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2005年8月 1日 (月)

<やったあレコ 第2回>                   ジョー・バートン/Subtle Sound(Joday)

ついつい聴いてしまうピアノトリオの盤~ジョー・バートン

050502_004Joe Burton というピアニスト。あまり話題にならないピアニストだが、ジャズ批評42号<ジャズ・ピアノ vol.1>に、紹介記事がのったことがある。
ビル・エヴァンスも真っ青な耽美派~みたいな内容だった。自分の大好きなエヴァンスを引き合いに出され、しかもエヴァンスよりいい、というようなニュアンスの紹介に、僕は少々「むっ」としたが、それ以来、ジョー・バートンというピアニストが、気になる存在になっていた。
その何年か後、91年発売の「キングレコード最後の名盤シリーズ」の何回目かに、このジョー・バートンの名前があった。Jazz Pretty(Regent原盤)というタイトルだ。さらに、93年発売のMCA系音源の「幻のLP選集」には、2タイトル~Session と Here I Am In Love Againだ。共に Coral 原盤だ。Here I Am~のジャケは・・・ちょっとセクシーで悪くない。このシリーズは、ジャケがコーティングなしだったので、ちょっとがっかりしたが、センターラベルは、ちゃんと復刻されていた。このてのレコードに、あのMCA系の虹デザインじゃあねえ(笑) 

レコード好きにとっては・・・「音源」だけが目的じゃないのだ。ジャケの図柄やコーティング、盤の手にした時の重み、センターラベルのデザイン、これらから全体から醸し出される「古み」を味わいたいのだ。その時代の「空気」を感じたいのだ。一度だけ、1950年代後半であろうファクトリー・シールドのオリジナル盤を入手したことがある。そいつの封を開ける時・・・本当に50年代の「空気」が封じ込められているかも、などと夢想し、ちょっと匂いをかいだりしたものだ(笑) 僕の記憶が間違ってなければ・・・1972年秋から日本コロムビアや日本フォノグラム、CBSソニーなどが、ジャズレーベルを復刻し始めたのだが、その頃のシリーズでは、「センターラベル復刻」までは、なされていなかった。ビクターのリバーサイド復刻でさえも、初めの頃は「マイルストーンのM字緑色ラベル」だったのだ。あれでは、やはり気分が乗らない(笑) もっとも、センターラベルの知識がほとんどなかった当時は、何も感じなかった。後年、中古盤やらで、それらの盤を目の当たりにすると・・・かなり哀しいものがある(笑) そんな風だから、どの国の再発盤であっても、裏ジャケや、センターラベルまで忠実に復刻されていると、案外うれしいものなのだ。こういう感覚というのは、どのジャズレコード好きには共通したものだろう。
あなたは・・・雰囲気のあるジャケットから丸いレコード盤を取り出す。センターラベルの渋いデザインが目に入る。そうして・・・その vinylの円盤からは、なんと・・・「音」も出るのだ!(笑) レコードというのは、なんと素晴らしいものではありませんか!こんな具合に、レコード盤の魅力にとりつかれると・・・どうしても、オリジナル盤志向になってしまうのだ。            さて、ジョー・バートン。94年10月に「MCA幻のLP選集」の「Session」を入手。その盤を聴いてはいたが、強く印象に残った、というわけではなかった。ちょっとおとなしい趣味のいいピアニストだな、というくらいだった。その解説(滝口秀之氏)に、日本で復刻された3枚以外にも、63年頃の録音の4枚目が存在する、という件(くだり)があった。その4枚目も「思いがけず海外で復刻された」としてある。その少し後だったか・・・その「Subtle Sound」(Joday)のオリジナル盤のを見つけたのだ!こんな盤が、なぜか・・・僕の地元、豊橋のすぐお隣、浜松の中古レコードショップに「在った」のだ。ひょっとして「海外再発盤」かも?という疑惑もあるが・・・ジャケや背表紙の「古み具合」、それにセンターラベルの「溝あり」からみて、やはりオリジナル盤だと思う。それに・・・ジャケも底割れしているし(笑)
僕の「レコード購入リスト」によると・・・95年1月4日に入手している。050502_003
この「Subtel Sound」が、素晴らしかった。Subtleというのは、どうもはっきりしない単語で(それこそ、subtleじゃないか!)
辞書によれば、[微妙]とか[繊細]とか、あるいは[巧妙]とか[狡猾な]、という意味もあるらしい。ホメ言葉の場合なら、やはり「繊細」とかいう感じなんだろう。63年頃ということだと、先の3枚からは数年後の録音になる。この数年に内に、自分の「個性」を推し進めたのかもしれない。
このピアニストは・・・右手のシングルトーンにクセがある。高音を多用するのだが、そのタッチそのものは軽いが、リズムへのノリは、どちらかというと「重い」。タメた感じで、強弱のアクセントをつけながら、ちょっと長いフレーズを弾く。時には、最高音の辺りでも、タッチの強弱をしっかり意識してトツトツとフレーズを弾く。決して弾きまくる感じではない。
バラードでの思いきったスロウテンポにも特徴がある。<I’m Glad There’s You>は、スロウで始めるが、弾いたあとのコードの「響き」を充分に伸ばして、その残響を意識しながら、次の音へ入っていくような感じだ。コードの響きがちょっとエヴァンスに似ていなくもない。ジャズ批評「ピアノトリオ特集」では、こんな部分を「耽美派」としたのかもしれない。いずれにしても・・・相当に個性的なピアニストだ。ジャケットの写真を見ると・・・度のつよいメガネをかけた、ちょっと神経質そうに見える風貌だ。素晴らしいピアニストだ。

《補筆》 後日、この記事へのコメントで、「ワガママおやじ」さんと「recooyaji」さんから、僕の知らないジョー・バートンのレコード情報をいただいたので、追加しておきます。

Joday1000
Joday1001でSt Louis bluesてLP出してるみたい(ワガママおやじさん)

ROTHというレーベルに「The tasty touch of Joe Burton」というリーダー作があります。ただしトリオではなく、ギター入りのクァルテット編成です(recooyajiさん)

この店~ディスク36は・・・何年かマークしていた。2ヶ月に1回くらいは顔を出し、それ以外でも仕事で浜松に行く時にも、なるべく寄るようにしていた。LP盤中心にかなりの在庫があり、ロック系がメインの店だったが、ジャズもけっこうあった。レコードを面で見せるいわゆるエサ箱の上の方の空間に、「吊り棚」が横1面に伸びている。不人気?のジャズはそこにあった。
吊り棚の位置が高いので、そこらへんに置いてある小さい丸イスを踏み台にして、1枚1枚、左から右へチェックするのだ。(僕は決まって左から右だ) 狭い台の上での根気のいる作業はけっこう疲れる。そうして50cmほど進むと・・・踏み台にしているイスを移動しなくてはならない(笑) このレコードショップでは、他にもいろいろな、「ちょっといい盤」を入手した。97年くらいから、徐々にジャズの在庫が減り、たまに寄ってもほとんどジャズ在庫の入れ替えがない状態になったきたので、そのうちに行かなくなってしまった。まだ健在なのだろうか?

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