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2006年4月27日 (木)

<ジャズ回想 第4回> ニーノニーノさんのオフ会のこと。

こんな具合に・・・白馬の夜は更けていった~

第2回 白馬/杜の会が、今年もつい先日、行われた。場所は昨年と同じ、信州・白馬のオーディオ・ペンション「洗濯船」である。
「杜の会」とは・・・オリジナル盤通販専門店ニーノニーノさんのBBS「こだわりの杜」のオフ会のことだ。
詳しくは・・・そのHPのBBSとコラムをお読み下さい。こだわりのオヤジたちがいつも集っております(笑)http://www.ninonyno.ne.jp/ninonyno/topmenu.htm

今年の「杜の会」は、だいたい以下のような流れで行われた。
第1部~「Duke氏のレコード語り」(地下JBLルーム)
第2部~「みなさんの一押しレコードpart1 」(1Fマッキンルーム)
第3部~「家庭的かつ良心的なオークション」 そして・・・
第4部~「みなさんの一押しレコードpart2 」(地下JBLルーム) だ。

食堂(1Fマッキン)での第2部「みなさんの一押しレコードpart1 」は、ちょっとお酒の入った夕食の後、誰かれとなく「じゃあそろそろ・・・」「そうですねえ・・・ゲヘヘヘッ(笑い声)」てな感じで・・・もちろん和気アイアイと、しかし若干の緊張を伴って始まる。みなさんが持ち寄った「一押し盤」の中から1枚を選び、簡単なコメントをつけて1曲づつ披露するわけだ。みなさん、もちろん「自分が好きな盤」をかけることとは思うが、そこはやはり相当な音楽好き達を前にしてのお披露目である。若干のミエもないわけではない(笑) 
「あんまり音が良くないレコードだなあ」とか「これのどこがいいんだ?」「よく見る盤だな」などと思われないだろうか?・・・などと余分なことも考えてしまう。(いや、そんなのは僕だけか?)
だから・・・ちょっと「かっこつけた盤」になってしまうこともあるかもしれない。「絶対に大丈夫な盤」。つまり・・・明らかに演奏のいい名盤、明らかに音のいい盤、明らかに希少盤・・・そんな感じか。

とにもかくにも、今年が初参加のお2人から、1Fマッキンルームでの音だし(第2部)は始まった。僕は JATP new volume 5 (clef)12インチ(古い録音だけどサックスの音色などが素晴らしい)と Lee Morgan/Here's Lee Morgan (vee jay) (僕の中ではちょっと新らしめの「いい録音」1960年のステレオ録音。)Duke Plays Ellington (capitol)(12インチ:ターコイズ)などを用意していた。
_003_1僕の順番は3人目。1人目が女性ヴォーカル(ポリー・バーゲン)、2人目がオペラ(マリア・カラス)ときたので・・・「ここはカラッとしたハードバップだな」というわけで・・・Here's Lee Morgan (veejay) を選んだのだ。VeeJayのステレオ盤は、音もまあまあだと思ったので選んだのだが・・・ちょっと中途半端ではあったようだ(笑) それほどの希少盤ではないし、リー・モーガンには他にも名盤があまたある。選んだ曲も、地味なジャズメン・オリジナルだ(milt jackson作のoff spring という曲) 昨年もそうだったが、クレフやノーグランのゲッツやらホッジスの超希少盤が次々に登場してくるので、普通のハードバップ盤じゃあ、とても対抗できないようだ(笑) しかし・・・食堂のマッキンルームの「壮大な鳴り」で聴く「ハードバップ」も悪くはなかった。ブレイキーの、かなりでかそうなライドシンバルのグワ~ングワ~ンという鳴り具合や、ベースのチェンバースの大きな音(ちょっと出すぎくらいにベースが大きな音像で鳴っていた) ケリーの転がるピアノタッチなど、どれもマイルドないい音で鳴っていた。まあでも・・・ノッて聴いたのは、僕だけかもしれない(笑)

第1部でかかった曲を列挙しておこう。(だいぶ記憶が飛んでますので・・・不完全です:笑)

D35さん~ポリー・バーゲンTHE PARTY'S OVER(columbia) から smoke gets in your eyes
マントさん~MARIA CALLAS sings ROSSINI and DONZETTI・arias(UKコロンビア) から LA CENERENTOLA(F・Rossini) Nacqui all'affanno(Act2)
bassclef~リー・モーガン here's Lee Morgan(vee jay:stereo) から off spring *前述
ワガママおやじさん~ドロシー・ドネガン(レーベル名を失念。珍しいレーベルの盤)から on green dolphin street 
*<補足>~下記コメントにあるようにワガママおやじさんからデータを頂ました。この珍しい盤は・・・Dorthy Donegan/Swingin Jazz In Hi-Fi (Regina 285) なる盤でした。
パラゴンさん~Eve Boswell(女性シンガー)の 「you go to my head」
SPUさん~ジーン・アモンズ、the Boss Tenor(presige:銀・黒ラベル) から my romance
YOさん~リッチー・カミューカ~ Richie Kamuca Quartet (mode) から what's new? ともう1曲、ペッパー・アダムス(mode)から my one & only love
リキさん~プレヴィンの指揮したアルビノーニのアダージョとモーツァルトの宗教曲
Dukeさん~ジュリーロンドン the end of the world
       カーペンターズ   the end of the world

さて・・・そんな第2部「みなさんの一押しレコードpart1 」が終わって、オークションで盛り上がった後・・・いよいよ第4部~「みなさんの一押しレコードpart2 」(地下JBLルーム)が始まった。ここでは、もうちょっと個人的好みの強いマニアックな盤が登場することが多い。いわばみなさんの「本音盤」である。そんなみなさんの「本音盤」と、かかった曲を以下に記しておこう。

YOさん(YoさんとBoseさんのネタ)~ジョニー・グリフィン2題!
     Johnny Griffin /Way Out [riversideオリジナル・ステレオ盤/日本ビクター盤/WAVE盤]と the Kelly Dancers  [オリジナル・モノラル盤/WAVE盤/fantasy custom盤] での聞き比べ。

ワガママおやじさん~Modern Music From SanFrancisco(fantasy) なる3つのセッションを集めた盤:Jerry Dodgion のセッションからmiss jackie's delight ピアノがソニー・クラークです。*後述_001_2

bassclef~フリップ・フィリプス/EP盤(Clef)から I'll never be the same

・・・このEP盤には愛着がある。とにかくジャケットが好きなのである。EP盤の左側~Flip Phillips Quintet というタイトル。ワンホーンでしみじみとしたフィリプスのテナーが味わえる。10インチオリジナルが欲しい・・・(笑)

パラゴンさん~ヘレン・メリル/mercuryのオリジナル盤(大ドラム)から you'd be so nice to come home to

SPUさん~ルイ・アームストロング/Satchmo At Symphony Hall/Decca より (What Did I Do to Be So)Black And Blue・・・哀感が漂う名曲でした。(トランペットつながりで~題して「魂の叫び」by オーナーMさんとSPUさん)
マイルス・デイヴィス/Live Around The World (ライブ盤)より
Time After Time・・・つぶやくような、しかし時に押し殺した声で泣いているような、そんなマイルスの表現力には圧倒された。後半、マイルスとギターやベースとの絡みは、ギター奏者が必死に音量を抑えたような弾き方で、マイルスと対峙し、とてもスリリングな一瞬だった。そしてぐぐ~っと音量を上げるシンセ・・・「ドラマティックな演出」というのはすごく判るのだが・・・シンセの音自体に・・・どうしても馴染めない自分でした。

マントさん~マリア・カラス/L'ELISIR D'AMORE(R・Donizetti) Prendi;per me sei libero(Act2) 

YOさん~Ben Webster /meets Oscar Peterson (Verve)
     [Verve Inc.(Celf sereis)]モノラルと [Stereophonic]~同タイトルの2種。曲は「bye bye blackbird」での聴き比べ。*後述

_002_1bassclef~パーカーのEP盤(clef:写真左)から just friend 
   ・・・最初33回転でかかり「あれ?このテナー誰?」という感じ(笑)、すぐさま45回転でかけ直すと・・・めでたくパーカーが出現しました(笑)

このパーカーのEP盤もわりあいと音がいい(ように思う) 状態のいい10インチ盤もぜひ聴いてみたいものだ・・・。
(パーカーつながりで)
SPUさん~ Bird And Diz/clef 10inch より Bloomdido(clef:10インチ)・・・オリジナル10インチはやはり凄い。モンクのピアノがタッチが強力だということが、改めてよく判った。

リキさん~ (?)演奏者失念/モーツアルトの最晩年の「?」・・・静かに淡々と流れる曲でした。これもそこはことなく哀しみが滲むような・・・。

巨匠Y氏~beatles (UKだったかのシングル盤から come together と something リンゴのドラムがよかった! *後述

YOさん~ギターもの2題~マイケル・ヘッジス/「?」(ミュージシャン名、違ったかも?)(曲名 失念)
・・・開放弦がキラキラと鳴り、弦の響きがキレイに録音されているレコードだった。個人的には「ソロ・ギター」があまりに大きい音像だと、ちょっと違和感を覚える。
カルロス・モンターヤ/「?」 ・・・フラメンコの名手とのこと。右手のアポヤンドが、凄い強いタッチだ。フラメンコは濃くて凄すぎる。

Dukeさん~Miles Davis:Cookin' から「my funny valentine 」~純正オリジナル 446W盤は・・・やはり凄かった。*後述

オーナーM氏~ジョニー・ホッジス MGN 1059 Johnny Hodges - In a Tender Mood (norgran)から tenderly
・・・ホッジスにしてはあっさり風味に聞えた。やはりエリントン絡みの曲では、特別に濃厚になるのだろうか。

D35さん~ダイナ・ショア: Somebody Loves Me(capitol) IT'S EASY TO REMEMBER
・・・しっとりとしていい唄い手だと思う。ダイナ・ショア、好きな声です。

マントさん~コルトレーン:Live At The Village Vanguardから spiritual (第1部Dukeさん「レコード語り」の時、時間の都合で10分ほどでカットしたので全曲通して)

bassclef~デューク・エリントン Duke Plays Elligton (capitol) (12インチ:ターコイズ)から (この時、Dukeさんが再登場! 「ちょっといいですか?」と言いつつ・・・2人の女性にまつわる話しから、エリントンとこの曲へのオマージュを語る(笑) _004_8

   

                                             

in a sentimental mood と passion flower~しんとした響き。ラテン風エキゾチックな曲調だが、バックでほんの小さく鳴るドラムスの「手叩き」(だと思う)が絶妙だった。
オーナーM氏~アート・ブレイキー:バードランドの夜 vol.3(bluenote)~10インチオリジナルから confirmation *後述

こんな流れだったのだが・・・盤の音質も含めて、特に印象に残った場面をもう少し紹介しようと思う。

Modern Music From SanFrancisco(fantasy)
ピカピカの赤盤だった。こういうcoloured vinyl はよく見ると・・・半透明なので向こう側がうっすらと向こう側が見えたりする。それはもう・・・唸るほどの垂涎盤だった(ちなみにヨダレは出てません:笑)
この盤には3つのセッションが入っている。ワガママおやじさんがセレクトした1曲は・・・アルトのJerry Dodgionのリーダーセッションから miss jackie's delight なぜこの曲か?もちろん・・・ピアノのソニー・クラークが入っているからなのだ。
1955年の録音なので、ソニー・クラークとしては、バディ・デフランコとのVerve録音と同時期ということになる。
miss jackie's delight は速めのテンポのブルースで、ドジオンのやや軽めの音色のアルトが快調なロングソロを取った後に、いよいよクラークのピアノソロが始まった。初期のクラークらしいやや「軽め」(後期に比べれば)だが、キレのいいタッチがたっぷりと聴けた。デフランコとのVerver諸作では、クラークのロングソロというのはほとんどなかったので、この1曲での16コーラス(とベースソロの前の+4小節。長いので数え違えたかも:笑)にも及ぶロングソロだが、アイデアのあるフレーズが次々に飛び出してきて、まだまだいくらでも弾き続けられそうだ(笑)初期のクラーク好きは、これはもう必聴だと思う。
ちなみに・・・この盤、僕の手持ちは・・・トホホのOJC盤(笑)それでも「赤盤仕様」になっているところが意地らしい(笑)

Ben Webster /meets Oscar Peterson (Verve)
[Verve Inc.(Celf sereis)]モノラルと [Stereophonic]~同タイトルの2種。曲は「bye bye blackbird」での聴き比べ。
これがおもしろかった。
モノラルカートリッジで聴いた「モノラル盤]~テナー、ピアノ、ドラム、ベースなど個々の楽器は、大きな音で、はっきりくっきり出てくるので、大迫力だ。
ただ逆に(好みによっては)ベースの音像が大きすぎだったり、ドラムのシンバルやピアノの音がちょっときつすぎたかもしれない。
ステレオカートリッジで聴いた[stereophonic盤]~テナーとベースがやや左側、ピアノが中央、ドラムがやや右側へと音場が拡がった。しかしそんなことよりベースの音像も締まり、ピアノの高音もさきほどのモノラルの「全てがフォルティシモ」的なサウンドから比べてうんと、聞きやすくなった。タッチの質感が出てきた。そしてテナーも適度なフクラミ具合の優しい音色になった。もちろんこれも好みによっては、モノラルの力強さがなくなって「ヤワ」になったと感じるかもしれないが、僕はやはりこの[stereophonic盤]はいい録音で、聞きやすい音質だと思う。
そして・・・(このBen Webster盤の場合)さきほどの[モノラル盤]があまりにも「強い」音だったので「このモノラルカートリッジの性質が音成分を拾いすぎ(強調しすぎる)かも?」という仮説の下に「ステレオカートリッジでモノラル盤をかけてみて」というリクエストが巨匠Y氏から飛び出した。
もともと「厚く」楽器の音が入っているであろうモノラル盤にモノラルカートリッジでは「強くなりすぎ」であれば・・・(モノカートに比べれば)「薄めの」ステレオカートリッジで「厚い音のモノラル盤」をかければ、あるいは・・・?という期待が、皆に広がる。オーナーのM氏が針を落とす。しばしの沈黙・・・微かなチリチリ音・・・。そして出てきた音は・・・・・。
「おおっ!」予想した通り、いやそれ以上の「効果」だった。まさに「ちょうどいいバランス」でテナー、ピアノ、ベース、ドラムスの音色が、「うれしそうに」スピーカーから飛び出てきたのだ!本当に「ちょうど!」のバランスになってしまったのだ。モノラルの厚みある楽器の音色、ステレオの場合の各楽器の分離のよさ・スッキリ感、その両方が「気持ちのいいモノラル」として目の前で鳴っていた。「してやったり」と納得のうなずきを見せる巨匠Y氏。
そして・・・この時のDukeさん、そしてYOさんのうれしそうな顔(笑) というのは・・・両氏は「モノラル盤を聴くからといって、必ずしもモノラルカートリッジに拘る必要はない」という主義であるからして。
カートリッジの「音の拾い方」というのは、こんな風に、その特性をうまく生かしてやれば、アンプやスピーカーを換える以上に、入り口のところで基本的な「バランス」を決定してしまうのだなあ・・・という実感を持った。もちろん、「盤」によって元々バランスのクセに差があるわけだから。だから・・・今回のこのケースは、あくまでこの Ben Webster meets Oscar Peterson というレコード<もともと各楽器の音をぎゅっと詰め込んであった音造りをしてあった「モノラル盤」>だったから、ステレオカートリッジによる中和がうまい具合に作用した、ということかもしれない。

the beatles /come together  と something (多分、UKのシングル盤)
全くの私見では(この<夢レコは全てが私見ですが:笑)・・・地下JBLの音は・・・ド単純に言って「ロック」に最も合うように思う。特にベースとドラムがテーマを演じるこの come together で、そう感じたのだ。
エレベ(電気ベース)の音が強力だったのだが、ロックの場合だと、かなり大きめの音量・音像でも違和感がない(ように思う)
それから、come together のテーマの部分をベースが弾いた後の部分・・・リンゴがちょっと「緩めのチューニング」(だと思う)で、スネアやらタムタムを3連で叩く場面の見事な「音圧感」・・・これは凄かった。その「音圧」が「ン・ド・ド/ド・ド・ド/ド・ド・ド/ド・ド・ド」てな感じで、右チャンネルから何度も飛び出てくる。この「音圧感」は、ロック苦手な僕にも、ある種の快感ではあった。(自宅に帰って聴いたベストCDでの come together のショボイこと(笑))

Miles Davis/Cookin'  から「my  funny valentine 」
prestige, NY.W.446のオリジナル盤だ。ジャケットのコーティングもぐう~んと分厚い。これは凄かった。チェンバースのベースの音がやけにリアルなのだ。もともと prestige のベースの録音は、columbiaと比べると、ベースの音が「ペンペン」なのだ。低音の響きの部分がprestigeでは極端に薄い。しかしその分、左手が弦をこする音とか右手で強く弦を引っ張ったような、そんな気配をよりリアルに感じ取れる録音なのだ(と思う) だから、ベースの音程を聴き取るのには、prestigeが最適なのだ。そうして、チェンバースのあまりよくないピッチ(音程)も、やけにリアルに聴き取れてしまうのである(笑)
この446Wアドレスの純正オリジナル盤においては・・・その「リアルなベース音」が、より一層、鮮明に聴かれたのである。もちろんcontemporaryやcolumbiaのベースの音が好きな方(一般的にはこの方が多いかな?)には、このベース音は「硬すぎる」かもしれない。でも・・・これがprestigeの録るウッドベースの音なのだから、仕方がないだろう(笑) 

最後に「1枚、お聴かせします」とオーナーM氏。残っていたのは・・・D35さん、マントさんと私、bassclefの3人だけ。そして・・・あの盤が登場したのだ! 
オーナーM氏~アート・ブレイキー:バードランドの夜 vol.3(bluenote)~10インチオリジナルから「Confirmation」
青い色調がやけにキレイな10インチ盤(vol.3)だ。このクリフォード・ブラウンが凄かった。夕方のM氏の挨拶代わりの「モーニン」(bluenote)でのリー・モーガンも「いい響き」をしていたが、この10インチ盤のクリフォードブラウンは・・・これはもう・・・とにかく素晴らしかった。余分なエコーなど全くない「素」の録音という感じで、ブラウンの「乾いたような、しかし音色のエッジを若干ふわッとさせたような」独特な響きが、むちゃくちゃに生々しく感じられたのだ。続くルー・ドナルドソンもアルトも、より分厚い音色で図太い感じだ。もう少し後期のドナルドソンには、ある種の軽さ・甘さが出てくるように思うが、この1954年のドナルドソンのアルトの音色にはもう少し「重さ」があった・・・ということを実感できた。そしてブレイキーの右手のライドシンル・・・このシンバルの高音は、モノラルの古い録音でさすがにちょっと「詰まった」ような音ではあったが、その臨場感から、ブレイキーが終始かなりのヴォルームで叩いていたのであろう・・・ことがよく判った。実際、ライブハウスでのドラムスのシンバル音というのは、相当にでかい(笑)ハウスの形状(そしてもちろん奏者の叩き方具合)によっては、響きすぎてやかましいこともよくあるのだ。この10インチオリジナル盤においても、ブレイキーのシンバルが相当に大きく響いてはいたが・・・それはその場の「音楽を必死に生かそうとしている響き」に聞えたので、僕には全く気にならなかった。
このライブ盤は、本当に凄いと思う。クリフォード・ブラウンの漲る(ミナぎる)ような生気感が、バンド全てを「ノセて」しまったのだろう。「1954年2月のバードランドの夜」は、大げさではなく奇跡の夜だったのだ。
そして「その夜の空気感」を再現した「2006年4月の白馬の夜」も・・・これまた素晴らしかった・・・。

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