« 2005年6月13日 (月) | トップページ | 2005年6月19日 (日) »

2005年6月16日 (木)

<旅レコ 第5回> マーティー・ペイチ/モーニン(discovery) 香港でレコードを探す(C面)

<1992年7月>トンロンワンにて、レコード店探索開始!

さて・・・トンロンワンにあるはずの「レコード店/united records」を目指ししばらく Lee Garden辺りを歩いたのだが、どうにも見つからない。南側に向って緩やかな上りになっている。すぐ先に「Garden Hotel」が見える。あれ? こんな遠くじゃないぞ・・・。地図によれば、レコード店は、そのホテルよりかなり下の方だ。ホテルのある小高い丘をとりまくように、ゆるく弧を描いたような横道がいっぱいある。だからシンプルすぎる地図に示されたレコード店が、どの路地なのか判りにくいのだ。しかたないので、上側の横道からジグザグに3つ4つ、順番にチェックすることにした。2つめだかの横道の中ほどで・・・・・ようやく「united records」を発見!小さい建物の2Fだ。回りは普通の住宅も多く、店の看板も小さい。こりゃあ判りにくい。 もう11時過ぎだ。昼までにじっくりチェックだ!と思った瞬間・・・・・ガックリだ。店がまだオープンしてないのだ! う~ん・・・小さい看板には、確かに open am11:00~と書いてあるのに。ちょっとだけその場で待ってはみたが、開きそうな様子がない。  しかたない・・・メイン通りまで戻って「そごう」とかで、時間つぶそうかなあ・・・と思いつつも、続く横道をジグザグと降りることにした。そうしたら偶然にも、2つばかり下の横道で、CDショップを発見したのだ! 店の名が怪しい・・・「京都CAPITOL」というのだ。「京都」の部分が、ちゃんと「漢字」で書いてある(笑) CDは本命じゃあないが、仕方ない。ここで時間つぶしだ。ここも開店直後の雰囲気で、お客は誰もいない。ほとんど期待せずにチェックを開始する。香港でのCDの相場は、昨日の「唱片」(レコード店)巡りで、判っている。新譜CDが100香港ドルくらい、バーゲン価格なら50~70香港ドルてな感じだ。よしっ。さあ、かかってこい!
この店、小さいが、ジャズの在庫は、昨晩の「精美唱片」より充実している。トンロンワンの街全体が、かなりの都会だしオシャレな店も多い。ジャズ音楽への需要もそれなりにある、ということだろう。この店の在庫も、capitol系のCDが多いようだ。バーゲン価格のものは少ない。ほとんど見たことあるようなタイトルばかりだったが・・・ひとつ、「あれっ」というのを発見した。それが、これだ。

Marty Paich/Mornin’ (Discovery DSCD-962) warner音源の「踊り子」と「シャワー」の2in1です。(すみません、CDなんです)

DSCN0698 このCD、今では、特に珍しくもないのだが、1992年当時は、まだ「国内盤CD」が出てなかった。 warner音源のジャズは、なぜか国内盤の発売タイトルが少ないようで、僕は「踊り子」にも「シャワー」にも、国内盤LPに出会ったことがなかった。フレッシュサウンドからは、ジャケ復刻したLPが出てたようだが、これも地方都市の中古店には、なかなか出回らない。そんなわけで、この2枚は、何年も前から、「ぜひ聴いてみたいレコード」だったのだ。
ペッパー絡みでも、またベースのスコット・ラファロ絡みでも、とにかく「聴きたかった」のだ。こんなCDがdiscoveryから出ていることも全然、知らなかったので、この突然の発見は、すごくうれしかった。~うん、これこそ真の Discovery だ!(笑) 欲しかったレコードが2枚分、同時にゲットできるのだ。価格は、110香港ドル~2in1で1650円なら悪くない。DSCN0699こうなりゃCDでもいいじゃないか。2~3年後には、Discoveryと契約したどっかのレコード会社から発売された。その国内盤が発売される頃、ジャズ雑誌に発売広告が載った。「踊り子」の広告写真はジャスト、CDサイズだ・・・ようし・・・。
この右の写真~「踊り子」と「シャワー」のCDサイズ写真は、その広告ページから切り抜いたもの。元のジャケ写真の替わりにケースにはめこんだりしてます(笑) 気分は、国内盤オリジナルCDだ!  とっても意地らしくもあり、せこいのですが・・・おそらく、日本で20人くらいは、同じことをやってる、と僕は確信しております(笑)  ~たまたまこのブログ、見てましたら、ぜひ「僕も、わたしも」の声をお挙げください(笑)~

演奏は・・・「踊り子」、さすがの内容です。59年録音ですが、クレジットによると12人編成の小ビッグバンドの拡がり具合が「すっきりしたステレオ録音」で入ってるように思います。ちょっとだけ、全体にエコーがかかりすぎているようにも感じる。もう少しエコーが少なければなあ・・・と個人的には思う。

~この盤については、最近、オリジナル盤を聴く機会があった。端正な音質はさすがで、A面1曲目~It's All Right With Me が「プア~」と聴こえてきた瞬間、心地いいステレオ録音の拡がりとラファロの「鳴り」が、僕をシアワセな気分にさせてくれた~

ラファロのベースは、中央、やや左辺りから「ブンブン」うなり、「グォングォン」と鳴る。とにかくラファロのビート感(演奏がグイグイと彼のビートに引っ張られていくのだ!) は、どうしようもないくらいに、すごい!
2曲目の<I’ve grown accustomed to her face>このバラードがいい。ラファロよりもう少し左側から、ペッパーが~あのペッパーにしか唄えない節回しとサウンドで~ラファロに絡んでくるあたりが最高。DSCN0700素晴らしい!このCDは・・・CDではあるけれど・・・92年購入時からずーっと僕の愛聴盤だ。いつか、オリジナル盤がほしい。でも・・・高いよ、あれは(笑)

さて、そろそろ「united records」も開く頃じゃあ? 話しはまだ続く・・・。

| | | コメント (4) | トラックバック (2)

<旅レコ 第4回> 香港でレコードを探す(B面) 

トラム(2階立て路面電車)に乗って、銅羅湾/トンロンワンへ向う~

香港3日目。さあ、今日はたっぷり時間があるぞ~! 僕ひとりで丸一日、自由行動だ。同僚たちは、もうマカオに出かけてしまった。
さっそく、スターフェリーでセントラルへ渡る。朝の10時前だったが、やけに人が多い。そういえば、九龍側と違って、セントラル地区は、高いビルやら銀行がいっぱいあるビジネスの街だったのだ。ここから東へ2~3キロはありそうな隣の街へ向うのだ。前の日にアン・バートンを買ったレコード店/united recordsでくれた名刺によると、支店(いや、本店か?)が、隣の街、トンロンワンにあるというのだ。「銅羅湾」と書く。いや、本当は「羅」の字には「糸遍」がつくのだ。英語名だと、コーズウエイベイとか呼ばれているようだ。地下鉄か路面電車で行ける。
香港に来て、スターフェリー、地下鉄と体験したので、今度はあの2階建ての赤い電車~トラムというやつに乗ってみたかった。ビジネス街なので、けっこうクルマがビュンビュン通るが、その道の真ん中に何人かが立って電車を待つ「停留所」がある。こんな風な「路面電車」には慣れている。市電の街~豊橋で生まれ育ったこのオレをなめるなよ(笑)
てなもんで道路を横切って停留所へ・・・もう何人か待っている。まもなく次の電車が来るのだろう。 
<ガオォォォーッ、ゴオォォォーッ>てなサウンドを響かせて、あの「赤い電車~トラム」がやって来た。車幅は案外に狭い。それで2階立てなんで、見た目に安定感がない。そのトラムは混みこみだった。10人くらいが乗り込みたいのだが、なかなか入っていけない。なんとか車内に乗り込むが、1Fフロアにはとても立っていられないので、小さい階段で2Fフロアに上がっていく。
2Fフロアもいっぱいだ。その時、隣の男性~スーツをピシッと着たインテリそうな黒人のビジネスマン風~と目が合った。すかさず、彼が笑顔を見せてくれたので、「も~朝から大変」という気分を共有したように感じた僕は・・・思わず「everyday,so crowded?」(毎日、こんなに混むのか~?と言ったつもり・・・)と訊いたら「yes・・・time(以下不明です:笑)」と答えてくれた。
まあ多分・・・「うん・・・午前中の特にこの時間帯は混むんだよ」とか言ったんだろう(笑) まあ、とにかくあの「トラム」に乗れたわけだ。
各駅(道の真ん中でどこが駅だか判らない)で、少しづつ乗り込む人がいて、徐々にだが、前の方に押しやられていく。しかし、まだまだ混みこみだ。何人かの降りる人を見ていると・・・どうやら降りるときは、前かららしい。 そういえば乗るときは、後ろからだった。
ワンチャイというところを過ぎて、観光案内の小さな地図を見ると・・・もうそろそろ「トンロンワン」のはずだ。そろそろだが・・・とにかく「停留所」に看板がない。アナウンスもない(ように記憶している) 考えてみれば地元の人たちは「歩くより少しは速い」から乗ってるだけで、「通りの風景」を見れば、どこら辺かもすぐ判るわけだし・・・要は、電車が止まったところが「停留所」なんだろう。そうこうしてる内に、大きな繁華街風の街に入ってきた。通りの右側には、いろんな店がいっぱいで、やけに活気がある。ここが「トンロンワン」に違いない。おっ、いよいよ電車も止まりそうだ・・・。外を指差して「トンロンワン? トンロンワン?」と前に座ってるオジサンに訊くと、「うんうん」とうなずいている。あっ!そうだ。前へいかなきゃ! 降りなきゃならぬ、このオレは! でも人がいっぱいだ。前へ前へ! さっきの黒人ビジネスマンも「front,front」とか言ってるぞ。 もう sorry,sorry の連発で、人の群れを押し分け掻き分け、なんとかフロントの降り口までたどり着いた。代金は降りる時、払うのだが、ちょっきりの小銭を用意しておいたので、素早く降りられた。(僕の記録メモを見たら・・・トラム~1.0香港ドルだった。ちなみに、スターフェリーは、1.2香港ドル。)
こんなわけで、この2階建て電車~トラムでの15分は・・・環境的には快適とは言えなかったが、降りたあとに「これも旅の楽しさだなあ」と思わず微笑んでしまうくらい、印象に残る場面になったようだ。トラムは楽しい!

降りてすぐ・・・目の前に「八百屋さん」があったな(笑) トラムの走っているメイン道路はわりと広いが、路地に入ると、もうごちゃごちゃだ。
とにかく、果物やら野菜やら魚やら、食品のお店がいっぱいだ。
さあ、ここが、トンロンワン/コーズウエイベイだ。 カードにある地図を見て「ユナイティッド・レコード店」を探すのだ!この辺りは、メイン道路の右手~緩やかに上っていくような Lee Garden地区だな。地図によると・・・Lee Garden Hotelというホテルの、やや下の方の通りらしい。さあ、全く知らない路地に踏み込んでいくのだ。僕は一人に慣れている・・・Let’s Go!
この時の時刻~推定 am10:30頃。 
~まだまだ元気な僕でした(笑)
(すみません・・・レコード紹介は次回、香港編(C面)に持ち越しです(笑)) 

| | | コメント (1) | トラックバック (0)

« 2005年6月13日 (月) | トップページ | 2005年6月19日 (日) »