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2005年6月29日 (水)

<やったあレコ 第1回> ドン・エリオット/メロウ・サウンド(Decca)

あるビル・エヴァンス・マニアの告白~「デッカの犬ジャケ」レポート。

~このブログ<夢見るレコード>を始めて、ちょうと一ヶ月だ。<旅レコ>で書いたように、初めていったホンコンでは、あの暑さにうだりながら、レコード探しをしてきました。それ自体は、おもしろかったのですが、いかんせん、何が出てくるかワクワクしながら探すような「中古盤屋」は見つからなかった。ましてや「オリジナル盤」なども皆無。(もちろん、ホンコンほどの都会なら、どこかにそういうお店もあったのだろうが、それらを探し出すのは、3泊4日のツアーでは、とても無理だった) そんなホンコン編ゆえ、やむなくCDの紹介が続いてしまった。不本意である。(笑) 僕は、もうどうしても、ジャズのLP盤が好きなのだ。できればオリジナル盤が欲しいのだ。(あたりまえですね:笑) そんな訳で、vinyl ジャンキーの一歩手前の僕としては、やはり、「LP盤」も紹介していきたい。 ようやく<やったあレコ>の出番だ。

さて・・・前回の<ジャズ雑感 第2回>で書いたように、例えば、ビル・エヴァンスの参加盤で、長い間、国内発売されなかった盤~Guys and Dolls Like Vibes(coral)やら Jazz In the Space Age(decca)も、近年、ビクターから「MCA幻のLP選集」として復刻されたりした。まさに「マテバ・カイロノ・ヒヨリアリ」だ。長年のエヴァンスのファンなら、もう買うしかなかっただろう。推定、全国で2000人くらいは、即、購入したのではないだろうか? ファンとしては、やはり、とにかく、「聴いてみたい」のだ。

そんな中でも、どうしても出なかった盤がある。そんな一枚がこれだ。 
Deccaの≪Don Elliott/The Mellosound≫ 1958年2月録音。

  CIMG0008















<Jazz Hero’s Data Bank>とういう本。前回は、「曲名」の威力をコメントしましたが、「写真」の威力も、 相当に大きい。写真の記憶というのは、理屈じゃない。絵柄とか全体の感じ・・・そんなようなイメージが、何かの拍子に「ぱっ!」と思い出されるものだ。たぶん、意識してなくても、記憶の底に残っているのだろう。                                   めったにあることではないが、廃盤店のエサ箱でも、床置きのバーゲン箱でも、あるいはネットでも、「おっ、これは・・・」と自然に手が止まったりする。(笑) とにかく、ある特定のジャケットを発見すると・・・もちろんそのジャケットを見ただけで、全てのデータが浮かんでくるわけではない(笑)が・・・脳髄のどこかに残っている「レコ買いフィルター」に引っかかるようです。(笑)
それも、この本でいろんな探求盤の、そのジャケット写真を何度も見ているからこそだろう。

この盤は、ネットで見つけたのだが、この犬の顔を見た時、ドキッとした。  ただの気持ち悪い犬の顔なのに(笑)・・・しかし、これが「レコ買いフィルター」に引っかかったのだ。Don Elliott なる名前からピンとくるのは・・・もう Bill Evans くらいのものだ。さっそく、<Jazz Hero’s Data Bank>でチェックする・・・うん、やっぱり evnas 参加アルバムだ、間違いない!

・・・そうして、ようやく、この盤~Deccaのオリジナル盤を手にいれた。初めて聴ける、この一枚!データによれば、録音は1958年2月。58年なら、 悪いはずがない。・・・さあ聴くぞ!気合入りまくりの僕・・・。        

残念ながら・・・エヴァンスのソロは、それほど多くはない。ほんの数箇所、それも短いソロスペースしか与えられてない。
・・・いやしかし、僕は誇り高き、エヴァンスの enthusiastsである(笑) いいのだ。 その何十秒があれば、いいのだ!わずか8小節でも16小節でも、エヴァンスのソロさえあれば・・・あの、揺るぎのないタッチから生み出される硬質なフレーズさえ聴ければ・・・。やや苦しい僕ではある(笑)
そんなわけですが・・・せっかくなので、熱狂的なビル・エヴァンスのファンの方に、少しこの「メロウ・サウンド」の中身をお知らせしたい。DSCN0763
とりあえず、A面の6曲を・・・。

A面1曲目:A Million Dreams Ago
~いきなりハープの音がシロロン~シロロンと・・・女性コーラスも朗々と・・・(笑)  よく見れば表ジャケッとのDon Elliottの 下に小さく ~and Choir(聖歌隊とか合唱団の意味だろうなあ)と書いてあるじゃないか・・・。
しかし、たる~い女性コーラスが、ふわ~っと流れた後、「ドンッ」とブレイク。ここからいきなり、エヴァンスの鋭く切れ込む 1小節のフレーズが! おおっ。これぞまさしくエヴァンスだ!  素晴らしい!このままミディアム・スロウのテンポでエヴァンスのソロが9小節続く。

2曲目:It’s Only A Paper Moon
~16小節のソロ。この間、バックはベースのみ。ただこのベース奏者は、もちろん、フツウに淡々と4ビートを刻むのみ。それでもエヴァンスのソロは、 ノッているようだ。最後の4小節では、エヴァンスお得意のブロックコード風ユニゾンフレーズが出てきて、思わずうれしくなる。

3曲目:Dinah ~ソロなし。

4曲目:Blue Waltz
~ 3拍子の曲で、ほとんど女性コーラスだが、中間部で、再びエヴァンス登場!16小節を、これまた全てブロックコードで。おそらく、Deccaレコードのプロデューサーからは「ムード・ミュージック路線で」という指示があったに違いない。しかし、我らがエヴァンスは、一見、コードだけで「甘~く」弾いているが、その内実は・・・相当に、新しいサウンド(ハーモニー)を鳴らしてます。

5曲目:Poinciana ~ソロなし。

6曲目:Play Fiddle Play
この曲は、わりと有名だ。マイナーの曲調が、ちょっとモードっぽくもあり、そのため、~8小節のイントロがエヴァンスのリードで聴かれる。かっこいい! 中間部・・・ここで、エヴァンスのソロだ。出だしからちょっと強めのタッチで、気合の入った16小節のソロ。う~ん、ノッてきたなあ・・・と思ってると、次のギターソロに移ってしまう・・・。ちょっとがっくりする僕・・・しかし、最後のテーマの間のつなぎ部分で、4小節だけ、エヴァンスのソロが出る。これも、さっきのソロの続きのような感じだぞ・・・多分、さっき、もう少し弾きたかったはずのフレーズをここにぶち込んだに違いない(笑) と熱狂的エヴァンス・ファンの僕は、そう思い込むのであった(笑)

そんなわけで、こんな「変な犬のジャケット」盤を入手できたのも・・・前回に紹介したJazz Hero’s Date Bankのおかげなのです。まだまだお世話になりそうな僕の強い味方のようです。

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