<旅レコ 第8回>香港でレコードを探す(F面)完
1992年7月 九龍公園を通リ抜けて~
(佐敦)ジョルダンの「ジャンフィールド」で、CDを3タイトル買った。ざっと計算すると、香港で買ったレコードとCD合計が1200香港ドル(約18000円)ほどになっている。LP盤が本線の僕としては、新品のCDを買ってもあんまりうれしくない。それに、1CDの相場が100香港ドル(当時、約1500円)なので、日本で買える「中古CD」とそれほど差がないのも「うまみ」がない。香港でわりと見かけるEMI系blunoeteのCDは、いつでも中古で買えるだろう。今回は、前から音源そのものを、どうしても聴きたかった「マーティー・ペイチ/moanin’」と「チェット・ベイカー/Chet in Paris vol.1」が、見つかった。この2枚で、もう充分だろう。朝からセントラル(中環:チュンワン)~コーズウエイベイ(銅羅湾:トンロンワン)~ジョルダン(佐敦)と徘徊してきたので、さすがに・・・疲れた。もうどの店にも、LPは置いてないようだし、それに香港は、暑くて蒸し蒸しだ(笑) わりと暑さには強い僕だが、もうふらふらだ。このジョルダンから一駅、あるけば、チムシャアチョイだ。ホテルに戻ろう。そうと決めたら、もうすぐにネイザンロードを南に向って歩き始めた。通りの右側の高台に「九龍公園」がある。とにかく南北に長く続く公園だ。ついでなので、その公園の中の歩道を抜けていくことにした。とにかく長い。クラクラするような暑さの中、歩いていくと、なにやら「歓声」が聞こえてきた。ああ、「夏の響きだなあ・・・」ともう少し進むと・・・公営プールみたいなのがあって、子供でいっぱいだ。ちょうど、そのプールの上を歩道が陸橋みたいになって超えられるようになっていたので、しばらく陸橋の上からプールをぼんやりと眺めたりした。ああ、水につかったら気分いいだろうなあ・・・入場料はいくらかな・・・とボンヤリ考えたりもしたが・・・再び公園の歩道を歩き始める。もうフラフラだ。九龍公園の端っこにベンチが置いてあるような広場があり、そこを抜けて下に降りれば、
すぐホテルだ。ちょうど木陰が気持ちよさそうなベンチが空いていたので、ちょっと腰を下ろして小休止にした。そしたらすぐに、ターバンをした多分インド人風の男が、す~っと近寄ってきて、声をかけてくる。日本語で「お時間ありますか?」とかなんとか・・・。手には、何やらパンフレットを持っている。間違いなく何かの勧誘だ。日本でも同様だが、宗教の勧誘というのは・・・全く、ノーサンキューだ。ここで「愛想笑い」をしてはならない(笑) 僕は「NO!」(thanks はつけなかった:笑)というなり、せっかくのベンチを放棄して歩き始めた。公園のタラップを降りて、ホテルの出入り口のある裏通りに回る。このホテル/ハイアット・リージェンシーは、ネイザンロード沿いにあるのだが、なぜか、ネイザンロード側からは出入りできないのだ(笑) ひとつ西側の路地の方に出入り口がある。出入り口のまん前にセブンイレブンがあるので、ここで飲み物やお菓子を買って部屋へ戻る。昨日もそうしたな(笑) 香港のホテルは、とにかく冷房が強烈だ。長袖のトレーナーをパジャマ代わりにしてちょうどいいのだ(笑)~夜まで、ゆっくり昼寝してから、前の晩も出かけた「ネッドケリーズ・ラストスタンド」へ出かける。出かける、といっても、ホテルからすぐそこ、ほんとに1~2分の場所なのだ。だから一昨日も昨日も来ている。3日連続だ。ハウスバンドが~年配のおじさんサックス、落ち着いたベース(電気)、ちょっとへたなキーボード、若いが上手いドラムス~ライブをやっていて、ジャズだったので、うれしくなる。この店、ちょっとガラの悪そうな白人(どうも海軍の兵隊みたい)とかも多いが、料金が安く3日とも満員だった。この晩は、他にも日本人グループ客が多かったので、いつもはジャズのスタンダード中心だったバンドが「日本人の方に一曲~」と一言・・・始まった曲は「雪が降る」だった(笑) 非常に力が抜ける香港3日目の夜だ。ああ、明日はもう帰るのか・・・ホンコン、楽しかったなあ・・・こんな風に、初めての香港の旅は終わっていくのであった。
それにしても・・・<旅先でのレコ買い>って、ほんと、楽しいものですね(笑) まことにもって・・・ジャズはやめられん!
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コメント
Yoさん、香港コメント、ありがとうございます。
いつもジャズネタばかりじゃ、疲れますよね(笑) この頃、ムチャクチャ暑いですね・・・こういう風にムシムシに暑いと、僕は香港を思いだします。あんなに暑くて快適とはいえないところなのに、また行ってみたい、と思えてしまう不思議なホンコンですね(笑)
投稿: bassclef | 2005年6月28日 (火) 01:15
Bassclefさん10年も前のこと昨日の事の様に良く覚えてられますね。私も九竜公園を南北に歩いて通り抜けた事思い出しました。香港のクーラーのキツサは別格ですね。バスもきつくて外に下りたらめがねが曇って前が見えない・・・何度もありました。香港人ってクーラーから出る空気が体に良いと信じていて病院でもガンガンに効いていて「弱くしてくれ」と日本人が言ったら看護婦が白い目で見た・・・という話を思い出しました。ジャズネタでなくてすみません。
投稿: Yo | 2005年6月27日 (月) 10:43
スパイダーさん、コメントありがとうございます。「杜」によると、昨晩のレコードコンサートは、かなり盛り上がったようですね(笑)
気合の入ったUK盤でも繰り出したのでしょうか?
<旅先でのレコ買い>のポイントは、いかに自分の自由行動時間を確保するか、です。(笑)
ツアーなんかだとこれがなかなか難しい。
無理やりだと、社会から孤立していきます(笑)
それでも<レコ買い>楽しいですね。またいつでもどうぞ。
投稿: bassclef | 2005年6月26日 (日) 12:10
旅先でのレコード漁り、ホントに楽しいですよね。読みながら、はじめての海外旅行でレコードショップで大量にCDを買い込んでいたのを思い出しました。今だったら、ml2lonさん同様、LPを漁ってるでしょうね〜。
ヨーロッパあたりだと、アナログはいまだにメインらしいですし、海外のレコード事情は興味深いです。僕も海外、行きたくなったなぁ〜(行くのは100%、レコードショップでしょうけどね)
投稿: スパイダー | 2005年6月26日 (日) 10:49
ああ、ML2LONさん。こんな個人的なブログへのわざわざのコメントありがとうございます。マーティー・ペイチの「踊り子」、白馬では素晴らしいものをお見せいただき、いや!もちろんお聴かせいただき、ありがとうございました。あの「踊り子」、お読みいただいたように
ホンコンで買ったCD・・・うう、残念・・・でたっぷり聴いた一枚です。あれだけ中身の内容が
素晴らしく、その上、オリジナル盤の、あのジャケですからね(笑) 僕もいつかあのジャケを
この手に!う~ん・・・これだからジャズは、止められませんね(笑) またいつでもどうぞ。
投稿: bassclef | 2005年6月25日 (土) 20:36
bass-clefさん、お久です。とても面白いプログ始められたんですね。最初から一気に読ませていただきました。bess-clefさんのジャズに寄せる思いの深さにただただ脱帽です。
旅先でのレコード漁りってスリルがあって楽しいものですね。香港は返還前の1996年(たしか?)に行きましたが、そのころはまだレコードに目覚める前でHMVで珍しいジャズなどのCDを結構大量に買い漁ってきました。今なら間違いなくbass-clefさんのようにレコード屋さんめぐりしていることでしょう(笑)。
また、楽しみに読ませてもらいますね。
投稿: ml2lon | 2005年6月25日 (土) 17:51