくような感覚?になります。
ご指摘のキーンやbの揺れ等は今まで全然気にしてませんでした修行が足らん!ということですね(笑)
学生時代、女性をさそってジャズ喫茶行った際、かっこつけてこの盤リクエストした記憶あります。
今思うとR・ルイスとかW・ケリーみたいな分かり易いのにしとけばよかったです(笑)

投稿: swan | 2006年5月 7日 (日) 06:25

bassclefさん

おもしろい話題をどうもです。
私、このアルバムは大好きで数え切れないくらい聴きましたが、全然気づきませんでした。
ということで、あらためてヘッドフォンで確認してみました。

1.ベースの揺れ
B1のベースソロが始まるところが一番わかりやすいかと・・・
米Riversideモノ・セカンド・プレス(青マイク大レーベルでbellsoundプレス)だと、割とわかります。
モノ・ファースト・プレス(Matrix末尾A-1/B-1)でも注意すればわかりますが、ここが揺れてるってわかって聴けば、ああちょっと揺れてるって感じです。
日本ビクター91年版CD(当然ステレオ)だと、揺れてないと思います。

2.高周波ノイズ
これは、どれにもあります。

3.ゴースト
米Riversideセカンド・プレスが一番よくわかります。
ファースト・プレスでも聴き取れますね。
CDだと、ここにあるってのをわかったうえで、相当注意するとかすかにわかる程度です。

91年版リマスターCDは、米ファンタジー本社のマスター・テープからリマスターされてますから、初期ステレオにはベースの揺れはないのかもしれません。
ゴーストは、リマスターの際にデジタル処理で消された可能性もありますが(よくわかりませんが、可能ならやるでしょう)。

投稿: Refugee | 2006年5月 6日 (土) 23:47

67camperさん、オハヨウさんです。ご自分の耳、聴き方うんぬんなど・・・とんでもないですよ!逆に、そんな瑣末なこと(音楽が生きて流れていることからみれば)に拘る僕の方こそ修行が足りないようです(笑)だから・・・記事の中でも、「内容には文句ない」とか「オリジナルだろうと国内盤だろうと関係ない」とか、言い訳めいたことを書いたりしてるのですよ(笑)
ゴーストのことは・・・テープの転写の場合と、プレス(技術?)の段階でも起こりうるようですね。
S&Gの「きよし~」までチェックしていただいたようで恐縮です。僕の記憶は・・・国内盤の2枚組からだったと思いますが、もう30年以上前のものですからいい加減なもんです(笑)だから・・・「ああ、そんな空耳を・・・」と聞き流してもらえばいいですよ(笑)

投稿: bassclef | 2006年5月 6日 (土) 09:21

bassclefさん、今回は真剣にportrait in jazz(SMJ-6144)を聴きました。ラファロとの4部作の中では、一番聴かないアルバムだったので、まず皆さんが絶賛するアルバムである事を再認識しました。確かにラファロのベース音の揺れがあるかなと思わせる箇所が"what is this thing~"でありますが、あまり気にならないですね。こんなもんかと思ってしまいます。自分の聞き方が結構いい加減なんですね(笑い)!

高音キーンは、外国盤の盤質が悪い奴(雨降り盤、風邪ひき盤)ばかり聴いてますのでこれに至っては全く気にならずです。

ゴーストも全くこのLPでは気になりませんね。自分のオーディオは再生力がないのかな?自分の持ち物では東芝が作ったクールストッティンがゴーストでしょうか。出だしの”チャラーラ”が始まるまえに、小さく同じフレーズが聞こえます。はじまりゃー問題ないですが・・・リバティの米盤ステレオではこのゴーストはないですけどね・・・

S&Gの7時のニュースは"Parsley, Sage, Rosemary and Thyme"(US Columbia original 2 eye)のB面最後に入ってますよね。これでは全く”キーン”は感じないですね。やっぱり自分の耳がおかしいのですかねぇ・・・???

今回、自分のオーディオの分解能の悪さ、自分の耳の悪さ?、いい加減な聞き方など反省しきりです。
みんな凄いね!自分が真剣に対峙してない証拠ですね。

投稿: 67camper | 2006年5月 6日 (土) 03:08

D35さん、コメントをどうも!いつもずるずると長い記事で申し訳ないです(笑)この「ポートレイト・イン・ジャズ」・・・記事の最後に言い訳みたいに書きましたが、本当に好きなレコードなんです。だけどこの記事、最初の方を読んだら・・・「音楽を聴かずして、音質上の録音の問題」ばかり気にしているやつ、と思われてしまいそうですね(笑)
中身への本音は「when I fall in loveのA♭音」をタイトルにしたことで・・・ご理解下さい(笑)
枯葉~僕は「モノラル・テイク」の方が好きです。ラファロがより弾んでいるような感じがして。

投稿: bassclef | 2006年5月 6日 (土) 00:01

shaolinさん、>特に高周波ノイズはずーっと気になってて「俺の買ったのは不良品か?!」と初めて聴いた時に思った~
同感コメントをありがとうございます。あの「キ~ン」・・・もちろん演奏が素晴らしいので、そのために聴かない、なんてことはないのですが(笑)
僕にはもうひとつの「キ~ン」記憶があります。それは・・・サイモン&ガーファンクルの<きよしこの夜/7時のニュース>です。あれにもたしか・・・「シ~ン」というような高周波っぽいノイズが始終鳴ってたような覚えが・・・。また今度、聞いてみますね(どうでもいいことばかりですみません:笑)

投稿: bassclef | 2006年5月 5日 (金) 23:54

こんにちわ、いつもながらbassさんの深い聴き方に感心しながら一気に読みました(笑)、休みなもので。
エバンスのポートレイトは最初に買ったジャズのピアノです。
その前がミンガスの直立原人だったので、すごく癒されました(笑)。
ご指摘の揺れやゴーストはその頃気がつきませんでした。
枯葉のステレオとモノの違いは面白かったですが。
ただこのところ夜中に他のレコードを聴いていて、みょうにゴーストが目立つレコードがありました。古いジャズに何枚か聴けました。
私はマスターテープを保管している内に重なった所が写ったのかな?と思ってました。本当はどうなんでしょう?
揺れや歪みも気になってきました。
今日聴いてみようと思います。

投稿: D35 | 2006年5月 5日 (金) 11:48

いいところに目をつけられましたね (笑)

うちにあったのは、ビクター VIJ-101、OJC-210 と、Complete Riverside Recordings (全て LP) です。今は最後のボックスを除いて手元にありません。

正直、最後に Portrait in Jazz 聴いたのは何年前だ? という感じなので (笑) 信憑性に欠ける情報ですが、bassclef さんが指摘された点も一体となってしっかり記憶されています。特に高周波ノイズはずーっと気になってて「俺の買ったのは不良品か?!」と初めて聴いた時に思ったのが懐かしいです。

この辺の、問答無用名盤(のオリジナル)となると、私に協力できることってほとんどないことを再認識しました (とほほ)
いかにうちのコレクションの (愛すべき) B級 C級率が高いかということですね (笑)

投稿: Shaolin | 2006年5月 5日 (金) 06:51

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