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2005年7月 3日 (日)

<旅レコ 第9回>1999年7月 ソウル編(A面)

~東大門:お化け(トケビ)市場を目指して~場所が判らん!

オリジナル盤の魅力に、それほど早くから気づいていたわけじゃない。何度か、安いオリジナル盤を入手したりしている内に、そのジャケの色合いや、コーティング具合、匂い、センターレーベルのデザイン、それからもちろん、盤の重さ~それら全体から発散されてくる、どうにも抵抗しがたい魅力・・・そんなものを、徐々に自覚していったようだ。

そんな時、ソウルへ行くことになった。ガイド本によると、「東大門」という地区の、清渓6街(チョゲユクガ))辺りになにやらガラクタ街らしき一帯があるらしい。 そこには~中古のラジカセ・ビデオなどの電気機器やら、ビデオ、CD、レコード~などがあるらしい。その辺りを紹介する写真には「何か」がありそうな雰囲気が漂っていた。(そう見えてしまう、思い込みの強い僕であった)・・・ただし、その「ガラクタ街」が、どのあたりに位置しているのかは、正確には判らない。たいてい<高架道路沿い辺りの一帯>とか書いてあるだけなのだ。ガイドの付録の地図に、まさか「中古レコード店」などとは、載ってるはずもない(笑) 

さて、ホンコンと同様に、うまいこと、2日目を半日、フリーで動けるように段取りした。
地下鉄2号線で、「東大門」方面に向う。地下鉄も2本(1号線と4号線)が乗り入れており、二つの「東大門」駅がある。僕は、2号線の「東大門運動場」駅で降り、4号線に乗り換え、その「東大門」駅で降りた。
東大門辺りは、ファッションの問屋(兼販売)ビルでよく知られているが、衣料品以外にも、スニーカー・カバン・食料品・食器類などいろんな業種ごとのエリアが、この周辺全体に群がっているのだ。だから、どのガイドにも「東大門は、とても一日では回りきれない。目的を絞って回ろう」とか書いてある。ふふふ・・・目的は、とっくに絞ってあるのだ(笑)
と、ここまでは調べておいた通りだった。地下鉄の駅から地上へ出ると、まん前が、すぐ「イースタン・ホテル」だった。オレンジ色のビジネスホテル風の建物だ。これも地図に載っている。ようし・・・ガイド本によれば、ここから右の方(東)へ向えば、「古本やレコードがいっぱい」のエリアがあるはずだった。さあ、とりあえず東の方に進もう、と歩き出したのだが・・・あれれれ? 自分がどちらに向っているのかが判らない。僕には、「魔の地下鉄ジンクス」がある。この時も、地表に上がった瞬間、方向がよく判らなくなってしまったようだ。(ホンコン編と同様に)ホテルの前の歩道から、ちょっと向こうには、TVでよく見かけたような、いわゆる「東大門」という「門」が見える。この門も地図に載っている。それでも、地図上での右左がはっきりしないのだ。とにかく、道がやけに広い。「門」の周りの道は、ロータリー状になっているようだし・・・高架道路も周りの景色をさえぎっているようだ。地下道で、道路の反対側へ渡ってみたが、どうもハッキリしないのだ。
この日は、またムチャクチャ暑かった。立っているだけで、ぼーっとしてくる。これ以上、無為に歩き回ると、ほんとに遭難しちゃう(笑)・・・。そんな状況で、かなり動揺してきたが、日陰に入って、もう一度、よ~く考えてみる。・・・自分が今、立っている位置~「イースタン・ホテル」前の歩道と、ロータリーの「東大門」の位置関係から~を冷静に、落ち着いて、時間をかけて、分析(何を大げさな:笑)した結果・・・やはり、「こっち(ホテルの裏側方面)が、地図の右方向(東)だ」という結論に至った。10分ほどは、ウロウロしていたようだ。ようし・・・探索再開だ!
(今、その時の地図でしっかりと、再チェックしてみると・・・南北・東西に走る広い道が、カタカナの「キ」の字みたいになっている。つまり、十字路が2つ連なっているような感じだ。これらの道がやけに広くて横断歩道が少ないので、ほとんどが地下道で横断するしかないのだ。地下から出るたびに、階段を左右に曲がったりするので、錯覚するのも無理はないぞ・・・と今でも思う)
 
ホテルの裏の路地を入っていくと・・・すぐに何となく市場っぽい。しかし、どうも「電気・CD・ビデオ」とは違う雰囲気だ。何やら金属の加工みたいな店が続き、そこを過ぎると、ノートやら鉛筆みたいな店が何軒かある。こりゃあ・・・文具街だ。文具に続いて、オモチャ問屋も発見。「よし、近いぞ」と、この時は思った。もう少し探せば、古本やら中古レコードの一帯が、早くも発見できるような気になっていたので、ここら一帯をグルグル回った。だが、レコード・CDの店は見つからない・・・。、ほとんどの路地をくまなく回った見つからない。、それに、割と狭い一帯だったらしく、5分ほ東側に歩くと、次のブロックの大通りに出てしまうのだ。北側に歩いても大通り。この北側の大通りは地図によれば・・・「旺山路(ワンサンノ)」だ。この大通りの向こうには、「市場」はない。残念だけど、この一帯にはレコードはない・・・と思うしかなかった。
ガイド本の情報は間違っていたのだ。ちくしょう・・・東大門に着いてから、もう40分以上は、さまよっている・・・。

~ソウルの夏は、暑い。ムチャクチャ暑いのだ。冬はムチャクチャ寒い。この99年以前に、94年の12月にソウルに行ったことがあるのだが、12月のソウルは、本当に寒かった。なにしろ川の水が凍っていたのだ! ついでに・・・食べ物は、ムチャクチャ辛いか、やけに甘い。何かにつけ極端なようだ(笑) 一説によると、韓国にはB型人間が圧倒的に多いらしい。僕にもABのBが混ざっているせいか、その極端さが、それほどイヤじゃなかったりする(笑) 
94年のソウルでは・・・夜、梨泰院(イテウォン)のライブハウス~All That Jazz に寄って楽しい時間を過ごした。(そのうち<ジャズ回想>で~)レコードの方は・・・ホンコンと同様に、新譜CD/LPショップしか寄れなかった。鐘路(チョンノ)にあった Music Landというで、「韓国版のOJC」のLP を発見。5000ウォン(当時、800円弱か)と安かったので、未聴だったこの盤を購入。DSCN0779

≪オムニバス/Blues For Tommorrow≫(韓国Yeh Eum)1989年    音質は米OJCと同じ程度か。特に悪いわけではなく、プレスはきれいだ。ジャケ裏のハングル文字がおもしろい。

DSCN0780 内容は「モンクス・ミュージック」から、モンク抜きの1曲とか、ロリンズの「サウンド・オブ・ソニー」からの1曲とか、いいテイクが入っている。

・・・そんなこんなで、早くもフラフラになってしまった。2度目に、北側の大通りに出た時、小さな電器屋さんを見つけた。電器屋~CD~レコード盤、という強引な連想だ(笑) よしっ、ここで聞いてみよう。ハングルはもちろん話せないのだが、なんとかなるだろう・・・。中にはオジさんが2人。「~はどこ?」という言葉は、メモってある。「中古のジャズのオリジナル盤」などと言うと、話しが混みいるので、「CD、レコード、LP・・・オディ・イエヨ?」を繰り返す。・・・これだけで、なんとか通じたようだ。何やら2人で相談している。ああ、やはり「そういう場所」は、あるようだ。 以下、推定~(レコードだって?ほんじゃあ、あの~の辺りにたしかあったよなあ・・・てな雰囲気である)~僕の持っている地図を見せるが、ここには、入ってないのか、なかなか明確な位置を指せないようだ。いろいろ言ってくれるのだが、細かい説明など、全く判らないので、紙切れに地図をかいてもらった。この地図で、ようやく、大体の位置がわかった。さっき出た「東側の大通り」を、もっと南の方へ進んで、高架道路を越えてから、さらに東に曲がった辺りらしい。
けっこう遠いぞ・・・しかし、これで判った! 親切なソウルのオジさん達、ありがとう!
念のため、外へ出て、大体の方角を指差してもらう。よし、間違いない、あっちだ。「カムサハムニダ!」を、2~3度言ってから、
今度は確信をもって、歩き始めた。 (~ソウル編(B面)に続く。近日予定)

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コメント

はじめまして、夢想転生さん。いやあ・・・同郷でラビットの仲間とは、うれしいですね。ラビットのBBSが健在とは、つい最近まで知りませんでした。あの閉店から、もう1年と10ヶ月ですね。ラビット、ハートビートといいレコード屋さんでした。岡崎の市民センター、市外の人間でもOKらしいですね。一度、行ってみようと思ってます。3~4年前には、ジャズオリジナル盤のジャケット展示とミニ・ジャズライブの催しなんかもあったですよね。あの時、見れた分厚いコーティングのオリジナル盤・・・ガラス越しで触れなかったけど、シアワセでした(笑)
これからもよろしくどうぞ。いつでもコメントなど
(質問でも)してください。

投稿: bassclef | 2005年7月10日 (日) 13:43

 はじめまして、同郷のヴィニールジャンキーです。ラビットから来てしまいました。ジャズは、最近少しずつ、聞くようになった初心者です。人のレコハンって、結構、面白いですね、オススメ、レコがあったら、ここで、紹介してくだせ~。
 岡崎のシビックセンターに、ジャズの図書館のようなものが、あるのを知ってますか? なかなか面白いですよ。

投稿: 無想転生 | 2005年7月 9日 (土) 11:42

Yoさん、いつもどうも。このソウル編を書いているうちに、あの街の様子を思い出してしまいました。おもしろい街ですよ。だから・・・ソウルには、この翌年、2000年にも行ってしまいました(笑)その後は、さっぱり出かけてません。そろそろ、再訪したくなってきました。

投稿: bassclef | 2005年7月 8日 (金) 20:54

いや~面白い。只で面白いレコード体験記が読めるなんて嬉しいですね。汗と熱気の中でレコード探し・・・目に見えるようです。こちらも汗を拭きそうになりました。

投稿: Yo | 2005年7月 8日 (金) 17:36

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